著者
大村 知子 山内 幸恵 平林 優子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.393-402, 2008-06-15

人体の動作により衣服にはひきつれやだぶつきといった着くずれが生じる.本研究では,姿勢変化の過程における人体とパンツの軌跡を三次元動作解析システムにより捉え,動作により人体とパンツがずれるプロセスの解明を試みた.また,ずれの量や方向についてパンツ別,被験者別,動作別に比較を行った.主な結果は次のとおりである.(1)ずれの量は開口部で大きく,ずれは皮膚の伸展の大きい部位に向かって生じた.(2)ずれはアンクルラインやニーラインなど衣服にゆとりが多い部位で先に生じ、それからウエストラインなど衣服のゆとりが少ない部位で徐々に生じる傾向にあった.また,ずれは水平方向や横方向へ先に生じ,その後に垂直方向に生じる傾向にあった.(3)股上が浅く,ゆとりの大きいパンツは,後ウエストラインにおいて下方へのずれの量が大きかった.立位から蹲踞への動作では立位から椅座への動作よりウエストラインにおいて後方へのずれの量が大きかった.また,ずれの量や方向は被験者の着衣の仕方や好みに影響を受けた.
著者
乾 健太郎 石井 雄隆 松林 優一郞 井之上 直也 内藤 昭一 磯部 順子 舟山 弘晃 菊地 正弥
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.289-300, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
54

自らの判断を説明できる能力は自然言語処理システムに期待される重要な要件である.説明はコミュニケーションであるから,説明できる能力についても,説明の目的や受け手との共通基盤化といったコミュニケーションの概念とリンクさせて研究することが望ましい.ライティング評価はそのような研究を進める格好の応用領域である.ライティング評価は,教育シーンにおいて学習者が産出するテキスト(記述式答案や論述文など)の質を評価・診断し,学習者にフィードバックすることによって学習を支援するタスク群を指す.教育目的の評価では説明は本質的に重要であり,したがってそこには説明の目的や手段など,教育学的な研究や実践の蓄積がある.ライティング評価ではそうした蓄積とリンクさせながら「説明できる自然言語処理システム」の研究を進めることができる.本稿では,ライティング評価における説明に焦点を当て,どのような評価タスクにどのような説明方法が考えられるか,どのような技術的実現手段が考えられるか,を論じる.近年の研究動向を概観しながら,内容選択,言語産出各レイヤの評価における説明生成の可能性を論じ,研究者のこの領域への参入を呼びかけたい.
著者
中村 大輝 藤原 聖輝 石飛 幹晴 川崎 弘作 小林 和雄 小林 優子 三浦 広大 雲財 寛
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.137-154, 2023 (Released:2023-07-08)
参考文献数
124

The purpose of this study was to derive the types, characteristics, historical evolution, and issues for future research on assessment methods of understanding of the Nature of Science (NOS). The assessment methods for NOS understanding were extracted from an article database, and 69 assessment methods were identified. These assessment methods differed in response format and subjects, and there was some bias in the elements measured. Finally, we summarized issues for future research from the three viewpoints of “What should be assessed as NOS understanding,” “What methods should be used for assessment,” and “What is the purpose of assessment”.
著者
土肥 眞奈 佐々木 晶世 小林 優子 叶谷 由佳
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.186-195, 2020 (Released:2021-02-12)
参考文献数
32

【目的】看護師が胃瘻カテーテル内汚染・閉塞予防のため実践してきた管理方法と交換期間を調査すること【対象および方法】無作為抽出した日本の有床病院と介護保険施設2,000箇所の看護師に質問紙を配布した.【結果】チューブ型胃瘻を使用する287施設の内,回答が多かった平均交換期間はバルーン型1カ月以上,バンパー型4カ月以上だった.カテーテル内汚染・閉塞予防策は白湯充填,汚染への対処方法,汚染に有用と考える対処方法は白湯フラッシュの回答が多かった.バルーン型カテーテルを1カ月以上使用する施設は有意に非常勤管理栄養士配置数が多かった(p=0.02).【結論】管理栄養士数を適正に配置し,看護師と連携して胃瘻管理を行うことがカテーテルを長く使用可能にすると推測される.また不使用時に白湯を充填しておくこと,カテーテル内汚染には白湯フラッシュが最も行われていた.
著者
小林 優子
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.281-297, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
30

