著者
梶原 克教
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

イングランド、アイルランドから、カリブ海諸島を経て北アメリカにまで広がる英語圏の文化、とりわけ植民地主義以降の文化を、環大西洋圏文化として位置づけ、そこに見られる共通性として、おもに以下の2点が挙げられることを立証することができた。(1) 1960年代以降の当該文化圏文化においては、形式・媒体を通じて伝えたい意味を表現するのではなく、特定の形式・媒体自体を利用すること自体に重点が置かれている点。(2) 表現形式において俗に身体性と呼ばれるものが、言語においては「比喩的」次元と異なる「形体的」次元と関係がある点。
著者
山崎 美惠子 梶本 市子 矢野 智恵 吉田 亜紀子 中井 寿雄 石川 由美 片岡 亜沙美 中平 紗貴子 岡本 雅佳 高藤 裕子 大沢 たか子 三浦 かず子 棚田 秀子 吉村 澄佳 池畠 千恵子 岡林 美枝 小島 一久
出版者
高知学園短期大学
雑誌
高知学園短期大学紀要 (ISSN:03894088)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.73-80, 2011-03-10

看護学教育のあり方に関する検討会報告で提示された「看護実践能力習得のためにコアとなる臨地実習(平成14年3月26日)」を指針として、本学看護学科の7領域看護実習中における看護実践能力習得の現状の把握と課題を明らかにした。 看護実践能力に関する課題(5項目)、人間関係形成能力に関する課題(7項目)、臨床判断・問題解決能力、マネジメント能力に関する課題(3項目)、看護専門職の役割・責務に関する能力に関する課題(2項目)が得られた。また指針で示されている到達目標の基盤となる「成熟性」に関する課題が新たに抽出された。これらの課題についてさらに検証が必要であるが、本学独自の教育への取り組みの方向性が明確になり、教育の「質」改善にむけた方法の示唆を得た。
著者
梶浦 雅己 内田 康郎 安田 賢憲
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年, ICTの標準,特許の関係が深化している。標準はデファクト標準からコンセンサス標準へシフトしている。標準と特許に関する企業のビジネスモデル事例がどのようなものであるかについて,オープン・イノベーションの視点で解明した。事例を検証した結果,オープン・イノベーションによるビジネスモデル構築は,企業内製でなく外部機関レベルで行われ,こうした変化はデファクト標準の衰退,コンセンサス標準の隆盛として出現したことが明らかにされた。
著者
貴谷 光 高田 一郎 横田 聡 梶本 和宏 光延 文裕 御舩 尚志 谷崎 勝朗
出版者
岡山大学医学部附属病院三朝分院
雑誌
岡大三朝分院研究報告 (ISSN:09187839)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.17-21, 1994-09

多数のブユに刺されたのを契機に重症反応を呈するようになった29歳男性例について,アレルギー学的検討を行った。血清IgE値が高値(4591U/ml)であったが,免疫グロブリン,抗核抗体,血清補体価,CD4,CD8陽性リンパ球出現頻度などいずれも正常であり,またハウスダスト,カンジダその他16種類の吸入性抗原,ミツバチ,スズメバチ,アシナガバチ,ゴキブリ,ヤブカ,ユスリカなどの昆虫抗原に対する特異的IgE抗体はいずれも陰性であった。一方ニッポンヤマブユ抗原による好塩基球からのヒスタミン遊離は陰性であったが,皮膚反応,IgE抗体は陽性を示したことから,本症例における重症化因子としてIgE系反応の関与が示唆された。なおEBウイルス抗体価の検討では,EBV-EADR抗体はすべて陰性,EBNA-EIA抗体はIgG抗体のみ陽性であり,EBウイルスの既感染状態と判断されたが,病因との関連は明らかではなかった。Allergic examinations were studied on the 29 years old male case, who suffered from severe systemic reactions by black fly bites, after the episode of much black fly bites in 1987. The level of serum IgE was high in the case, and both skin reaction and specitic IgE antibodies to whole body extract of black fly (Simulium nacojapi) were positive. The results obtained here suggest that IgE-mediated allergic reaction would play an important role in the severe systemic reactions induced by black fly bites.
著者
中西 欣弥 花北 順哉 川原 功祐 佐藤 宰 織田 雅 梶原 基弘 駒谷 英基
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.113-118, 2003
参考文献数
14
被引用文献数
1

