著者
池添 剛 梶川 嘉延 野村 康雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.3201-3212, 2001-12-15

本論文では,感性語により音楽を検索するシステムを提案する.提案システムでは,データベース中の曲をマッピングするための検索空間をSD法ならびに因子分析により生成する.また,データベースに新たな曲を登録する際には,GAとニューラルネットワークにより構成された自動インデクシングシステムにより検索空間へのマッピングを行う.検索の際には,8つの感性語対の度合い(1?7)をニューラルネットワークに入力することにより,ニューラルネットワークはそれらの入力に対応する感性空間中の座標を出力するので,検索システムはその出力座標値からユークリッド距離の最も近い曲から順番に検索候補としてユーザに提示を行う.提案システムに対して主観評価実験を行ったところ,検索システムに関しては95%の被験者が満足しており,自動インデクシングシステムに関しては59%の被験者が満足するという良好な結果が得られた.
著者
梶原猪之松 編
出版者
啓文社
巻号頁・発行日
vol.明治21年−28年, 1897
著者
長谷川達人 中村宗広 梶原祐輔 木村春彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.12, pp.1-7, 2013-12-12

近年モバイル端末の普及に伴い利用者のマナーやモラルが問題視されており,特に音量の設定は,公共交通機関や映画館,図書館,また,学校や会社の社会生活等様々な場所にて規制されていることが多い.Android スマートフォンにおいては,音量設定は大きく分けて 2 種類,着信音量とアプリ音量がある.着信音量は電話やメールが着信した際の音量であり,マナーモード設定と連動している.アプリ音量はゲームのようなアプリケーションで発される音量の設定であり,一般的にはマナーモード設定と連動されていない.本稿では特にアプリ音量に焦点を当て,Android スマートフォンから得られる様々なログ情報を用いてアプリ音量の自動化を行う.ログ情報として主に位置情報,起動中のアプリ名称,時刻などを用いて学習を行う.Because of the diffusion of a smartphone, user's manners or morals are indicated. Among them, the volume is frequently regulated in the public spaces like theater, library, school, and office. Android smartphone has two kinds of volume setting, one of which is ringtone volume, and the other is application volume. Ringtone volume, is a volume receiving a call or a e-mail, changes in conjunction with silent mode setting. Application volume, is a volume working an application like games, doesn't generally change in conjunction with silent mode setting. We propose a method automatically sets a volume utilizing various kind of attributes observed on an Android smartphone. In this paper, this method especially focuss on the application volume. This algorithm mainly processes location logs, application names, time information and so on to learn.
著者
梶 龍兒
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.310-315, 2005-05-20

種々の不随意運動は大脳基底核, 小脳, 大脳皮質, 脊髄などを含むフィードバックループの障害と考えることができる.本論文では大脳基底核とそれを含む運動ループの生理的な役割と疾患, 特にパーキンソン病とジストニアにおける異常について詳説する.このループ内では運動に関係した知覚入力のみが処理されていると考えられるが, その選択(gating)に異常をきたすと運動に不必要な筋の収縮がみられ, ジストニアなどの不随意運動をきたす.パーキンソン病ではこの感覚入力と運動出力のgain control (scaling)の異常が起こり運動が過少になる.このような知覚情報処理が基底核の生理と病理できわめて重要な意味をもっている.
著者
梶谷 定範
出版者
日本産業教育学会
雑誌
産業教育学研究 (ISSN:13405926)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.23-30, 2014-01-31

横須賀海軍工廠の見習職工養成制度の形成過程に及ぼした労働問題の影響を海軍当局の課題意識の面から検討し当該養成制度を特徴づけるために、国立公文書館アジア歴史資料センター所蔵の電子ファイル資料等を分析した結果、見習職工養成制度は、第1に、1894年に端緒をもち規則等の整備を経て1924年に形成されたこと、第2に、職工の労働問題を善導する有効な手段として海軍当局で意識されたこと、第3に、実業教育と同様に学術教育も工廠内で行い見習職工を寄宿舎に収容して徳育し著実穏健な職工の養成という特徴を持つことがわかった。
著者
"忠津 佐和代 梶原 京子 篠原 ひとみ 長尾 憲樹 進藤 貴子 新山 悦子 高谷 知美"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.313-331, 2008
被引用文献数
3

