著者
松井 信 小紫 公也 Georg Herdrich Monika Auweter-Kurtz
出版者
日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.53, no.619, pp.379-384, 2005-08-05
被引用文献数
3 1

Absorption spectroscopy has been applied to the measurement of the arc-heater plumes. Number density distributions of atomic metastable oxygen were obtained from the measured absorption line profile at 777.19 nm in argon-oxygen plumes generated by arcjet type arc-heaters. As a result, it was found that the oxygen is localized off axis at the nozzle exit, and diffuses from outside toward the centerline in the plume. Moreover, numerical simulation was conducted to investigate the diffusion process of the oxygen in the arc-heater. The result indicates that the maximum degree of oxygen dissociation would be at the level of 0.01%.
著者
松井 尚子
出版者
北海道大学大学院教育学研究科
雑誌
北海道大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13457543)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.237-250, 2006-06-30

乳幼児の「自己」形成の問題は,他者との関係性をはじめとする,自己および他者表象など,発達上の根幹的な事柄を含む問題である。又この問題は,発達・療育相談の場においては極めて日常的な課題として立ち現れてくる。本論文では,ダニエル・スターン(Stern, D.)とアンリ・ワロン(Wallon, H.)の自己感,あるいは自我意識に関する論考を読み取りの手がかりとしながら,この問題への接近を試み,6ヶ月から3歳後半までの乳幼児の日常的なエピソードを「自己」意識の観点から検討し,日常場面の捉え直しを仮説的に提起した。最後に,スターンとワロンの論考を,乳児像の捉え方,関係性の捉え方,表象の問題の,3つの観点から比較検討した。
著者
大野木 啓人 川村 悦子 八幡 はるみ 松井 利夫 上村 博 松原 哲哉
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は研究会合での研究発表と討論、それに実験的な制作活動の双方により進行した。研究会合では研究組織のメンバーや外部講師を招き、月と生活との関わりをさまざまな角度から考察し、それを特定の場における芸術的な環境づくりという実践に反映させた。太陰暦は、さまざまな身体感覚や自然の変化に照応している。そこに顕著な、自然の兆しによって四季の移ろいを把握するという時間の分節法には、環境に対する鋭敏な知覚が働いており、それがさまざまな生活上の意匠にも現れている。各種の年中行事において日々の生活空間を形作るしつらいや衣食住のありかたは、今日の表象芸術においても参考にすべきものを多くもっている。しかしそれは決して現代デザインに転用できる個別のモチーフとしてではない。むしろ、芸術的な場をどのような時間的リズムにおいて創出するか、という点に関する示唆である。そのため、研究会では、観月会、ひなまつりなどの機会に芸術的な場を作る実験を数次試みた。京都市や京丹後市で、地域の風土や場所の特性を生かした展示や茶会などの行事を通じ、建築物や周囲の土地と一体となった芸術的な環境を作ることを目標とした。こうした諸々の試みは、日常生活と芸術的世界の双方ともが貧困な情況に陥っていることへの反省でもある。太陽暦ないしは世界時間に代表される時間システムのもとでは、平板で均質な日常のイメージが優勢であるために、特殊な時間空間を設定して刺激を与える必要が生じた。その結果、日常/非日常、ケ/ハレ、生活/芸術の対照が過剰になってしまった。しかしながら、それは芸術領域の囲い込みと無限の自己批判によるジャーゴン化である。むしろ、太陰暦のもとでの世界、すなわち地域環境やそこに流れる時間のリズムを尊重することで、芸術活動の有していた雑多な豊かさを回復することができるのではないだろうか。
著者
松井 剛太
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.12-21, 2009-08-30

