著者
福嶋 政期 粟生 馨奈子 中田 明日香 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.467-476, 2014-12-31 (Released:2017-02-01)

Most people often experience music with accompanying emotion in every day of their lives, and the emotion sometimes become critical in determining the quality of the music experience. The goal of this paper is to enrich quality of the music experience with directly facilitating the emotion. To facilitate emotion in music, this paper presents a method that simultaneously presents sound and skin sensation to the pinna. The emotion enhancement effect of the method is evaluated in user studies, and the effect was compared between the other body parts (back, arms, fingers). The findings show that the method can enhance emotion that induces sympathetic nerve activity, and pinna is one of the most effective parts to enhance the sympathetic emotion.
著者
梶谷 哲也 渡部 和
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.23-31, 2005-04-15 (Released:2013-07-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

In the information society of the 21st century, it is important that human beings comfortably coexist with information systems through visual human interface. To realize better human interface in next generation information systems, this paper proposes as a basic theory for human interface and communication a new type of size called Subjective Size which measures the apparent size of an object in relation to different viewing distances. In this paper, human interface means the bridge between the real world and imagery information space, which is the structure of information in human brains induced from the real world through human senses. We applied a psychophysical approach in estimating the relationship between subjective size (i.e., apparent size) and viewing distance by measuring the apparent size of an object in relation to viewing distances. For this, we measured the apparent size of an object from various viewing distances using discs and spheres as stimuli, and proposed a model that relates viewing distance to apparent size. Finally, we tested the validity of the model (i.e., Subjective Size Function) by an experiment that compared perspective images of real space through the subjective size function with actual images of real space.
著者
松岡 弘文 梶原 一郎 田原 春夫 大島 一寛
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.953-957, 1994-06-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
8

真性包茎に合併する尿路感染症ならびに膀胱尿管逆流において本症がいかなる病的意義を持つか検討を行った.包茎の男児は排尿障害の合併が認められない場合でも尿路感染症をおこす頻度が高く, この観点からも包茎は手術適応が妥当であると考えられた. また, 排尿障害を伴う包茎では排尿障害のない群と比べて尿路感染症の頻度が有意に増加し, その大半が腎盂腎炎であることから上部尿路への閉塞性病変としての関与が示唆された.しかしながら, 本症に合併する膀胱尿管逆流症例は先天性尿管膀胱接合部異常に起因するものが大部分で, 包茎による排尿障害は副次的な増悪因子でしかないと判断されたものが多かった. 従って, 腎盂腎炎合併例では包茎治療と同時に尿路精査の必要があると考えられた. なお, 亀頭包皮の瘢痕癒着の強い後天性包茎の1例では閉塞による続発性逆流と判定された.
著者
宮﨑 文平 風戸 崇之 濵梶 方希 小濱 健吾 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_175-I_183, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

近年,高速道路では標準的な舗装路面として高機能舗装が採用されている.これに伴い,密粒舗装が主流であった時期に策定された従来の路面管理基準では,舗装路面の状態を十分に評価することが困難となってきている.本研究では,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の妥当性と,最適な路面管理基準について検討する.具体的には,現在の我が国の道路舗装の維持管理における,路面性状調査の結果による健全度評価と現場の補修要否判断の乖離の問題を説明する.その際,密粒舗装と高機能舗装それぞれの劣化過程の相違に触れ,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の問題点を指摘する.その上で,供用中の高速道路で獲得された路面性状データを用いた実証分析を実施し,最適な路面管理基準について検証する.
著者
梶川 勇作
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.89-102, 1969-04-01

金沢大学大学院人間社会研究域人間科学系
著者
大橋 春香 野場 啓 齊藤 正恵 角田 裕志 桑原 考史 閻 美芳 加藤 恵里 小池 伸介 星野 義延 戸田 浩人 梶 光一
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.37-49, 2013-06-25 (Released:2017-01-06)
参考文献数
26
被引用文献数
3

1. 栃木県南西部に位置する佐野市氷室地区において,耕作放棄地に成立する植物群落の違いに着目して集落周辺の環境を区分し,イノシシの生息痕跡の分布との関係を明らかにすることを目的とした. 2. 調査地域における86地点の耕作放棄地において植生調査を実施し,クラスター解析によって種組成を類型化したうえで,各類型を反映させた環境区分図を作成した.さらに,調査地域において約1km^2の調査区を設置し,2010年11月,2011年2月,5月,8月にイノシシの生息痕跡調査を実施した. 3. クラスター解析の結果,調査地域の耕作放棄地に成立する植物群落は管理の状態や土壌の乾湿を反映し,メヒシバ-オヒシバ群落(C1a),アキノエノコログサ-ハルジオン群落(C1b),イヌビエ-コブナグサ群落(C2),ヨモギ-ヘビイチゴ群落(C3a),ススキ-セイタカアワダチソウ群落(C3b),アズマネザサ群落(C4)の6つの類型に区分された. 4. イノシシの採餌痕跡は,C3a,C3b,C4において年間を通じて最も多く確認された.また,秋から冬にかけてはC1aおよびC1b,庭,果樹園において春から夏にかけてはC2,竹林,河川においてそれぞれイノシシの採餌痕跡が多く確認された.イノシシの休息痕跡は8月にC3bとC4で多く確認された. 5. 耕作放棄地に成立する植物群落のなかでも,遷移の進行したC3bやC4における刈り取りなどの植生管理はイノシシによる被害を抑制するうえでもっとも重要であると考えられた.
著者
田中 亮 戸梶 亜紀彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.737-744, 2009 (Released:2009-11-25)
参考文献数
27
被引用文献数
4 3

