著者
梶島 邦江 梅澤 隆
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.163-168, 1996-10-25 (Released:2018-06-20)
参考文献数
14

THE PERPOSE OF THIS STUDY IS EXAMINED THE USEFULNESS OF "MACHI NO NAZOTOKI BOOK" AS A LEARNING MATERIAL OF COMMUNITY DESIGN FOR CHILD. THE BOOK IS FEW CASE, IN THE WAY OF EDITING BY RESIDENTS IN ISHIUCHI, THE THEME IS THE REGIONAL TRADITIONAL LIVING CULTURE, PUBLISHING -FOR HOME BOOK WHICH MEANS UNEXPECTED TO USE AT SCHOOL, ETC.. AS A RESULT, IT HAS BEEN UNDERSTOOD THAT THE CHILD HAS EXPANDED THEIR RECOGNITION TOWARD LIVING ENVIRONMENT DEEPLY AND WIDELY, THROUGH THE BOOK. ALSO, NEW LEARNING ACTIVITIES HAVE OCCURRED AT COMMUNITY, AT HOME, EVEN AT SCHOOL, WITH THE BOOK AS A SRTART.
著者
近藤 皓介 原 賢二 阿部 周司 梶原 一人
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.71-74, 2019 (Released:2020-01-06)

Hexagonal and cubic phases have been observed under atmospheric pressure as an ice crystalline phase. No study has reported the preparation of a cubic phase by directly freezing bulk water or by directly cooling the hexagonal phase. We hypothesize that the cubic phase is initially formed upon the crystallization of water and that it subsequently transitions to a hexagonal phase at a momentary rate. When pure water was used, it was not possible to capture the process of transferring to the hexagonal phase through the cubic phase at an integration interval of one second. However, when a 40 wt% aqueous glucose solution was used, it was possible to capture the process of transitioning from the supercooled liquid to the hexagonal phase through the cubic phase with an integration time of one second. This result is considered to indicate that the pure water may be instantaneously transferred from the supercooled liquid through the cubic phase to the hexagonal phase.
著者
村上 文哉 阿部 周司 梶原 一人
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.67-70, 2019 (Released:2020-01-06)

Raffinose pentahydrate (R5W) was dehydrated at 30oC under a KOH saturated solution environment to prepare raffinose tetrahydrate (R4W). During the dehydration, the sample was measured by differential scanning calorimeter (DSC) and peak distortion was observed. Thus, an intermediate between R5W and R4W was detected. Even during the water absorption of R4W to R5W, DSC peak distortion was observed, indicating that an intermediate between R5W and R4W was generated. However, the intermediates of the dehydration and water absorption processes were considered to be different hydrates, named R4'W and R5'W, respectively. Moreover, the melting points of the hydrates from R5W to raffinose low hydrate were measured. These results suggest the existence of raffinose hydrate lower than R3W.
著者
坂本 崇 梶川 嘉延 野村 康雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1901-1909, 1999-04-15

本論文では 非線形判別分析を用いて 計算機に与えた楽譜情報からその曲の特徴や印象を自動的に抽出し 任意のグループに分割する手法を提案する. 特定の演奏者による演奏の個性や芸術性を抽出する際 情報処理的な観点からのアプローチを行うとして 演奏者がどのように楽譜を解釈し 演奏に至るかという命題の解決策は (1)楽譜に記述されている情報や音楽理論を考慮したプロダクションシステムによるルール生成法 (2)ニューラルネットワークを用いた解法 (3)重回帰分析を用いた解法などが報告されている. これらの一問題点として 演奏者は楽曲の特徴や印象に応じて奏法を変える事実が存在するにもかかわらず 処理を行ううえで明示的に考慮されたものが存在しないことがあげられる. 本論文ではその問題点を解決すべく まず 因子分析やSD法を用い 実際のリスナーの立場に立った心理聴取実験を行う. そして ニューラルネットワークによる非線形判別分析を用い その楽曲はどのような印象を持つかをコンピュータが自動的に判別し その印象にふさわしいグループに振り分ける手法を提案する. なお このシステムでは未知の楽曲においても88%の精度でその曲印象を判別させることに成功した.
著者
福島 啓吾 梶原 真二 石倉 聡 時安 美奈 福田 直子 後藤 丹十郎
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.373-379, 2019 (Released:2019-12-31)
参考文献数
23
被引用文献数
2

