著者
松本,仲子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, 1992-09-15

All examples of egg dishes described in cookery books published over the Edo period were collected and examined. Eggs, which has characteristics of heat coagualation and foaming, have been widely used not only as the material but also as a side material in various dishes. These cooking properties of eggs were fully utilized in the Edo period. Therefore the egg dishes collected from the literature include almost all those which have been known today. Egg dishes appeared in the literature of the Edo period for the first time. However some egg dishes, for example, "Fuwafuwa" and "Funoyaki" reached the golden age in early Edo period. This fact suggests that these dishes might have been known before the Edo period.
著者
松本 美千代
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学教職課程年報 = Bulletin of Teacher Training Course of Toyo Gakuen University (ISSN:2434754X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.75-91, 2021-03-20

2020 年5月25日にジョージ・フロイドがミネソタ州ミネアポリスで警察に拘束中に圧殺されて以来、全米で抗議デモが噴出し、ブラック・ライブズ・マターに基づく白人の組織的暴力に対する抗議、黒人差別是正のための運動は世界中に拡大した。この運動の特徴の一つに、参加者の多様性が見られ、デモの参加者の半数以上が白人であるデータも明らかになった。このような時代背景の中で発表された2020年のトニー賞ノミネート作品は黒人問題を扱う作品が中心的役割を果たしている。とくに今回最多部門で候補作品に選出された、2019年にブロードウェイで上演されたアフリカ系アメリカ人の劇作家ジェレミー・O・ハリスの『スレイブ・プレイ』は、近年最も挑戦的な作品と言われ、BLMの時代における人種の力学について黒人の視点から描き出した作品である。本稿では、作品をWOKE 劇の観点から読み解き、作品が展開する新時代の人種偏見の描写法とその独創性について考察する。
著者
中村 倫太郎 二瓶 俊一 松本 泰幸 伊佐 泰樹 長田 圭司 原山 信也 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.20-23, 2020-04-01 (Released:2020-04-13)
参考文献数
15

当初軽症と判断したが,症状が遷延し治療に難渋した脂溶性有機リン中毒症例を経験した。症例は30代女性。脂溶性有機リンを内服し救急搬送された。来院時コリンエステラーゼ(ChE)は低値だが,症状から軽症と判断された。対症療法のみで経過を診たが第3病日に流涎,呼吸困難感が出現し気管挿管施行。第4病日に症状改善し抜管するも,第6病日に症状が再燃し再挿管施行。第9病日再抜管。第12病日に頻呼吸・呼吸困難感が出現し再々挿管。この時点までChE値低値持続していたが,徐々にChE値が改善。第20病日抜管し,その後状態が安定した。本症例の経験から,脂溶性有機リン中毒症例では,ChE低値が持続する症例の人工呼吸器離脱は慎重に行うべきである。
著者
田澤 英二郎 加野 博之 松本 苗緒 村上 正人
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.45-52, 2018 (Released:2018-08-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

“Adzuki Ann” prepared from Adzuki beans is a popular paste (Ann), which is generally used in Japanese confectionery. In product development and quality control, it is necessary to perform quantitative evaluations using sensory evaluation and chemical analyses. However, few studies have examined the most appropriate methods for assessing the flavor of Adzuki Ann. Therefore, in this study, we focused on the flavor of Adzuki Ann, defined “deliciousness” of Adzuki Ann (Tsubu Ann type; paste with remaining grains), then optimized the method for sensory evaluation, and identified aroma compounds contributing to the flavor. As a result of sensory evaluation of Adzuki Ann used for preparing Dorayaki sweets available in commercial markets, we clarified that Adzuki Ann, which is recognized as “delicious” popularly, has “moderate sweetness and rich Adzuki flavor”. This accorded with the definition of delicious Adzuki Ann flavor. Additionally, sensory evaluation scores of Adzuki flavor showed a strong correlation with maltol and cyclotene content which are important aroma compounds contributing to Adzuki flavor. In particular, as a result of the addition of cyclotene to Adzuki Ann, sensory evaluation scores of Adzuki flavor decreased significantly. This suggests that cyclotene may be an inhibitor of Adzuki flavor.
著者
松本 健太郎
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.109-116, 2018 (Released:2020-03-25)

ポケモンGOはそのリリース直後、都市の意味空間を規定するレイヤーを多層化させ、われわれが認知するリアリティをより錯綜したものへと変質させた。実際それは物理空間と仮想空間の領域区分を越境しながら多くの社会問題を引き起こし、われわれが生きる意味世界に「分断」(それをプレイする人とそうでない人のあいだのそれ)をもたらす存在として報道されるに至った。本論考ではプレイヤー/非プレイヤーのあいだの「軋轢」、あるいは、そこから派生した社会的な「分断」を視野にいれつつ、複数の領域にまたがる理論的言説を参照しながら、また、それを前提に「ゲーミフィケーション」概念を再考するなどしながら、デジタル・テクノロジーが現代の記号世界にもたらしつつあるものを考察の俎上に載せてみたい。
著者
松本 涼佑
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.71-78, 2020 (Released:2021-04-12)
参考文献数
11

