著者
杉村 龍也 吉村 公博 井木 徹 松村 弥和 蟹江 史明 今川 智香子 梶原 佳代子 龍樹 利加子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.79, 2006

<b><緒言></b>医療法の改正や診療報酬の改定、社会福祉基礎構造改革で介護保険法を主とした社会保障領域における福祉制度の改正や新設などにより、患者を取り巻く医療供給体制がここ数年目まぐるしく変化してきている。急性期病床の加茂病院においても、退院や転院に関する援助件数が、年々飛躍的に増加している。そこで、医療供給体制の変化と当地域医療保健福祉連携室における相談実績の統計資料とを比較検討し、豊田市(人口40万)における今後の地域医療のあり方を考察する。<BR>〈<b><方法></b>〉平成7年度から平成17年度の加茂病院の地域医療保健福祉連携室の相談実績の統計や豊田市周辺の医療・介護提供施設の状況と、第2次医療法改正から現在までの医療供給体制の推移を比較検討する。<BR><b><結果></b>加茂病院の地域医療保健福祉連携室における対応件数は開設当時から現在に至るまで年々増加の一途をたどってきている。その内訳を見ると、全体的に増加傾向であるが、中でも退院・転院に関する相談は顕著である。平成7年当時と比べると、退院・転院相談の実件数は平成12年で2倍強、平成16年では4倍強となっている。<BR> 転院の例として平成9年当時の医療・介護提供施設を見てみると、転院先として挙げられるのは老人病院と長期療養型病床群、老人保健施設しかなく、特に豊田市では、平成9年当時は長期療養型病床群が無く、老人病院も市内には一ヶ所のみであり、周辺市町村への転院が殆どであった。そのため、施設待機の1ヵ月から2ヶ月を加茂病院での入院継続を余儀なくするケースも多かった。<BR> しかし、現在の医療・介護提供施設を見ると、施設がそれぞれ専門分化してきている。急性期病院では、急性期加算をとるための平均在院日数を意識しながらの退院指示や、受入れ施設に併せた形での退院指示が増えている。回復期リハビリテーション病棟では、入院日数や入院までの日数に制限が設定されるようになり、早期での転院を求められるようになった。以前のように施設待機を急性期病院で過ごすことが難しくなり、早期での退院指示に不安を抱える患者・家族が多くなったのである。つまり、単独の医療機関では、治療から療養・介護までの一連の医療の提供ができないのである。<BR> この現状は、国の医療費抑制政策が大きな要因となっている。特に平成12年の介護保険法施行や平成14年の急性期入院加算の設置などは、専門特化しないと病院が生き残っていけない現状を作り出したと言える。それ以上に影響を被ったのは患者・家族である。社会構造や家族形態の変化による家庭介護力不足が深刻な中で、医療依存度が高い患者でも退院指示が出されるようになり、高額な施設への転院や、充分な準備の無い中での退院を迫られる状況となった。以上のことが退院相談増加に繋がっていると言える。<BR> 結論として、今後の地域医療では、単独の医療機関だけで充分な医療の提供はできない。そのため、患者・家族に不安の無い充分な医療を提供するには、医療費抑制政策の中で専門分化した複数の医療機関が、相互の特性を活かした密接な連携を図り、地域の中で一つの大きな医療機関として機能する必要があると考える。
著者
岡田 倫明 清地 秀典 永岡 智之 中川 祐輔 山内 達雄 石田 直樹 今井 良典 中村 太郎 岡田 憲三 梶原 伸介
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.350-356, 2015-04-01 (Released:2015-04-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2

