著者
Yoshinari Morita 森田 良成
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.367-390, 2019-01-25

Recent research in cultural anthropology has shown that smuggling is notnecessarily an act of negation of the rule of the state or an attempt toundermine this rule. In fact, smugglers quite often require the rule of thestate for their actions to be justified as ‘exceptions’.In 1999, the Province of East Timor became gained independence fromthe Republic of Indonesia, and in 2002 the Democratic Republic of Timor-Leste was born. As a result, an international border was created on theisland separating the two countries. Since that time, the border surroundingOecusse District, a detached territory of Timor-Leste, has become a stagefor routine smuggling – an ‘open secret’ in the neighbouring villages.This chapter is structured around a series of events that occurred inNapan, a village on the Indonesian side of the international border surroundingOecusse District. The events involved villagers and soldiers of theIndonesian army assigned to border guard duty. This chapter gives anaccount of these events and then analyses them. The events threatened thedelicate balance between the villagers and the soldiers, at the same timelaying bare the contradictions and failures inherent in the rule of the stateover its people and the way in which the border is administered. We shallexamine the complex relationship between the power and violence inherentin state rule that clearly manifested itself in the process, at the same timediscussing more universal issues such as the relationship between the powerof the state and its people or citizens’ sense of belonging to the state.
著者
森田 良成 森田 良成
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.367-390, 2019

Recent research in cultural anthropology has shown that smuggling is notnecessarily an act of negation of the rule of the state or an attempt toundermine this rule. In fact, smugglers quite often require the rule of thestate for their actions to be justified as 'exceptions'.In 1999, the Province of East Timor became gained independence fromthe Republic of Indonesia, and in 2002 the Democratic Republic of Timor-Leste was born. As a result, an international border was created on theisland separating the two countries. Since that time, the border surroundingOecusse District, a detached territory of Timor-Leste, has become a stagefor routine smuggling – an 'open secret' in the neighbouring villages.This chapter is structured around a series of events that occurred inNapan, a village on the Indonesian side of the international border surroundingOecusse District. The events involved villagers and soldiers of theIndonesian army assigned to border guard duty. This chapter gives anaccount of these events and then analyses them. The events threatened thedelicate balance between the villagers and the soldiers, at the same timelaying bare the contradictions and failures inherent in the rule of the stateover its people and the way in which the border is administered. We shallexamine the complex relationship between the power and violence inherentin state rule that clearly manifested itself in the process, at the same timediscussing more universal issues such as the relationship between the powerof the state and its people or citizens' sense of belonging to the state.国境と密輸に関する近年の文化人類学は,密輸という行為が,国家の統治を否定したり破壊したりする行為とは限らないことを論じている。密輸を行う人々にとって,国家による統治は自らの行為を否定し阻む存在ではなく,この行為が「例外」としての正当性を得るために,しばしばむしろ必要とされている。 1999 年の住民投票を経て、東ティモール民主共和国は2002 年にインドネシア共和国から独立した。これによりティモール島には,ふたつの国家を隔てる国境線が引かれた。東ティモール領の飛び地オエクシ県を囲む国境では,独立以来,密輸が日常化している。これは周辺の村人たちによって「公然の秘密」といわれている。 本稿では,東ティモール領オエクシ県を囲む国境線のインドネシア側にあるナパン村において,村人と,国境警備にあたるインドネシア軍兵士との間に起こったある一連の出来事を記述し分析する。密輸をめぐり村人と兵士との間に起きたこの衝突は,両者の微妙な関係を不安定化するとともに,国民と国境に対する国家による管理の矛盾と破綻を露わにするものだった。結果として,ある方法によってこの危機に「和解」がもたらされた。本稿では,この過程で明らかになった国家の統治における権力と暴力の複雑な関係を明らかにするとともに,国家権力と国民の関係,国民としての国家への帰属意識について論じる。
著者
森田 直之 滝澤 賢 中安 雅美 舘林 恵 森口 哲平 大熊 雅士 川端 康正 猪又 英夫 白鳥 靖
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.305-306, 2016