The purpose of this study is to clarify the structure of teacher conferences where teachers have the opportunity to reflect on their personal childcare practices and consider the frameworks in which these practices occur. During teacher conferences, the author analyzed the content of teacher questions and examined how these questions worked as change agents to transform the teachers' childcare practices. The change agents included fundamental questions about their own frameworks of childcare based on their experience. The result suggests that the change agent plays an effective role to reconsider and improve their childcare practices. It is clear that an effective teacher conference has a structure based on an essential intention to support teacher reflection on their personal childcare practices.
著者
西垣内 泰介 郡司 隆男 松井 理直 松田 謙次郎
出版者
神戸松蔭女子学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、「焦点」とスコープに関わる言語現象を取り上げ,形式化の整った統語論・意味論・音韻論の方法で理論的に分析するとともに,音声実験や言語コーパス調査などによって理論的考察を実証することを目的とする。具体的には,主題文,(指定的)分裂文など,様々な構文にあらわれる,いわゆるWH(疑問)要素,量化表現,否定対極表現などスコープに関連する統語・意味的要素と,イントネーションなど「焦点」に関する多様な音韻的要因の間の相互関係を分析し,統語論・意味論と音韻論との密接な関係を明らかにする。また,理論的背景の下にデザインされた音声実験を用いて,その結果を文法的分析の中に組み込んでいく。関連する言語事象の方言などによる言語変異について考察する。
著者
高須 明 松井 一幸 高橋 守
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.67-82, 1981-09-17

本校中学高校一貫在学生徒の数年にわたる成績が分析され、5教科(国社数理英)に対する男女の学力差の傾向が定量的に調べられている。この結果、男女間には著しい傾向のあることがいくつか見い出された。この現象の背後を探るべく、実施したアンケート調査の結果が分析され、理科学習において男女間に学力差の現われる原因の追求がなされている。
著者
松井 伸也 柳沢 卓
出版者
北海道情報大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

粘性流体を記述する基礎方程式Navier--Stokes方程式の特異摂動を研究するため,Navier--Stokes方程式の構造の解析およびその特異摂動方程式としてのPrandtl方程式の構造の解析を計画した.共同研究者の柳沢先生(奈良女子大学)とは,Prandtl方程式の特異解・(非圧縮性)Navier--Stokes方程式の解の微分可能性・圧縮性Navier--Stokes方程式のゼロ粘性極限について,様々な議論を行った.具体的な論文にはならなかったが,Prandtl方程式についてのお互いの認識,特に非定常Prndtl方程式の解の存在定理の予想しうる形について等,を新たにしたものがあった.また儀我先生(北海道大学),石村先生(一橋大学)とも共同研究を行い次の結果を得た.儀我先生とは,有界な初期値から始まるNavier--Stokes方程式の解について,今まで知られていなかった解の時間的局所存在・一意性・2次元の時間的大域解の存在を示した.さらに半線形放物型方程式のBlow up rateを複雑なBoot strap methodを使い計算した(準備中).直接流体とは関係のない方程式であるが,この研究が放物型方程式の解にたいする特異性解析の解析手段を得ることに役に立つ事は疑いようの無いことである.石村先生とはPrandtl方程式の自己相似解(Blasius解)が爆発する場合を取り扱い,詳しいBlow up rateを計算した(投稿中).なお投稿中の論文は(with N.Ishimura) On blowing--up solutions of the Blasius equation である.準備中の論文は(with Y.Giga and T.Sasayama) Blow up rate for a semilinear heat equation with subcritical nonlinearityである.
著者
松井 藤五郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

本論文では,複利リターン,つまり,リターンの幾何平均を最大化するための強化学習の枠組みである複利型強化学習を提案する.また,実験により複利型強化学習がいくつかの問題において有効であることを示す.
著者
ハ木橋 勉 松井 哲哉 中谷 友樹 垰田 宏 田中 信行
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.85-94, 2003-08-25
被引用文献数
8