症例は20歳の男性で,抗生剤抵抗性の発熱,咽頭痛,激しい乾性咳が2週間継続し,突然の左側腹部痛を主訴に当院救急受診した.採血にて肝機能異常,リンパ球優位の白血球上昇,異型リンパ球の出現,EBV-VCA-IgM抗体の陽性,EBNA抗体陰性を認めた.また,CTにて脾腫,脾損傷,腹腔内出血を認めた.Epstein-Barr virus感染による伝染性単核球症(infectious mononucleosis;以下,IMと略記)からの脾腫に伴う脾破裂と診断し緊急手術を行った.腹腔内に500 mlの出血を認め,脾腫,被膜損傷を伴っていた.術後IMに非典型的な,咳嗽が続き,マイコプラズマ抗体が入院時の8倍の上昇を認めた.マイコプラズマ肺炎の合併による咳嗽からの腹圧の上昇が脾破裂の誘因と考えられた.IMによる脾破裂はまれであり,マイコプラズマ肺炎の合併から脾破裂に到った報告例はなく,非常に貴重な症例と考えられた.
著者
岩瀬 真生 高橋 秀俊 中鉢 貴行 梶本 修身 志水 彰 武田 雅俊
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1291-1296, 2003-12-15

はじめに Trail Making Test(TMT)とは,1枚の紙に書かれた1から25までの数字などの指標を順に鉛筆でなぞるという簡易な認知機能検査である4)。TMTは1950年代に開発され神経内科領域で主に前頭葉機能を評価するために使用されてきた。 TMTは従来脳障害の判定に有用であるといわれており,左半球障害者や前頭葉障害者などではカテゴリーチェンジのないTMT-Aに比してカテゴリーチェンジのあるTMT-Bの成績が極端に悪くなると考えられている。TMT-A,B課題双方ともに成績が低下する場合には,情報処理あるいは注意力の全般的機能障害が示唆される。統合失調症患者においてもA,B課題双方ともに成績が低下し,A課題の障害に比してB課題の障害が高度であるという報告が多い。 梶本らはタッチパネルディスプレイを用いてTMTをコンピュータ化したAdvanced Trail Making Test(ATMT)を開発した2)。ATMTは原版のTMTを改変して,visuospatial working memory(VWM)の定量評価を可能にした。ATMTは原版のTMTと比べいくつかの利点がある。(1)タッチパネル上に表示された数字ボタンに直接指で触れて課題を遂行するようにし,1回のボタン押しごとの反応時間測定を可能にした。(2)数字ボタンを25までに限定せず長時間の連続測定を可能にした。(3)数字ボタンの位置が固定され,VWMにより成績向上が可能な課題(ATMT-B課題)と数字ボタンの位置が1回のボタン押しごとに変化し,課題の遂行が視覚的探索のみによる課題(ATMT-C課題)とを作成し,両者の比較によりVWMの定量評価を可能にした。ATMTは短時間で大量かつ定量性の高いデータを得られる上に,課題の教示がほとんど不要なため容易に検査を施行でき,小児から高齢者までさまざまな精神疾患へ応用可能と考えられる。 本論文では,ATMTによるVWMの評価方法を概説する。さらに,健常者と統合失調症患者の少数例でVWMの評価を予備的に開始しており,その結果について述べる。
著者
新井 康平 梶原 武久 槙下 伸一郎
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.58-67, 2012

本論文では,スタートアップ企業における予算管理システムの有効性について,経験的な調査を実施している。先行研究が限られたサンプルでしか調査を実施していないことに対して,本論文では,ひろくスタートアップ企業からデータを収集した。結果として,スタートアップ企業における予算管理システムの採用は早期の黒字化に有意に影響するという証拠を得た。
著者
高原 健爾 中野 美香 梶原 寿了
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. A, 基礎・材料・共通部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A, A publication of Fundamentals and Materials Society (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.130, no.1, pp.87-94, 2010-01-01
参考文献数
18
被引用文献数
8 4