定植後に速やかに生育するトルコギキョウ苗を人工光利用の閉鎖型育苗環境で育てることを意図し,育苗開始から5週間の明期の長さおよびPPFDを明らかにしようとした.育苗は,明暗期の気温を27.5°Cとしたインキュベータで行った.PPFDを平均125 μmol・m–2・s–1とした場合,育苗開始8日後の発芽率は,明期の長さにかかわらず98%以上となった.育苗開始5週間後の苗の節位別の葉身長は,明期の長さが12 hと比較して20 hおよび24 hが大きく,定植から抽苔,発蕾および開花までの日数は小さかった.明期の長さを24 hとした場合,育苗開始8日後の発芽率は,PPFDにかかわらず概ね95%以上となった.育苗開始5週間後の苗の節位別の葉身長は,PPFDが50 μmol・m–2・s–1と比較して100 μmol・m–2・s–1および125 μmol・m–2・s–1が大きく,定植から抽苔,発蕾および開花までの日数は小さかった.これらの結果から,明暗期の気温が27.5°Cの人工光利用の閉鎖型育苗環境では,育苗中の明期の長さを20 h以上,PPFDを100~125 μmol・m–2・s–1にすることで,定植後にロゼット株が発生することなく,速やかに生育するトルコギキョウ苗を生産できることが明らかになった.
著者
尾関 圭子 飯田 博己 岩本 賢 中路 隼人 三浦 祐揮 梶田 幸宏 村松 由崇 木村 伸也 岩堀 裕介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1269, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに】近年,野球競技への女性参加が増え,その競技レベルは向上しつつある。野球選手の身体特性については,男性を対象にした報告は多数あるが,学童女子に関する報告は少ない。我々は,2014年から学童女子野球選手を対象にメディカルチェックを行っている。そして,2015年スポーツ傷害フォーラムにおいて,学童女子選手は男子と同等の肩後方タイトネスを有していることを報告した。今回は,学童女子野球選手における肩・肘及び下肢の関節可動域を,男子と比較し報告する。【方 法】対象は,女子は2014~2016年度ガールズベースボールトーナメントに参加した,愛知県代表選手43名(平均年齢11.3±0.5歳)とした。男子は2015年度名古屋市小学生軟式野球選手の野球検診で,当院の検診に参加した67名(平均年齢11.9±0.4歳)とした。方法は,ROM測定を以下の項目について両側行った[肩関節:90°外転位外旋・90°外転位内旋・90°屈曲位内旋・水平屈曲,肘関節:屈曲・伸展,股関節:内旋・伸展・SLR]。90°外転位外旋と内旋の和をTotal Arcとして求めた。各測定項目を,男女間および投球側と非投球側間で比較した。統計処理には,Mann WhitneyのU検定を用いた(p<0.05)。【結 果】1.男女の比較:90°外転位内旋・Total arc・水平屈曲・股関節内旋・股関節伸展・SLRにおいて,投球側・非投球側ともに女子の方が有意に大きかった。また,非投球側の肘関節伸展は,女子の方が有意に大きかった。2.投球側と非投球側の比較:男女ともに投球側の90°外転位内旋・水平屈曲・90°屈曲位内旋・肘屈曲が有意に小さかった。女子では,投球側の肘伸展が有意に小さかった。また,男子では投球側の股関節内旋が有意に小さかった。【結 論】男女ともに投球側の肩関節90°外転位内旋・水平屈曲は減少しているが,女子の方がROMは大きかった。つまり,一見ROMが良好に保たれている女子においても,男子と同等に投球側の肩後方タイトネスを生じており,注意を要すると考える。肘関節伸展可動域について,男女の比較では,女子の方が非投球側が大きかったが,投球側は男子と差がなかった。また,投球側・非投球側の比較では,男子では差がなく,女子では投球側が減少していた。つまり,女子の方が投球側の肘屈筋群にタイトネスを生じていることが示唆された。下肢のROMは,女子の方が男子よりも全て大きかった。また,女子では左右差を認めなかったが,男子の股関節内旋は投球側で小さい,あるいは非投球側で大きかった。総じて,女子で上肢のROM左右差が男子より大きく,下肢では左右差を生じていなかった。以上から,性差の他に,女子の野球動作が上肢に依存している可能性も考えられた。今後は,動作分析を加えてさらに検討していきたい。
著者
鳴川 肇 梶川 泰司
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.47, no.Supplement, pp.54-55, 2009-07-31 (Released:2017-12-25)
参考文献数
3
著者
梶山 岳士 菊地 幸大 小倉 渓 宮下 英一 鉄地川原 護 渡瀬 宏 長井 洋介 高島 英男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J41-J46, 2018-01-01 (Released:2017-12-21)
参考文献数
14

