著者
古岡 秀文 長谷川 光 古林 与志安 松井 高峯
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.557-560, 1999-05-25
参考文献数
13
被引用文献数
1

北海道の十勝地方に繁養されていた14歳の雄のアラブ種を, 下位運動ニューロンの系統変性疾患である馬運動ニューロン病(EMND)と病理学的に診断した. 検索馬の脊髄腹角には, EMNDに特徴的な神経細胞の好酸性細胞質内封入体を伴う変性腫脹や軸索腫大が観察された. 末梢神経の検索では, ときに大食細胞の浸潤を伴う髄鞘崩壊からなるWallerian型の軸索変性が頻繁に観察された. また, 電子顕微鏡学的に神経細糸の蓄積からなる薄い髄鞘に被われた軸索腫大もしばしばみられた. 神経線維のときほぐし標本では, 髄球を伴う髄鞘崩壊, 分節性の脱髄や軸索腫大が観察された.
著者
佐藤憲一郎 松井 祥悟
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.93, 2004-11-15

UNIX等のマルチプロセスOSに実装されているプロセス生成用システムコールのforkを用いて,並列ガーベジコレクション(GC)を実現した.forkによって生成されたGCプロセスがコピーされたヒープ空間上で印付けを行うために,ライトバリアが不要となる.ごみ情報を通知するためにプロセス間通信が必要となるが,一般的な停止-回収型マークスイープGCは容易にこの方法へ変更することができる.パイプおよび共有メモリを用いた本GCをLispインタプリタに実装し,停止-回収型マークスイープGCと比較評価を行った.We implemented the parallel garbage collection using fork system call for process generation supported in the multi-processes OS, such as UNIX. The GC does not need a write barrier because the gc process generated by fork system call performs marking the duplicated heap. Although Inter-Process Communication is needed in order to notify garbage cells, the general stop and collect mark-sweep GC can be easily changed to this method. We implemented the GC using the pipe and shared memory and compared with the original mark-sweep GC.
著者
菅本 和寛 松下 洋一 松井 佳菜 柴田 嵩大 朴 鍾[Cheol] 松井 隆尚
出版者
宮崎大学工学部
雑誌
宮崎大学工学部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
no.39, pp.43-47, 2010

The roots, stems, and leaves of Ashitaba (Angelica keiskei Koidzumi) growing in Miyazaki were extracted and fractionated with solvent. These extracts and fractions were analyzed by high performance liquid chromatography (HPLC), and were evaluated for antibacterial activities.
著者
都築 基弘 平野 正美 井野 晶夫 長谷川 明生 宮崎 仁 小島 博嗣 丸山 文夫 岡本 昌隆 松井 俊和 江崎 幸治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.296-302, 2000

1984年8月から1998年1月までに受診した高齢者(60歳以上)AML全83例の特質を明らかにするために同時期に受診した若・壮年者(15&sim;59歳)114例と臨床像および検査所見の比較検討を行った。高齢者AMLは,白血病細胞側の特徴としてはMDS先行AMLが多く,<i>de novo</i> AMLのFAB分類ではM3が少なく,M0, M1の多い傾向がみられた。染色体検査では予後不良とされる5番,7番染色体の異常が多くみられ,予後良好な15;17転座,8;21転座,16逆位は少なかった。また白血病芽球のミエロペルオキシダーゼ陽性率50%未満の症例が多くみられた。宿主側の特徴としては,検査所見では末梢血芽球比率,総蛋白低値,フィブリノーゲン,クレアチニン高値を示した。performance status 3および4の症例が約40%を占めており,診断時肝障害,心疾患,明らかな感染巣を有する症例が多くみられた。高齢者AMLは若・壮年者に比し多くの予後不良因子をもつ集団であることが示された。
著者
後川 昭雄 高橋 慶治 河端 征彦 村田 清 松井 捷明 岡崎 健 荒井 英俊 USHIROKAWA Akio TAKAHASHI Keiji KOHBATA Masahiko MURATA Kiyoshi MATSUI Katsuaki OKAZAKI Tsuyoshi ARAI Hidetoshi
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: ハレー彗星探査計画報告 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.47-56, 1987-03

