著者
松浦 年男 松井 理直
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題では日本語の諸方言における有声阻害重子音の音響音声学的実現ならびに形態音韻論的分布について明らかにしてきた。特に天草市の諸方言における実態を詳しく調査し,同じ形態論的環境でも地域によって有声阻害重子音で実現するか否かが異なることを明らかにした。また,山形市周辺部についても調査を行い,声帯振動の実現が九州(天草)と異なることを明らかにした。さらに,九州地方の複数の地点において語根複合(助数詞,二字漢語)で有声阻害重子音が見られるかを調査し,一部の地域において生産性が高いことを指摘した。
著者
古川 幸穂 寺本 晃冶 後藤 正司 元石 充 岩切 章太郎 藤本 利夫 岡崎 強 松倉 規 塙 健 山下 直己 松井 輝夫 桑原 正喜 松原 義人
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.524-528, 2003-05-15
参考文献数
7
被引用文献数
5 1

pleomorphic carcinomaの1例を経験した.症例は64歳.女性. 2000年9月頃から咳嗽が出現し,胸部レントゲン写真で,左下葉の著明な含気低下と左下葉に腫瘍陰影が認められ,2001年1月当科紹介人院となった.胸部CT写真では,左S^6に結節陰影が認められ,左主気管支がほぼ閉塞していた.気管支鏡検査では,左主気管支を閉塞する白色ポリープ状の腫瘤を認めた.鉗子生検を施行したが,正常気管支粘膜のみで確定診断は得られなかった.画像所見と内視鏡所見から肺癌を疑い,左肺全摘除術を施行した.切除標本の肉眼的所見は,腫瘍は左下葉から発生し,左下葉支から左主気管支,左上葉支までポリープ状に進展していたが,気管支粘膜には浸潤していなかった.病理組織学的所見では,腫瘍の大部分は腺癌であり,腫瘍の4分の1にspindle cell, giant cellを認め,pleomorphtc carcinomaと診断した.

1 0 0 0 OA 血流と肝画像

著者
板井 悠二 松井 修
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.301-310, 1998 (Released:2008-02-26)
参考文献数
39
被引用文献数
1

肝臓は肝動脈と門脈の二重支配を受ける極めてユニークな臓器である. 肝画像は造影剤を用いることにより血流の影響を大きく受けざるを得ず, 肝画像の進歩は血流解明の歴史ともいえる. 合理的な造影検査の開発, 肝腫瘍の診断, 治療に血流の知識は不可欠なばかりか, 血流も意識した肝画像は肝血管の生理と病理(解剖, 破格, 吻合, 閉塞時病態生理など), 肝細胞癌の多段階発生に幾多の新しい知見をもたらした. 更に瀰漫性疾患にあっても脂肪肝のsparing, focal fat depositに血流が本質的な役割を果たしていることが示されている.
著者
中根 英昭 笹野 泰弘 林田 佐智子 杉本 伸夫 松井 一郎 湊 淳 Mccormick M. P.
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
気象集誌 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.153-159, 1993-02-25

国立環境研究所オゾンレーザーレーダー(つくば市、北緯36度、東経140度)を用いて測定されたオゾン濃度高度分布を、衛星搭載センサーSAGEIIのそれと比較した。比較にあたっては測定時間、測定場所の差についていくつかの基準をおいてSAGEIIのデータを選択した。すなわち、SAGEIIの測定対象域の緯度・経度について(1)それぞれつくばから5度及び15度以内に入るデータ、(2)北緯31度から41度までの緯度帯に入るデータの経度方向平均、また測定時間についてレーザーレーダー観測時刻の前後1日、3日、及び5日間に入るデータを用いることとした。比較の結果、個々の分布(1)および経度方向の平均分布(2)とも良い一致が見いだされた。レーザーレーダーとSAGEII測定値の相対差の平均は15-50kmの範囲について約10%程度である。
著者
松井 雄志
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6032号)
著者
松井 淳子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1092-1093, 1994-12-25

第5回東京女子医科大学在宅癌治療研究会 平成6年7月30日 東京女子医科大学中央校舎中央校舎5階500番教室

1 0 0 0 OA 亜細亜聯盟論

著者
松井石根 著
出版者
大亜細亜協会
巻号頁・発行日
1937
著者
和中 幹雄 渡邊 隆弘 田窪 直規 松井 純子 研谷 紀夫 横谷 弘美
出版者
大阪学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

情報のデジタル化・ネットワーク化が進展するにつれ、図書館目録は、他のコミュニティのメタデータとのつながりが求められるようになった。本研究では、新たな環境における図書館および文化機関(文書館、博物館など)の書誌コントロールの在り方の現状を分析するとともに、歴史的変遷を辿った。Linked Open Dataを用いたウェブ上での書誌コントロールにおいては、FRBRにおける各種実体(著作、体現形、個人、団体等)の識別子が重要となる。このような観点から、今後のわが国における書誌コントロールの課題(文書館・博物館における標準化意識、出版界との連携、複数のMARCの調整、典拠コントロールなど)を抽出した。
著者
今井 亮三 島 周平 藪内 威志 加藤 英樹 松井 博和
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.147-152, 2011-04-20
参考文献数
33

