著者
伊藤 友文 柴田 康二 森田 英憲 杉村 寛 加藤 春哉 小林 幸司 佐々木 岳嗣
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.137-141, 2021 (Released:2021-01-26)
参考文献数
4

従来のHVエンジン始動時ショック制御は,2つのモータジェネレータ(MG)で独立に駆動系の制振を行い,それぞれの定数を実車で適合してきた.今回,実車レスのモデルベース開発実現の為,2つのMGを協調させ制御系全体を制御するモデルを構築し,制振効果の増大が可能な新制御であるMG協調制振制御を開発した.
著者
武田 庄平 榎本 はるか 小林 大佑 福田 早紀子 荒川 直輝 安東 幸志朗 原 祐菜 藤坂 航大 盧 曦子
出版者
東京農工大学農学部附属FSセンター
巻号頁・発行日
pp.15-27, 2017 (Released:2020-02-03)

日本動物園水族館協会に加盟している東京都,神奈川県,埼玉県にある園館のうち,日本の動物園・水族館で見かけることの多いシマウマ,ゾウ,インコ,ペンギン,ペリカン,アザラシ・アシカ,イルカなどの同じ種類の生き物が飼育されている異なる園館を選定し,実地踏査し,動物の展示や施設の工夫を,来園者の立場で評価し,各園館の展示の工夫を比較評価検討した。その結果,観覧者は生き物が至近距離で観られて当然であると考えており,そうでない場合は評価が低い,また施設のきれいさを求める傾向も高く,個体数の少ない展示に対しては低い評価を下しがちである傾向が示された。これらの観覧者の態度に対してうまく対応することで,エデュテインメント施設としての動物園・水族館は,エコツーリズム的ないし環境教育的に効果的な展示を行うことが可能となり,またそのことを通じて動物園・水族館の存在意義を明示することにつながると言える。
著者
川村 大河 中林 赳明 長瀬 智行
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2013-CSEC-62, no.46, pp.1-4, 2013-07-11

今日の暗号技術において,乱数生成技術は様々な局面で必要不可欠な技術であり,性能の良い暗号論的乱数生成器は現在でも広く求められている.特に,限りなく真の乱数に近い乱数系列を発生させることのできる物理乱数生成器は,比較的高価である,系列生成に時間がかかる,など様々な制限が存在している.そのため安価に実現できる優れた物理乱数生成器の開発は,セキュリティの向上という面において急務であるといえるだろう.そこで,ほぼ全てのデバイスに標準的に付加されているマイク入力から得られる雑音を利用して乱数生成器を開発することはできないかと考えた.本研究では,マイク入力から得られた雑音データの最下位ビットをとり,Barak, Impagliazzo & Wigderson 抽出器を利用することによって,乱数生成器を設計した.
著者
林 恭平 根来 圭一 岩本 和也
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
巻号頁・発行日
no.5, pp.67-73, 2004 (Released:2011-03-05)

本研究はウメ品種のS遺伝子型をPCR法により識別した。1.供試したウメ50品種から少なくとも10の遺伝子座を識別し、22以上の遺伝子型があることを認識した。2.和歌山県各地の‘南高’79樹のS遺伝子型はS1S7であったが、異なるS遺伝子型示す‘南高’が2系統あった。3.‘小粒南高’5系統のS遺伝子型はそれぞれが違う遺伝子型を示し、‘小粒南高’は遺伝的に様々な系統があると考えられた。4.‘南高’と自家和合性個体(‘地蔵’と‘剣先’)の交雑個体の中で、自家和合性個体をSf遺伝子の有無で識別することができたことから、S-RNase遺伝子は自家和合性個体判別の分子マーカーとして利用できることがわかった。
著者
遠藤 秀紀 岡の谷 一夫 松林 尚志 木村 順平 佐々木 基樹 福田 勝洋 鈴木 直樹
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.69-73, 2003
参考文献数
8