〔目的〕本研究の目的は,我々が開発を進めている「欲求の充足に基づく顧客満足測定尺度(Customer Satisfaction Scale based on Need Satisfaction: CSSNS)」の因子的妥当性を検証するために,検証的因子分析を行って因子構造モデルの適合度を検討することである。〔対象〕対象は,リハビリテーションサービスの利用者311名とした。〔方法〕CSSNSの因子構造モデルとして仮定した斜交モデル,直交モデル,二次因子モデルの適合度を検討するために,構造方程式モデリングによる検証的因子分析を行った。〔結果〕分析の結果,モデル適合度の絶対的指標であるCFIとRMSEAが基準値以上を示したモデルは,斜交モデルと二次因子モデルであった。さらに,モデル適合度の相対的指標であるAICを比較した結果,斜交モデルは二次因子モデルよりも適合が良いことが示された。〔結語〕CSSNSの因子的妥当性は斜交モデルにおいて検証された。
著者
梶 龍兒 佐藤 健太 佐光 亘 後藤 恵
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.844-847, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
9

Diagnosis of dystonia is not difficult by recognizing the pattern of clinical presentation. Dopa-responsive dystonia (DRD) and Wilson disease are important in differential diagnosis because of their specific treatment. The most common are the focal dystonias, including blepharospasm and spasmodic torticollis. Dystonia comprises mobile involuntary movements and abnormal postures, the latter is better described as hypokinetic disorder. The pathogenesis of dystonia is now being clarified, and includes abnormal neuroplasticity caused by the relative excess of dopamine in the matrix compartment of the striatum, the possible primary lesion being the striosome. In a dopa-responsive dystonia model, dopaminergic projection is more deficient to the striosome than to the matrix, which could produce imbalance between the direct versus. indirect pathway activities. The treatment options include trihexyphenidyl, minor tranquilizers, botulinum toxin injection, and deep brain stimulation.
著者
梶川 隆 村上 敬子 小橋 真司 寺田 洋明 長田 好規 横山 宏道 竹本 俊二 友田 純
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.45-50, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
14

症例は50歳代, 男性. 2010年2月ごろから出現した早朝の胸部圧迫感を主訴に来院した. 断層心エコー図検査と運動負荷心電図検査は正常であった. 冠攣縮性狭心症を疑いニトログリセリンを処方し, 胸痛時の舌下投与にて軽快を認めていたが, 数日後の夕方, 自宅で胸部圧迫感を訴えた直後に倒れて, 痙攣し, 心肺停止状態となった.妻が目撃し, ただちに胸骨圧迫を行い, 近所の住人に救急隊通報を依頼した. 約4分後に救急隊が到着し, その2分後と4分後に自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)による電気的除細動が施行された. 自己心拍は再開し, 約30分後に搬送された. 来院時の意識状態は, JCSIII-300で, 自発呼吸は微弱であったため, 気管挿管と人工呼吸とを開始した. 12誘導心電図ではIII, aVFでST上昇と, QT延長とを認め, V5~6でST低下を認めた. 入院後, クレアチンキナーゼ(creatine kinase; CK)は正常域を推移した. 第3病日に人工呼吸器から離脱し, 意識は清明となった. 第10病日に行った冠動脈造影では左冠動脈seg.7に軽度の狭窄を認めたが, 左室造影では局所壁運動は正常に保たれていた. カルシウム拮抗薬を処方後, 胸痛の再発はなく, 第12病日に退院した. 神経学的後障害を残さず職場復帰した.福山地区では, 2008年度からの2年間で救急搬送人員数は35,784人で, このうち心肺停止状態が, 777人であった. 一般住民による心肺蘇生処置(cardiopulmonary resuscitation; CPR)は346人(44%)に行われ, 1カ月生存は5.2%であったが, CPR未施行における生存率は3.2%であった. 今後, 地域住民に対する心肺蘇生法とAEDの啓蒙普及活動が必要と考えられた.
著者
川田 志浦 門間 智子 梶山 由紀 長谷川 幸子 君崎 文代
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.341, 2007 (Released:2007-12-01)