フルスペック8K SHVの高データレートな信号を圧縮記録する装置を開発した.8K SHVの映像パラメータの最上位を満たすフルスペック8K SHVは,8K解像度,120Hz,12bit階調,広色域,ハイダイナミックレンジを兼ね備えた超高臨場感映像であり,非圧縮映像のデータレートは144 Gbpsに達する.本装置は,画像圧縮に8K解像度,12 bit階調のデータ処理が可能な拡張JPEG方式を採用し,新たに開発した少ない計算量で高精度に符号量を予測制御する技術の適用により,番組制作車両で使用可能な装置サイズを実現した.圧縮したデータを記録する媒体は,並列化したSSDの転送速度を保証する仕組みの導入により小型化を実現した.入出力I/Fはケーブル1本でフルスペック8K SHVを伝送可能なU-SDI規格に対応している.試作装置は4Uラックサイズに収めることに成功し,フルスペック8K SHVカメラ映像の収録実験において良好な記録再生動作を確認した.
著者
鈴木 敏明 梶原 貴利 本橋 知子 小村 和司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.2245-2258, 2019-12-15

近年,自動車等の多様な移動体が通信ネットワークに接続され,通信ネットワークを経由した管理やサービスの提供が進展している.一方,通信ネットワークにおいては,アプリケーションサービス等を提供するサーバに対して,遠隔の端末から多数の不要データを送信することにより,通信ネットワークにおける帯域不足を誘発する等のサイバー攻撃が発生している.従来は,固定端末等からのサイバー攻撃が主であった.今後は,移動体を対象としたサイバー攻撃対応が望まれる.本論文では,異常フローを送信する移動体の基地局間移動を対象とし,移動後においても遅滞なく異常フローの遮断継続が可能な方式を提案する.提案方式では,複数の基地局が存在する領域をリージョンとして管理し,リージョン単位にゲートウェイで異常フローを遮断する.特に,異常フローを送信する移動体が接続する基地局エリアに対して隣接する基地局エリアすべてに遮断を設定する.また,各リージョンに設置した管理サーバが遮断情報を共有する分散型のネットワーク管理により,隣接リージョンに対しても遮断の設定が実行される.これにより,異常フローを送信する移動体が基地局間を移動するようなモバイルネットワークに対して,遅滞のない異常フロー遮断が可能となる.
著者
梶 裕之
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.71-81, 2019 (Released:2019-12-11)
参考文献数
19