1.ブナ林とミズナラ林の分布の気候条件の関係を定量的に明らかにするために,日本全国の植生と気候値の3次(約1k?)メッシュデータを用いて分類樹による統計解析を行った。2.気候値には,それぞれの分布域の温度(暖かさの指数と最寒月最低気温)と降水量(暖候期降水量と寒候期降水量)を用いた。3.その結果,上記の気候値によってブナ林とミズナラ林の分布が約9割の確立で分類された。4.ブナ林は多雪地域に多く,最寒月最低気温が-12.45℃未満の冬の寒さの強い地域,暖候期降水量760.5mm未満の成長期の降水量の少ない地域,暖かさの指数73.95以上または,寒候期降水量が441.5mm未満n積雪が少ないと考えられる地域で分布が制限されていると考えられた。5.分類のための気候要因は,地域によって異なっており,従来から指摘されていた低温にかかわる要因,夏季の湿潤さ,積雪の寡多がかかわっていることを裏付けた。全国的には,これらが複合的に作用して分布が決定していることが明らかになった。
著者
藤川 昇 松井 正之
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.54-64, 2010-06-15
被引用文献数
1

産学官連携による技術移転・事業化に際し,成功要因を分析することはきわめて重要であるが,これまで定性的な事例報告が多く,要因についての数理的な検討はなされていない.本研究は,まず,売上げ実績があるため「成功」として官公庁が公開している100事例を用い,成功要因の実証的分析を行った.次に,その成功要因をもとに,多変量解析による分析を加え,シーズとニーズのマッチング等コーディネートの基本機能とシーズの魅力を高める付加価値向上機能の貢献度,およびコーディネータの現状の姿を明らかにしたほか,産学官連携のモデル化を試みた.その結果,技術移転・事業化の成功率を上げるための効果的なマネジメントの手がかりを得るとともに,コーディネータ育成の方向が示された.
著者
尾崎 彰宏 幸福 輝 元木 幸一 森 雅彦 芳賀 京子 深谷 訓子 廣川 暁生 松井 美智子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

最大の研究成果は、「カーレル・ファン・マンデル「北方画家列伝」註解」が完成し、出版の準備を整える事ができたことである。この翻訳研究の過程で、以下の点が明らかになった。(1)マンデルは『絵画の書』において、inventie(着想/創意)、teyckenconst(線描芸術)、welverwen(彩色)という鍵となる概念を用いて、15、16世紀ネーデルラント絵画史を記述したこと。(2)マンデルは、自律的に『絵画の書』を執筆したのではなく、とくにヴァザーリの『芸術家列伝』に対抗する形で、ヴェネツィアの絵画論、とりわけロドヴィコ・ドルチェの『アレティーノ』で論じられている色彩論を援用した。つまり、マンデルのteckenconstは、ヴァザーリのdesegnoを強く意識しながらも、マンデルは本質と属性の関係を逆転した。ヴェネツィアにおける色彩の優位という考えとディゼーニョを一体化させることで、絵画とは、素描と色彩が不即不離の形で結びついたものであり、絵画として人の目をひきつけるには、属性として軽視された色彩こそが重要なファクターであるという絵画論を打ち立てた。(3)この絵画とは自律的な存在ではなく、鑑賞者の存在を重視する絵画観である。つまりよき理解者、コレクターが存在することで、絵画の意味はその「あいだ」に生まれるという絵画観が表明されている。このように本研究では、マンデルの歴史観が明らかになり、ネーデルラント美術研究のための新たなる地平を開くことができた。
著者
渡邉 和男 河瀬 真琴 マシウス ピーター 西川 芳昭 松井 健一 阿部 健一 香坂 玲 阿部 健一 香坂 玲 院多本 華夫 渡邊 高志 磯崎 博司 藤村 達人 箕輪 真理 木村 武史 王 碧昭 伊藤 太一 帳 振亜
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

農業食糧及び薬用遺伝資源の多様性について、国境を超越して生存する少数民族に関わり農家保全の実地・実験調査を実施した。ミャンマー北部、ミャンマー、タイとラオスの国境地帯について山間部を主体に研究を実施した。過剰開発や貨幣経済の浸透、さらに不均衡な情報の供給と啓蒙の欠如で、在来の植物遺伝資源が絶滅危惧になっていることやその伝統的文化に支援された知見が急速に失われてきていることがわかった。モノグラフや公的機関の報告書として情報発信した。
著者
イアン レーン 河原 達也 松井 知子 中村 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.29-34, 2003-12-12