コーンビーム型CTを用いて,ハダカデバネズミとジャワマメジカの全身を観察し,腹腔壁の構造を検討した。その結果ハダカデバネズミにおいて,薄い腹壁と発達の悪い胸椎および腰椎が三次元画像として確認された。柔軟性のある腹壁は,同種が切歯を用いて掘削を行う際に,土を腹側の空間を利用して体の後方へ送る機能を果たしていることが示唆される。またジャワマメジカでも脆弱な腹壁が観察された。同種の柔軟な腹壁は、消化管で食物の発酵を進めたり,大きい胎子を妊娠したりすることへの適応であると推察された。ジャワマメジカでは肩甲骨の位置が三次元画像上で容易に確認されたが,コーンビーム型CTは同種より大きいサイズの動物において,軟部構造をデジタルデータ上で除去しながら全身骨格を観察するのに適していると考えられる。
著者
秋吉 澄子 小林 康子 柴田 文 原田 香 川上 育代 中嶋 名菜 北野 直子 戸次 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」において,地域に残されている特徴ある家庭料理を,地域の暮らしの背景とともに記録し,各地域の家庭料理研究の基礎資料,家庭・教育現場での資料,次世代へ伝え継ぐ資料などとして活用することを目的に,聞き書き調査を行った。本研究では,熊本県の「副菜」の特徴について検討した。</p><p>【方法】熊本県内を6地区(阿蘇,県北,熊本近郊,県南,天草,球磨)に分類し,昭和35〜45年頃に各地域に定着していた家庭料理について,11名の協力者を対象に聞き書き調査を行った。その調査結果や参考文献を基に,熊本県の副菜の特徴を検討した。</p><p>【結果および考察】野菜のおかずでは,本県の郷土料理として全国的にも有名な「一文字のぐるぐる」,大根を使った「こしょう大根」,「煮なます」,「のっぺ」,旬の食材を使った「たけのこのひこずり」,「菜やき」,「どろりあげ」が日常の食事によく作られていた。保存食(漬物)では,阿蘇の「高菜漬け」や「ふさぎり漬け」,県南の山間部で作られる「豆腐のみそ漬け」,もろみ味噌である「しょんしょん(しょうゆの実)」が作られていた。汁物では,大豆を使った「呉汁」や人吉・球磨地方の「つぼん汁」が挙げられた。その他,熊本近郊(西原地区)の「落花生豆腐」や阿蘇(高森地区)の「田楽」,天草の「みなみそ」が副菜として挙げられた。熊本県の副菜の特徴として,地元で採れる旬の食材を使用し,しょうゆ・みそでシンプルに味付けをした料理が多く,油で炒めるなどの方法により,うまみやコクをプラスする工夫が見られた。採れた食材を無駄にすることなく,すべて頂くといった先人の知恵も生かされていた。</p>

1 0 0 0 OA 源平盛衰記

著者
松林伯円 講演
出版者
文事堂
巻号頁・発行日
vol.巻之3, 1898
著者
見正 富美子 林達 也 柴田 真志 吉武 康栄 西嶋 泰史 森谷 敏夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.519-526, 1996-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
30
被引用文献数
6 6

The present study was designed to examine the effects of aerobic exercise on the change of alpha wave component in electroencephalogram (EEG) and plasma β-endorphin. Exercise consisted of 30-min cycling on an ergometer with the load adjusted to elicit a heart rate rise of 50% between resting and predicted maximal value. The EEG signals and blood samples were obtained before and after 30-min exercise. The EEG signal was digitized at a sampling frequency of 64 Hz and analyzed by means of computer-aided decomposition algorithm and frequency power spectral analyses, respectively. The blood samples were immediately centrifuged for 15-min for quantitative analysis of β-endorphin by means of radioimmunoassay method. Results indicated that β-endorphin was significatly (p<.05) greater after exercise as compared to that of the resting contorol. It was also found that the larger the changes in β-endorphin following exercise, the higher the appearance rate of alpha wave in EEG. There was a positive and significant correlation (r=563, p<0.05) between the increase in alpha wave component and that of the plasma β-endorphin. These results suggest that traquilizer effects of aerobic exercise could be explained, at least in part, by the increase of alpha wave component and plasma β-endorphin which in turn bring about the relaxation effects upon the central nervous system.
著者
林田 達也 片山 貴雄 尾形 武文
出版者
福岡県農業総合試験場
巻号頁・発行日
no.21, pp.67-71, 2002 (Released:2011-03-05)

茎葉を主として利用する葉ゴボウの品種‘恩智極早生白茎’の栽培法を確立するために、休眠や抽だいの特性および播種時期と保温施設、保温資材が異なる場合の生育、収量について明らかにした。1.葉ゴボウ品種‘恩智極早生白茎’を秋播きした場合、冬期にも葉が展開し、休眠は認められなかった。2.‘恩智極早生白茎’を秋播きした場合、3月中旬より抽だいが認められた。抽だいは根径が太いほど起こりやすく、16時間の長日条件により促進された。3.葉ゴボウ品種‘恩智極早生白茎’を北部九州において栽培する場合、9月下旬から10月下旬に播種し、大型ハウスや小型ハウス、トンネルおよび露地で栽培することが可能であり、これらの栽培法を組み合わせることにより、2月中旬から4月上旬までの長期収穫が可能である。
著者
本多 満 一林 亮 鈴木 銀河 杉山 邦男 坂元 美重 奥寺 敬
出版者
一般社団法人 日本神経救急学会
雑誌
Journal of Japan Society of Neurological Emergencies & Critical Care (ISSN:24330485)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.27-32, 2019-08-23 (Released:2019-08-24)
参考文献数
7