The purpose of this study is to suggest the communication education for students in the science and engineering majors. The main characteristic of the curriculum is the process of value and attitude changes of students by debate. It is effective to cultivate well-balanced manner and matter which take significant role in any communication. The lectures provide debate training to match the proficiency of the students in order to foster thinking ability step-by-step. In the department of electrical engineering of Fukuoka Institute of the Technology, the expert of the communication and the expert of the electrical engineering team-teach the course as one of the specialized subjects. This system provides both training of technique of constructing argument and professional assessment on their contents, which it calls &ldquo;two wheels of one cart&rdquo;. The lectures are organized to develop students' incentive to learn with ARCS model. The questionnaires show that the communication skills acquired through debates are applied in the scenes of the real problem solving. 90% of the students reply that the series of lectures are useful and produce satisfactory results. Therefore, the proposed education is confirmed to be effective to enhance the communication skills of students.
著者
梶原 健寛 前馬 恵美子 加賀谷 重浩 井上 嘉則 上茶谷 若 梁井 英之 齊藤 満 遠田 浩司
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.629-634, 2011-08-05
参考文献数
22
被引用文献数
1 5

カルボキシメチル化ペンタエチレンヘキサミン(CM-PEHA)を導入したキレート樹脂を用いてAsを分離濃縮することを目的とし,Fe(III)を担持させたCM-PEHA型樹脂を用い,Asの吸着・溶出に関する基礎検討を行った.Fe(III)担持CM-PEHA型樹脂は,As(V)をpH 4 - 6で最大に吸着した.As(III)はほとんど捕集されなかったが,次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いてAs(III)をAs(V)に酸化することにより吸着可能であった.吸着したAs(V)は水酸化ナトリウム溶液を用いることで容易に溶出でき,ICP発光分光分析にて定量可能であった.これらにより,試料水中のAs(V)量,As(III)とAs(V)との合量をそれぞれ求めることが可能であり,これらの差からAs(III)量を求めることでAs(III)とAs(V)とを分別定量できる可能性が示された.本法は,地下水認証標準物質(ES-H-1)に含まれるAsの定量に適用可能であった.
著者
梶山,彦太郎
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
no.7, 1972-12-25

Having carried out the study of the latest alluvial deposits (the Nanba Formation) in Osaka since the 1950s, the writers revealed that the developmental history of the Osaka Plain can be divided into nine stages. In this paper, numerous data on fossils, sedimentary facies, topography, prehistorical remains and historical facts are synthesized under the stratigraphical successions and the radio-carbon dates. Nine successive stages in the development of the Osaka Plain, with approximate radio-carbon dates, are as follows. 1. The stage of the paleo-Osaka Plain (ca. 20000 y.B.P., Wurm maximum, Pre-Jomon age): The geomorphological features of the Paleo-Osaka Plain are guessed by the relief map of the base of the latest alluvial deposits (Fig. 4). The river system of the Paleo-Osaka River was widely developed. 2. The stage of the Paleo-Kawachi Plain (ca. 9000 y.B.P., earliest Jomon age): The sea-level was over 20m lower than the present sea-level. Osaka Bay already existed, but the Kawachi area was not covered by sea-water as yet. 3. The stage of Kawachi Bay I (ca. 7000-6000 y.B.P., the first half of early Jomon age): The sea-level reached the same level as the present one. The Paleo-Kawachi Plain was widely covered by sea-water. A sand-bar was developed on the north of the Uemachi Upland (Fig. 6). 4. The stage of Kawachi Bay I (ca. 5000-4000 y.B.P., latest early Jomon-middle Jomon age): The sea-level was in the same level as one of Kawachi Bay I or in a slightly higher level than that. The delta of the Yodo River was well developed. The sand-bar was further developed to the north of the Uemachi Upland (Fig. 7). 5. The stage of Kawachi Lagoon (ca. 3000-2000 y.B.P., latest Jomon〜the first half of Yayoi age): Owing to the development of the sand-bar north of the Uemachi Upland, Kawachi Lagoon was formed. Standella capillacea (tropical to subtropical, brackish water species) at the inlet and Corbicula sandai (Lake Biwa, freshwater species) in the inner part are characteristic (Fig. 8). 6. The stage of Lake Kawachi I (ca. 1800-1600 y.B.P., late Yayoi〜early Kofun age): Through the subsequent development of the sand-bar on the north of the Uemachi Upland. Kawachi Lagoon changed into Lake Kawachi. The delta of the Yodo River finally reached the sand-bar (Fig. 9). 7. The stage of Kawachi Lake II (Nintoku〜Nara age): In the time of the Emperor Nintoku (ca. A.D. 400), Ookawa (the Oo River) was, excavated at the base of the aforesaid sand-bar. A part of Kawachi Lake near the excavated outlet was an important port called "Nagarafunase" till the later Nara age. 8. The stage of the Osaka Plain I (After Nara age): Each delta of rivers filled the sea-area behind the line of formation of the offshore-bar (Fig.9). The Plain began to be developed in west Osaka. 9. The stage of the Osaka Plain I (After Muromachi〜early Edo age): Each delta was rapidly developed beyond the aforesaid line. This stage is the present stage of the Osaka Plain.
著者
梶原 友美 遠藤 淑美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.308-318, 2017
被引用文献数
3

