著者
岡村 定矩 嶋作 一大 神谷 律 岡 良隆 久保野 茂 山口 英斉 坂野 仁 飯野 雄一 棚部 一成 遠藤 一佳 濵口 宏夫 山内 薫 松本 良 浦辺 徹郎 山形 俊男 日比谷 紀之 山本 正幸 渡邊 嘉典 井原 泰雄
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.6-15, 2012-03

東大での半世紀/岡村定矩先生を送る/退職にあたって/神谷律先生を送る/ミクロとマクロの世界に魅せられて/久保野茂先生を送る/退職の辞/坂野仁先生を送る/退職にあたって/棚部一成先生を送る/欅とヒマラヤスギの間/濵口宏夫先生を送る/石の上にも…38年/松本さんを送る/大学人生活を終えるにあたって/山形俊男先生を送る/退職にあたって/山本正幸先生を送る/青木健一先生を送る
著者
松本 秀作 奥寺 憲穂
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.236, pp.62-65, 2004-05

——松本さんは第51代会頭を含め、長年JC(日本青年会議所)の活動に携わり、この度、外部にNPO法人として「社会起業家ビジネススクール」を発足されました。その経緯は?松本 JCの活動を12年やってきましたが、役員になって自分なりの動きができて、発言力と影響力を持ってやれる状況になった時から、もっと経済に関わること、自分の会社の経営にも関係する部分をやりたいという思い…
著者
森崎修司 松本健一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.35, pp.1-8, 2013-03-04

ソフトウェアが担う業務に特化した欠陥種別の検出を目的とするレビューは汎用的な欠陥種別の検出を目的としたレビューよりも修正コスト低減効果やスケジュール遅延リスク低減効果が大きいことが期待される.本論文では,金融業務を担うソフトウェアの開発に携わる熟練者へのヒアリングから得られた欠陥種別 “日付に関する欠陥” をもとに不具合情報を分析した.レビューでの検出が可能であった不具合 488 件のうち 86 件が日付に関する不具合であり,これらの不具合が他の不具合と比較して,スケジュール遅延リスク低減効果,修正コスト低減効果が大きく,統計的に有意な差があることがわかった.また,業務に特化した欠陥種別特定の計算機支援を目的とし,不具合情報の自由記述に含まれる単語を熟練者に提示したところ,支援が有用であるという意見を得た.
著者
葛西 真記子 松本 麻里 Makiko KASAI Mari MATSUMOTO
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 = Research bulletin of Naruto University of Education (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.189-203, 2010-03-03

This study was conducted to examine instances of conformity behavior, anxiety, public self?consciousness, and approval motivation in adolescent friendships. First, a conformity behavior scale was constructed based on 6 ifferent scales that measure conformity motivation, conformity tendency, conformity orientation and conformity behavior. The subjects comprised 83 male and 72 female university students. They were exposed to item analysis and factor analysis exercises, and a twenty?four?items conformity behavior scale was developed. Second, the hypothesis that adolescents with high anxiety, high public consciousness and high approval motivation have a tendency to conform to others was tested. A total of 57 items were tested on 123 male and 171 female high school students. The results showed that both the internal conformity factor and the external conformity factor are related to anxiety and approval motivation. Therefore, a part of the hypothesis that says that high school students tend to conform to others because of their anxiety and motivation to secure the approval of others was verified in this study. Some studies, however, showed that conforming behavior causes stress in adolescents. In our conclusion, with the view to releasing adolescents from such stress, we suggested that they practice self?assertive behavior.
著者
梅野 淳嗣 江﨑 幹宏 平野 敦士 冬野 雄太 小林 広幸 河内 修司 蔵原 晃一 渡邉 隆 青柳 邦彦 安川 重義 平井 郁仁 松井 敏幸 八尾 恒良 北園 孝成 松本 主之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1411-1422, 2017-10-25

要旨●遺伝学的に確定診断された非特異性多発性小腸潰瘍症45例の臨床像を検討した.本症は女性に多いこと,貧血は必発するが肉眼的血便はほぼみられないこと,炎症所見は比較的低値にとどまること,約30%に血族結婚を認めることが確認された.また,終末回腸を除く回腸を中心に,輪走ないし斜走する比較的浅い開放性潰瘍が腸間膜付着側と無関係に多発することが小腸病変の形態学的特徴と考えられた.性別による比較では,胃病変は女性に有意に多く,ばち指,骨膜症や皮膚肥厚といった肥厚性皮膚骨膜症の所見は男性に有意に多かった.本症の診断に際しては,小腸病変の評価に加えて,上部消化管病変や消化管外徴候の評価,SLCO2A1遺伝子変異の検索も必須と考えられた.
著者
山口 智子 松本 主之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.628, 2017-05-24