音声言語システムにおいては,バックエンドシステムが受理できない発話(ドメイン外発話)への対処が問題となる.本稿では,このようなドメイン外発話の検出法の枠組みを新たに提案する.本手法は,複数トピックの分類の信頼度を用いて,ドメイン内検証モデルをGPD(Generalized Probabilistic Descent)により学習する。この学習は,ドメイン内データの削除補間に基づいて行うため,ドメイン外の実データを必要とせず,移植性が高い.トピック分類手法として3つの手法(単語N-gram,LSA,SVM)を比較した結果,SVMが最も高い識別能力を得た.ドメイン外検出タスクにおいて,提案手法は,トピック分類結果の単純な組合せによるベースライン法と比較して,6.5ポイントも検出誤り率を改善した.さらに,実際のドメイン外データを用いて学習したシステムと比較しても,ドメイン外データを使用しない提案手法によりほぼ同等の性能が得られることがわかった.
著者
松井秀幸
出版者
財務省
雑誌
ファイナンス
巻号頁・発行日
no.479, 2005-10
著者
松井 くにお 中村 直人 伊吹 潤 徐 国偉
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.283-284, 1996-03-06

インターネットなどのネットワークの普及により、電子化された情報を発信する機会が増えてきたが、同音異義語の変換誤りなどのいわゆる"ワープロミス"が散見される。こういった誤りの検出技術として、形態素解析や共起関係を利用する方法が提案されているが、いろいろな問題点を含んでおり、解決策とはなっていない。本稿では、同音異義語や同音異字語の綴り誤りを検出するだけでなく、自動訂正するシステムを提案し、その有効性を示す。
著者
伊吹 潤 中村 直人 徐 国偉 松井 くにお
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.285-286, 1996-03-06

文章中の誤りの検出、訂正を行なう方式として正しい単語情報と共に誤った単語を形態素辞書に登録する方式が知られているが、この枠組では検出できる誤りが狭い範囲(登録されたもの)に限られるという問題点をもつ。カタカナ語句の表記の揺れや漢字同音語誤り等に範囲を限定して一般的な対処が可能なシステムの提案も行なわれているが、表記レベルの誤り全般を統一的に処理できるような枠組は未だない。我々は表記誤り全般を広範囲に検出できるようにするため、混同しやすい単語あるいは文字列同士をグループ化した情報(誤用候補情報)を単語情報とは独立して保持し、一旦正しい単語のみを利用してテキストを形態素解析した後で、これを用いて誤りの検出と誤り内容の推定を行なう仕組み(誤用候補展開)を実現した。ここでは、誤用候補展開部の処理目標とした誤りについて述べ、その処理のための枠組について説明する。
著者
中村 直人 徐 国偉 伊吹 潤 松井 くにお
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.287-288, 1996-03-06

従来,片仮名表記の揺れ誤りや仮名漢字変換誤りなど単語の綴り誤りに対して,それぞれ校正処理の枠組が提案されている.Joynerではこれらの誤りを単一の枠組で扱うことを試みた.Joynerの処理手順は,文に含まれる各種単語の綴り誤りの検出と候補の推定を行ない,推定した候補を原文の別綴り可能性(綴り曖昧さ)とする.そして,文の綴り曖昧さの中から最尤解を探索し(正解語探索),最尤解の綴りが原文と異なる時に,原文に綴り誤りがあると推定する.綴り曖昧さのある文の最尤解釈の探索は,文字認識の分野で文字切り出し曖昧さの処理として検討され,2端子グラフ(ラティス)の最短経路を求める動的計画法で処理できることが知られている.これをJoynerに適用し,動的計画法の一種であるCYK法で実現した.本稿では,校正支援のためのラティスをCYK法で処理する方法についてJoynerでの実現を中心に報告する.