A power subsystem installed in the first Japanese Halley's comet explorer, "SUISEI" was developed by extraordinary efforts for the reduction of its weight and size, because the payload capability of a launch vehicle was restricted. Consequently, for instance, output power to weight ratio of the solar cell panel for "SUISEI" was improved by about 30% as compared with that of a conventional body-mount type solar cell panel for scientific satellite use. Besides, flight performances of the subsystem almost satisfied required ones for about 200 days from the launch of "SUISEI" to the nearest approach to the comet. We could establish design techniques of a power subsystem for interplanetary spacecraft use by means of this success.
著者
松井 康弘 足立 裕紀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

循環型社会の構築に向け、Recycleに関する法制度・システムの整備が進む中、本来優先すべきReduce/Reuseの2Rの取り組みが立ち遅れているのが現状である。また、先行研究において、20-40代の若年層・学生等の分別参加率が相対的に低いことが明らかとなっており、2R・若年層の普及啓発が課題となっている。本研究では、主に若年層が参加する岡山市の飲み歩きイベント「ハレノミーノnishigawa」、「有機生活マーケットいち」と連携して3R体験イベント「食べきりーの飲みきりーので、はじまるオニ退治」を開催し、参加者に対する3Rの普及啓発を図ることとした。また、参加者に対してアンケート調査を実施し、3Rに対する認知・参加・今後の意向等の実態を調査したので結果を報告する。
著者
柳沢 千恵 花木 秀明 大石 智洋 上原 一晃 山口 幸恵 松井 秀仁 砂川 慶介
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.11-16, 2005-02-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
19

26株のvancomycin (VCM) とβ-ラクタム薬が拮抗を示すMRSA (β-lactam antibioticinduced VCM-resistant MRSA: BIVR) を用いて, pazufloxacin (PZFX) と抗MRSA活性を示すVCM, teicoplanin (TEIC), arbekacin (ABK), minocycline (MINO), rifampicin (RFP), sulfamethoxazole/trimethoprim (ST) とのin vitro併用効果をcheckerboard法にて検討した。PZFXとVCMの併用では, 26株中13株 (50%), TEICでは25株 (96%), ABKでは17株 (65%), MINOでは12株 (46%), STでは14株 (54%) で相加および相乗作用が確認された。うち, 相乗作用はTEICで26株中1株 (4%), ABKとMINOで各4株 (15%) が認められた。拮抗作用はMINOでのみ3株 (12%) 認められ, その他はすべて不関であった。
著者
涌井 架奈子 松井 成明 安田 政実 伊藤 仁 平林 健一 梶原 博 村上 優 佐藤 慎吉 長村 義之
出版者
特定非営利活動法人日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 = THE JOURNAL OF THE JAPANESE SOCIETY OF CLINICAL CYTOLOGY (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.269-274, 2008-07-22
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

<b>目的</b>: 子宮体部明細胞腺癌 (以下, 体部明細胞腺癌)における腫瘍細胞の出現パターンについて検討を行った.<br><b>方法</b>: 当院で組織診, 細胞診のいずれからも体部明細胞腺癌と診断された 6 例 (純粋型 3 例, 混合型 3 例) を対象とした. 細胞材料は全例エンドサイトで採取されたものを用い, 1) 細胞集団の出現パターン, 2) 散在性裸核細胞に着目した検討を行った.<br><b>成績</b>: 腫瘍細胞は大型乳頭状集団, 11.4%; 小型乳頭状集団, 41.8%; シート状集団, 38.0%; 重積性集団, 8.9%の出現率を示していた. ミラーボール集団はみられず, 基底膜様物質の出現はわずかであった. 一方, 類内膜腺癌においては小型乳頭状集団, 重積性集団が比較的高い頻度で認められた. 散在性裸核細胞は明細胞腺癌 6 例すべてに認められ, 平均 10 個, 核面積は平均 138.1&mu;m<sup>2</sup>を示していた. また, これらを類内膜腺癌に出現する散在性裸核細胞と比較した場合, 出現数, 核形態に相違を認めた.<br><b>結論</b>: 子宮体部明細胞腺癌は主だった 5 つの出現パターンを示す腫瘍細胞が混在し, 特に小型乳頭状集団, シート状集団, 散在性裸核細胞に留意することが重要と考えられた. また, 散在性裸核細胞は類内膜腺癌と比較して, 出現数, 核形態に相違があり, 両者の鑑別に有用な情報を与えるものと考えられた.
著者
アグレバンテ ジョセフイン 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.911-915, 1990
被引用文献数
8