定義 cobblestone appearanceは敷石像,敷石様外観とも呼ばれ,Crohn病(Crohn's disease ; CD)の診断基準の主要所見のひとつに挙げられている.多発潰瘍の介在粘膜に玉石状の隆起が多発した状態であり,その呼称はあたかも大小の石を敷き詰めた歩道のようにみえることに由来する(Fig. 1,2)1).cobblestone appearanceは小腸・大腸の活動期CDの特徴とされるが,密在した炎症性ポリープもcobblestone appearanceと呼ばれる.しかし,この際は縦走潰瘍を伴わない.活動期CDでは,敷石像に一致して病理学的には粘膜下層の浮腫と高度の炎症細胞浸潤がみられる.通常,深部大腸にみられることが多く,小腸では典型的なcobblestone appearanceを呈する頻度は低い.しかし,他の小腸疾患でcobblestone appearanceを伴う疾患は少ないため,CDの小腸病変の診断において特異性の高い所見とも言える.高度のcobblestone appearanceは難治化の予測因子でもあり,高度もしくは広範囲のcobblestone appearanceを認める症例では,早期の抗TNFα抗体などの治療選択が必要と考えられる.
著者
野村 孝一 受田 浩之 松本 清 筬島 豊
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.916-919, 1985
被引用文献数
1 2

電導度検出型糖含量測定用フローインジェクション分析(FIA)装置の汎用化の一環として,リンゴ果汁およびビート汁中の糖含量測定,並びに牛乳の全固形分(TS)含量の測定を試みた。本FIA装置を用いた場合,各試料ごとに専用の算出式を用いることにより全く同一のFIA運転条件下で糖含量あるいはTS含量の測定が可能であった。本法により算出した糖含量は平均0.24%の偏差でフェノール硫酸法により求めた値と一致した。一方,TS含量の測定においてはAOAC法と平均0.19%の偏差で一致する値を与えた。
著者
松本 望希
出版者
近畿大学全学共通教育機構教養・外国語教育センター
雑誌
近畿大学教養・外国語教育センター紀要. 外国語編 = Kindai university center for liberal arts and foreign language education journal. Foreign Language edition (ISSN:2432454X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.33-46, 2020-07-31

[抄録]本論は、バーナード・ショー『医師のジレンマ』(1906)における医師たちの表象に注目し、ショーが医療において生じるジレンマ、すなわち「命の価値を医師が恣意的に決めてしまうこと」に対して、そうしたジレンマを感じてしまうこと自体が誤りであると考えていることを明らかにするものである。さらにショーは、当時英国社会において、賛否両論を巻き起こしていた動物の生体解剖論争を通して、舞台空間と現実社会の問題を接合することを試みた。「悲劇」という副題をもつ本作品は、従来その皮肉めいたプロットから、ショー流の諷刺が利いた「喜劇」的なもの、すなわち悲喜劇として解釈されてきた。一方で本論では、作中で取り上げられる医療倫理の問題そのものは「悲劇」的なものであることについて検討する。
著者
松本 奈緒 MATSUMOTO Naho
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学 = MEMOIRS OF FACULTY OF EDUCATION AND HUMAN STUDIES AKITA UNIVERSITY EDUCATIONAL SCIENCES (ISSN:24334952)
巻号頁・発行日
no.72, pp.111-122, 2017-03-01

The purpose of this study was to grasp actual state of student's learning on rhythmic dance through balloon method at a junior high school. Subjects was 72 third-year students, who was 34 boys and 38 girls. For analyze conception of students, as method balloon method was used in which students fill out free description, and it was taken after every dance class. This was analyzed from one dance researcher who working at University with ensuring trustworthiness member check was conducted. As a result 1141 description emerged. This result suggest that students accept this rhythmic dance learning as enjoyable fun activities; recognition of many variety of movement and vocabulary for layer movement variation and quality; creation movement and choreography with good cooperation; effect and regarding important on music; good learning way practice-refine-complete-public performance; exchange and co-learning with other persons; effective utilization learning materials witch were movement cards, dance game KinectXbox360 and tablet video recorder; several difficulty for learning. The limitation of this study was subject number and better study would be with analyzed with interviews.
著者
松本,晉一
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, 2012-09-30

熊本県人吉市出身の明治期の歯科医,一井正典の生誕150周年にちなみ,2012年6月の第2週,地元人吉市の有志により記念行事"ドクタージュグリット・ウイーク"が行われた.内容は1)「一井正典先生・町なか人物展」 2)「町なかミニ講話」2演題 3)「生誕150周年献花式」 4)ジュグリット先生講話及び講演会 5)生誕150周年記念誌刊行の5行事である.これらの行事開催により,郷土の先人に対する人々の認識がより深まること,それには報道メディアの協力が不可欠であること,その逸材を輩出した背景が重要であること,その人物遺産を今後はどう活かし,どう次の世代につなげるかが大切であると考える.
著者
松本 仁助
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典學研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-15, 1997-03-10