高位腰椎椎間板ヘルニアの外科的治療は, ヘルニアの突出方向に対応してlateral typeに対してはUPH, mediolateral typeにおいても基本的にはUPH, ただしhuge discの場合はBPHあるいはTLが必要と考えられた.far-lateral typeにおいてはLA, medial typeに対してはTLあるいはTDAによりヘルニア摘出が可能と考えられた.
著者
長谷川 信美 西脇 亜也 平田 昌彦 井戸田 幸子 飛佐 学 山本 直之 多炭 雅博 木村 李花子 宋 仁徳 李 国梅 SCHNYDER HANS 福田 明 楊 家華 郭 志宏 李 暁琴 張 涵 李 海珠 孫 軍 宋 維茹 ガマ デチン NAQASH J&K Rashid Y KUMAR Ravi AUERSWALD Karl SCHÄUFELE Rudi WENZEL Richard 梶谷 祐介 小田原 峻吾 平川 澄美 松嶺 仁宏 佐野 仁香 長谷川 岳子 坂本 信介 樫村 敦 石井 康之 森田 哲夫
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

中国とインドにおいて、放牧方式の違いが高山草原生態系へ及ぼす影響について調査を行った。東チベット高原では、暖季放牧地が寒季放牧地よりも植物種数が多く、種数密度と地上部現存量は低かった。土壌成分は、2012年と2004年間に差はなかった。牧畜経営では、ヤクが財産から収入源への位置づけに移行する動きが見られた。また、クチグロナキウサギの生息密度と植生との関係について調査した。インドの遊牧民調査では、伝統的な放牧地利用方法により植生が保全されていることが示された。衛星画像解析では、植生は日射、気温、積雪日数等に左右され、経年的な劣化も示された。ヤク尾毛の同位体元素組成は地域と放牧方式等で異なった。
著者
梶浦 雅己
出版者
愛知学院大学
雑誌
地域分析 : 愛知学院大学経営研究所々報 (ISSN:02859084)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.29-56, 2008-03

本研究はイノベーション普及と収益化を取り扱うが,そのためにそれぞれに別個の研究アプローチを用いて複合的な分析を図るものである。このような複合的な分析アプローチを用いる理由は,本文において詳述するようにイノベーション普及と収益化が必ずしも一致しない実態となっており,単一の一般理論に基づく分析アプローチでは事象解析に限界があると思われ,精緻化するためにそれぞれ別個に論じる必要があるからである。同一のケースについて複数アプローチを用いることについての有効性は先行研究をみても明らかである。例えばアリソン(Allison,Graham T.)は「即席に一般化するよりも(それぞれを補完する)部分パラダイムを精密化し,関連する行為の種類を明確化することのほうが,限定的な理論や命題を発展せしめて実り多い」と述べている。また異なったアプローチから得られる部分モデルは相互に排他的ではなく,部分的強調点を明確にして大きなモデルを構築する際の基礎をなすものである。このような前提に立って,イノベーション普及については普及学研究アプローチ,イノベーション収益化については事業システム(ビジネスモデル)アプローチを用いるものである。本論文(その1)ではそれぞれの研究アプローチに関連する先行研究をサーベイし,それを踏まえて本研究のフレームワークを提示する。
著者
岡山 雅信 梶井 英治 亀崎 豊実 熊田 真樹 小松 憲一 神田 健史 竹島 太郎 見坂 恒明 今野 和典
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