タンパク質糖鎖修飾は広範に生じる翻訳後修飾の1つで,プロテオミクスにおける分析対象として黎明期より大規模分析のための技術開発が進められてきた.糖鎖は多様な構造をとるうえに不均一で,インタクトな糖ペプチド解析が困難なため,はじめに糖鎖付加部位の網羅的同定(付加位置マッピング)や特定の糖鎖構造モチーフ(例えばコアやルイス型のフコシル化,LacdiNAc(GalNAc-GlcNAc)など)のキャリアタンパク質の選択的大規模同定技術が開発された.これらの技術は,疾患型糖鎖モチーフのキャリア糖タンパク質をバイオマーカーとして利用するための探索に応用された.最近はこのような糖タンパク質,特に膜タンパク質を創薬標的ととらえ,これを探索,構造検証するために,部位特異的な糖鎖解析技術の開発が進められ,応用面でも注目されている.本総合論文では,グライコプロテオミクス解析技術について,筆者の取り組みを中心に概説する.
著者
吉村 和也 山田 実 永井 宏達 森 周平 梶原 由布 薗田 拓也 西口 周 青山 朋樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ea1009, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 高齢者の転倒は要介護に至る主たる要因の一つに挙げられており、本邦において大きな社会問題になっている。各自治体では、転倒予防を含め積極的な介護予防事業が展開されているが、その事業の転倒予防効果については十分な検証がなされていない。我々は、これらの事業を積極的に開催している地域では、事業参加者だけでなく、波及効果によって参加していない高齢者も含めて健康意識が高まり、その結果転倒発生率が抑制されるという仮説を立てた。そこで本研究では、各自治体が地域で実施している様々な介護予防事業(ここでは運動機能向上教室や転倒予防のための啓発活動のこと)への参加者数とその地域の転倒発生率との関連を明らかにし、その効果を検討することを目的とする。【方法】 本研究では京都市左京区在住の要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者24,964名を対象に、平成23年4月から8月までに回収した「基本チェックリスト」を分析対象とした。回収された6,970名(返送率27.9%)のうち、検討項目に関する欠落データを含まない6,399名を解析した。左京区を小学校区ごとにAからTの20の地域に区分し、転倒発生率を順位別した。従属変数に過去一年間での転倒の有無を、調整変数として年齢、性別、BMIを、そして独立変数にAからTの20の各地域をダミー変数化して投入した多重ロジスティック回帰分析を行い、転倒発生率が高い地域を「high risk地区」、その他の地域を「moderate地区」とした。次に、区内で実施された転倒予防に関わる事業の状況を調査するために、区内で介護予防事業を実施している9つの行政委託機関(左京区社会福祉協議会、京都市左京区地域介護予防推進センター、区内7つの地域包括支援センター)を対象に平成22年度に実施した転倒予防に関わる事業についてのアンケートを配布し、そのうち回答が得られた7機関の事業を分析対象とした。それぞれの事業を「運動教室」「啓発活動」「運動+知識教示教室」の3つの形態に分類し、地域ごとに各形態の参加者数を算出した。なお解析には、参加者数を各地域の面積で補正した値を用いた。統計解析はhigh risk地区とmoderate地区の両区間においてMann-WhitneyのU検定を用いて比較検討を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は京都大学医の倫理委員会の承認を受けて実施した。【結果】 全地域における転倒発生率は22.5%(最低:D地域18.7%、最高:B地域39.0%)であった。ロジスティック回帰分析によって、転倒発生率の最も低いD地域に対して有意に転倒発生率が高かった、B(転倒発生率39.0%、オッズ比2.78)、R(31.3%、2.05)、S(31.4%、1.79)、T(27.5%、1.64)の4地域をhigh risk地区とし、high risk地区以外の16地域をmoderate地区とした。high risk地区で開催された事業の参加者数の中央値は、運動教室で0.59人/km2、啓発活動で6.01人/km2、運動+知識教示教室で14.02人/km2であった。moderate地区では、運動教室で5.54人/km2、啓発活動で72.79人/km2、運動+知識教示教室で203.75人/km2であった。high risk地区とmoderate地区で比較したところ、moderate地区において介護予防に関わる事業への参加者数は多く、特に運動+知識教示教室では有意に参加者数が多かった(p=0.021)。【考察】 これまでにも転倒予防事業については運動教室や啓発などの有効性を示したものが報告されている。今回の研究の結果では転倒発生率はこれらの事業への参加者数が多いほど低下する傾向がみられた。さらに今回はその両者を含有した運動+知識教示教室が有効な結果を得ている事が明らかになった。これらは想定された結果ではあるが、運動、啓発単独でもそれなりの効果を得られることが示唆され、今後は費用対効果などの見地からも転倒予防事業を検証する必要がある。【理学療法学研究としての意義】 近年、理学療法士の介護予防や行政の分野での活躍を目にする機会が増えてきており、今後さらに期待される分野でもある。全国の高齢者のうちおよそ7割以上が一次予防の対象となる高齢者であり、彼らに対する介護予防施策は重要なテーマの一つである。本研究は横断研究のため、これらの取り組みによる介入効果まで示すことはできない。しかし、転倒予防において、ポピュレーションアプローチの有用性や運動と知識教示の組み合わせが有効であることが示唆されたことは、理学療法士が地域に介入していくうえで重要な知見であるといえる。
著者
山本 修央 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.61-65, 2004-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
7

