36 0 0 0 IR 神代の幽契

著者
大森 志郎
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
no.3, pp.161-168, 1955
著者
藤森 俊明 三角 樹弘 坂井 典佑
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.352-360, 2018-06-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
31

量子力学,場の量子論や古典力学で厳密に解ける問題は少ないため,小さな結合定数についてべき級数展開を行う摂動論は極めて有用である.たとえば量子電磁力学の摂動論の結果は驚くべき精度で実験と一致する.しかし,摂動級数は収束しないという問題が古くから指摘されてきた.一方,様々な量子系において,トンネル効果など摂動論でとらえられない「非摂動効果」も存在し,重要な役割を果たす.実際,場の量子論ではインスタントンなどを考慮することによって,非摂動効果が得られる.実は摂動級数の発散と非摂動効果が関係している可能性は古くから指摘されてきた.近年,リサージェンス(resurgence)理論によって,量子論における摂動論と非摂動効果との直接的な関係の理解が進展した.微分方程式や積分の漸近級数解析などの数学的研究で得られた厳密な知見を応用して,量子論におけるリサージェンス理論の理解が進み,新たな結果が次々と得られている.摂動論では,展開係数が次数nの階乗n!程度で発散する.そのような場合,ボレル総和法が有用である.発散する摂動級数からボレル変換という量が厳密に定義でき,これが摂動級数の情報を忠実にとらえる.たとえば,ボレル変換の特異点が摂動級数の発散の仕方を表す.一方,各々の特異点は非摂動効果と対応する.したがって,潜在的にどのような非摂動効果が生じ得るかは,摂動級数のボレル変換の中にすべて記録されている.一般に,摂動級数の発散の仕方に非摂動効果の情報が書き込まれていることをリサージェンス構造と呼ぶ.ボレル変換のラプラス変換をボレル和と呼び,これが摂動級数の総和を表す.ラプラス変換の積分経路は正実軸上だが,その上にボレル変換の特異点が生じると,積分路を変形する(結合定数に虚部を与える)必要があり,その結果ボレル和に不定性が生じる.一方,勾配流(gradient flow)の解析からバイオンと呼ばれるある種のソリトンが非摂動効果を与えることがわかる.バイオンの寄与にも結合定数の虚部の符号に応じて不定性が生じるが,摂動級数のボレル和と同じ符号をとると両者の和に不定性がなくなる.すなわち,両者の非自明な関係によって不定性の相殺が起こるため,物理量全体としての一意性が保たれる.つまり,摂動・非摂動部分はそれぞれ単独では不定で,両者を足し上げて初めて厳密な意味がある.この不定性の相殺から定まる「摂動論と非摂動効果の間の対応」により一方の寄与からもう一方を導き出すことも可能となる.常微分方程式ではリサージェンス構造は完全に理解されており,一般解はトランス級数と呼ばれる複数の形式的漸近級数解のボレル和の足し合わせで表される.パラメーターを変えていくと,個々のトランス級数の係数が不連続に変化するストークス現象が起こる.しかし,真の解は連続なので,ストークス現象によって漸近級数解の間に関係が付くことがわかる.このようにあるセクターの情報が別のセクターに再登場する機構がリサージェンス構造である.量子力学でもこの構造の理解が進展し,さらにQCDやヤン–ミルズ理論,赤外リノマロンなども議論されつつある.
著者
森 伸子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

腎臓病を自然発症した猫に対するAIMの臨床研究を実施した。初年度は、臨床試験の立ち上げとプレ臨床試験、2年目は、AIM濃度と最適な投与法の検証のための臨床試験、3年目は、腎臓病猫2群に対するAIMの用量の違いによる効果を検証を行った。これらの試験の結果から、AIMの効果と反応マーカーとして有望な項目が、より明確化され、数値の改善だけでなく、QOLの改善も見られ、食欲向上、活動性の復活などの報告も受けた。一方、AIMの投与によっても、変化が見られない猫や途中離脱を希望する場合もあり、さらなる投与法や、AIM形状の改善なども併せて検討していく必要性を感じた。
著者
大森 絵美 西上 智彦 渡邉 晃久 脇 真由美 河田 健介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3054, 2009