疾患に不安を持っている者は、当該疾患感受性遺伝子検査を受けやすく、結果に一喜一憂しやすいことが示唆された。嗜好性の高い生活習慣を控えている者は、陰性の遺伝子検査結果により、それを中断する危険性がわかった。検査結果の説明に工夫が必要と思われる。1年間の追跡では、遺伝子検査結果の通知の有無による生活習慣に係る項目のほとんどに差が観察されなかった。詳細な検討は必要であるが、仮にあったとしても、生活習慣への遺伝子結果通知の介入効果は軽微と思われる。
著者
梶山 朋子 中丸 幸治 大野 義夫 神門 典子 佐藤真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.918-928, 2007-02-15
被引用文献数
3

本稿では,マルチメディアデータのような多次元属性情報を対象とし,初心者ユーザでも利用可能なリング状検索インタフェースConcentric Ring View F+を提案する.一般的な検索システムでは,ユーザの操作によりシステムが検索結果を出力するというクエリ中心であるため,ユーザが属性や属性の意味を直感的に把握し,最適値へ調整することは難しい.そこで我々は,ユーザが検索結果を評価することは可能であるということに着目し,検索結果中心という考えで設計した.ユーザは,検索結果から現在の状況を把握して属性や属性値を操作したり,自分の情報要求に適合している候補を選択したりすることにより検索を進める.本手法はリング状構造で,ユーザのリング操作により,リング内部の検索結果が瞬時に表示される仕組みである.有効性の検証では,本手法を用いて画像検索システムを構築し,ユーザビリティテストを行った.This paper proposes a new search interface, named Concentric Ring View F+, applying to multi-faceted information for novice users. Because general retrieval systems are queryoriented they just display retrieved results by users' operation, it is difficult for users to grasp the meaning of attributes or their values intuitively and adjust optimum values. We designed a new search interface based on a result-oriented concept because we recognized that users could evaluate retrieved results. Users can continue to search by seeing retrieved results and grasp the present conditions, operating the attributes and their value, and selecting the relevant information. This proposed interface is ring-structured and retrieved results are displayed by ring operations in real time. We constructed an image retrieval system and performed usability tests to verify its effectiveness.
著者
梶谷 桂子
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、浸潤生乳管癌178例に対して免疫組織化学的染色によってWnt5aの発現とER, HER2などの臨床病理学的因子との関連性を検討した。その結果(1)全178例中、Wnt5a陽性乳癌は69例(39%)であり、Wnt5a発現とERは有意に相関していた。(2)ER陽性乳癌153例におけるWnt5a発現の意義を検討したところ、リンパ節転移、核グレード、リンパ管侵襲、脈管侵襲との間に有意な相関を認めた。(3)無再発生存期間を比較すると、Wnt5a陽性乳癌はWnt5a陰性乳癌よりも短かった。以上より、Wnt5aはERの発現と相関が強く、ER陽性乳癌においては予後予測因子になることが明らかになった。
著者
山本 さつき 鈴木 馨 松浦 友紀子 伊吾田 宏正 日野 貴文 高橋 裕史 東谷 宗光 池田 敬 吉田 剛司 鈴木 正嗣 梶 光一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.321-329, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
35

銃器捕殺の勢子による追い込み狙撃法(n=4),大型囲いワナ(銃)(n=6),出会いがしらに狙撃するストーキング(n=9),シャープシューティング(n=14),および麻酔薬を用いた不動化捕獲の移動式囲いワナのアルパインキャプチャー(n=14),大型囲いワナ(麻)(n=8),待ち伏せ狙撃するフリーレンジ(n=10)を用いてニホンジカ(Cervus nippon)を捕獲した.肉体的ストレスの指標として測定したクレアチンキナーゼは,追い込み狙撃法(2,057±1,178 IU/L)がシャープシューティング以外の全ての捕獲方法より,また交感神経興奮の影響を反映するアドレナリン,ノルアドレナリンは,追い込み狙撃法(アドレナリン:16.500±4.655 ng/ml,ノルアドレナリン:20.375±8.097 ng/ml)が他の全ての捕獲方法より有意に高かった(P<0.05).精神的ストレスの指標として測定したコルチゾルは,囲いワナ(アルパインキャプチャー:2.63±1.90 mg/dl),大型囲いワナ(銃:1.38±0.50 mg/dl)および大型囲いワナ(麻:3.10±1.79 mg/dl)が他の捕獲方法より高い傾向が見られたが,これらは全てGaspar-Lópezほか(2010)により報告されたアカシカ(Cervus elaphus)の正常変動範囲内(1.30~6.49 mg/dl)であった.以上の結果から,追い込み狙撃法は身体的負荷が大きいこと,囲いワナは他の方法に比較して著しいストレス反応を伴う捕獲方法ではないことが明らかになった.よって,大量捕獲が可能な囲いワナで生息密度を低下させることは,アニマルウェルフェアに配慮した適切な個体数管理の手法になりうると考えられた.
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011-01-30
参考文献数
19
被引用文献数
2