本稿では,イントラコンカ型ヘッドホンを周波数特性からランク付けする手法を提案し,聴取実験によりイントラコンカ型ヘッドホンの周波数特性とその音質との関連性を検討する。これまで我々は,設計目標が未知であるイントラコンカ型ヘッドホンの設計目標として,自由空間における線形歪のないスピーカ正面1[m]位置における頭部伝達関数を提案し,聴取実験によりその有効性を検証してきた。その結果かなりの有効性が示された。そこで本稿では,頭部伝達関数はイントラコンカ型ヘッドホンの設計目標として有効であるという立場から,既存のイントラコンカ型ヘッドホンの周波数特性がどの程度頭部伝達関数の周波数特性に一致しているかを検証することで,イントラコンカ型ヘッドホンのランク付けができるかどうかを検討する。また,イントラコンカ型ヘッドホンの周波数特性とその音質との関連性を聴取実験により検討する。
著者
梶 茂樹 品川 大輔 古閑 恭子 米田 信子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

声調声調というと、東アジア大陸部のいわゆる単音節語をイメージすることが多い。しかしながら、これらをもって声調言語一般を語るわけにはいかない。アフリカにおいては多様な声調言語の類型が現れる。例えばコンゴのテンボ語のように、単語を構成する音節(あるいはモーラ)数に従って声調のパターンが等比級数的に増える言語もあれば、タンザニアのハヤ語のように互換の音節数に従って等差級数的に増える言語もある。さらにウガンダのニョロ語のように単語の音節数に関係なくパターン数2を保持する言語もある。さらにアフリカの声調・アクセント言語において重要なことは、声調の語彙的機能にも増して文法的機能が卓越していることである。
著者
川本 龍一 土井 貴明 山田 明弘 岡山 雅信 鶴岡 浩樹 佐藤 元美 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.861-867, 1999-12-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
15 22

