著者
秋本 福雄 阿部 正隆 梶田 佳孝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.871-876, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
31
被引用文献数
4

地域計画は英国に登場し、1920年代、アメリカ及び英国で都市計画法の中に制度的に組み込まれた。日本へは、飯沼一省が1923年の米欧外遊の後、紹介したが、都市計画法は、今日なお、地域計画に関する条項を持たない。この研究の目的は、その理由を日本における地域計画の導入期を解析することにより明らかにすることにある。飯沼は、地域計画という用語にアメリカで遭遇し、英国で地域計画の概念を把握し、ハワードの田園都市、C. B. パーダムの衛星都市の図式の強い影響を受けた。飯沼は都市計画法の都市計画区域を批判したが、都市計画法を根本的に組み立て直すには至らなかった。
著者
佐光 亘 阿部 考志 原田 雅史 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-15, 2018-02-01 (Released:2018-03-13)
参考文献数
22

脳機能を評価する比較的新しい方法としてResting state functional magnetic resonance imaging (RSfMRI) があり, 特にindependent component analysis (ICA) に基づく解析は, ネットワークレベルでの病態解析法として応用されてきた。筋萎縮性側索硬化症 (ALS) における, 脳機能ネットワークを評価した論文が散見されるが, 各ネットワーク間の関連性に関する報告はない。また, 上位運動ニューロン徴候を欠くためにALSと診断できない場合もあり, 診断補助としてのICAによるネットワーク解析の有用性評価と, ALSにおけるnetwork-network interactionを明らかにするために本研究は行われた。12人のALS患者と12人の疾患対照のMRI撮影を行った。ICAにより, sensorimotor network (SMN), Salience network (SN), right frontoparietal network (RFPN) などを同定した。両群間に各ネットワーク発現量の有意な差は認められなかったが, ALSにおいてのみ, SMN・RFPN・SN間に有意な相関が見出された。これらの結果は, 診断補助としてICAに基づくネットワーク解析を用いることの困難さと, ALSにのみ認められる, 異常なnetwork-network interactionの形成を示唆する。
著者
後藤 恵 梶 龍兒 森垣 龍馬
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

大脳基底核回路の中核的役割を演じる線条体にはストリオソームとマトリックスと呼ばれる2つの機能分画が存在する。研究期間内に、ジストニア症状を呈する遺伝子改変動物モデルまたヒト疾患モデルではドパミンD1受容体シグナルの低下がストリオソームに選択的に存在することを見出した。さらに、ジストニアを主症状とする線条体変性疾患ではストリオソーム優位の神経細胞脱落がみられるが、このコンパートメント特異性病変の形成にニューロペプチドYやPSD-95 などの神経保護因子の発現が関与していることを示した。これらの所見はジストニアの発現機序として私が提唱する“ストリオソーム仮説”と符号するものである。
著者
梶克彦 河口信夫
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.35-36, 2014-03-11

スマートフォンの普及と高度化に伴い,位置情報サービスの需要が高まっている.正確なレストラン検索や推薦を提供するためには,位置や営業時間などの店舗情報を計算機で処理可能な形式で記述しておく必要がある.しかし一部の店舗では,閉店時間が正確に定まっておらず,時刻形式で記述されていない場合がある.本研究では,閉店時間の定まっていないレストランを位置情報サービスで利用可能にするためのクラウドソーシングシステムを提案する.複数のユーザはレストランの閉店間際に訪れ,本システムを通じて店舗が開いていたか閉まっていたかを投稿する.蓄積された投稿情報は閉店時間の推定に用いられる.
著者
西本 由紀子 上野 勝代 梶木 典子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.16, no.33, pp.727-730, 2010-06-20 (Released:2010-06-18)
参考文献数
9
被引用文献数
4 3

In recent years, the number of strollers in the public transportation facility has increased significantly and in proportion to that the number of near accidents has also increased. This study aims to investigate the concrete characteristics of the behavior of the people using strollers in the public transport system. An observation survey of the JR Kobe Line shows that the incidents leading to possible accidents are in particular when embarking or disembarking trains, when using escalators, or when ascending or descending stairs.
著者
三木 孝史 斉藤 一功 林 征治 梶川 弘 嶋田 雅生 小川 陸郎 川手 剛雄 池谷 大 木村 則幸 高畠 和男 西澤 節 杉浦 伸裕 鈴木 基文
出版者
CRYOGENICS AND SUPERCONDUCTIVITY SOCIETY OF JAPAN
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.258-266, 1996-05-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
1 4