"青年期のヘルスプロモーションの視点から,大学生のピアカウンセリング手法による性教育の必要性と教育内容を検討するため,某大学生858人を対象に自記式質問紙調査を行い,以下の結果を得た.性交経験者は,男性では1年生(62.1%)・2年生(77.1%)・3年生(91.1%),女性では1年生(41.5%)・2年生(62.4%)・3年生(70.1%)と学年を上がるごとに増加していた.性に関わる問題の第1の相談相手の割合が最も高いのは「友人(73.1%)」であり,性に関わる意識や行動に最も影響を与える第1のものも「友人(45.5%)」であった.性の問題の相談場所がない者が24.0%いた.大学生のピアに対する期待は,具体的な知識に加え,交際相手とのトラブルへの対応や避妊法の具体的な技術指導,ピアカウンセリングが包含する相談しやすい人や秘密の守られる場の提供であった.最も知りたい内容は,21項目中,「性感染症の知識(47.0%)」で,以下2割以上は「男性と女性の心理や行動の違い(46.3%)」,「エイズ(44.8%)」,「愛とは何か(40.5%)」,「緊急避妊法(39.6%)」,「避妊の方法(35.8%)」,「異性との交際のしかた(34.8%)」,「セックス(性交)(29.3%)」,「自分の体について(27.2%)」,「性の人生の意味(26.1%)」,「性欲の処理のしかた(24.9%)」,「思春期の心理(23.6%)」,「性に関する相談機関(22.0%)」の12項目であった.以上から,青年期にある大学生にもピアによる性教育の潜在的・顕在的ニーズがあること,その教育内容として心理的・性行為付随側面のニーズが高くなっていることが窺える.この時期のQOLを実現するため,新入生の時期からピアカウンセリング講座やピアカウンセリングが展開できる場やサポート環境を整えていくことが求められる."
著者
梶浦 正浩 秋山 泰 安西 祐一朗
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.480-481, 1989-03-15

古くから親しまれているペントミノやテトロミノなどのパズルを、相互結合型ニューラルネットワークの一種であるボルツマンマシンで解いた例を紹介する。
著者
山口 裕之 梶原 昭博 林 尚吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.567-579, 2000-04-25
被引用文献数
3

小型航空機やヘリコプタが比較的低高度で航行するとき, 山林や建物等の前方障害物を検地しクリアな航路を確保することは, 衝突事故防止において極めて重要である.このような障害物のうち, 特に高圧送電線は背景とのコントラストが得にくいため視認性が悪く, これまで多くの接触事故が報告されている.本論文では, 航行における前方障害物検知に対してミリ波帯レーダセンサを想定し, 物理光学法(PO)を用いて高圧送電線のミリ波帯レーダ反射断面積(RCS)を検討している.まずPOの有効性を確認するために, 電波暗室内で取得した94GHzにおけるRCSと比較・検討する.次に, 送電線はアルミニウム線をより合わせたより線形状(周期的な表面特徴)をしていることに着目して, より線形状がRCSに与える影響について明らかにする.実際, 送電線はレーダ照射範囲よりも長い.そこで本計算では, アンテナの指向性をガウシアン分布と近似することによって上記の状況を模擬し, RCSを算出している.
著者
武長 孝 橋本 政雄 津賀 幸之介 梶山 道雄 橋本 佳文
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.169-177, 1978

この研究は諸外国でも開発が進められている農薬の微量, 少量散布機について, 昭和41年から始まり昭和52年の乗用トラクタマウント少量散布機の実用化, および低毒性の少量散布用農薬の登録受付けに至る間の基礎および開発研究を記述したものである。研究の内容は放射化分析を利用した農薬付着と漂流飛散の追跡, 有気噴頭の性能研究, 粒径の表現方法, 少量散布用落下調査指標の設定, 並びに8機種の微量, 少量散布機の開発研究からなっている。
著者
山子 茂 梶 弘典 藤塚 守
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31

