著者
大平 修也 松本 健義
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.93-112, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
92

本研究は,生活と芸術との関係をつくる協働的な芸術的行為を,現代芸術におけるアート実 践の性質と特性から定義し,芸術的行為に媒介された共感的対話の生成過程を社会的相互行為 の創造過程と位置づけ明らかにすることを目的とした。まず,社会的相互行為を創造するア ート実践に関連した現代芸術の11の様式の概観に基づき協働的な芸術的行為を定義した。次 に,これを事例分析の視点として,砂浜をつくり変える協働的な芸術的行為において,掘った 穴から現れた幼虫を契機に,人間と幼虫が共生する共感的対話が生成され,行為者たちの社会 的相互行為として創造されたことを,事例の相互行為分析と記録断片の記述分析により明らか にした。
著者
森川 祐介 仁禮 和男 福田 悠貴 関根 聡 松本 裕治 古崎 晃司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-056, pp.05, 2022-03-11 (Released:2022-03-24)

The automobile industry is in a VUCA world called "era of revolution once in 100 years". To respond to the VUCA world, development sections require to concentrate human resources on development of future main products and accelerate development. Therefore it is required to manage existing business and ensure the quality of products with fewer human resources than ever before. To resolve this problem we considered to use accumulated knowledge of expert engineers to assist development. A part of the knowledge of expert engineers is that concerning failures occurred during development such as causes and solutions of the failures. A failure ontology proposed in this paper helps to extract the knowledge concerning failures from accumulated documents. In this paper we introduce how to construct the failure ontology and use it.
著者
松本均 平塚芳隆 徳永靖夫
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.48(1981-SE-022), pp.37-42, 1982-02-09
著者
亀谷 均 堀江 克明 幸田 憲明 久間 英樹 松本 浩介 内村 和弘 小森 健一 増木 新呉 東 裕人
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.83, no.853, pp.17-00147-17-00147, 2017

<p>Lower to middle tier regions of dam reservoirs often fall into the anoxic states in summer. When the anoxic state is reached, living things die, heavy metals such as manganese and iron, hydrogen sulfide and methane are eluted from mud deposited on the lakebed. Since it is not possible to release heavy metals exceeding environmental standards, an improvement of dissolved oxygen concentration in dam lakebed is required. So far, there is no system that can automatically improve the dissolved oxygen, in the lower to middle tier regions of dam lakebed. This study was carried out for developing an automatic system to improve the lakebed dissolved oxygen concentration to 6mg/L or more. The developed oxygen dissolution apparatus can diffuse a high concentration oxygen water horizontally at a rate of 1km per day. Thus, by raising and lowering this oxygen dissolution apparatus in water, a system that creates 3 - dimensional spreading of the dissolved oxygen not only to the lower tier but also to the middle tier regions was developed. The demonstration experiments, reported of the effectiveness of the system that can raise the dissolved oxygen concentration from the low oxygen-free state to the target of 10 mg / L in 5 days. Moreover, the system demonstrated its ability to automatically raise the dissolved oxygen concentration to 10mg/L in the 10m region from the bottom of lakebed.</p>
著者
石井 孝昭 松本 勲 シュレスタ Y. H. ワモッチョ L. S. 門屋 一臣
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.556-558, 1998-07-15
参考文献数
8
被引用文献数
10

カンキツ園に生息する草を4月上旬と7月上・中旬に採取し, それらの草の根におけるVA菌根(VAM)菌の感染状態を観察した.その結果, 春草ではスイバ, カモジグサ, ハコベ, クサフジ, ホトケノザおよびウマゴヤシ, 夏草ではヒメムカシヨモギ, イヌビユ, ギョウギシバ, ガズノコグサ, ツユクサ, カタバミおよびメヒシバにおいて, 70%以上の菌根感染率を示した.また, 春草のハコベ, クサフジおよびホトケノザにおいてはVAM菌胞子が根中に多数形成されていた.しかし, イヌタデ, ギシギシおよびスギナでは感染がみられなかった.
著者
木之下 博 仁科 勇太 松本 直浩
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

酸化グラフェンを低摩擦・低摩耗添加剤として用いるために,加熱あるいは分散剤を用いて酸化グラフェンを還元して潤滑油に添加した. 加熱分散では摩擦係数は無添加よりも低いが分散温度に依存せず,摩耗は無添加よりも低く加熱温度が低いほど低くなった.分散剤を用いた分散では摩擦係数は無添加よりも低いが分散剤濃度に依存せず,摩耗は分散剤濃度が低い時,無添加より小さくなり,摩擦実験を-10℃で行った時に,既存の潤滑添加剤と同等の摩耗低減効果を示した.このように低温においても高い潤滑性がみられたさらに,ZnDTPとの併用で摩擦が非常に低くなることが明らかとなった.
著者
加藤 珠理 勝木 俊雄 岩本 宏二郎 松本 麻子 吉丸 博志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