【はじめに】プレパレーションは、心理的準備段階と言われ、患児に正しい知識を提供することで、自らの治療や検査に対する不安や恐怖心を緩和し、患児が納得して検査を受けようとする対処能力を引き出すのに有効とされている。 今回、採血前と採血中、採血後に紙芝居や採血人形、おもちゃ等を使って、プレパレーションを行い評価をしたので、その報告をする。 【研究目的】採血前、中、後のプレパレーションの効果を年齢別に検証する。 【対象】3歳から6歳の発達障害のない患児20名とその母親20名 【方法】採血前の紙芝居や、採血方法を体験できる人形を作成し、それらを用いてプレパレーションを実施した。また、採血中は、ボタンを押すと光と音の出るおもちゃ等で患児の気を紛らわした。そして採血後は、アンパンマンのメダルを渡した。これらの過程を観察し、終了後患児と母親にインタビューし、結果をまとめた。 【倫理的配慮】研究対象の児の母親に、研究の趣旨やプライバシ−の保護等について、文章と口答で説明し、同意を得て施行した。 【結果】採血前からの様子を年齢別にまとめてみると、3歳(2名)は、紙芝居を見て、「アンパンマンだ」と言って喜んでいたが、採血人形で注射針の説明をした時点で恐怖心を抱き、泣き出す患児がいた。4歳(8名)は、紙芝居を見て、自ら処置室に歩いて行く姿が見られ、採血も泣かずにできた。5歳(4名)は、「アンパンマンが、がんばれと言っていたからがんばる」と言って泣かずに出来た患児もいた反面、紙芝居は理解して「がんばる」と言っても、実際に針を見ると「泣いてもいい?」と大きな声で泣いた患児もいた。6歳(6名)は、人形を使って実際に採血を体験したいと言う患児が多く、シリンジを引いた時に中から赤い液体が出てくるのを見て、笑顔が見られ「ミッキーの採血をやって、自分の採血も楽しかった」という感想が得られた。また、採血中は、ストローの抱きつき人形を見て、声を出して笑っているうちに採血が終わってしまった患児もいた。母親からは、「何をするのか、きちんと説明があって良かった」「おもちゃを用意してもらって良かった」という意見が得られた。 【考察】紙芝居は、患児が好きなキャラクターを登場させたことで、親しみやすく、アンパンマンとともにがんばろうという意欲が見られた。また年齢が上がるにつれて、紙芝居の理解度は高く、採血人形を使う患児は多く見られたが、理解度と、納得したかということは、比例するものではなく、年齢別に見てもそれ程差はなかった。むしろ、それぞれ「泣く」という行為には様々な理由があり、納得できなくて泣く患児と、理解し、納得しても泣いてしまう患児がいることが明確になった。 大野ら1)が「プレパレーションとは、手術や検査を受ける子どもの心理過程をくり返し丹念に追っていく活動であり、子どもに医療知識を授けることや、検査や手術で泣かないための理解促進ではなかった」と述べているように、保育士は、プレパレ−ションやディストラクションをして行く中で、患児の奥深い気持ちを受け止めることが重要なことだと考える。それには、採血終了後の励ましや、遊びを通して患児に接することで、次の遊びを展開するきっかけとなるよう援助していくことが大切である。 【引用文献】 1)大野尚子:プレパレ−ションの理論と実際、保育士の立場から、小児看護29(5)P572、2006
著者
梶浦 一郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.31-33, 1972-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

The low temperature injuries were studied in white peach "Okubo" fruits, in relation to temperatures and the delayed storage. Fruits ripened in 7-9 days at 20°C, 17-21 days at 10°C and the ripening was suppressed at 2.8°C. More injuries developed at 2.8°C than at 1°, and 10°C, and the development of injuries was reduced by the delayed storage. Fruits seemed to be more susceptible to low temperature injuries at 3-5°C than at 0-1°C. The best storage conditions seemed to be in the delayed storage at 0-1°C.
著者
江口 圭一 戸梶 亜紀彦
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.84-92, 2009
被引用文献数
5

本研究は,使用が簡便な労働価値観測定尺度短縮版の開発を目的として行ったものである。開発にはこれまでに蓄積された全データ(<i>n</i>=720,平均年齢41. 4歳&plusmn;13. 3,18~74歳)を使用した。労働価値観測定尺度の原版(38項目版)の探索的因子分析の結果に基づき,因子負荷量が高い3項目が短縮版の項目として選択された。短縮版の下位尺度はいずれも高い内的一貫性を示した(&alpha;=.814~.878)。いずれの下位尺度についても,労働価値観測定尺度の原版(38項目版)と短縮版の間に高い相関係数が示され(<i>r</i>=.906~.976),基準関連妥当性は支持された。また,検証的因子分析でもモデルの高い適合度が示され(GFI=.929, AGFI=.902, CFI=.953, RMSEA=.056),因子的妥当性が支持された。以上の結果から,短縮版はより少ない項目数で38項目版と同様の構成概念を測定できることが示唆された。<br>