普通列車グリーン車の価格は、グリーン車自体の需要を左右することに加えて、同じ列車に併結される普通車両の需要にも影響を及ぼすと考えられる。そのため特に混雑が問題視される平日朝の通勤において、グリーン車価格の変化が需要に与える影響は重要な研究テーマである。そこでグリーン車の価格が営業キロ51kmを境に210円変化する2段階の価格体系に着目し、Regression discontinuity designを適用することによって、平日朝の通勤におけるグリーン車需要の価格弾力性を推定した。分析の結果、価格弾力性は有意に1を超え、価格感応度は高いことが分かった。適正な価格設定は、本価格弾力性の推定値、および現状の普通車両とグリーン車の混雑度を基に、慎重に検討される必要がある。
著者
松本 悠 都築 義和 芦谷 啓吾 大庫 秀樹 市村 隆也 佐々木 淳 中元 秀友 今枝 博之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.151-153, 2020-06-26 (Released:2020-07-07)
参考文献数
5

Olmesartan has recently been reported as a cause of drug-induced enteropathy characterized by chronic diarrhoea and duodenal mucosal atrophy demonstrating sprue-like enteropathy. 82-year-old, male presented to our hospital because of chronic severe watery diarrhea without abdominal pain or fever. Blood examination showed mild anemia (Hb 11.2 mg/dl). Abdominal contrast-enhanced computed tomography showed mucosal edema in the large intestine. Esophagogastroduodenoscopy showed no villous atrophy in the duodenum with the possibility of pyloric gastrectomy, however, colonoscopy showed villous flattering in the terminal ileum and edematous changes in sigmoid colon. Histopathologic examination in biopsy samples from the terminal ileum and sigmoid colon showed interstitial lymphocytic infiltration. He was treated with olmesartan for hypertension at least two years before the onset of symptoms. In addition, watery diarrhea improved soon after discontinuation of olmesartan. Therefore, he was diagnosed as olmesartan-induced enteropathy. Its pathogenesis remains unclear; however, olmesartan-induced enteropathy must be included in the differential diagnosis for patients with chronic diarrhea after the intake of olmesartan.
著者
松本 洋子
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.13-34, 1987-07-01
著者
森田 鉄二 松本 浩実 馬壁 知之 萩野 浩
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.499-504, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
23

〔目的〕地域在住高齢者の立位姿勢と身体機能,複数転倒との関連性を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は地域在住高齢者219名(平均71.6 ± 9.1歳)とした.過去1年間の転倒回数,ロコモティブシンドローム,歩行速度,四肢骨格筋量,握力,骨量を評価した.立位姿勢は,円背指数,体幹傾斜角度,脊柱後弯角度(上位傾斜角度・下位傾斜角度)を評価した.〔結果〕上位傾斜角度,下位傾斜角度,体幹傾斜角度が大きいほど年齢が高く,ロコモティブシンドロームが進み,歩行速度も遅く,骨量も低かった.転倒なし群と転倒単回群と転倒複数回群で比較を行ったところ,複数回群は単回群に比べ,上位傾斜角度が高値であった.〔結語〕上位傾斜角度が大きいと身体機能が低く,複数転倒と関連する可能性がある.
著者
芝山 雄老 松本 和基 斉藤 雅文 中田 勝次
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.1283-1294, 1980-10-25 (Released:2010-01-19)
参考文献数
38
被引用文献数
4 5

肝細胞は低酸素に極めてvulnerableであり,空胞変性は低酸素による最も初期の光顕的変化で,それが小葉中心帯に好発する理由は周辺帯よりも中心帯がより低酸素状態になるためであると信じられている.著者は肝細胞の空胞変性がいかなる条件下で発生するかを摘出肝潅流実験で検討した.その結果,低酸素血で5時間以上潅流しても肝機能(胆汁産生量・酸素消費量)が低下するのみで空胞変性は発生しなかった.一方,高酸素血で潅流しながら下大静脈圧を60~70mmH2Oに上昇させると小葉中心帯の肝細胞に空胞変性が発生し,さらに圧を上昇させると小葉周辺帯の肝細胞にも発生してきた.また,160mmH2O以上の門脈圧で潅流すると小葉周辺帯の肝細胞に空胞変性が発生した.以上の実験成績より,肝細胞の空胞変性の発生には類洞内圧上昇が重要であり,低酸素血症はその直接的原因ではないと結論した.空胞変性が小葉中心帯に好発する理由は同部のcritical sinusoidal pressureが周辺帯のそれよりも低いためと考えられた.
著者
松本 昇 望月 聡
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.27-35, 2018-03-31 (Released:2018-04-13)
参考文献数
40
被引用文献数
3 3