So far, the use of superconducting magnets has been limited to chemical analysis and medical inspection. To develop a new use, we have tried to apply common MRI devices as nondestructive sugar content detector of watermelon. To estimate the sugar content, a new technique using multiple regression analysis of two NMR relaxation times was developed. It was found that the coefficient of multiple regression at the center of the watermelon exceeded 0.9 and the standard error of prediction was around 0.5, and that the over-ripened part of flesh called ‘nieka’ in watermelon could be distinguished because its T2 was much longer than that of the oridinary part. An evaluation rate of sugar content could be below 6s per watermelon. It is concluded that multiple analysis of T1 and T2 on intact watermelon can be applied as a non-invasive, nondestructive indicator of sugar content.
著者
梶本 五郎 笠村 貴美子 前場 佳子 真鍋 恵子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.358-361, 1963

3月, 6~7月の梅雨期と, 夏を越した9月の3時期に市販の各種油脂食品, すなわちドーナツ, クラッカー, チョコレート, ポリコン, いかり豆, グリンピース油揚げ, カリントウ, お好み, チキンラーメン, トンメン, バター, マーガリン, ラード, マヨネーズ, 豚ハム, 鯨ハム, 魚肉ソーセージ, イカのクン製物, いりこ, ミリン干し, しらす佃煮, 花かつを, うまいか等23種を, それぞれ異なった店より無作為的に購入し, エーテル抽出油の過酸化物価および酸価を求めた.<BR>その結果<BR>1. 食品別では油脂の過酸化物価および酸価の高いもの, すなわち変敗度の高いものは, ミリン干し, いりこ, イカのクン製物, しらす佃煮, ハム等で, ついで花かつを, 油揚げ豆類, お好み, ドーナツ等で, 比較的, クラッカー, チキンラーメンは低くラード, マーガリン, バター類が最も低い.<BR>2. 季節別では概して3月頃より夏を越した9月頃の食品の方が変敗度高く, とくにいりこ, 油揚げ豆, お好み等は気温に影響され, マーガリン, バターなどは年中ほとんど一定であった.
著者
吉武 哲信 梶田 佳孝 出口 近士 寺町 賢一 梶原 文男
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、都市計画にもとづくまちづくりのウェイトが低下し、都市じまい的なまちづくりを志向する地方小規模自治体が存在することを、都市計画マスタープラン(都市MP)策定の意義に対する自治体の認識を調査・分析することによって明らかにしたものである。九州、中国、四国地方を対象とした調査の結果、都市MP未策定においてもデメリットがないものの、都市計画事業の実施に都市MPを関連づけて策定することが多いこと、一方で新規の都市計画事業や民間開発が想定できない状況では、都市MPを充実させるインセンティブは働かず、総合計画や区域MPで都市の将来像を緩やかに示すことを望む自治体が存在することが明らかになった。
著者
梶原 武
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.49-63, 1961-08-31