本研究は,日本の高等学校で行われている探究活動においてNOSが言及される場面を明らかにした。そのために,自然科学の探究を行う生徒2名と人文社会科学の探究を行う生徒2名を対象に,1年間の探究活動中の発話を記録し,質的データ分析ソフトウェアを用いて質的に分析した。NOSの要素のうち「主観性」,「科学と社会」,「科学の中の社会・文化」に着目して分析したところ,いずれの生徒においても「目的に合わせた方法」や「研究の蓄積」などのサブカテゴリーにおいて発言に深まりが見られた。このことから,NOSの指導を意識していない日本の探究活動においてもNOSについて学ばれる可能性を指摘することができる。一方で,「科学内部の社会的プロセス」や「科学者間のコミュニケーション」についてはほとんど言及されておらず,言及されるNOSには偏りがあることが明らかになった。また,これ以外のNOSについても探究活動の進捗に合わせて質的な深まりが見られた。こうした質的な深まりは,探究する領域の違いや指導形態の違い,生徒の個人的な経験や関心に影響を受けることが明らかになった。
著者
平林 優子
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
no.117, pp.57-68, 2021-03-15
著者
大村 知子 山内 幸恵 平林 優子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.39-44, 2009-01-15

We asked 58 young women to select their preferred pant size after trying on pants of various sizes. The wearers and third party observers assessed how well the pants fit at different parts of the body. The results were as follows: 1. Fifty percent of the wearers selected a smaller size than their actual size as their preferred size. 2. As to size selection, wearers whose waists were larger than that of the standard size preferred a good fit at the waist. 3. Regarding the degree of fit in each region, the observers tended to assess the degree of fit over the entire body, while there was no correlation between the degree of fit at the waist and that at the hip among the wearers.
著者
笹田 周作 石井 智也 小林 優里 清水 菜央 小宮山 伴与志
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.239-247, 2022-04-01 (Released:2022-03-14)
参考文献数
30

We investigated the effect of anodal transcranial direct current stimulation (anodal tDCS) on the performance of full-effort box stepping exercises in athletes and non-athletes. Twenty-one subjects (athletes: five men and six women, non-athletes: four men and six women) participated in this study. tDCS was applied through two electrodes placed on the vertex (anode) and the forehead (cathode). A 2-mA anodal stimulation was applied for 15 minutes, while sham stimulation was applied on different days with similar electrodes. Participants were asked to apply a maximal effort while stepping up and down a 10-cm tall box for 20 s following termination of the tDCS. The 20 s box stepping was repeated three times with 15 s of rest. The number of total steps was significantly increased following anodal tDCS compared to sham tDCS. The degree of increase in performance was more prominent in non-athletes than in athletes. In non-athletes, a differential pattern of fatigue in performance between stimulus conditions was observed. In contrast, this significant performance modulation between stimulus conditions was not detected in athletes. Our findings of improved stepping performance following anodal tDCS depended on the training level of the subject group; this implies modulation of descending command from CNS to active muscles by tDCS. It is suggested that the degree of neural modulation for controlling complex and full-effort leg movements due to tDCS is higher in non-athletes than in athletes.
著者
大村 知子 山内 幸恵 平林 優子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.393-402, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

人体の動作により衣服にはひきつれやだぶつきといった着くずれが生じる.本研究では,姿勢変化の過程における人体とパンツの軌跡を三次元動作解析システムにより捉え,動作により人体とパンツがずれるプロセスの解明を試みた.また,ずれの量や方向についてパンツ別,被験者別,動作別に比較を行った.主な結果は次のとおりである.(1)ずれの量は開口部で大きく,ずれは皮膚の伸展の大きい部位に向かって生じた.(2)ずれはアンクルラインやニーラインなど衣服にゆとりが多い部位で先に生じ、それからウエストラインなど衣服のゆとりが少ない部位で徐々に生じる傾向にあった.また,ずれは水平方向や横方向へ先に生じ,その後に垂直方向に生じる傾向にあった.(3)股上が浅く,ゆとりの大きいパンツは,後ウエストラインにおいて下方へのずれの量が大きかった.立位から蹲踞への動作では立位から椅座への動作よりウエストラインにおいて後方へのずれの量が大きかった.また,ずれの量や方向は被験者の着衣の仕方や好みに影響を受けた.
著者
馬場 駿吉 高坂 知節 稲村 直樹 佐藤 三吉 鈴木 茂 遠藤 里見 石戸谷 雅子 小野寺 亮 山田 公彦 大久 俊和 荒井 英爾 鈴木 雅明 大山 健二 粟田口 敏一 戸川 清 岡本 美孝 松崎 全成 寺田 修久 喜多村 健 石田 孝 馬場 廣太郎 島田 均 森 朗子 池田 聖 金子 敏郎 今野 昭義 山越 隆行 石井 哲夫 窪田 市世 鍋島 みどり 田口 喜一郎 石山 哲也 中野 雄一 中村 英生 五十嵐 文雄 古川 仭 作本 真 山下 公一 久保田 修 宇佐神 篤 伊藤 博隆 鈴木 元彦 間宮 紳一郎 横田 明 加藤 薫 大屋 靖彦 河合 〓 岩田 重信 横山 尚樹 井畑 克朗 瀧本 勲 稲福 繁 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 雨皿 亮 山田 弘之 坂倉 健二 平田 圭甫 伊藤 由紀子 村上 泰 竹中 洋 山下 敏夫 久保 伸夫 中井 義明 大橋 淑宏 阪本 浩一 村田 清高 平沢 昌子 原田 康夫 森 直樹 白根 誠 多田 渉 小林 優子 竹林 脩文 河野 嘉彦 夜陣 紘治 平田 思 宮脇 修二 津田 哲也 山下 隆司 二階堂 真史 柿 音高 永澤 容 増田 游 後藤 昭一 西岡 慶子 折田 洋造 東川 康彦 武 浩太郎 進 武幹 前山 忠嗣 百田 統洋 堤 昭一郎 茂木 五郎 川内 秀之 松下 太 吉村 弘之 高田 順子 石川 哮 定永 恭明 大山 勝 松崎 勉 坂本 邦彦 廣田 常治 内薗 明裕 鯵坂 孝二 中島 光好
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.389-405, 1995-03-01
被引用文献数
13 16

