著者
森川 和哉 鵜川 始陽 岩崎 英哉
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.27-27, 2013-01-24

Jikes RVM上で,ビットマップマーキングを利用したマークコンパクトごみ集めを実装し評価した.マークコンパクトごみ集めで広く使われているLisp 2アルゴリズムでは,オブジェクトの移動処理のために,生きているオブジェクトをアドレス順に2回探索する.本手法は,オブジェクトの生存情報をビットマップを使って保持し,そのビットマップをスキャンすることによって,生きているオブジェクトを探索する.生きているオブジェクトが少ない場合,ビットマップ上ではゼロビットが連続しているため,この探索を高速化することができる.提案するごみ集めの性能をDaCapoベンチマークを用いて評価したところ,プログラムによっては,ヒープの使用率が低い場合に,Jikes RVMに標準で搭載されているマークコンパクトごみ集めよりも優れた結果を示した.
著者
大森 正之 石岡 憲昭 東端 晃
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

宇宙環境下での光合成活性の測定を目指して、宇宙実験用にJAXAにより開発された全自動型微細藻培養装置を用い、藍藻スピルリナ(Arthrospira platennsis)を実験材料として地上での準備研究を行った。スピルリナは6日間の培養により、クロロフィル量では約9倍、タンパク質量にして約9倍に増加した。光合成活性は、酸素の発生量およびH218Oから発生した酸素の同位体比の変化、また13Cの取り込み量により測定した。その結果、光合成活性が高い精度で測定できることが実証された。宇宙利用を想定したナノバブル水は、ハンドミキサーで作成できた。ナノバブル水は藍藻Anabaenaの増殖を促進した。
著者
石倉 恵介 宮川 俊平 矢田部 佳久 竹越 一博 大森 肇
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (Japanese journal of physical fitness and sports medicine) (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.475-484, 2008-08

To determine the effect of taurine on blood glucose concentration during prolonged exercise, fifteen male university students cycled for 120 min at 50%VO2max after 7 days with or without taurine supplementation. Exercise tended to reduce the blood glucose concentration, whereas taurine significantly prevented this decline. Exercise significantly increased plasma glucagon concentrations in both groups to a similar degree. Serum insulin concentrations did not differ during exercise under both conditions. Taurine supplementation respectively significantly inhibited and tended to inhibit the plasma noradrenaline and adrenaline concentrations increased by exercise. These results suggest that taurine supplementation can maintain the blood glucose concentration during prolonged exercise through enhanced catecholamine sensitivity.
著者
森崎 直木 河井 弘次 山形 恵子 仁科 文男
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.187-187, 1966-04-25

東京女子医科大学学会第135回例会 昭和41年1月28日(金) 東京女子医科大学本部講堂
著者
森藤 大地
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

統語知識の中でも特に,複文構造の獲得に焦点を当てシミュレーションを行った.英語において,複文には4種類の構造が存在する.これらの構造は,関係節によって修飾される名詞が,「主節内」および「関係節内」で主格または目的格のどちらの役割を果たすかという2つの要因によって生成される.複文の4つの構造に対する成人の理解度は異なっており,右分岐文の理解が中心埋め込み文に比べて容易であることが示されている.この理解の困難さの違いは,複文自身が持つ構造的な複雑さ,および言語環境における複文構造の典型性の2点から説明されている.また,最近の幼児における複文理解を調べた研究からも,複文それぞれの理解度は構造の典型性や頻度など言語刺激のもつ統計的な性質を反映していることが示唆されている.もし,この示唆が正しいものであるならば,統計的な性質を反映した統語獲得を行う能力を有するニューラルネットワークモデルに対して幼児が経験する言語刺激として尤もらしいコーパスで学習を行えば,人の示す複文理解を再現できると考えられる.尤もらしいコーパスとは,複文だけを含むのではなく,単文や等位接続文,分裂分や関係節修飾名詞句など多くの文構造を含むコーパスである.シミュレーションには,私達が提案した自己組織化マップを含む再帰的ニューラルネットワークを用いた.シミュレーションの結果,複文だけで学習したネットワークに比べ,単文や等位接続文を含む尤もらしいコーパスで学習したネットワークは,人の複文理解をよく再現し,構造による理解の困難さの違いを示した.この結果から,先行研究で示唆されているように,人の統語学習,特に複文学習は言語刺激の統計的性質を反映した形でなされること示した.
著者
森川 鉄朗 西山 保子
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.651-659, 1997
被引用文献数
2