シクロパラフェニレン(CPP)を母骨格とする環状π共役分子の材料への応用を見据えた大量合成法の確立とその応用と、CPPの反応性の解明に基づく後修飾法によるCPP誘導体の合成について検討を行った。前者では、ウェットプロセスを用いた有機電子デバイスへの応用に向けて問題となっていたCPPの溶解度の解決を図った。テトラアルコキシ[10]CPPにおいて異なるアルキル置換基を持つ誘導体を前年度ダイハツ下方法でグラムスケールで合成し、溶解度の確認と、ウエットプロセスを用いた薄膜作成について検討を行った。その結果、アルキル置換基を選ぶことで[10]CPPの薄膜を作成することに成功した。さらに、作成したCPP膜の光学特性と電荷移動度とを始めて測定することに成功した。その結果、CPP単体の分子軌道エネルギーからの予想とは異なり、n型半導体特性を示すことを明らかにした。ブトキシ[10]CPPのSCLC領域(0.7 MV cm-1)における電子移動度は4.5 x 10-6 cm2 V-1 s-1と高いものではなかったが、今後のCPPのデバイス研究におけるベンチマークとなるものと考えている。後者では、芳香族化合物の代表的な反応である求電子置換反応について、臭素化反応について検討した。その結果、サイズの小さなCPPでは、2分子の臭素がCPPに付加反応を起こすことを見出した。反応は選択的にCPPにおける二つのパラフェニレン単位のイプソ位のみで起こると共に、反応するパラフェニレン単位の場所も厳密に制御され、いずれの反応においても単一の生成物が得られた。さらに、理論計算から反応性および位置選択性が熱力学的安定性により支配されており、付加による芳香族性の解消とひずみエネルギーの緩和とのバランスで決まっていることが分かった。さらに、付加体から種々のCPP誘導体へと選択的に変換できた。
著者
田村 須美子 窪津 悌子 島田 幸男 岩澤 佳則 佐藤 智子 細川 弥生 須藤 節子 中島 康行 梶本 雅俊
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.838-845, 2010 (Released:2011-12-27)
参考文献数
12

誤嚥性肺炎の繰り返しから、主な栄養補給方法が経管栄養になる利用者が、さがみ緑風園では、年々増えてきた。そこで、誤嚥性肺炎を予防し、1 日でも長く口から食事を摂り、人間らしく生きていけるように、チームでケアシステムについて検討した。 嚥下が不自由な方に普通食をただ細かくきざんだだけの食事はかえって誤嚥を誘引するということが報告されている1,2)。そこで開園以来40 年間続けてきたきざみ食を廃止し“形そのままソフト食"(以下ソフト食)の導入を考えた。平成20 年5 月栄養・看護・介護担当が中心となってソフト食プロジェクトチームを立ち上げその効果を評価した。 1)調理師は、見た目は限りなく普通食に近いが舌や歯茎でつぶせる硬さの食事“ソフト食"を工夫・開発し、ソフト食調理マニュアルを作成、すべての調理師がソフト食を作れるようになった。 2)介護職員は、食事介助の際、ソフト食を、本人に見せた後でその日の体調に合わせ、はさみやフォークを使って切ったりつぶしたりして大きさを調整し、食事介助を行い、むせこみの防止と見た目の良さで利用者のQOLが向上した。 3)ソフト食プロジェクトチームの指導により、調理形態や食事介助の工夫、利用者への食教育に取り組むことにより、飲み込みに問題のあった利用者の割合が全体の58 . 3% から32 . 8% に減った。 4)平成20 年4 月、副食を一品提供することから始めソフト食の数を増加させた。平成20 年10 月からソフト食が必要な者には全面実施となった。試行期間中の平成20 年6 月と全面実施後の平成21 年3 月にソフト食を食べている利用者と介護職に「利用者別ソフト食アンケート」、また平成20 年11 月には利用者全員に「食事の満足度調査」を実施し良好な結果を得た。 今回、多職種がそれぞれの視点から見た意見を持ってディスカッションできたことや健康セミナーの開催が良い結果につながった。また、いろいろな人がかかわることで栄養士にとっても良い刺激になり、口から食べることの大切さとプロジェクトづくりの重要性を再確認できた。
著者
藤沢 有 宇梶 裕
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.186-199, 1989-03-01 (Released:2010-01-22)
参考文献数
93
被引用文献数
12 12

The ever advancing development of chemical reactions has initiated enormous progress towards the stereoselective reactions. In almost cases, however, only one isomer of the possible two isomers can be obtained by these reactions and nowadays selective synthesis of both isomers is required. The present article reviews the current advancement for selective diastereoface differentiating reactions to give both isomers especially relating to nucleophilic addition reactions to carbonyl compounds with an asymmetric center. Fundamental significance is to utilize metal reagents possessing various coordinating abilities.