トレハロースはグルコースがα,α-1,1結合した二糖であり,微生物や昆虫では,エネルギー源や乾燥等からの生体膜やタンパク質の保護物質として働くことが知られている。一方,植物においてはトレハロースの検出が困難であったことから,長い間トレハロースの生合成は否定されてきた。90年代後半に植物から初めてトレハロース生合成遺伝子が単離され,高等植物中にもトレハロースが存在することが明らかになった。しかし,植物中の蓄積量は極微量であり,貯蔵糖やストレス保護物質であることは考えにくい。最近の研究で,トレハロースの生合成が植物の発生やストレス応答において重要な調節機能をもつことがわかってきた。特にトレハロース6-リン酸が植物の糖代謝において重要なシグナル物質であることが明らかになりつつある。本稿では,植物においてトレハロース生合成が示すユニークな機能を紹介する。
著者
今井 亮三 島 周平 藪内 威志 加藤 英樹 松井 博和
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.147-152, 2011
参考文献数
33
被引用文献数
1

トレハロースはグルコースがα,α-1,1結合した二糖であり, 微生物や昆虫では, エネルギー源や乾燥等からの生体膜やタンパク質の保護物質として働くことが知られている。一方, 植物においてはトレハロースの検出が困難であったことから, 長い間トレハロースの生合成は否定されてきた。90年代後半に植物から初めてトレハロース生合成遺伝子が単離され, 高等植物中にもトレハロースが存在することが明らかになった。しかし, 植物中の蓄積量は極微量であり, 貯蔵糖やストレス保護物質であることは考えにくい。最近の研究で, トレハロースの生合成が植物の発生やストレス応答において重要な調節機能をもつことがわかってきた。特にトレハロース6-リン酸が植物の糖代謝において重要なシグナル物質であることが明らかになりつつある。本稿では, 植物においてトレハロース生合成が示すユニークな機能を紹介する。
著者
松井 利仁 平松 幸三 長田 泰公 山本 剛夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.20-24, 2001-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

沖縄県には在日米軍専用施設面積の約75%に及ぶ基地が存在し, 沖縄本島の約20%を米軍基地が占めている。嘉手納・普天間飛行場は人口の稠密な地域に位置しており, 約48万人(県人口の38%)が環境基準を超える航空機騒音に曝露されていると推定されている。このような状況に鑑み沖縄県は航空機騒音曝露による住民影響に関する疫学調査を行った。本報告では, 航空機騒音の健康影響調査の基礎的資料として, 過去の騒音曝露量の推定を行っている。ベトナム戦争以降の現存する騒音測定資料を分析し, それに基づいて各種騒音評価量を推定している。また, 防衛施設庁が定めている騒音区分の妥当性についても検討を加えている。
著者
松井 幸夫 植村 勝慶 江島 晶子 倉持 孝司 榊原 秀訓 小松 浩 元山 健
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本科研研究は、1997年総選挙によって登場したニュー・レイバー(新生労働党)のブレア政権が推進した「憲法改革」を、近代憲法の21世紀的な展開を展望しつつ、その基礎にある「第三の道」のフィロソフィーを視野に入れて総合的に研究しようとするものであったが、3年間の研究によって極めて大きな、画期的な成果を生むことができた。本研究は、所属研究機関が異なる14名の研究者による共同研究であったが、それぞれの研究分担課題を明確にし、それらを研究代表者及び世話人の密接な協力と連携によってひとつの総合的な研究として遂行することができた。3年間を通して、春と秋の全国学会時には必ず研究会と情報交換の場を持ち、8月には3日の合宿研究会を開催して研究の進捗の確認、相互交流、情報交換を行い、また、毎年3名をイギリスに派遣し、憲法改革の実施状況の調査と情報収集、現地の研究者・政党はじめ主要機関との交流を進め、この点でも成果は大きかった。それぞれの研究成果は、本科研研究会のメンバー全員が参加した『新版現代憲法-日本とイギリス』の編集発行や、メンバーによる二冊の単著はじめ、12冊の著書の刊行、25本に上る学術雑誌への論文掲載、さらに、11件の学会発表を生んだ。それぞれの研究課題についての成果の集約は、研究成果報告書にまとめられている。本研究の何よりも大きな成果は、同時代的に進行しているイギリス憲法改革を、近代立憲主義の21世紀的展開という視野の中で比較憲法的視野で捉え、多数の研究者が一体となってこれを総合的に研究できたことにある。また、憲法改革の各分野についても、その内容、評価、展望等について、それぞれ大きな成果を生むことができた。それらは、さらに出版助成を得て公刊し、されにその成果を世に問う予定である。
著者
松井 孝典 土屋 翔平 町村 尚
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