<p>東京都立多摩科学技術高等学校(以下、本校)は、平成22 年に開校し、平成24 年に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、4 年が経過した。これまで科学技術教育の一貫としての倫理教育の在り方について取り組んできた。本校では、SSH 指定科目である『科学技術と人間』の「技術者倫理」という単元において未来の科学技術を多く取り上げたウルトラセブンを題材に倫理教育を行なうプロジェクトチームを立ち上げた。本研究では、ウルトラセブンを題材とした初等技術者倫理教育の教材開発および倫理教育のアクティブ・ラーニング化への試みを報告する。</p>
著者
小島 嘉津江 森田 純恵 若本 雅晶 宗像 一樹 鷲崎 弘宜
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2017-SE-195, no.30, pp.1-8, 2017-03-05

ソフトウェア品質の向上に関しては,古くから様々な技術が提案・実用化されてきており,ソフトウェア開発方法の進歩に伴う新たな技術の開発も進んでいる.一方,ソフトウェア品質を客観的に評価するための尺度についても研究が進んでおり,ソフトウェア品質モデルおよび品質特性が国際規格として規定されている (ISO / IEC 25000 シリーズ).これら個々の品質技術と,ISO / IEC 25000 シリーズで規定された各品質特性の間には,たとえば,この技術はこの特性の向上に特に効果があるといった関係性が当然存在し,これはソフトウェア開発において重要な情報となり得る.しかし,これまで,このような関係性を網羅的に明確化する試みは行われておらず,品質要求に基づく効率的な品質技術の選択の難しさ,品質技術の研究開発が必要な方向 ・ 領域の不透明さなどの課題があった.本稿では,個々の品質技術が品質特性に与える効果を網羅的に見える化することを目的として,品質技術と品質特性のマッピングを試みた.マッピングに当たっては,品質技術の網羅 ・ 体系化が必要となるが,世界で初めてこれを実現した日本発のガイドである 「ソフトウェア品質知識体系ガイド (SQuBOK ガイド)」 を参照することとした.SQuBOK ガイドと ISO / IEC 25000 シリーズをベースにしたマッピングの結果,品質向上に寄与する技術を品質特性ごとに効率的に選択できるようになり,ツールとしても有効であることがわかった.また,マッピング結果の分析を通して,品質特性による品質技術の偏りからわかる拡充すべき技術領域,データ品質に関する技術の体系化不足,OSS 活用の技法など最新技術の追加 ・ 体系化の必要性など,今後の課題も明確になった.
著者
甲斐原 るみ 森田 健
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学人間環境学部紀要 (ISSN:13414909)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.7-13, 2004-03-01

季節変動に伴う気温や湿度, 日照時間の変化は生体機能に直接影響し, その結果, 生体リズムが季節に依存して変化すると考えられる。本研究は2つの面より, 人工環境化が進む現代生活環境において, 季節変動が若年者の気分や行動にどのように影響しているかを調査した。健康状態に関するアンケートからは, 健康状態・気分や行動に季節変動があり, 特に日照時間との関係が示唆された。夏至から春分まで1年間を通して季節ごとに行なわれた感情プロフィール検査と気分に関するSD法による心理評価からは, 健康状態アンケートと同様, 日照時間が長くなる夏季には気分が良くなり活動的になる傾向を得た。
著者
志渡 晃一 森田 勲 竹内 夕紀子 佐藤 陽香 山田 耕平
出版者
北海道医療大学
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要 (ISSN:13404709)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.79-85, 2004
被引用文献数
2