<p><b>目的:</b>精神科救急病棟への非自発的入院初期の看護援助に対する認識を看護師,患者の視点から明らかにする.</p><p><b>方法:</b>看護師,患者に半構造化面接を行い,質的統合法(KJ法)を用いて分析した.面接は,入院初期の参加観察を参考にした.</p><p><b>結果:</b>対象は,看護師,患者,各5人であった.看護師の認識は9枚のラベルに分類され,【暴力につながり得るリスクの排除】の一方,【意に反した中でなんとか行う患者の意に沿う援助】といった論理構造となった.患者の認識は6枚のラベルに分類され,【入院時の理不尽な対応への怒りとあきらめ】の一方,【治療の受け入れにつながる患者の立場に立った関わり】といった論理構造となった.</p><p><b>結論:</b>看護師,患者とも,看護援助に対し,強制的な治療遂行の一方,主体性の支持という2つの側面があると認識していた.患者の意に反した治療の遂行は,必要な治療でも,患者に強制力を認識させる.一方,主体性の支持は,治療を安全に行いつつ,患者の強制力の認識を減らすと考えられ,入院初期から意識すべき側面といえよう.</p>
著者
梶山 孝夫
出版者
皇学館大学
巻号頁・発行日
2000

博士論文
著者
梶本 卓也 中井 裕一郎 大丸 裕武 松浦 陽次郎 大沢 晃 Abaimov Anatoly P. Zyryanova Olga 石井 篤 近藤 千眞 徳地 直子 廣部 宗
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.265, 2005

中央・東シベリアの永久凍土連続分布域には、近縁2種のカラマツ(L. gmelinii, L. cajanderi)が優占する疎林が分布している。これまでの調査から、成熟した林(100年生以上)では、根が全現存量に占める割合は30-50%と北方林の中でも顕著に多く、同化産物のアロケーションが根にかなり偏っていることがわかっている。このことは、個体の成長や林分発達が地上部の光獲得競争よりも地下部での土壌養分、とりわけ窒素をめぐる競争に支配されていることを示唆している。本研究では、こうした点を裏付けるために、中央シベリアの成熟した林(約100年生)や山火事更新直後の若齢林(10年生前後)を対象に新たに伐倒・伐根調査を行い、既存のデータも加えて、アロケーションや根系発達が時系列でどう変化するのか検討した。その結果、100年生林では根が現存量に占める割合はやはり30%以上と高く、各個体の根系水平分布面積は樹冠投影面積の3-5倍に達していた。また林分レベルで推定された根系分布面積合計、単位土地面積当たり1を大きく上回り、根系がすでにほぼ閉鎖していることが示唆された。一方、更新直後の実生や若木では、根の割合は個体サイズとともに低下し、成長良好な大きめの個体で15-20%と成熟木よりかなり少なかった。この永久凍土地帯では、山火事更新後、コケや地衣、低木等林庄植生の回復に伴って、地温が低下し活動層の厚さも徐々に減少する。そして、もともと限られた無機態窒素の利用も制限されていく。こうした根圏環境の時系列変化を踏まえてカラマツ個体のアロケーションを考えると、土壌養分吸収の制限が少ない山火事後の更新初期段階では地上部の成長に偏っているが、数10年を経ると地上部から根へ大きくシフトし、その時期を境に地下部での個体間競争が起こって、やがては根系が閉鎖した林分状態に達することが推察される。
著者
原田 一道 横田 欽一 相馬 光宏 北川 隆 北守 茂 柴田 好 梶 厳 水島 和雄 岡村 毅与志 並木 正義
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.961-967_1, 1981-07-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
32