現在、シカの個体数増加に伴う植生被害が深刻であり、この管理においてシカの捕食者であるオオカミを再導入して食物連鎖を均衡させようという議論がある。米国イエローストーン国立公園などの少数の例を除いて実装例がなく、動物相の持つ種々の不確実性から困難が伴う。そこで本研究では、マルチエージェントシミュレーションによるオオカミーシカの個体群動態モデリングを行い、再導入の意味を議論する。
著者
松井 魁 和井内 貞一郎
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-44, 1937 (Released:2009-06-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

1. スデヱビは湖岸至る所に廣く分布し.底質及び水生植物の繁茂の有無と分布との關係は顯著でない。2. 夏期に於ける深度と分布との關係に就いては,水深25m迄は比較的多數棲息し,特に15m以淺は最多數を示し,30m以深は激減す。本湖の水温躍暦は10~15mである點から,蝦は水温.10℃以上に好んで棲息するものの如くである。蝦の漁場は30m以淺である。3. 雄蝦は雌蝦より軆小形で,雌蝦の生物學的最小鱧長は3.78cmを示し,體長4.5cm以上のものは殆ど全部雌蝦である。4. 深度の相違に依つて性比を異にし,5m以淺に於ける雌蝦100尾に對する雄蝦の百分率は6%に過ぎないが,水深24~52mに於ては71.06%を占め,又,雌蝦の抱卵率は淺部94.3%,深部16.7%を示す。5. 深慶の相違に依る體長の相違を認めたが,この原因ば性比に基くものである。6. 抱卵數は體長と正比例して増加す。卵の大きさは1.3~1.6mmを示し卵徑は卵の發育に伴つて増加し抱卵數の多寡に關係しない。7. 夏期蝦筌で漁獲される蝦の大きさは體長1.8~6.3cmで體長4.0~4.2cmが最多である。本蝦は1年で成熟するものの様で,産卵後も生き殘るらしい。
著者
寺地 智弘 西浦 誠 舟場 正幸 松井 徹
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-17, 2013-04-10 (Released:2013-05-17)
参考文献数
7

ICP-MSの半定量測定モードを用いて、20種類の市販キャットフード(ドライフード:10、ウェットフード:10)の有害金属類の同時分析を試みた。健康被害リスクがあるとされる元素の内、Li·B·Al·Ti·V·Cr·Mn·Fe·Co·Ni·Cu·Zn·Ge·As·Se·Rb·Sr·Mo·Ag·Cd·Sn·Sb·Ba·W·Hg·Pb·Biの27元素を対象に、添加回収率、変動係数 (CV)、また、定量測定値との回帰を検討したところ、Li·Al·V·Mn·Co·Cu·As·Se·Rb·Sr·Mo·Cd·Sn·Hg·Pbの15元素で、ドライフード、ウェットフードともに、添加回収率が70%~120%、CVが10%以下であり、定量分析値に対する強い回帰 (r2>0.9) が認められた。また、B·Ti·Fe·Zn·Sb·Baの6元素は、添加回収率が70%以下あるいは120%以上であったものの、定量分析値に対する強い回帰が認められた。Cr·Ni·Geの3元素は、定量性は低い、あるいはキャットフードからはほとんど検出されなかったものの、National Research Council (NRC) の定める、げっ歯類における最大耐容量を添加したところ、添加回収率は82~120%であり、検出可能であった。ICP-MSを用いた半定量分析は、多様な有害金属類によるペットフード汚染を防止する上で有効なスクリーニング手法となりうる可能性が示された。
著者
福島 崇志 井上 英二 光岡 宗司 松井 正実 岡安 崇史
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.52-58, 2006-09-01 (Released:2010-11-19)
参考文献数
12

コンバイン刈刃駆動部において, 振動低減機構として用いられるバランスウェイトの制御パラメータを導出することは, 未だ確立されていない設計理論に繋がると共に, 機械のコスト減へも寄与する重要な課題である。しかし, 刈取部ではバランスウェイト取り付け位置の違いにより非線形振動が発生し, 設計理論構築への弊害となっている。そこで, 本研究では理論へのフィードバックを前提とした, コンバイン刈取部の振動特性を解明することを目的とする。本報では, 機械振動が細分化される要素の集合体であると考え, 実測時系列波形の周波数分解を行い, 各周波数成分について振動特性の考察を行った。
著者
井上 英二 丸谷 一郎 光岡 宗司 平井 康丸 松井 正実 森 健 高瀬 敬史 福島 崇志
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.61-67, 2004-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

コンバイン刈取部の主な振動源である刈刃駆動系にはクランク機構を採用しているものが主流である。刈取部の振動低減には構造が簡易で安価なバランスウェイトが用いられる場合が多いが, その最適な設計パラメータの算定法の確立までには至っていないのが現状である。本研究では刈取部動力伝達機構を力学モデルとして新たに提案し, 実機試験を通じてモデルとの相違を検証することにより刈取部振動低減に関する設計指針を提案することを目的としている。検証実験の結果, 提案したモデルとは異なる衝突振動 (非線形振動) が生じている事が示唆されたことから, 往復動刃による不平衡力のカオス時系列解析を行った。