若年者における体型意識の実態をあきらかにすることを目的として、看護福祉学部臨床福祉学科と医療福祉学科医療福祉専攻の男女学生377名を対象にアンケート調査を実施した。BMIをもとに体型を「痩せ群」BMI<20、「標準群」20≦BMI<24、「肥満群」BMI≧24の3群に分類し、特に「痩せ群」の体型意識に焦点を当てて、性別特性を検討し、以下の結果を得た。1)現在の体重をもとに算出したBMI「現実BMI」の値(平均値±標準偏差)は、男(21.6±2.6)に比べて女(20.0±2.3)で低かった。体型分類別にみると、男では「標準群」(60%)が最も多く、ついで「痩せ群」(25%)、「肥満群」(15%)だったのに対して女では「痩せ群」(60%)が最も多く、次いで「標準群」(36%)、「肥満群」(4%)の順だった。2)「現実BMI」と美容面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「美容BMI」および健康面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「健康BMI」の3者を比較村照した結果、男ではそれぞれ(21.6±2.6): (21.1±2.0): (21.6±3.3)と3者間に差がないのに村して、女では(20.0±2.3): (18.2±1.2): (18.7±1.8)と「現実BMI」に比べて「美容BMI」「健康BMI」で有意(p<.05)に低く、痩せ志向が窺われた。3)「現実BMI」「美容BMI」「健康BMI」の3者について、「痩せ群」を性別にみると、男では(18.5±1.1): (20.1±1.4): (20.5±1.2)と理想に向けて体重を増加させようとする傾向があるのに対して女では(18.6±1.0): (17.7±0.8): (18.1±2.0)とむしろ減少させようとする傾向を示した。4)現在の体型について「普通より太っている」と認識している率は、男(37%)に比べて女(54%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別にみると、男の「痩せ群」(0%)、「標準群」(42%)に比べて女の「痩せ群」(32%)、「標準群」(85%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「普通より痩せている」と認識している率は、男の「痩せ群」(70%)に比べて女の「痩せ群」(9%)で有意(p<.05)に低かった。5)体型の変化について「現在より痩せたい」と志向している率は、男(54%)に比べて女(91%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別では、男の「痩せ群」(13%)、「標準群」(60%)に比べて女の「痩せ群」(85%)、「標準群」(100%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「現在より太りたい」と志向している率は、男の「痩せ群」(47%)に比べて女の「痩せ群」(5%)で有意(p<.05)に低かった。6)理想の美容体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(84%)、女性(52%)だった。「痩せ群」についてみると男に比べて女で細め日のシルエットを志向している割合が高かった。また、理想の健康体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(78%)に比べて、女性(67%)だったが、「痩せ群」において性差はみとめられなかった。7)体型変化を志向する理由に関して、「痩せ群」についてみると、最も高い項目は男では「強くたくましくなりたい」(50%)、女では「体型が気になる」(59%)であった。痩せたい部分に関して最も高い部位は、男では「胴回り」(75%)、女では「もも」(70%)であった。8)ダイエットに関する情報源については、男では民放テレビ(58%)から得るという回答が最も多く、女性は週刊誌(57%)から得るという回答が最も多かった。また最も回答が少なかったものは新聞や教養書、インターネットからであった。全体に男に比べて女でマスメディアからの影響を多く受けていることが示唆された。
著者
森田 光宏
出版者
広島大学外国語教育研究センター
雑誌
広島外国語教育研究 = Hiroshima studies in language and language education (ISSN:13470892)
巻号頁・発行日
no.21, pp.153-167, 2018

This paper reports a classroom practice in which an online English learning course, the ALC NetAcademy NEXT intermediate course, was used for blended learning with regular English speaking classes. Students were required to study one unit from listening, speaking, and grammar sub-courses before coming to the class. In the class, the students' learning was checked using a variety of activities, including quizzes. For grammar, a grammar quiz was administered. For listening, students took a dictation with blanks to fill in. For speaking, an instructor individually checked students' pronunciation of English sentences by using the "Grugru method." This blended learning lasted for 15 weeks. The speaking classes and online English learning course were evaluated by students' responses to a questionnaire and an online learning log. The results showed that the students considered the combined speaking classes and online learning course to be a useful and effective way of improving their English skills. The learning log indicated that the listening sub-course was the one most accessed and learned by the students. The students accessed every unit of the grammar sub-course, but the time they spent on it gradually decreased towards the end of the semester. The speaking sub-course was not accessed or learned by the students as much as expected. The final section of the paper discusses some issues impeding students' online learning and suggests some improvements for future practice.
著者
小池 重夫 久野 由基一 森田 博行
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.510-515, 1982-06-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
26
被引用文献数
3 3