本研究は,エタノール及びエチレン処理されたバナナの追熟中のホスホリラーゼとインベルターゼ術変化について検討したものである.バナナ果肉中術デンプン含量は,緑色段階の約20%から完熟段階の1%以下に減少し,一方全糖は20%へ増大した.追熟の同じ段階でエタノールとエチレン処理果実術デンプン・ショ糖含量と酵素活性はコントロール術それと共通点があった.ホスホリラーゼ活性は,デンプン術初期分解段階(カラーインデックス2)で増大し,デンプンの減少と同時に追熟術後期で減少した.他方,インベルターゼ活性は緑色段階で非常に低かったが,ショ糖の急激な増大に伴ってカラーインデックス3(黄色より緑色)で著しく増大した.
著者
安田 耕平 松井 彩乃
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1045-1052, 2017-10-10

要旨 【目的】診断群分類(Diagnosis Procedure Combination;DPC)医療機関Ⅱ群病院での病棟専従理学療法士配置による,公立昭和病院版病棟専従日常生活動作(activities of daily living;ADL)維持向上プログラム導入前後の変化を明らかにすること.【対象と方法】2015年12月からADL維持向上等体制加算に準じて,消化器外科,泌尿器科,乳腺・内分泌外科,歯科口腔外科を主診療科とする混合病棟に病棟専従理学療法士1名の配置を開始した.専従群408例と対照群345例で後方視的に比較検討を行った.【結果】専従群で,在院日数短縮を認め,そのほかにもBarthel Index利得,疾患別リハビリテーションの実施率向上と開始までの日数短縮,在宅復帰率向上,転倒転落件数削減に有意差を認めた.【結論】DPC医療機関Ⅱ群病院において病棟専従理学療法士を配置することで,早期リハビリテーションを促し,廃用予防と退院支援の充実化を図り,在院日数短縮と在宅復帰率向上に効果を示した.
著者
松井 奈都子 西島 千尋
出版者
日本福祉大学子ども発達学部
雑誌
日本福祉大学子ども発達学論集 (ISSN:18840140)
巻号頁・発行日
no.10, pp.141-152, 2018-01

本報告は, 日本福祉大学子ども発達学部の科目「音楽専門研究Ⅱ」における「弾き歌い」の指導に関するものである. 伴奏をしながら歌う「弾き歌い」は, 特にピアノや吹奏楽などの音楽経験のない学生にとって容易ではないため, さまざまな試みがなされている. 筆者らは「音楽専門研究Ⅱ」(および関連科目「音楽専門研究Ⅰ」) において, ①指番号を明記した楽譜が効率的なピアノ伴奏の習得につながる, ②楽譜の要素別(拍子, リズム, 演奏記号) の理解が楽譜の効率的な理解につながるとする二つの基本方針にもとづいた実践を行ってきた. 本報告はその取り組みの一つである, 2017 年度前期の「音楽専門研究Ⅱ」(松井クラス) における実践をまとめたものである. 実践の結果, 個々の学生により差は見られたものの, 指番号の意識化により反復練習の重要性に気づいたり, 拍子やリズムの意識化により弾き歌いがスムーズになることに気づいたりするなど, ①および②の方針にもとづいた取り組みに学習効果があった.
著者
磯部 由香 阪 恵理子 松井 宏樹 成田 美代
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.633-637, 2011

The chemical composition and bacterial community structure of konoshiro-narezushi were analyzed, the latter by the 16S ribosomal RNA gene clone library method. The respective moisture and the lactic acid concentrations were 62.4% and 1.8%. One hundred randomly selected clones from the clone library were sequenced and analyzed. There were six operational taxonomic units, and the Shannon-Wiener index was1.037. The sequence similarity of all the clones obtained was equal to or higher than 99.6% of the sequence of cultivated bacteria in the public database. Lactobacillus sakei constituted 61% of the clones, suggesting that this bacterium plays an important role in the fermentation of konoshiro-narezushi.
著者
松井 豊 松井 育子 日下部 典生 松村 暢子 高橋 栄男 森本 茂人 荻原 俊男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.748-754, 1997-09-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
13
被引用文献数
3 1