〔背景〕神経救急・集中治療におけるモニタリングである脳波を,時間外あるいは休日に意識障害患者が来院しても医師あるいは看護師により容易に施行することを可能とする簡易的脳波測定デバイスの開発を,2013年より日本臨床救急医学会ACEC委員会と日本光電社との共同研究により開始した。〔経過および現況〕開発に際して,ERにおける意識障害患者に対して脳波測定に不慣れな医療従事者においても簡単かつ迅速に脳波測定ができることを目標とした。これらをみたすデバイスを作製して脳波データをBluetoothⓇでモニターに電送してモニタリングすることが可能となった。〔今後の展望〕現在当施設において完成機が導入されているが,脳波の評価の難しさなどにより脳波に不慣れな医療従事者が十分使いこなしている状況ではない。しかし,このデバイスを用いて脳波測定中に脳波室に院内LANを用いて遠隔監視できるシステムを構築して問題点に対する対応を行っている。
著者
米満 弘之 平良 誠 中根 惟武 陣内 卓雄 林 茂
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.338-341, 1976-11-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
15

Recently, we think thoracic outlet syndrome so noteworthy on it's diagnosis and treatment. In the past five years, there have been 30 cases of thoracic outlet syndrome in own clinic.We have some problems on the diagnosis of thoracic outlet syndrome, for example, the objective finding, the compression test of the brachial plexus and subclavian vessels and angiography.We report our cases and describe these problems.
著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.567, 2020

<p>いつもなら"第○回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO)にご参加,ご発表頂いたみなさまありがとうございました。"から始まることが多い実行委員長の振り返り記事は,今年において,特殊にならざるを得ない状況となりました。</p><p>COVID-19によって,我々は未知のウィルスに対応するという試練を与えられ,INFOPRO運営を直撃しました。学協会におけるもっとも重要な活動の一つに,年次大会を開いて会員が参集し,情報交流を通じて知己を得ることがあり,INFOSTAの看板シンポジウムであるINFOPROがその役割を果たしてきました。その開催が危ぶまれたというのは,学協会の存続にかかわることでもありました。委員長としては,他の学協会大会の様子や判断を観察しながら,委員と共に様々なオプションを検討し,判断材料を整えていきました。個人的な気持ちとしては,1990年代より電子ジャーナル化という,今でいうデジタルトランスフォーメーションの端緒に携わり,現在オープンサイエンスという科学の変容を志向する調査研究と実践に邁進して来ましたので,今回はむしろデジタルトランスフォーメーションの千載一遇のチャンスであり,何も挑戦せずに単に中止や縮小するという選択はあり得ませんでした。その一方で,INFOSTAのリソースは限られており,また,スケジュールの都合もありましたので,理想的あるいは独善的なオンライン開催を行うわけにもいきませんでした。委員長として現実的な落としどころを見つける必要があり,慎重に検討を重ねました。その結果として,INFOPRO2020自体は誌上開催としつつ,Plusとして希望者によるオンライン発表の機会を作り,電子ポスターやプロダクトレビューも加えた紙とオンラインのハイブリッドと開催となりました。運用においても,zoomの導入を中心として手探りながらも段取りつけて当日を迎え,今後のオンライン開催の目途をつけ,また,課題を見つけることができました。この経験と得られた知見はINFOSTAにとって大きな資産となったのではないでしょうか。</p><p>より詳しい,開催までの経緯や当日の裏話等については,本号の座談会記事をご覧いただきたいと思いますが,何より嬉しかったのは,致命的なトラブルは全くなく,また,他のイベントで多くで経験したような遅延や座長や発表者の戸惑いもほとんどなかったことです。最後の最後に委員長の閉会の挨拶で,マイクトラブルが起きたのはご愛敬ですが,本当に最後に唯一起きたトラブルだった思います。これも一重に山﨑会長を筆頭とするINFOSTA三役,理事のご英断をはじめとする,実行委員,そして事務局のみなさまのご尽力とチームワークがあってのものでした。特に川越副委員長におかれては,特別講演の調整やリハーサルの指揮を含め様々にご尽力いただきました。この場を借りて関係の皆様に厚く御礼申し上げます。</p><p>今回のこの経験,知見を生かして,来年のINFOPRO2021に向けてインフォプロの新たな出発をより確実かつ魅力的なものにできるよう,みなさまのご賛同とご協力を改めてお願いする次第です。また,今回のINFOPROはINFOSTAの歴史の特異点であり,また大きな転換点となる可能性が非常に高いと思われます。そこで,このインシデントとその対応について様々に記録して後世に残すことが重要と考え,通常の特別講演や一般発表の聴講記事に加えて,電子ポスターや運営の裏側を語る座談会に関するものやアンケート結果など,会誌編集委員会との連携によりさまざまな記事を企画しました。それらの記事も是非ご覧いただき,奇譚のないご意見や今後に向けた示唆を賜ればと思います。COVID-19は学協会の変容を確実に進め,また,その変容はまだ緒に就いたばかりともいえます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。</p><p>(INFOPRO2020 実行委員会委員長 林 和弘)</p><p>INFOPRO2020 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(ジー・サーチ),委員:矢口 学(科学技術振興機構),小山信弥(関東学院大学),鷹野芳樹(クラリベイト),廣田拓也(クラリベイトジャパン),山中とも子(㈱ファンケル),担当理事(正):増田 豊,担当理事(副):佐藤京子,棚橋佳子,吉野敬子,谷川 淳</p>
著者
平林 一徳 森 敦紀
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.926-933, 2000 (Released:2009-11-13)
参考文献数
35
被引用文献数
4 5

