著者
後藤 崇志 石橋 優也 梶村 昇吾 岡 隆之介 楠見 孝
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.32-41, 2015
被引用文献数
7

We developed a free will and determinism scale in Japanese (FAD-J) to assess lay beliefs in free will, scientific determinism, fatalistic determinism, and unpredictability. In Study 1, we translated a free will and determinism scale (FAD-Plus) into Japanese and verified its reliability and validity. In Study 2, we examined the relationship between the FAD-J and eight other scales. Results suggested that lay beliefs in free will and determinism were related to self-regulation, critical thinking, other-oriented empathy, self-esteem, and regret and maximization in decision makings. We discuss the usefulness of the FAD-J for studying the psychological functions of lay beliefs in free will and determinism.
著者
梶山 朋子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.137, pp.181-185, 2013-07-11

本稿では,提案済みのリング状検索インタフェースを改良し,アプリ検索アプリケーション「Wonder Search」を実装した.本インタフェースは,星座早見盤のような形状で,多次元属性情報に対し柔軟な検索を提供する.検索対象は,iTunesストアが用意している23カテゴリに対する上位50件ずつである.検索の切り口として利用する属性には,カテゴリやユーザ評価などのストア登録情報に加え,アイコンの色彩に関する属性を用意した.本アプリケーションは,予想外のアプリケーションとの出会いを提供するだけでなく,紫のアイコンは少ないなど分析ツールとしても利用できることが分かった.
著者
梶井 功
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.663-666, 1972

みぞれまじりの厳冬の2月, ベルリンで開かれた農業関係の国際会議に参加した筆者は, 恒例の "緑の週間" の下に催されている農業博に誘われ, たまたま場内で各国各地方の酒類が展示されているWein-Straβe (酒の広小路) で試飲, 日本酒の姿の見当らないことから, 日本酒の輸出振興の好機が与えられているのに政策が空文化しているのを憂い, さらに国鉄が "ディスカバー・ジャパン" で旅行ブームをまき起しているように, 地酒のよさを再発見することによって, 日本酒を成長軌道に乗せることに論及している。
著者
梶原 良 中津 沙弥香 塩野 忠彦 柴田 賢哉 石原 理子 坂本 宏司 武藤 徳男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.183-185, 2008-04-15
被引用文献数
8

高血圧自然発症ラット(SHR)にモリンガ葉の10倍水抽出物を強制経口投与し,血圧上昇抑制効果について検討を行った.その結果,単回投与試験では血圧の有意な低下は認められなかったが,長期投与試験では,投与後25日目以降有意な血圧上昇抑制作用が認められた.また,モリンガ葉は,抗高血圧作用を有するGABAを高含有していた.モリンガ葉を長期間継続的に摂取することで高血圧発症を予防できる可能性があることが示唆された.
著者
森田 喜紀 神田 健史 山本 祐 古城 隆雄 小松 憲一 梶井 英治
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.363-365, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
1

自治医科大学地域医療学センターは, 平成25年度より栃木県小山市で始まった「小山の地域医療を考える市民会議」の活動を行政と共に支援してきた. 行政・医療者・市民が市民会議で担う役割を明確にし, とくに市民が無理なく市民会議の主役を担えるように活動の企画や運営の支援を行ったことが, 市民の意識変化や市民会議の活性化に繋がったと思われた.
著者
矢吹 淳哉 梶川 嘉延 野村 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.1868-1876, 1997-11-25
被引用文献数
36

Filtered-x LMS法を用いてANCシステムを動作させる場合, ステップゲインと呼ばれる定数を決定しなくてはならない. ところが, これは小さ過ぎるとフィルタ係数の収束が遅くなり, それを速くするために大きくし過ぎるとシステムが安定に動作しなくなる. そこで, システムの安定性を満たし, かつ収束が速い値を選ぶために, 安定に動作する上限値を知る必要があるが, 従来はその値が不明であったため, ステップゲインは試行錯誤して決定されていた. またFiltered-x LMS法には, ANCシステムにおける2次音源スピーカと誤差検出マイクロホンの間の経路(Error Path) Cを同定したフィルタC^^^が必要であり, 当然これにはモデル化誤差が含まれている. 本論文では, このような場合に, 許容されるCとC^^^の位相誤差から安定に動作するステップゲイン値の上限を求める理論式を導出する. また, 同理論式を実際のシステム稼慟時に入手可能な情報で表現することを試みる. 更に, 理論式によって得られたステップゲイン値を使用した場合とその他の値を使用した場合における収束特性の比較を行い, 提案する理論式の有効性を示す.
著者
梶田 信
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ヘリウム照射により形成されるナノ構造金属を熱光起電力発電に応用するために,その耐熱性,エミッタンスの変化を明らかにした。耐熱性に関しては,温度が上昇するとナノ構造が収縮していくことが明らかになり,熱光起電力発電用としては低温(1000K以下)で利用する必要があることが分かった。放射率の変化を調べたところ,広い波長範囲で放射率が 1 に近くなっており,少し収縮が起こった材料においては近赤外領域のみ放射率が高くなることが分かり,無駄な熱の放出がないことから,熱光起電力発電用により適していることが分かった。
著者
尾崎 真澄 梶山 誠
出版者
千葉県水産総合研究センター
雑誌
千葉県水産総合研究センター研究報告 = Bulletin of the Chiba Prefectural Fisheries Research Center (ISSN:18810594)
巻号頁・発行日
no.3, pp.21-28, 2008-03 (Released:2011-02-04)