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.<br>
著者
佐藤 哲也 坂本 和子 森本 一成 浦川 宏 大谷 芳夫 松本 裕司 梶原 莞爾 石田 泰一郎
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,人間の視感覚によって感じる印象・感情,また,質感がどのようなものであるかを数量的に解析し,消費購買活動にどの程度寄与しているのか考察した.印象と質感ついては,人間の視感覚の本質的な部分の研究を行うとともに,計測手法や統計手法を用いることで,色彩,光沢感などの客観評価の可能性を見出し,生活者が受ける印象については,モノや生活空間から受ける印象の数量的な解析を行い,その特徴を見出した.たとえば,衣服の見た目の風合いは,衣服を見る角度によって変化し,変角分光光度計で計測される反射率や明度によって捉えられることを見出した.また,実際の消費購買活動の研究では,視感覚の消費購買活動への影響について実験・調査を行い,視感覚から得られる情報が消費購買活動に影響を与えていることを見出した.
著者
阿部 正臣 梶原 洋子 〆木 一郎
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.124-134, 1988-12 (Released:2012-09-25)
著者
大澤 隆 東 知輝 藤田 勝之 池橋 民雄 梶山 健 福住 嘉晃 篠 智彰 山田 浩玲 中島 博臣 南 良博 山田 敬 井納 和美 浜本 毅司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.260, pp.23-28, 2003-08-15

Floating body transistor cell(FBC)と名づけたセルサイズ0.21μm^2のSOI上の1トランジスタゲインセルを使った288Kbitメモリ設計について紹介すると同時に、セルの基本特性とこのメモリチップの性能に関する評価結果を述べる。メモリアレー内の"1"データセル及び"0"データセルの閾値電圧をdirect access test circuitにより測定した。また、96Kbitアレーのフェイルビットマップも取得することが出来た。センス方式はプロセスや温度の変動によるセル特性のばらつきをcommon mode noiseとして補償しキャンセルするように設計されている。このセンスアンプの動作が確認出来、100ns以内のアクセス時間を達成することが示された。データ保持時間の測定から将来の混載DRAMのメモリセル候補として有望であることが実証された。
著者
福井 直樹 高取 聡 北川 陽子 起橋 雅浩 梶村 計志 尾花 裕孝
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.426-433, 2013
被引用文献数
3

農産物を主原料とした加工食品を対象として,迅速な農薬の一斉分析法を検討した.均一化した試料5 gに水5 mLを加えて室温で30分間放置後,アセトニトリル20 mLを加えてホモジナイズ抽出した.塩化ナトリウム1 gおよび無水硫酸マグネシウム4 gを加えて塩析・脱水した.分離した有機層をグラファイトカーボン/PSAカートリッジを用いて精製し,LC-MS/MSで測定した.93農薬について,白菜キムチ,マーマレード,レーズン,梅干しおよびウスターソースで添加回収試験(0.02および0.1 μg/g添加,5試行)を実施した.その結果,すべての食品において平均回収率70~120%(併行精度20%以下)を満たした農薬数は,61農薬であった.本法により市販の加工食品74品目について実態調査を行ったところ,2品目で食品衛生法の一律基準値を超過した.