Investigations of attaching materials and animal fouling organisms on the test nets were carried out at the Stations in Sakibe Inlet of Sasebo Bay from 1958 to 1960. During this period, a series of test nets were installed monthly and replaced the exposed nets for one month, two and three. A test net was constructed by the seven pieces of cremona nets (20s/9, mesh length 50mm, 10×10 mesh) spread over the frame which eight bamboos (dia. 2cm, length 60cm) were joined with two hemp-palm ropes (dia. 5mm) at intervals of one meter. It was suspended from the surface to seven meter depth below, weighted with stones. The fouling animals on the nets were counted and weighted. About bamboos and ropes, the areas occupied with animals were measured. 1. The rich fouling fauna were found in early summer and autumn, i.e., Hydroides norvegica, Styela plicata, Bugula califoarnica, B. neritina, Costazia costazii, Mytilus edulis, Balanus amphitrite albicostatus, B. trigonus and Amphipoda were abundant from spring to summer and H. norvegica, Serpula vermicularis, S. plicata, B. neritina, B. amphitrite communis in autumn. But peaks of several species of compound ascidians and Ciona intestinalis occurred in cold season. There can be recognized an active and a resting period of fauna in a year, the former begins in May and continues to November, and the latter seems to extend from December to April. 2. Generally the beginning of settlement of fouling animals were found earlier on long exposed nets than fresh nets. This phenomena may be explained that the fine attaching materials which were formed on old nets provide suitaple conditions for settling. 3. The characters of suspended solids in the sea water appeared to play a major role in determining the variability of the fouling populations. Also the interrelationships among various species of fouling community give deep influences to the population density and attaching constructions. Therefore grouping member of community through by ecological factors as sessile form and food habit etc., may offer the positive view points to the fouling faunas. 4. Fouling animals of sessile type, as Balanus, we called the primary fouling animals, and the moving fouler on attachment surface, as Amphipoda, the secondary fouling animals. The former consists of groups which feed on the suspended matters by filter, but the latter mainly on the detritus.佐世保湾崎辺浦で1958年以降,試験網の浸漬による付着物の研究をおこなってきた.この資料に基いて,網竹綱の三つの基盤に付着した付着生物の季節消長の概要をのべた. 1 付着生物の付着と生育の旺盛な時期は5~7月,9~11月の年2回みられ,冬期は付着種類は少なくなる.夏期8~9月は付着種類はやや減少するが生育はかなり盛んである.2各季の主な種類は,5~7月ではカサネカンザシ,ナギサコケムシ,フサコケムシ,コブコケムシ,ムラサキイガイ,タテジマフジッボ,サンカクフジツボ,Amphipoda,シロボヤであり,秋期におおいのは,カサネカンサジ,シロボヤ,ヒトエカンザシ,サラサフジツボ,フサコケムシであった.また12~4月におおいのは,Amphipoda,群体ボヤ,ユウレイボヤである. 3 本水域の優占種は,カサネカンザシーシロボヤである.またここでの付着生物群集の性格は,カサネカンザシ(フサコケムシ)―シロボヤ(ムラサキイガイ)―サラサフジツボ(タテジマ)―Tube-buildingAmphipodsにより代表されるものと考える. 4 おおくの種類は,浸漬期間の長い基盤に新らしい基盤よりも早い時期から付着がはじまる.これは古い基盤の付着ヌタが生物の付着や生育に好条件となることによるのではないかと推測される.5 付着の状態や摂餌方法により,付着生物を第1次付着生物(固着,懸濁物を餌料とする),第2次付着生物(基盤上を動き,付着ヌタを餌料とする)の二に分けた. 6 付着生物の生態学的研究で,環境調査では餌となる懸濁物の性質の調査も必要である.また付着生物群集の性格を明らかにするために,各生物種を付着の仕方,形態,摂餌方法,死後の状態等で整理することが必要であると考える.
著者
梶浦 一郎
出版者
園藝學會
雑誌
園芸學會雜誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.301-311, 1972
被引用文献数
1