1)千葉県印旛沼において、1992年から2000年にナマズ人工種苗を放流し、その放流効果について、混獲率や回収率を推定した。2)放流種苗には、焼き入れやタグによる外部標識やアリザリンコンプレクソン(ALC)による内部標識を施し、北印旛沼に12,031尾、西印旛沼に29,449尾、合計41,480尾を放流した。3)放流魚の追跡調査として、漁業者から漁獲物の収集を行い、全長、体重、生殖腺重量を測定するとともに、雌雄判別やALC標識を確認した。4)漁獲物調査により、1993年から2003年に北印旛沼で155尾、西印旛沼で799尾、合計954尾のナマズを収集した。5)これらの漁獲物のうち北印旛沼で95%、西印旛沼で73%が4、5月に漁獲された。6)ナマズ放流魚の成長は、放流後2〜3年で全長500mm以上に達することが推測され、特に夏期における成長量が著しかった。7)ナマズ放流魚の成熟について、GSI値は天然魚と同様に推移し、雌のGSI値は、4月をピークにして8月にかけて降下し、漁獲時期と産卵期は一致した。8)ナマズ放流魚の混獲率は、1993年から2003年の両沼合計で、平均50.2%と高い値を示した。また、これらの混獲率は、放流尾数との間に相関関係が成り立った。9)ナマズ放流魚の回収率は、5%と推定され、混獲率の高さを考慮すると、ナマズ資源に対する漁獲率は低いことが推測された。10)ナマズ種苗放流によって期待された親魚の添加による再生産効果は、明確な漁獲増として確認できなかった。11)印旛沼におけるナマズ資源の増大には、産卵場の収容量など、親魚量以外の条件が本種の資源維持に関わっている可能性がある。
著者
梶山 彦太郎 市原 実
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.7, pp.101-112, 1972-12-25
被引用文献数
18

Having carried out the study of the latest alluvial deposits (the Nanba Formation) in Osaka since the 1950s, the writers revealed that the developmental history of the Osaka Plain can be divided into nine stages. In this paper, numerous data on fossils, sedimentary facies, topography, prehistorical remains and historical facts are synthesized under the stratigraphical successions and the radio-carbon dates. Nine successive stages in the development of the Osaka Plain, with approximate radio-carbon dates, are as follows. 1. The stage of the paleo-Osaka Plain (ca. 20000 y.B.P., Wurm maximum, Pre-Jomon age): The geomorphological features of the Paleo-Osaka Plain are guessed by the relief map of the base of the latest alluvial deposits (Fig. 4). The river system of the Paleo-Osaka River was widely developed. 2. The stage of the Paleo-Kawachi Plain (ca. 9000 y.B.P., earliest Jomon age): The sea-level was over 20m lower than the present sea-level. Osaka Bay already existed, but the Kawachi area was not covered by sea-water as yet. 3. The stage of Kawachi Bay I (ca. 7000-6000 y.B.P., the first half of early Jomon age): The sea-level reached the same level as the present one. The Paleo-Kawachi Plain was widely covered by sea-water. A sand-bar was developed on the north of the Uemachi Upland (Fig. 6). 4. The stage of Kawachi Bay I (ca. 5000-4000 y.B.P., latest early Jomon-middle Jomon age): The sea-level was in the same level as one of Kawachi Bay I or in a slightly higher level than that. The delta of the Yodo River was well developed. The sand-bar was further developed to the north of the Uemachi Upland (Fig. 7). 5. The stage of Kawachi Lagoon (ca. 3000-2000 y.B.P., latest Jomon〜the first half of Yayoi age): Owing to the development of the sand-bar north of the Uemachi Upland, Kawachi Lagoon was formed. Standella capillacea (tropical to subtropical, brackish water species) at the inlet and Corbicula sandai (Lake Biwa, freshwater species) in the inner part are characteristic (Fig. 8). 6. The stage of Lake Kawachi I (ca. 1800-1600 y.B.P., late Yayoi〜early Kofun age): Through the subsequent development of the sand-bar on the north of the Uemachi Upland. Kawachi Lagoon changed into Lake Kawachi. The delta of the Yodo River finally reached the sand-bar (Fig. 9). 7. The stage of Kawachi Lake II (Nintoku〜Nara age): In the time of the Emperor Nintoku (ca. A.D. 400), Ookawa (the Oo River) was, excavated at the base of the aforesaid sand-bar. A part of Kawachi Lake near the excavated outlet was an important port called "Nagarafunase" till the later Nara age. 8. The stage of the Osaka Plain I (After Nara age): Each delta of rivers filled the sea-area behind the line of formation of the offshore-bar (Fig.9). The Plain began to be developed in west Osaka. 9. The stage of the Osaka Plain I (After Muromachi〜early Edo age): Each delta was rapidly developed beyond the aforesaid line. This stage is the present stage of the Osaka Plain.
著者
祖父江 寛 中村 茂夫 村上 謙吉 梶浦 淳資
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.19, no.206, pp.365-369, 1962-06-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1