本論は,民話から詩的にすぐれた叙事詩が創作されている実態を,『オデュッセイア』におけるぺネロペイアの再婚問題に関連して,見ていくものである.ただし,本論においては,妻の婚礼をあつかった説話として,民話のみならず文学的水準がそれほど高くない叙事詩をも,『オデュッセイア』との比較の対象にしている.
著者
大山 浩美 小町 守 松本 裕治
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.195-225, 2016
被引用文献数
5

近年,様々な種類の言語学習者コーパスが収集され,言語教育の調査研究に利用されている.ウェブを利用した言語学習アプリケーションも登場し,膨大な量のコーパスを収集することも可能になってきている.学習者が生み出した文には正用だけでなく誤用も含まれており,それらの大規模な誤用文を言語学や教育などの研究に生かしたいと考えている.日本語教育の現場では,学習者の書いた作文を誤用タイプ別にし,フィードバックに生かしたい需要があるが,大規模な言語学習者コーパスを人手で分類するのは困難であると考えられる.そのような理由から,本研究は機械学習を用いて日本語学習者の誤用文を誤用タイプ別に分類するというタスクに取り組む.本研究は,以下の手順で実験を行った.まず,誤用タイプが付与されていない既存の日本語学習者コーパスに対し,誤用タイプ分類表を設計し,誤用タイプのタグのアノテーションを行った.次に,誤用タイプ分類表の階層構造を利用して自動分類を行う階層的分類モデルを実装した.その結果,誤用タイプの階層構造を利用せず直接多クラス分類を行うベースライン実験より 13 ポイント高い分類性能を得た.また,誤用タイプ分類のための素性を検討した.機械学習のための素性は,単語の周辺情報,依存構造を利用した場合をベースライン素性として利用した.言語学習者コーパスの特徴として,誤用だけではなく正用も用いることができるため,拡張素性として正用文と誤用文の編集距離,ウェブ上の大規模コーパスから算出した正用箇所と誤用箇所の置換確率を用いた.分類精度が向上した誤用タイプは素性によって異なるが,全ての素性を使用した場合は分類精度がベースラインより 6 ポイント向上した.
著者
盧 現軍 松本 亨 高 頴楠
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.20-20, 2010

中国の経済発展と所得水準の向上に伴い携帯電話の買換えサイクルは短くなっており、全国平均で2年、大都市の北京、上海などでは18か月しかないようだ。そのため、毎年、大量の使用済み携帯電話が発生している。資源節約や環境保護のため、中国では使用済み携帯電話の回収・リサイクルに対して、今後関心が高くなると思われる。本研究では、中国の使用済み携帯電話のフローを明らかにし、それを元に、フローに関わる制度・参画者の日中比較を行うことで、これまでの両国の経験を参考にする部分が存在するのか否かについて考察を加えることを目的とする
著者
松本 佑美 鈴木 亮利 千葉 雄大 新井 剛
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.131, no.8, pp.481-486, 2015
被引用文献数
3

Palladium will be most increased demand in rare metals because the use of electrical and electronic fields in the future. Therefore, it is nesessary to construct the stable supply of resource in our country. Currently, the separation and recovery of palladium from urban mines have trying to carry out the solvent extraction method using the dihexylsulfide (DHS) extractant as the mainstream. However, DHS have some problems which the extraction process is lengthening because DHSs extraction rapid is so slowly. In this study, it was focused that triphenylphosphine (TPP) as an alternative DHS extractant. TPP shows the extraction rapid is about 5-6 times higher than DHS extractant. Therefore, we have been investgating to establish the Palladium separation and recovery process using TPP extractant. In our previous work, it was found that the multistep extraction is possible to separate Pd(II), Au(III)and Ni(II) from the coated electronic parts waste which use Cu as base material using TPP extractant. In this work, we investigated that the separation and extraction behavior of Pd(II), Au(III), Ni(II) and Cu(II) using TPP extractant. Furthermore, we considered that the separation and recovery process from the coated electronic parts waste by the extraction method with TPP extractant.
著者
松本 成史 島田 憲次 細川 尚三 松本 富美
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.593-596, 1997-08
被引用文献数
1