胃結核は稀な疾患であるが,われわれは最近の5年間に3例の胃結核を経験した. 第1例は46歳の男性で胃体上部後壁に不整形で,潰瘍底が凹凸不整の大きな潰瘍をみた.内視鏡直視下胃生検による組織像でラングハンス巨細胞と類上皮結節の所見を得,結核による潰瘍性病変と診断した. この病変にストレプトマイシン(SM100mg/ml)3~5mlの局注療法を行い,約3ヵ月後に潰瘍の疲痕をみた.第2例は67歳の男性で,胃前庭部にIIa+IIcの早期胃癌を,また胃体上部前壁に粘膜下腫瘍をみとめた.この腫瘍が術後の組織学的検討で結核性病変と診断し得た.第3例は66歳の女性で噴門直下に不整形の潰瘍性病変を伴う腫瘤があり,内視鏡直視下生検による組織学的所見から結核性病変と診断し,抗結核剤(PAS,KM,INAH)の投与と共にSMの局注療法を試みた.その結果約4ヵ月後に腫瘤はほぼ消失し,潰瘍性病変は瘢痕化した.胃結核が内科的治療で治癒した例は極めて稀で,抗結核剤の局注療法を試みたものは過去にないので報告する.
著者
オリギル 梶本 純子 佐野 嘉拓
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1786-1792, 2002-12-01
参考文献数
7
被引用文献数
1

Todomatsu (Abies sachalinensis Mast.) chips as softwood gave T-pulp with a Klason lignin (KL) content of 5.6% and a viscosity degree of 21.5 cP at a yield of 50.3% by HBS pulping with a mixture of 70% aqueous R-1, 3-and 1, 4-butanediol (as RHBS shown in Fig. 1) at 210&deg;C for 3 h. Birch (Betula platpylla var. japonica Hara) chips were cooked with 80% RHBS at 180t for 3 h to give B-pulp with a KL content of 5.0% and a viscosity degree of 43.4 cP at a yield of 54.3%. Chinese reed gave R-pulp with KL and ash contents of 2.5 and 6.3% in a yield of 48.7%, when cooked with 80% RHBS at 200&deg;C for 2 h. B-and R-pulps were fully bleached by ECF sequence with OD, and T-pulp with ODEPP. Bleached B-and T-pulps had TI of 12.4 and 17.6 mN&middot; m<SUP>2</SUP>/g, indicating that TI of HBS pulp was remarkably improved by ECF bleaching. Seventy and 80% aqueous HBS such as 1, 3-and 1, 4-butanediol, propylene glycol and 1, 5-pentanediol were quantitatively recovered on heating at 190&deg;C for 2 h, so they can be reused repeatedly as pulping solvents without distillation for purification and also with a little loss.
著者
梶原 基弘 花北 順哉 諏訪 英行 塩川 和彦 斎木 雅章 織田 雅 中島 信明
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.465-468, 2001-07-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1

外傷性後腹膜下腔出血は死亡率の高い疾患であり, 骨盤骨折はその原因としてよく知られているが, 腰動脈損傷によるものはきわめて稀である.症例は56歳, 男性で, 交通外傷にて腰椎圧迫骨折をきたし, 出血性ショックにて搬送された.輸液負荷にもかかわらず血圧低下, 貧血の進行がみられたために, 腹部CTを繰り返したところ, 受傷後6時間目のCTにて腰椎レベルで後腹膜下腔血腫を認めた.腹部大動脈造影にて第2, 3腰動脈から造影剤漏出像が認められた.スポンゼルおよびプラチナコイルを用いて選択的腰動脈の塞栓術を行い, 臨床症状が改善した.腰動脈は椎体辺縁を走行し椎体内や腸腰筋へ分枝を出している.圧迫骨折や腸腰筋の断裂によりこれら血管が損傷され後腹膜下腔に血腫を形成すると考えられた.後腹膜下出血は開腹手術による止血が困難であり, 塞栓術は非常に有効な手段であった.
著者
梶田 悦子 伊木 雅之 飛田 芳江 三田村 純枝 日下 幸則 緒方 昭 寺本 路夫 土田 千賀 山本 和高 石井 靖
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.893-900, 1995-10-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
41
被引用文献数
11 9