リンゴ紅玉と国光果実に及ぼす炭酸ガス濃度の影響を4&deg;C下と20&deg;C下とで調査した. 炭酸ガス0,1,3,5, 10ならびに20%, 酸素16.8~21%を含む混合ガスを常時通気し, 各炭酸ガス濃度区とも紅玉では15個, 国光では10個ずつ調査した.<br><b>紅玉</b><br>1. 4&deg;C下では果皮地色の黄色化が炭酸ガス10%以. 上で抑制され, 果肉の軟化は5%以上で抑制されたが, 果肉かつ変果では軟化が著しかつた. 滴定酸度は処理中減少し, 20%区で顕著だつた. また酸素吸収量も20%区でやや抑制された. 食味は3%以下では淡白になり, 10%区はフレーバーが脱け, 20%区は異臭が生じ, 5%区が良好であつた.<br>2. 20&deg;C下では黄色化が3%以上, 軟化と減酸ならびに酸素吸収量は5%以上で抑制された. また食味も5%以上でフレーバーが脱け, 20%区では異臭が生じた.<br>3. 4&deg;C下では20%区で2種のかつ変が生じ, 5, 10%区の一部の果実にも軽い症状が見られた. (1) 濃かつ変が心皮組織中央より発生し, 果肉に拡大する. (2) 果実の肩がかつ変し, 上述のかつ変と併発する場合が多かつた. 20&deg;C下では20%区で一部の果実のほう線上に乾燥して空胴のある淡かつ斑が生じた.<br><b>国光</b><br>1. 4&deg;C下では黄色化が1%以上, 軟化が3%以上で抑制されたが, 20%区のかつ変部は著しく軟化した. 滴定酸度は減少し, 10, 20%区で顕著だつた. 食味は0, 1%区では粉状質になり, 20%区では異臭が生じ, エタノール蓄積も見られた. また3~10%区ではフレーバーが脱け, 高濃度下ほど著しかつた.<br>2. 20&deg;C下では黄色化は1%以上, 軟化は3%以上で抑制され, 20%区のかつ変部は軟化した. 滴定酸度の減少は20%区のかつ変部で著しかつた. 食味は0~3%区で粉状質になり, 10%以上で異臭が生じた.<br>3. 4&deg;C下では1%以上の区で心皮組織中央より淡かつ変が生じ, 果肉に拡大し, 高炭酸ガス下ほど顕著だつた. 20&deg;C下では果心内背管束付近が淡かつ変し, 果肉に拡大するとともに空胴が生じた. 5%以上の区で見られ, 高濃度下ほど著しかつた.<br>4&deg;C下の本実験より貯蔵に適した炭酸ガス濃度は紅玉では5%付近と思われたが, 国光ではかつ変発生のため不明確だつた. より明確な貯蔵効果を得るにはかつ変を防止するとともに低酸素との組み合わせが必要と思われた. 温度とかつ変, 最適炭酸ガス濃度, 炭酸ガス感受性の品種間差について考察した.
著者
嘉瀬 貴祥 上野 雄己 梶内 大輝 島本 好平
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.27.2.8, (Released:2018-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
3

This study investigated the relationships between personality prototypes and life skills to understand the characteristics of Resilients, Overcontrollers, Undercontrollers, and Not identifiables. Hierarchical cluster analyses using Ward's method and one-way ANOVA with multiple comparisons using Holm's method indicated that Resilients tended to adopt adaptive behaviors and thoughts, and Overcontrollers had similar tendencies as Resilients. Additionally, Undercontrollers showed a tendency to adopt active interpersonal behaviors and thoughts, and Not identifiables tended to adopt accepting interpersonal behaviors and thoughts. These results provide new findings on the characteristics of individuals classified as different personality prototypes.
著者
潮平 健太 金子 秀雄 梶山 顕弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】臨床でしばしば観察される跛行の1つに,体幹の前傾や側方傾斜がある。これらの定量的評価に3次元動作解析装置が用いられるが,機器が高価で操作に熟練を要し,測定場所が限定される。そのため,近年は小型で軽量であり,測定場所の制約を受けにくい加速度や角速度センサが注目されている。しかし,角速度センサを用いて体幹傾斜を測定し,健常者の体幹傾斜がどの程度であるかを示した報告はない。そこで本研究では,角速度センサを用いて健常な若年者と高齢者における体幹傾斜角度の測定を試み,体幹傾斜角度の参考値を得ることと加齢による影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は,性別と体型によりマッチングさせた健常若年者20名(男性9名,年齢24±2歳,身長161.4±6.8cm,体重56.4±7.1kg,BMI21.6±2.1kg/m<sup>2</sup>:若年群)と独歩で日常生活が自立した地域在住の健常高齢者20名(男性9名,年齢68±3歳,身長159.6±7.5cm,体重56.0±7.3kg,BMI21.9±1.5 kg/m<sup>2</sup>:高齢群)とした。除外基準として,明らかな脊柱変形,整形外科的疾患または神経学的疾患を有する者とした。使用機器は,外形寸法40mm×20mm×30mm,質量約30gの角速度センサ(LOGICAL PRODUCT製:以下,センサ)を用い,10m歩行(加速・減速路3mの計16m)の体幹傾斜角度を測定した。測定手順は,椅座位にて体幹直立位で胸骨体に合わせて装着した胸部固定用ベルト(GoPro Chest Mount Harness WGCHM30)にセンサを貼付した。なお,センサの鉛直はデジタル水準器(アカツキ製作所DI-100M)を用いて確認した。センサ装着後,裸足にて快適速度での10m歩行を3回試行した。サンプリング周波数は500Hz,測定時間は30秒間とし,測定データに対してドリフト補正を行った。データ解析は,歩行開始5歩目~10歩目を解析区間とし,解析区間における最大側方傾斜角度,最大前傾角度,平均側方傾斜角度(1歩行周期毎の最大側方傾斜角度の平均),平均前傾角度として算出し,3試行の平均値を分析に用いた。統計処理はSPSS statistics 22(IBM)を用いた。若年群と高齢群の最大体幹傾斜角度,平均体幹傾斜角度の比較には対応のないt検定を用いた。有意水準は5%とした。【結果】前額面において,体幹の最大側方傾斜角度は若年群2.5±0.9°,高齢群3.9±1.3°,平均側方傾斜角度は若年群1.8±0.9°,高齢群3.2±1.2°,矢状面において,最大前傾角度は若年群3.5±4.1°,高齢群2.1±2.9°,平均前傾角度は若年群2.2±3.8°,高齢群0.93±2.9°であった。若年群と高齢群の最大側方傾斜角度,平均側方傾斜角度に有意差を認めた(p<0.05)が,最大前傾角度,平均前傾角度に有意差は認めなかった。【結論】角速度センサにより測定した歩行時の側方傾斜角度は先行研究に類似した値を示し,高齢者は若年者より側方傾斜角度が有意に増加していることがわかった。これらの結果から角速度センサは,体幹傾斜の定量的評価や加齢変化の識別に有用であることが示唆された。
著者
梶本 五郎 笠村 貴美子 遠藤 義臣
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.153-156, 1962