分子量分布の多分散性を示すために一般に用いられているパラメーターMw/Mnの分子量依存性を一般的な分布関数f (M)について検討した。その結果分布の形が全く同一でもMw/Mnの値は分子量が大きくなると単調に1に近づき, 分子量依存性を示すことがわかった。またこのような現象を具体的に示すものとして若干の簡単な分子量分布模型についても検討を加えた。
著者
稲富 佳洋 宇野 裕之 高嶋 八千代 鬼丸 和幸 宮木 雅美 梶 光一
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.185-197, 2012-11-30
被引用文献数
1

北海道東部地域の阿寒国立公園においてメスジカ狩猟と個体数調整がエゾシカの生息密度に与えた影響を評価するために、1993年〜2009年に航空機調査を実施した。また、エゾシカの生息密度の変動に伴う林床植生の変化を明らかにするために、1995年〜2010年に囲い柵を用いたシカ排除区と対照区の林床に生育する植物の被度及び植物高を調査した。航空機調査の結果、生息密度は1993年の27.1±10.7頭/km^2から2009年の9.5±2.5頭/km^2へと減少した。1994年度のメスジカ狩猟の解禁後に生息密度が減少し始め、1998年度のメスジカ狩猟の規制緩和に伴って生息密度が急減し、1999年9月の個体数調整開始以降は、生息密度が低く維持されていることから、阿寒国立公園における生息密度の低下は、メスジカ狩猟の解禁と規制緩和並びに個体数調整による効果が大きいと考えた。林床植生調査の結果から、15種の嗜好性植物及び2種の不嗜好性植物について被度や植物高の変化を解析した。対照区では、嗜好性植物であるクマイザサやカラマツソウ属、エンレイソウ属の被度若しくは植物高が増加傾向を示し、不嗜好性植物であるハンゴンソウが消失した。阿寒湖周辺では、エゾシカの生息密度の低下によって、採食圧が低下したために林床植生が変化したことが示唆された。以上のことから、エゾシカを捕獲し、生息密度を低下させることは、高密度化によって衰退した林床植生を回復させるための有効な一手段であると考えた。
著者
小林 哲郎 弥生 恵司 梶 正博 宮内 昭 神前 五郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.127-131, 1983-02-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
13

われわれは最近3年間に4例の男子乳癌症例を経験し,同期間における老年期女性化乳房症52例と比較し,以下の結果をえた. (1) 男子乳癌は,傍中心性に発生することが多く,比較的早期より皮膚および乳頭の変化を来しやすい. (2) 一方,老年期女性化乳房性は,腫瘤が大きくなっても皮膚および乳頭の変化を来すことはまれで,内分泌療法によく反応する.
著者
松橋 延壽 永田 高康 立花 進 浅野 雅嘉 梶間 敏彦 土屋 十次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.1724-1728, 2000-09-01
被引用文献数
7

超音波検査にて術前診断可能であった閉鎖孔ヘルニアの5例を経験した.症例は女性4例, 男性1例.右側3例, 左側2例.全例痩せ型で, 平均年齢は83.8歳と高齢であった.主訴は5例とも腹痛, 嘔気でイレウス症状を呈していた.また, Howship-Romberg徴候は術前3例に確認した.閉鎖孔ヘルニアを術前疑い全例に超音波検査を施行し, 小腸の閉鎖孔への嵌入を確認した.症状発生から手術までの期間は, 1日から最長24日で平均10.6日であった.嵌入形態は3例がRichter型であり, 嵌入部位は回盲部から50〜100cmの小腸であった.術式は3例が小腸人工肛門(二連銃式), 1例が15cmの腸切除, 1例が整復解除のみであった.ヘルニア門の処理は単純縫合閉鎖が3例, mesh plugによる補強が2例であった.なお, 人工肛門は後日閉鎖し全例生存中である.
著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.75-84, 2014-01-01

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の書棚散策では大きな指標となっている.一般的に,出版書籍の表紙は,作者や出版社の意思を反映しデザインされるため,読者の印象が反映されにくい.また,近年普及が進んでいる電子書籍コンテンツの中には,表紙が提供されなかったり,同一デザインの表紙が用いられるものが存在し,表紙画像をベースとした書籍検索や書棚散策が考慮されていないという問題があった.そこで,本論文では,書籍表紙画像の自動生成を目的として,読者の印象を反映させた表紙画像色の抽出手法を提案する.具体的には,人間の内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色を抽出する手法を提案する.被験者20人による表紙画像の描画による実験と,被験者15名による書籍表紙色の選択による実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず色抽出を行えること,読書後に読者の感情が揺れ動く小説において特に有効であること,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.