本実験では, シリカがウサギの肺マクロファージと腹腔内の多形核白血球の過酸化脂質の生成, 乳酸脱水素酵素の細胞外放出, ニトロブルーテトラゾリウム (NBT) の還元能に及ぼす影響を調べた。対照にはマクロファージ単独, あるいはコランダム (Al2O3) を選んだ。3mg/107cells のシリカを1時間, 肺マクロファージに捕食させると過酸化脂質-酸化された不飽和脂肪酸の分解産物であるマロニルジアルデヒドであらわす-が増量した。また, マクロファージ外に放出した乳酸脱水素酵素の活性は著明に亢進し, シリカが細胞膜を傷害したことを示している。シリカはコランダムに比べて顕著なNBTの還元能を示したが, これはシリカを捕食したマクロファージにスーパーオキシドの産生が亢進したことを示すものである。以上の結果はシリカは肺マクロファージに捕食されて, 過酸化脂質の生成を促進すると同時にスーパーオキシドの生成を亢進し, 細胞膜を傷害することを示している。
著者
網岡 尚史 渡邊 敦之 大塚 寛昭 赤木 達 麻植 浩樹 中川 晃志 中村 一文 森田 宏 小谷 恭弘 新井 禎彦 笠原 真悟 佐野 俊二 伊藤 浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.SUPPL.1, pp.S1_110, 2017-08-28 (Released:2018-08-28)

症例は17歳男性.4年前より運動時に胸痛,失神を認め,症状は増悪傾向であった.他院にて電気生理学的検査まで含めた諸検査を施行するも原因不明であり当院に紹介,入院精査となった.入院時に施行したトレッドミル負荷試験にて心電図上,aVRにST上昇が出現,補充調律に移行,また著明な血圧低下,胸部絞扼感,前失神症状を呈した.冠動脈の器質的異常を疑い冠動脈CTおよびCAGを施行したところ左冠動脈は右冠尖起始であり,主幹部は大動脈と肺動脈に挟まれ圧迫,変形していた.失神の原因は左冠動脈圧排による虚血と診断し心臓血管外科に紹介,手術加療の方針となった.冠動脈起始異常は臨床上,しばしば認められる先天的異常であるが,若年者の突然死の原因ともなり得る.若年者における繰り返す失神の一因として冠動脈起始異常は考慮すべきと考えられ,啓蒙的に報告する.
著者
森田 麻登 Asato Morita
出版者
共栄学園短期大学
雑誌
共栄学園短期大学研究紀要 (ISSN:09115358)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.167-176, 2011-03-31

本研究の目的は、快と不快の感情価が主観的な時間経過の評価に及ぼす影響を検討することであった。大学生16 名(男性3 名、女性13 名)を対象に、快と不快の感情価を喚起する24 枚の画像を一定時間(3 秒、6 秒、9 秒、12 秒)呈示し、1 枚呈示されるごとに表示されていた時間を秒単位で主観的に評価するよう求めた。呈示された時間間隔と主観的な評価時間のずれを比較したところ、不快条件下で評価された時間は、快条件下で評価された時間よりも有意に長かった。また、不快条件下での評価時間は快条件下での評価時間と比べて、呈示された時間間隔に近いことが確認された。本研究の結果より、感情価によって引き起こされる記憶の情報量、興味・感心、さらに動機づけの強さが主観的な経過時間の評価に影響を及ぼす可能性が示唆された。
著者
加賀田 哲也 村上 加代子 伊藤 美幸 川崎 育臣 森田 琢也 チェン 敦子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.15, no.01, pp.142-154, 2015-03-20 (Released:2018-08-02)
参考文献数
12