地域在住の高齢者を対象に, 主観的幸福感とその背景因子を解明するための横断調査を実施した. 対象は, 地域在住の自記式回答可能な高齢者であり, 調査は, 松林らの香北町健康長寿研究で用いられたと同様の Visual Analogue Scale を用いたアンケートを使って行われた.地域在住の自記式回答可能な高齢者2,379人中2,361人 (99.2%) より回答を得た. そのうち回答不備例を除く分析可能な対象は, 1,873人 (78.7%), 男性860人, 平均年齢72.7 (95%信頼区間: 72.3~73.0) 歳, 平均主観的幸福感69.1 (67.6~70.5), 女性1,013人, 平均年齢72.8 (72.4~73.1) 歳, 平均主観的幸福感68.5 (67.2~69.7) であった. 主観的幸福感と背景因子との関係については, 主観的幸福感は同居家族のいる人 (p=0.0051), 配偶者のいる人 (p=0.0240), 血圧の高くない人 (p=0.0096), 脳卒中歴のない人 (p=0.0039), 医師による定期的内服治療を受けていない人 (p=0.0039), 運動習慣のある人 (p<0.001), 仕事をしている人 (p<0.001) ほど有意に大きかった. 主観的幸福感と各種スコアーとの関係については, 主観的幸福感はADL, 情報関連機能, 手段的・情緒的支援ネットワーク, 健康状況, 食欲状況, 睡眠状況, 記憶状況, 家族関係, 友人関係, 経済状況の値が高いほど有意に大きかった (各々p<0.001). 主観的幸福感を取り巻く背景因子を説明変数とする重回帰分析では, 手段的支援ネットワーク (p<0.001), 情緒的支援ネットワーク (p=0.0254), 健康状況 (p<0.001), 記憶状況(p=0.0027), 友人関係 (p<0.001), 経済状況 (p<0.001) は有意な正の偏相関を示した. 抑うつ状態 (SDS) と主観的幸福感との関係では, SDSが重症 (高得点) になるほど主観的幸福感のスコアーは有意に小さかった (p<0.001).地域に在住する高齢者の主観的幸福感の向上のためには, 今回明かにされた背景因子の改善を計り, 今後経年的に経過をみて行くことが必要であろう.
著者
梶田 孝道
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.70-87, 1981
被引用文献数
1

多くの近代化論者たちは、業績主義が現実化してゆくにつれて属性主義は次第に消滅するか、たかだか例外的な形で残存するにすぎないと考えた。しかし、業績主義が社会の主要な配分原理となりほとんどのメンバーが業績主義者と化した現在、純粋な意味での業績主義はむしろ例外的な存在であり、かえって属性主義に起因する社会問題群が新たに生み出されてきたという事実に気づく。一方ではアチーヴド・アスクリプション (業績主義の属性化) が、他方ではアスクライブド・アチーヴメント (属性に支えられた業績主義) が発生している。本稿では、業績主義・属性主義についてのリントンの定義およびパーソンズの定義の問に存在する微妙なズレに固執することによって、上記の二つの問題領域を社会学的にクローズアップさせ、あわせて両領域に属する問題群の整理とそれへの対策の検討を試みる。
著者
深田 英久 渡辺 直史 梶原 規弘 塚本 次郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.231-239, 2006-08-01 (Released:2008-01-11)
参考文献数
26
被引用文献数
7 4

林分密度管理をヒノキ人工林における土壌保全目的での下層植生管理に応用するために, 高知県下のヒノキ人工林に28の調査プロットを設け, 下層植生に対する強度間伐の影響と, 通常の管理下での下層植生の動態を調べた。強度間伐試験地では設定後2~3年間の収量比数 (Ry) の推移と2~3年後の植被率を調べた。通常施業試験地では設定時を0年次として, 0, 5, 10~13年次のRyと植被率を調べた。その際, 調査プロットの海抜高 (温量指数) に基づいて三つの温度域 (ウラジロ・コシダ域, カシ域, 落葉樹域) を区別し, 植被率を6段階評価した被度指数を土壌侵食抑制効果と光要求度の異なる六つの生活型 (ウラジロ・コシダ, 陽性草本, 林床草本・地表植物, 常緑木本, 落葉木本, ササ) のおのおのについて別個に求めた。強度間伐が被度指数に及ぼす影響は生活型によって異なった。また, 同じ生活型でも温度域によって異なる反応を示すものがあった。通常施業試験地では調査期間を前期 (0→5年次) と後期 (5→10~13年次) に分け, 期間ごとに求めた各生活型の被度指数の期間変化量 (dC) とRyの期間累積偏差 (ΣdRy×100) との関係を調べた。両者の関係には生活型間での差や, 温度域間での差が認められた。また, 生活型別の被度指数の合計値が40未満の林分 (貧植生型林分) と40以上の林分を区別すると, dC とΣdRy×100との関係が両林分間で異なっていた。以上の結果に基づいて, 生活型, 温度域, 貧植生型林分か否か, を区別してRy-植被率関係のデータを集積することにより, 下層植生管理を目的とした密度管理モデルの実用性が高められることを指摘した。