チキンラーメンに0.5%BHAアルコール溶液及び0.5%グリセリンと水の溶液 (3:2) を材料重量に対し0,01%になるよう噴霧し, 室内に60日, 100日放置し, 放置後のラーメンの揮発性塩基性窒素量及び抽出油の性状を求めた。<br>その結果, 無添加ラーメンに比べ, 揮発性塩基性窒素, 酸価, 過酸化物価等は, 値が低く, 即ち防腐性及び酸化防止性を示した。<br>又BHAアルコール溶液噴霧とBHAグリセリン溶液噴霧法では, BHAアルコール溶液噴霧法の方が酸化防止性及び防腐性共にすぐれていた。
著者
梶本 哲也 伊田 喜光
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.534-538, 1996-08-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
19

細胞表層に存在する複合糖鎖の生物学的機能は高次構造を有する糖鎖に抗体,酵素,レクチンなどの糖認識タンパクが結合することによって発現する.E-セレクチンのリガンドとなるシアロルイスXを中心に,エネルギー的に安定な構造と生理活性を発現する構造の違いならびに糖鎖類似体の設計について概説する.
著者
梶本 哲也 伊田 喜光
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.393-401, 1997-05-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

Carbohydrates on cell surfaces play important roles in various cell adhesion processes such as bacterial and viral infection, neurtrophile recruitment, cell differentiation and so on by binding proteins like lectins, antibodies, and glycoenzymes (glycosidases and glycosyltransferases). Carbohydrate analogues which inhibit the interaction between carbohydrates and proteins are promising molecules to clarify and control biological functions of oligosaccharides, and some of the analoges were prepared by using aldolase catalyzed reactions without any tedious procedures. For example, a mimetic of sialyl Lewis X which is an ligand of E-selectin was synthesized by using L-threonine aldolase catalyzed reaction as a key step. In addition, synthetic approach to KDO and 4-azaiduronic acid by using kynureninase and the L-threonine aldolase, respectively, is almost achieved.This review article shows solid phase synthesis and combinatorial synthesis of carbohydrates and treats the details about the utility of aldolases on making carbohydrate mimetics as one of the chemical approaches of glycotechnology.

1 0 0 0 OA 頓医鈔 23巻

著者
梶原, 性全
出版者
巻号頁・発行日
vol.[10],