Previous studies demonstrated that Mindfulness based Cognitive Therapy (MBCT) is effective for reducing rumination. However, little is known about the effectiveness of mindfulness on the process of getting worse of rumination. The present study conducted cross-sectional and 6 months longitudinal studies to replicate a previous finding that mindfulness traits buffer the influence of causal analytic rumination on uncontrollability of rumination. However, there was no evidence that mindfulness traits prevent the development of rumination. Additional analysis showed Nonreact aspects of mindfulness predicted low uncontrollability of rumination 6 months later. These results suggest that mindfulness contributes to inhibit cognitive reactivity before occurring of rumination rather than prevents worsening of rumination which already occur. We discussed the importance of subdivided examination of mindfulness and directed future studies.
著者
赤井 純治 大藤 弘明 松本 嘉文
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.148, 2005 (Released:2006-09-08)

炭素質コンドライトのマトリックスは微小な鉱物の集合体で、マトリックス鉱物はフィロシリケート・PCP・硫化鉱物・酸化鉱物・炭酸塩鉱物・硫酸塩鉱物・炭素鉱物・等が含まれる。これらの鉱物種、結晶形態・集合状態・組織は、それら鉱物あるいは隕石自体の生成に関する重要な情報を示唆していることが考えられる。構成鉱物のなかには多くの特徴的あるいは特異な鉱物も含まれるが、生成条件等明確になっていないものも多い。その詳細は電顕鉱物学の視点からの解明されるところも大きい。磁鉄鉱についてはこれまでにもJedwab(1968), Kerrige(1979)、Hua et al., (1998)などが主にSEMによって 記載している.磁鉄鉱には次の種がある。a)よく結晶面が発達した単結晶磁鉄鉱, それらのフランボイド状の集合体、 b)特異な板状(platelets)の形態の積み重なりをもつ磁鉄鉱(plaquettes:Jedwab,1968),c) 球顆状構造をもつ球状晶が,主にみられる.この他に単独でより大きな単結晶のものもあるとされている(Jedwab,1968). それらがどういう条件で生成したのか、生成の場の違いはあるのか、生成の順序はどうか、等成因にからんだ問題がある。今回、とくにフランボイダル形態の磁鉄鉱を中心に検討し、さらに他の2つについても検討した。フランボイド集合は、自己組織化の構造として注目される。地球表層環境中のパイライトではとくに 20面体構造のものを見いだしている(Ohfuji and Akai,2002). 20面体構造を形成する基礎には、マイクロクリスタルのccp、hcpなどの規則配列構造がある。これに対し、ランダムタイプもある。またサイズ的にはフランボイド粒直径とマイクロクリスタルサイズの比も指標となり、核形成条件のちがいが議論される。つまり、これらの生成条件が隕石中のフランボイダル磁鉄鉱の生成条件にかかわって、条件推定に役立つことも期待できる。試料は炭素質コンドライト,Ivuna, Orgueil , Tagish Lakeの三試料を用い、その中の磁鉄鉱に着目して,透過電顕及び走査電顕で観察した.Ivuna 、Orgeil ではあまり大きな違いがみられない。フランボイドを構成するマイクロクリスタルのサイズは、0.2_から_1μm程度の幅がある場合と、そのサイズが揃っている場合とがある。このうち、今回Orgueil から、規則構造が見いだされた。マイクロクリスタルはサイズが約0.5μmで、全体の形態はフランボイド状である。マイクロクリスタルが、直線的に配列し、その間に最密充填状に次列がならぶという、パッキング様式を示す。最密充填構造によるフランボイダルパイライトと同様な組織をもつものが存在する可能性が高い。また、別のグレインで、磁鉄鉱外周に,蛇紋石構造のフィロシリケートがおおうこともある。磁鉄鉱には、ランボイド、plaquettes、球晶の3種が含まれ,このことは3つのことなった生成時期があったこと,または3種の起源の多少ことなった物質の混合,があると考えられ、また結晶面のよく発達したタイプの磁鉄鉱の生成にひきつづいて,フィロシリケートがこれを覆うように成長付加したということを示しており,原始太陽系星雲内での生成プロセス,また炭素質コンドライト母天体上プロセスでの制約条件をあたえている.さらに、生成順、生成のメカニズムについても議論する。
著者
鴨 宏一 村松 歩 多屋 優人 横山 浩之 浅川 徹也 林 拓世 水野(松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.193-201, 2013-08-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究では携帯端末による情動刺激下での脳波を用いた脳機能の評価を目的とした。被験者は健常成人24 名で,Cornell Medical Index(CMI),日本版State-Trait Anxiety Inventory(STAI),簡易ストレス度チェックリスト(SCL)によって心身状態を評価し,心理検査低値群と心理検査高値群に分類した。情動刺激は,情動的視聴覚セッション(安静,快,不快)と情動的文章セッション(快文章,不快文章)を用意し,携帯端末からの視聴覚刺激として被験者に提示し,脳波を計測した。脳波は離散フーリエ変換を行い,パワースペクトル値を算出した。α2 帯域の結果から,心理検査高値群は不快刺激および不快文章刺激時に側頭部でスペクトル値が高値を示した。以上より,携帯端末による情動刺激が精神安定度と関連して,脳機能の反応に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
安田 久美子 村松 大吾 松井 淳 松本 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.384, pp.53-58, 2007-12-06
参考文献数
3
被引用文献数
1