We recruited community-dwelling women for participation in a study to investigate the effects of risk factors in lifestyle on bone mineral density (BMD). The subjects were 177 women aged 35 years and over living in a rural area in Fukui Prefecture. Their BMD of the lumbar spine (L2-L4) was determined by dual energy X-ray absorptiometry (DXA). In addition to measurements of height, body weight and grip strength, the lifestyles of the women, including physical load in work, sporting activities, smoking habits, calcium intake, and history of bone fracture were interviewed in detail.Adjusted for age, the BMD significantly correlated to body weight (r=0.337, p<0.05 for premenopausal women and r=0.289, p<0.01 for postmenopausal women) and body mass index (kg/m2) (r=0.291, p<0.05 for premenopausal women and r=0.190, p<0.05 for postmenopausal women). These results indicated the lower body weight to be a risk factor for the osteoporotic process in middle-aged and aged women. With respect to the grip strength as a physical fitness indicator, a significant correlation coefficient (r=0.267, p<0.01) with BMD was obtained for postmenopausal women independent of age and body weight.In univariate analysis, BMD showed no significant correlations with sporting activities, smoking habits, lower back pain and history of bone fracture for either premenopausal women or postmenopausal women. In multiple regression analysis using age, calcium intake, physical load in work, body weight, grip strength, and sporting activities, the latter three variables had significantly increasing effects on BMD, while aging and menopause had significantly negative effects on BMD.Thus, physical excercise was suggested to protect middle-aged and aged women from the osteoporotic process, probably through either maintaining or enhancing muscle strength.
著者
西野 治身 田中 朋子 土肥 祥子 伊木 雅之 梶田 悦子 日下 幸則 鏡森 定信
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.807-815, 1994-10-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
30
被引用文献数
4 2

Bone mineral density of the lumbar spine (BMD) and biochemical markers for bone turnover were examined to study the mechanisms of age-related and menopause-related bone loss. We measured BMD of the lumbar spine and serum bone alkaline phosphatase (B-AlP) and bone gla-protein (BGP) as markers of bone formation and fasting urinary creatinine-adjusted hydroxyproline (Hyp/Cr) and calcium (Ca/Cr) as those of bone resorption in 166 community-dwelling Japanese women.A highly significant positive correlation between age and each of the biochemical markers, except for Ca/Cr, was observed. This relationship was not linear. Marked elevation in the levels of the markers was found in women in their sixth decade women compared with those in their fifth.All the markers correlated inversely with the BMD and these relationships remained significant after elimination of the effect of age by partialization. When analyzing the subjects in each five-year age group, the positive correlation of Hyp/Cr with Ca/Cr was significant in the subjects aged 45 to 49 and the negative correlation of Hyp/Cr with BMD was significant in those aged 50 to 54. B-AlP correlated positively with BGP in the subjects aged between 50 and 54 and inversely with BMD in those aged between 55 and 59. These correlations were significant. Thus, intercorrelations between the markers were observed five years earlier than were correlations between the markers and BMD. Such associations appeared earlier in terms of the markers for bone resorption than in terms of the markers for bone formation.In the subjects aged 50 to 54 who had encountered menopause more than three years previously, BGP and Hyp/Cr were elevated compared with those in the premenopausal women of similar age and a significant correlation between Hyp/Cr and BMD was observed. Therefore, menopause seemed to account for the uncoupled activation in the bone metabolism found in the subjects around 50 years of age.The decrease in bone mass observed in our subjects around 50 years of age as a result of uncoupling of bone formation and resorption was suggested to be initiated by activation of bone resorption caused by menopause preceding activation of bone formation.