サクラには多種多様な栽培品種があり、全国各地の植物園等で収集・保存されている。著者らによるこれまでの研究では、多摩森林科学園、国立遺伝学研究所、新宿御苑で保存されている主要なサクラの栽培品種についてDNA分析を行い、クローン性を整理してきた。この結果と照合することで、他の集植機関・地域(松前公園、日本花の会結城農場、東京都神代植物園、東京都小金井公園、東大小石川植物園、東大日光植物園、石川県、京都府立植物園、京都御苑、植藤造園、大阪市大植物園、福岡市植物園、監物台樹木園など)で管理されているサクラ(584個体)の実態解明を試みた。本研究では、少数のDNAマーカーで効率よくクローン識別を行えるマーカーセットを検討して、多型性の高いSSR9座のマーカーセットを用いて、DNA分析を行った。その結果、先行研究で整理された栽培品種と一致するものが406個体、残りの178個体は、遺伝子型が異なる新規クローンとして約126タイプにまとめられた。これらの新規クローンについては、今後、詳細な検討を行うことで分類上の位置づけを行う必要がある。
著者
沖野 信一 山岡 武邦 松本 伸示
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.389-401, 2021-11-30 (Released:2021-11-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究は,質量の科学的概念の構築を試みた授業において,沖野・松本(2011)の3段階のメタ認知的支援(方略1「素朴概念の明確化」,方略2「素朴概念の獲得過程の明確化」,方略3「素朴概念と科学概念の接続・照合」)のすべてを講じるクラス(実験群:2クラス,N=52)と方略1だけを講じるクラス(対照群:2クラス,N=43)を比較し,方略2と方略3の有無によって,どのように生徒の理解に影響を及ぼすのかについて検討することを目的とした。その結果,質量の科学的概念の構築に対して,対照群よりも実験群の方が,有効性が高まることが示された。本研究により,方略2と方略3を講じることによって,方略1で生じた素朴概念と科学的概念の間の認定的葛藤が解消され,力および質量が運動に与える影響に関して,正しく考察できるようになったことが示唆された。
著者
松本 浩司
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.115-133, 2018

〈深い理解〉は,暗記を主とするこれまでの教育方法からアクティブラーニングへの変革を象徴しており,理解における多元・重奏性の深化を追求することである。社会科・社会科学教育におけるそれを促す教授は,社会認識の概念変化,共感としての視点取得,発達的パフォーマンスという3つの要素を有する。これらの要素における強調点を端的に言えば,自己と社会とを知り創造すること,ミクロな視点とマクロな視点とをあわせもつこと,③〈借り物〉となっている知識を用いた,現実社会における環境との相互作用としての行為を促すことによって,概念理解の長期的な変容過程を扱うことである。
著者
秋葉 文雄 谷村 好洋 大井 剛志 石浜 佐栄子 松本 良
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.130-139, 2014 (Released:2016-07-15)
参考文献数
31
被引用文献数
5 3

Eight diatom zones are recognized for the uppermost Quaternary piston cores from the Joetsu Basin of the eastern margin of the Japan Sea recovered by a methane hydrate cruise, MD179. They are primarily based on the occurrences of a warm-water marker diatom Fragilariopsis doliolus and a cold-water one Thalassiosira hyperborea and secondarily on that of a new cold-water one Thalassionema umitakae n. sp., and represent major changes of surface water of the Japan Sea. In addition, very fluctuating occurrences of diatom-derived black grains, which might be a proxy of stagnant condition of the sea bottom, first observed in horizons mostly where dark thinly laminated layers are recognized. Because both the diatom zonal subdivision and the occurrence of black grains correlate very well to those of the marine isotope stages, MIS1 through MIS5e recognized by Ishihama et al. (2014) in the same cores examined, it is obvious that they reflect major paleoceanographic changes of the Japan Sea induced by global glacial and interglacial cycles over the last 130 ka. Thalassionema umitakae n. sp. is described in Appendix.
著者
鈴木 眞一 塩 功貴 松本 佳子 鈴木 聡 中野 恵一 岩舘 学 水沼 廣
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.87-91, 2021 (Released:2021-09-25)
参考文献数
12

甲状腺癌手術における手技のなかで,反回神経,Berry靭帯周囲の操作および副甲状腺の温存について解説した。基本的には被膜剝離法(CD)で行う。True capsuleとfalse capsuleの構造を理解し,この方法で副甲状腺や反回神経がfalse capsule内に温存される。また下甲状腺動脈と反回神経が交差することとそのバリエーションを理解し,その損傷原因も理解しながら手術を行うことが反回神経損傷を防ぐ重要な点である。またBerry靭帯やZuckerkandlの結節も反回神経温存には欠かせない解剖知識である。さらに術中神経モニタリングが多く使用される昨今,モニタリングの使用に有無での利点欠点についても述べた。小切開や内視鏡手術でも基本的に同様の概念で行うが,操作野が小さく甲状腺外背側の牽引,脱転が不十分になりかねず,CDが不十分になりやすいためIONMなどでの確認が必要である。