ユーザが筆記する動作をウェブカメラで撮影し,その映像からオンライン署名の特徴を抽出し,認証に用いる手法を提案する.本システムの特長の一つは,汎用のウェブカメラを入力デバイスとして用いることにより,タブレットのような特殊な装置を必要としない点である.Sequential Monte Carloを用いて動画像データにおけるペン先位置を追跡することで,ペン先の軌跡情報(x,y座標データ)を取得する.取得した各データ間の距離を計算することで認証に用いる.本稿では,7名の被験者から収集した画像データによりオンライン署名認証初期実験を行い,認証に用いる真筆と偽筆の判別が可能であることを確認した.
著者
松本 勲 小田 誠 渡邊 剛 田村 昌也
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ナノテクノロジーを応用して作成したキトサンナノ繊維チューブ(C-tube)による胸腔内自律神経再生効果について検討した。ビーグル犬を使用し、交感神経および横隔神経を切断し、神経の断端をそれぞれC-tubeの両端に縫合した。いずれの犬も合併症なく生存した。術後1年でC-tube内で神経が連結しており、神経障害症状が回復する犬もいた。C-tubeは交感神経および横隔神経の形態的再生を促し、神経機能の一部を再生させることを確認した。
著者
松本 マスミ
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では植物の生物学的特徴とヒトの認識の間の「ずれ」が言語表現にも反映していることを、生物学的見地を導入しながら、英語の植物表現を用いて明らかにする。生成文法の枠組みで、植物を記述する動詞である「園芸動詞」などを含む英語表現について、統語的・意味的・形態論的に分析し、反語彙主義に立脚した三層分裂動詞句構造の精緻化と展開を行う。生物学、植物学、生物言語学の知見を取り入れることによって、言語をより広い視野により研究することができ、新しい生物言語学の分野を開拓することができる。同時に、本研究の成果により「無生物主語」の新しい説明方法が可能となり、英語教育に貢献することができる。
著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.3-17, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)
被引用文献数
1

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。
著者
大牟禮 和代 若山 曉美 角田 智美 渡守武 里佳 下村 嘉一 松本 富美子 中尾 雄三
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.131-137, 2003-07-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

目的:後天性眼球運動障害による複視が患者の日常生活にどのような影響を与えているかについてアンケート調査を行い、両眼単一視野の障害程度と日常生活の不自由との関係について検討した。対象及び方法:対象は、発症から6ヵ月以内の複視のある後天性眼球運動障害47例とした。内訳は、動眼神経麻痺4例、滑車神経麻痺11例、外転神経麻痺18例、眼窩底骨折14例である。年齢は13歳から77歳であった。複視によって生じる日常生活の不自由な項目について評価表(18項目)を用いて調査を行った。両眼単一視野の測定は、Bagolini線条ガラスを用いて行った。結果:日常生活に不自由があった症例は47例中40例(85%)、不自由がなかった症例は7例(15%)であった。不自由のある項目については、動眼神経麻痺、滑車神経麻痺、外転神経麻痺では共通して、「歩行」、「階段」、「テレビ」、「車の運転」という動きを伴う項目があげられ、障害神経別による大きな違いはなかった。不自由度は動眼神経麻痺では高く、眼窩底骨折では低かった。日常生活での不自由度と両眼単一視野の関係では、第一眼位で両眼単一視野が存在しない症例は存在する症例に比べてばらつきが大きく不自由度は高かった。日常生活の不自由度の改善には、第一眼位での両眼単一視野の獲得が重要であり、周辺に関しては下方の両眼単一視野の獲得が他の方向に比べ重要であった。結論:日常生活の不自由度の評価を行なうことは、治療または眼球運動訓練後の自覚的な改善を定量的にとらえることができるため後天性眼球運動障害の評価法として有用である。