文部科学省(2012)によると,日本の公立の小・中学校等の通常学級に在籍する児童生徒の約 6.5%が特別な支援を必要としている。つまり,40 人学級であれば,2.6 人が該当することになる。 一方,平成19 年度より特別支援教育の対象となった発達障害のある児童生徒への教育的支援および合理的配慮に関する英語教育からの関心と実践は,他教科に比べて乏しいと言える。しかしながら,昨今,特別支援教育の視点を取り入れた外国語教育における研究は,教育の権利としての児童生徒のニーズに加え,外国語学習を支援したいと願う教員からのニーズも高く,遅ればせながら,日本においてもようやくその必要性が意識されつつある。そこで,本稿では,発達障害である「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如・多動性障害」「学習障害」の特性を概観した上で,2013年に小中教員を対象に実施した「英語学習に関する実態調査」に基づき,英語授業における「困難さ」を明らかにする。また,巻末の資料に,学びのユニバーサルデザイン (UDL) の視点を踏まえながら,特別な支援を要する児童が在籍する通常学級での授業づくりへの手がかりを示したい。
著者
鈴木 宏正 原 雄司 瀬戸 康史 森田 修史
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.161-162, 2010

本研究では,プラスチック製品の加飾法の一つである革シボについて,そのデザインから加工をコンピュータで支援する方法について検討している.本発表では,現状技術のレベルを見るためのフィージビリティースタディーを行ったので,それについて報告する.ここでは,シボの凹凸データを合成し,高品質表示を行い,さらには金型の直彫り加工によって試作品を作成した.
著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008 (Released:2017-06-27)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.
著者
守屋 慎次 森田 利広 稲井 幸治 清水 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.1022-1029, 1991-08-15
被引用文献数
7

本論文の目的は次の三つである (1)「ストロークエディタ」という新しい種類のエディタを提唱し 実現したプロトタイプシステムについて述べることストロークエディタ上において入・出力し編集されるデータは利用者が書(描)いた筆跡であり この筆跡をエディタ内において表現するデータ型はストローク(点列)であるこのエディタの目的は 筆跡をそのままの姿でコンピュータに入力し 保存したり編存したり送信することであるこのエディタがその本質において必要としているハードウェアは 表示平面と入力平面とが一体となったいわば紙のようなコンピュータと スタイラスペンだけである(2)ストロークエディタでとられた対話の方式「直接指示・操作方式」を提唱してその性質を導き この方式の重要性を示すこと対話の方式を特徴づける上で また 使い易くする上で この方式が非常に重要であることを示す導出される性質の代表例として この方式により仮想物(例えばカーソノレ)が実物(例えばペン先)化されること 順次入力に必要な記号(カーソルや空白など)を利用者が意識する必要がなくなること そしてこの方式の必要十分条件がある(3)利用者へ機械を近づける方法を示すこと方法の主なものは 人が作業する場(本論文では筆削をするタブレット入力面)をそのまま受け入れる機械の場(本論文では液晶出力面) を作り上げることである
著者
森田 章夫
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「無国籍船舶」に対する規定を置く条約の先例として、海賊問題を中心とする研究が成果となった。特に、普遍的管轄権の根拠が、「海上交通(往来)の一般的安全」の保護であることを精密に実証した。この過程で、この管轄権行使の根拠として、(1)「授権」(authority)不存在要件説、(2)海賊は、いずれの国家の規制にも服さない海の「無法者」ないし「法外者」(outlaw)であることを根拠とする学説があり、前者については、国連海洋法条約上、「私有の船舶」要件の問題であり、後者については、普遍的管轄「権」を規範的には肯定できないことが明かとなった。
著者
豊田 淑江 森田 育男 室田 誠逸
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.99-107, 1996 (Released:2007-02-06)
参考文献数
54

Angiogenesis, a process of new blood vessel formation, is an integral part of development, wound repair and tumor growth. The formation of capillary networks requires a complex series of cellular events, in which endothelial cells locally degrade their basement membrane, migrate into the connective tissue stroma, proliferate at the migrating tip, elongate and organize into capillary loops. In response to angiogenic stimuli, endothelial cells in culture develop networks of capillarylike tubes. In this paper, we showed the relationship between angiogenesis and diseases, the assay systems of angiogenesis and the reports of angiogenesis published recently.