非ステロイド性抗炎症薬 (Nonsteroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs) が原因と考えられる大腸潰瘍による突然の下血を呈した5症例を経験した. 5例はいずれも老年者であり, 腰背痛, 関節痛に対してNSAIDsが投与されていた. また4例は糖尿病を合併していた. いずれも, NSAIDs投与6日以降より食欲不振を呈し, その後, 下痢症状を呈するが, 重度のものではなく, 自他覚症状とも強くなかった. 血便, 下血は下痢症状出現時から1~17日後に生じた. 緊急大腸内視鏡検査の所見は, 脾彎曲部を中心に, 5例中1例は粘膜びらん, 4例は潰瘍を呈し, 出血を伴っていた. また, 緊急胃十二指腸内視鏡検査は, いずれも出血を伴う急性胃粘膜病変を呈していた. いずれも原因薬剤の中止, 絶食, 中心静脈栄養, 輸血などの処置にて比較的速やかに治癒した.
著者
綾野 秀樹 北田 成祐 井口 雄紀 松井 義弘 伊東 淳一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.140, no.6, pp.442-449, 2020-06-01 (Released:2020-06-01)
参考文献数
25
被引用文献数
4

This paper proposes a novel modulation technique that reduces both motor acoustic noise and switching loss. The conventional discontinuous PWM method can reduce the switching loss to a greater extent compared to the conventional three-phase modulation method; however, the acoustic noise of the motor increases. The proposed technique adjusts the zero-sequence voltage given to the voltage references in such a way that the discontinuous part of the conventional discontinuous PWM method is changed smoothly. The switching loss with the proposed technique can be reduced to 58% of that with the conventional three-phase modulation method. The experimental results show that the acoustic noise can be reduced to a greater extent with the proposed technique compared to that with the conventional discontinuous PWM method.
著者
田村 幸雄 須田 健一 吉田 昭仁 松井 正宏
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.40, 2007

2005年12月25日,JR羽越本線特急いなほ14号が寒冷前線の通過中の山形県酒田市付近において,突風に煽られて脱線し,死者5名,負傷者32名の痛ましい惨事が発生した。運転手や乗客の証言や当時の気象状況等から判断して,脱線に突風が大きく絡んでいたであろうことは明白である。しかし,事故から1年以上経過した現在(2007年2月)においても,突風が竜巻によるものかダウンバーストによるものか,あるいは他の原因によるものかを,気象庁は一切明らかにしていない。また,最近の一連の突風災害に対して社会が大きな関心を持つようになった最大の要因である当該脱線事故をもたらしたこの突風について,気象庁のHPに公開されている「災害をもたらした竜巻一覧(1971~2006)」にも「災害をもたらした気象事例(平成元~17年)」にも収録されておらず,まるで何事もなかったかの如き様子である。本報告は,脱線現場の直ぐ西側にあり,突風によって破壊した農機具小屋に作用する風力実験結果,および基礎,壁面,屋根面などの飛散状況の詳細な調査に基づいて,破壊と飛散のシナリオを検討し,当時の風況を推定したものである。
著者
脇 実花 秋田 馨 宮本 直 笹木 栄子 原口 友里恵 松井 弘稔 金子 ひろみ
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.305-308, 2015-08-31 (Released:2015-10-06)
参考文献数
8

当院では,2012年7月よりFisher & Paykel Healthcare社より発売されたOptiflow®(ネーザルハイフロー:以下NHFとする)を導入した.NHFには様々な使用効果があるが,新しい酸素供給デバイスのためエビデンスが少ない現状がある.2013年度途中までに当院でNHFを使用した患者25名の疾患内訳,NHF使用前の酸素デバイス,NHFの使用時期,NHF使用後の転帰,NHFの使用期間,NHF使用中に経口摂取や会話が可能だったかを分析した.その結果,NHFを使用することにより,人工呼吸器装着以外の治療の選択肢が広がり,高流量酸素投与下でも会話や食事ができる機会が増えたことを認めた.