【はじめに】日常臨床上,気象の変化による痛みの増強を訴える症例をよく経験する.これまでに,佐藤らはモデルラットを用いて気圧・気温の低下が痛み閾値を低下させることを明らかにした.また,国内で実施された「健康と気候に関するアンケート」の調査結果において,一般生活者及び慢性疾患患者の約7割が天候や季節変化による体調への影響を経験していることが報告されている.しかし,臨床現場において,実際に,気圧・気温の変化が痛みを惹起しているかは明らかでない.そこで,本研究の目的は気圧や気温が痛みに関与するか検討することである.<BR><BR>【方法】対象は本研究を理解し同意が得られ,調査期間中に他に痛みが増強する要因がなかったことを確認した本院外来通院患者21名(男性7名,女性14名,平均年齢68.3±13.0歳)とした.まず,調査初日に気象の変化が痛みに影響するかについて意識調査を行った.痛み,気圧,気温の調査は10月中旬から同年11月中旬の不連続な計10日間に行った.痛みの程度は毎回午前9時から午前10時の間にvisual analogue scale(以下:VAS)を用いて評価した.気圧・気温については気象庁ホームページより,本院から最も近い観測所のデータを参考にした.解析対象は,気圧については調査日の午前9時における気圧及び気圧変化量(午前8時の気圧から午前9時の気圧を引いた値)とした.気温については調査日の午前0時から午前8時までの間の最低気温及び気温変化量(調査前日の午後10時の気温から調査当日の午前6時における気温を引いた値)とした.統計処理はSPSS11.5Jを用いて行った.まず,VASと気圧・気圧変化量・気温・気温変化量のそれぞれの相関係数を求め,相関係数0.8をカットオフ値として2群に分割し,気象の変化が痛みに影響するかの有無とのFisherの正確確率検定を行った.また,VASを目的変数とし,気圧,気圧変化量,気温,気温変化量を説明変数としたStepwise法による重回帰分析を行った.なお,有意水準は5%未満とした.<BR><BR>【結果】気象の変化が痛みに影響すると回答したのは21名中16名であった.Fisherの正確確率検定において有意な差は認めなかった.重回帰分析によりVASに影響を与える説明因子として21名中20名に気圧を認めた.<BR><BR>【考察】気象の変化が痛みに影響を及ぼすかの意識と実際の気象と痛みの関係は乖離していた.また,佐藤らは人為的に起こした気圧低下・気温低下においてモデルラットの痛みの増強を確認しているが,自然な気象変化の中で行ったヒトにおける本研究では,気圧・気圧変化量・気温・気温変化量のうち,気圧がもっとも痛みに影響を与える因子であった.本研究から,気圧の低下が痛みを増強していることが明らかになり,理学療法実施時には十分考慮した上での評価,治療が必要と考えられる.
著者
玉置 久 森 正勝 荒木 光彦
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.1185-1192, 1995-08-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13
被引用文献数
18 21

In this paper, a method of applying the Genetic Algorithm (GA) to multi-criteria optimization problems is proposed. First, the reproduction operator in GA is made so that the selection is performed in parallel according to each criterion and, at the same time, the Pareto-optimal solutions are always reproduced if such appear in the population. Then, through computational experiments, it is shown that not only one of the Pareto-optimal solutions of a problem but a set of such solutions is obtained by a single run of the proposed method.
著者
神林 崇 大森 佑貴 今西 彩 高木 学 佐川 洋平 筒井 幸 竹島 正浩 小野 太輔 塩見 利明 清水 徹男
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.406-410, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
6