This article reviews organic chemistry of siloxane and silanol involving the preparative method as well as applications towards organic synthesis. Chapter 1 deals with the formation of siloxane bond and reactions of thus prepared siloxane compounds. Chapter 2 covers recent preparative methods for silanols and new synthetic reaction using silanol involving 1) utilization of silanol oxygen that serves as a base or a nucleophile, 2) transformation of neighboring functionality on the silicon substituent based on the interaction of silanol oxygen with an organometallic reagent, and 3) transformation of a carbon silicon bond of silanols directed to novel carbon-carbon bond forming reactions.
著者
苗代 弘 和田 孝次郎 魚住 洋一 小林 弘明 竹内 誠 長谷 公洋 川内 聡子 佐藤 俊一
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.265, 2012 (Released:2020-07-16)
参考文献数
17

Positive behavioral improvement has been observed following transcranial near-infrared light therapy in humans with chronic traumatic brain injury and acute stroke. We first examined the effect of 808 nm laser diode irradiation on regional cerebral blood flow (rCBF) in mice. An 808 nm CW diode laser was applied to the hemisphere transcranially. Transcranial near-infrared laser irradiation increased rCBF by 30% compared to control value in mice. Near-infrared laser irradiation also provoked a significant increase in cerebral nitric oxide concentration. In the clinical setting, transcranial near-infrared lightemitting diode irradiation to the forehead in a patient with persistent vegetative state following head injury was done. rCBF showed focal increase of 20%, compared to the pre-treatment value. The patient showed some improvement in his neurological condition after light-emitting diode therapy. Transcranial near-infrared irradiation might increase rCBF with some improvement of neurological condition in patients. Further study is warranted.
著者
二村 美也子 古場 伊津子 前澤 聡 藤井 正純 若林 俊彦
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.356-362, 2015-09-30 (Released:2017-01-03)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【はじめに】多言語話者で言語共通領域と特異領域の存在が知られているが, その関係について見解は一定ではない。【症例】再発左前頭葉腫瘍を有する48 歳男性。母語はポルトガル語で第二言語は日本語。成人以降日本に移住・日本語獲得し, 以後日本語を主に使用。覚醒下開頭腫瘍摘出術を施行。術中マッピングでは左下前頭回三角部で, 両言語で喚語困難を呈した (共通領域) 。また左中前頭回では, ポルトガル語のみ喚語困難や音の歪みがみられた (母語特異領域) 。【考察, 結論】本症例の特記すべき所見は, 共通領域と特異領域両者を認め, かつ中前頭回に母語特異領域を認め, 第二言語より母語で機能野の広がりが大きい点である。多言語話者の言語領域については, 母語・獲得時期・習熟度の他に, 環境下の使用頻度についてもその構成に影響を与える可能性があり, 多様と考えられる。機能温存目的のマッピングの際は, 各々の言語で評価する必要がある。
著者
上林 功
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-55, 2016

早大学位記番号:新7402
著者
髙林 裕 福井 亘
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.749-752, 2020-03-30 (Released:2020-06-09)
参考文献数
28

Avifauna in urban matrix may be influenced by forests and farmlands surrounded by the matrix. How does the matrix in the city center with few forests and farmlands work for birds? The purpose of this study was to clarify the effect of the green coverage ratio in the matrix of the city center on the birds appearing in small urban parks. We selected 29 urban parks ( area : 2561.21±371.97 ㎡ ) in the center of the Osaka City as study sites. Each site was visited three times for bird surveys in each of breeding and wintering seasons. Using the satellite images taken by Sentinel-2, we calculated the green coverage ratio around 29 urban parks. Moreover, we clarified the relationship between the appearing birds and the green coverage ratio in the matrix based on the hierarchical Bayesian model. As a result, the presence of large habitat patch in the urban matrix affected the appearance probability of some species. Furthermore, the result also showed that the green coverage ratio in the matrix during the wintering season influenced the probability of appearance of Hypsipetes amaurotis and Turdus pallidus which have features about eating fruits.