The efficacy and safety of Kampo preparation Sho-seiryu-to were studied in a joint double-blind trial in comparison with a placebo. The study was carried out on 220 patients with perennial nasal allergy at 61 hospitals. Granules in a dose of 3 g were administered 3 times daily for 2 weeks. Moderate to high improvement was recorded in 44.6% of the treated patients and in 18.1% of those receiving placebo. The difference is significant (p <0.001). Side effects were noted in 6.5% of the treated patients and in 6.4% of the controls (not a significant deference). The side effects were mild and had no influence on the daily life of the patients.
著者
小林 優子
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.95-108, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
13
被引用文献数
3

本研究では,探究活動を行う高校生80名に対して質問紙調査と「振り返りメモ」の分析を行い,探究活動の前後における「科学の本質(Nature of Science: NOS)」に対する理解の変化を明らかにした。これにより以下の三点が明らかになった。第一に,選択式質問項目の分析結果から,自然科学の探究活動を行う生徒においては「暫定性」,人文社会科学の探究活動を行う生徒においては「理論負荷性」に対する理解に深まりが見られた。第二に,探究活動を通じて「暫定性」や「理論負荷性」に対する理解に深まりが見られた生徒の「振り返りメモ」の分析から,探究活動の中でも特に先行研究を検討する過程においてNOSに対する理解が深まることが示唆された。第三に,自然科学や人文社会科学といった探究する領域の違いや指導形態の違いによってNOSの理解の仕方に相違が生じる可能性が示唆された。以上より,探究活動を通じてNOSに対する理解が深まることが明らかになった。これらを踏まえ,探究活動が今後日本におけるNOS教授の足がかりとなる可能性を指摘した。
著者
小林 優佳 久島 務嗣 吉田 尚水 藤村 浩司 岩田 憲治
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.IDS-D_1-14, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
63

This paper proposes a new method for slot filling of unknown slot values (i.e., those are not included in the training data) in spoken dialogue systems. Slot filling detects slot values from user utterances and handles named entities such as product and restaurant names. In the real world, there is a steady stream of new named entities and it would be infeasible to add all of them as training data. Accordingly, it is inevitable that users will input utterances with unknown slot values and spoken dialogue systems must correctly estimate them. We provide a value detector that detects keywords representing slot values ignoring slots and a slot estimator that estimates slots for detected keywords. Context information can be an important clue for estimating slot values because the values in a given slot tend to appear in similar contexts. The value detector is trained with positive samples, which have keywords corresponding to slot values replaced with random words, thereby enabling the use of context information. However, any approach that can detect unknown slot values may produce false alarms because the features of unknown slot values are unseen and it is difficult to distinguish keywords of unknown slot values from non-keywords, which do not correspond to slot values. Therefore, we introduce a negative sample method that replaces keywords with nonkeywords randomly, which allows the slot estimator to learn to reject non-keywords. Experimental results show that the proposed method achieves an 6,15 and 78% relative improvement in F1 score compared with an existing model on three datasets, respectively.