Delayed sleep phase disorder (DSPD) comprises a persistent or recurrent pattern of sleep disturbances, sleep disruption that leads to insomnia and/or excessive daytime sleepiness, and impaired functioning in social, occupational, or other spheres. Three techniques are typically used to treat DSPD : chronotherapy, phototherapy, and exogenous melatonin administration. Antipsychotics have not been reported in the treatment of DSPD, aripiprazole (APZ), which is a second generation antipsychotic, manifests a novel mechanism of action by serving as a partial agonist of D2 receptors. Depression is reported to be the most common psychopathology associated with DSPD, and APZ is reported to be effective in major depressive disorder as adjunctive therapy. Therefore, we speculated that APZ might be effective to treat DSPD, and we observed how APZ works for the treatment of DSPD.Methods : 18 subjects (including 7 women) who are 14–48–year–old (the average is 31.6) were included. The patients were prescribed 0.75–4.5mg APZ at once a day.Results : We prescribed 1.5–3.0mg/day of APZ, all subject reduced total sleep time (9.6 +/− 2.3h → 7.8 +/− 2.0h, p=0.03), many cases got up earlier (9.1 +/− 1.9h → 6.7 +/− 1.4h, p=0.005) in the morning and advanced their sleep phase within one week. The sleep onset was not significantly changed (23.5 +/− 2.0h → 22.9 +/− 1.9h, n.s.).Conclusion : Low dose of APZ would reduce nocturnal sleep time in the subjects who had prolonged sleep time and DSPD symptoms. The mechanism of action would be dopaminergic up regulation due to dopamine D3 agonistic activity. Since it is difficult for physicians to treat prolonged sleep time and DSPD symptoms, this medication would become a new therapeutic tool for these patients.
著者
三浦 麻子 小森 政嗣 松村 真宏 前田 和甫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.86.13076, (Released:2015-03-10)
参考文献数
32
被引用文献数
4 17

In this article, we investigated the expression of emotional responses to the 2011 Great East Japan Earthquake by analyzing the frequency of negative emotional terms in tweets posted on Twitter, one of the most popular social media platforms. We focused on differences in time-series variations and diurnal changes between two kinds of disasters: natural disasters (earthquakes and tsunamis) and nuclear accidents. The number of tweets containing negative emotional responses increased sharply shortly after the first huge earthquake and decreased over time, whereas tweets about nuclear accidents showed no correlation with elapsed time. Expressions of anxiety about natural disasters had a circadian rhythm, with a peak at midnight, whereas expressions of anger about the nuclear accident were highly sensitive to critical events related to the accident. These findings were discussed in terms of similarities and differences compared to earlier studies on emotional responses in social media.
著者
廣川 大志郎 大森 聖太 西村 紀明 吉田 和郎 和田 伊知朗 山越 昭弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.7-12, 2016-02-25 (Released:2016-03-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2

2011~2014年度に,陰膳方式による家庭の食事からの放射性物質(134Cs, 137Cs, 40K)摂取量調査を実施した.試料は全国18都県の一般家庭から収集し,延べ1,612試料を分析した.134Cs, 137Csは,宮城県,福島県および東京都の試料から検出され,2011年度は11件,2012年度は12件,2013年度は7件から検出されたが,2014年度はすべて検出限界1.0 Bq/kg未満となった.検出量の最大値は,2011年度に福島県の試料から検出した12 Bq/kgであり,その後は徐々に減少した.放射性セシウムを検出した試料から推定される預託実効線量の最大値は0.14 mSv/yearであった.40Kはすべての試料から検出され,4年間を通してほとんど変化は見られなかった(中央値約30 Bq/kg).
著者
森 茂暁
出版者
福岡大学
雑誌
福岡大學人文論叢 (ISSN:02852764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.1457-1497, 2003-12
著者
宮崎 友里 重松 潤 大井 瞳 笹森 千佳歩 山田 美紗子 高階 光梨 国里 愛彦 井上 真里 竹林 由武 宋 龍平 中島 俊 堀越 勝 久我 弘典
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.21-017, (Released:2022-10-05)
参考文献数
36

インフォームド・コンセント(Informed Consent: IC)は、心理療法を提供する際にセラピストが道徳的な義務として行うことが必須とされている。一方で、心理療法のICでは多くの場合、心理療法を実施する期間や費用の設定に関する形式的なIC取得が多い。また、心理療法におけるICは、セラピストの治療関係の重要性をよりよく理解するのに役立つといった側面や、心理的な支援のプロセスにおいて大きなバイアスとなる可能性があるなど、心理療法に与える影響について指摘されているが、わが国でそれらを概観した研究はない。そこで本稿では、心理療法におけるICの現状や研究動向について述べたのち、IC取得が困難な場合の対応や国内施設における心理療法のIC取得に関する現状を報告し、心理療法のICの理解を深めることを目的とする。