9歳女児,7歳女児.「トイレの花子さん」というどこの学校にも存在するうわさ話・怪談の為にnonneurogenic neurogenic bladder(Hinman症候群)の初期像ともいえる臨床症状を示した症例を経験したTwo girls aged 6 and 7 years old with established urination habit complained of daytime incontinence and deterioration of nocturia after they started school life. They were quite afraid of the lavatory and sometimes skipped urination during school time completely. Voiding cystography revealed bladder trabeculation and vesicoureteral reflux. On cystometry, bladder compliance was preserved with no uninhibited contraction. Ghost tales about labatories, such as "the tale of Ghost Hanako," prevail in almost every elementary school in Japan. In some children, especially schoolgirls, lavatory phobia results in dysfunctional voiding. Such "Ghost Hanako's syndrome" may be an early phase of non-neurogenic neurogenic bladder (the Hinman syndrome). Detailed information regarding school life and urination habit is important for the treatment of this entity.
著者
加藤 内藏進 松本 健吾 大谷 和男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1.はじめに<br> 東アジアの暖候期には,グローバルな規模を持つアジアモンスーンの影響を受けて,梅雨等の顕著な雨季が現れる。しかし,日本列島付近は,ユーラシア大陸の高緯度域,南アジア域,北西太平洋の熱帯・亜熱帯域,北太平洋高緯度域のようなかなり異なるアジアモンスーンサブシステム間の接点にあたり,僅か1000km程度の東西の違いで,梅雨降水の特徴等も大きく異なる(Ninomiya and Mizuno 1987,等)。例えば,西日本の梅雨前線では組織化された積乱雲の集団に伴う集中豪雨の頻出で梅雨期の総降水量は東日本に比べてかなり多い。但し,東日本側でも,西日本側に比べると大雨日(以下,50mm/day以上の日をさすことにする)の頻度は少ないものの,東日本の大雨日には,10mm/hを下回るような「普通の雨」による総降水量への寄与が大きいタイプが半数程度を占めていた(松本他 2013, 2014,それぞれ,岡山大学地球科学研究報告,Vol. 20,21。本グループの松本他による1971~2010年の解析に基づくポスターも参照)。<br> 但し,種々の広域システムの接点にあたる日本付近では,日々の変動,季節内変動,季節変化,年々変動も大きく,しかも低緯度と中高緯度のシステムの関わり方の違いにより,降水量だけでなく「降水特性」の多様性も大きい。そこで本グループは,本大会の松本他の研究を踏み台に,梅雨期から盛夏期を中心とする降水について,降水量だけでなく降水特性の多様性や,西日本と東日本との違いの詳細についても注目して,1950年以前も含めた長期解析(日本の気象官署の日降水量や天気図などに基づき)にも着手した。長期的な気候変化・気候変動だけでなく,種々の現象を把握して気候学的平均像を長期的なパラメータレンジで把握することも狙う。その際に,限られた過去の地上データや天気図等から,どの程度,日々の現象の傾向を記述する気候学に迫れるかの検討も行う。<br> なお,気象庁が日原簿をスキャンしたPDFファイルも一部の気象官署に関しては古い時期のものも気象業務支援センターを通して入手出来たので,そこに記載された1時間降水量のデータも活用法を検討したい。<br> 2.日降水量データに基づく梅雨最盛期と盛夏期の降水量や降水特性の長期解析(長崎と東京との比較を例に)<br> 本研究ではまず,西日本(特に九州)の例として長崎,東日本の例として東京における長期間の日降水量データを中心に,比較解析した。1901年~2010年における梅雨最盛期(ここでは6月15日~7月15日とした),盛夏期(8月1日~31日)について,総降水量やそれに対する50mm/day以上の日(大雨日)の降水の寄与などの解析を行なった。<br> 従来知られているように,梅雨最盛期には長崎の方が東京よりも大雨日の寄与が大きく総降水量も大きかったが,110年間でみた年々の総降水量の変動も,長崎では大雨日の寄与の変動を大きく反映していた。しかし,東京では,基本的には大雨日で積算した降水量と総降水量の増減の対応も一応みられたが,大雨日の寄与は殆ど無いのに,総降水量は110年間の平均値を上回るような年もしばしば出現する等,降水特性の変動も大きいようであった。また,総降水量に対する大雨日の降水量の寄与の割合も(以下,寄与率と呼ぶ),長崎では11年移動平均ではあまり年々の違いはなかったが,東京では数10年周期で比較的大きな変動がみられる等,降水特性の平均ばかりでなく年々の変動にも東西の違いが見られた。<br> 更に,東京の大雨日の日降水量に対する1時間降水量の寄与も,110年間で集計した(図略)。東京では,110年間でみても,梅雨最盛期の大雨日に比べて盛夏期の大雨日の方が,1時間降水量でみた強雨の寄与が大きい等の季節進行もみられた。発表では,1950年以前の特徴的な状況における1時間降水量や天気図等による事例の吟味も行なう予定である。