現行の高等学校教科書や最近の教育誌では,物質量の単位モルを個数としてあつかうとか,アボガドロ定数(測定値にすぎない)に相当する原子や分子の集団を1モルの物質量と定義している。これらは,国際単位系(SI)からみると,混乱あるいは誤解と思われる。そこで,本稿ではSIを肯定する立場で,物質量という物理量やその単位であるモルを,さらに,モルを用いる物質量の測定法などを考察し,問題点を明らかにする。それらの結果をもとに,科学教育におけるモルの新しい導入法を提案する。この導入法の特徴は,単位(モル)は基準として選ばれた物理量であるとし,さらに,物質量測定法の原理は異種の要素粒子間の一対一対応にあるとして,いろいろな物質の縦横展開図を用いる点にある。In high-school textbooks and education journals there are descriptions of the concept of mole such that the amount of substance is treated as a numerical value and such that one mole is defined by use of the Avogadro constant. It seems that such statements are confusions and/or misunderstandings from the point of view of the International System of Units (SI). This paper discusses what the amount of substance as a physical quantity is and how the amount of substance is measured in terms of the mole. We propose an arrangement of chemical symbols, called a sheet of substance, written in rows and columns, in which every elementary entity for one standard substance (i.e., carbon-12 in SI) is aligned in row form, and each elementary entity for another substance has one-to-one correspondence to the carbon-12 atom. This sheet of substance would become a useful tool for us to teach students physical quantities (mole, molar mass, Avogadro constant, Faraday constant, relative mass, etc.) and the principle of measurement of the amount of substance.
著者
山本 雅一 森 武生 高橋 孝
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.941-941, 1991-09-25

第22回消化器病センター例会 平成3年1月27日 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
渡邊 学 チェン アイリス 森 美香子 上野 絵美 中村 好孝 薮本 恵美子 阿部 佳澄 椿 真理 今村 清美 関森 悦子 西澤 理絵 若栗 浩幸 中川 貴之 望月 学 西村 亮平 佐々木 伸雄 鈴木 穣 菅野 純夫
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-6, 2012-04-10 (Released:2013-01-25)
参考文献数
15

イヌ舌組織における遺伝子発現、味覚受容体の構造の検討を行うため、遺伝子発現頻度解析および味覚受容体の構造解析を行った。正常イヌ舌組織よりRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いてシークエンスを行った。シークエンスタグをイヌゲノムへのマッピングを行い各遺伝子の発現頻度を解析した。味覚受容体にマップされたシークエンスタグをもとに味覚受容体TAS2R40遺伝子およびアミノ酸配列を解析した。RNA-seq解析の結果、984,903シークエンスタグを得た。これらを用いてイヌゲノム上へのマッピングを行った。同定された遺伝子の中で、S100 calcium binding protein A8がもっとも高い発現を示した。また、骨格筋系遺伝子、心筋系遺伝子や解毒系遺伝子群の発現が認められた。味覚受容体をコードする遺伝子構造解析を行ったところ、TAS2R40、TRPV1、PKD1は既存の遺伝子構造よりも5' 端側にマップされるタグが認められ、これまでの遺伝子配列情報よりも完全長に近い遺伝子構造が推測された。また、TAS2R40遺伝子がコードするアミノ酸配列の相同性はヒトと76%マウスと62%であった。
著者
白木 亮 華井 竜徳 森脇 久隆
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1331-1335, 2012 (Released:2012-12-17)
参考文献数
11

肝硬変では蛋白・エネルギー低栄養 (protein-energy malnutrition: PEM) が高頻度に出現し、予後やquality of life (QOL) に影響を及ぼす。この低栄養状態に、分岐鎖アミノ酸 (branched chain amino acids: BCAA) 製剤や就寝前軽食 (Late evening snack: LES) などの栄養療法によって、肝機能・予後・QOLの改善が得られることが報告され、様々なガイドラインで栄養療法が推奨されている。また近年、食の欧米化に伴い日本人の肥満は増加傾向にあり、肝硬変患者においても肥満患者の割合が増えている。肥満合併肝硬変患者では肝発癌リスクが高く、肥満やインスリン抵抗性に対しての治療介入も必要である。
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.419-435, 2012-12-14
被引用文献数
1

近年,ウェブの情報を用いて,感染症などの疾病状態を監視するシステムに注目が集まっている.本研究では,ソーシャルメディアを用いたインフルエンザ・サーベイランスに注目する. これまでの多くのシステムは,単純な単語の頻度情報をもとに患者の状態を調査するというものであった.しかし,この方法では,実際に疾患にかかっていない場合の発言を収集してしまう恐れがある.また,そもそも,医療者でない個人の自発的な発言の集計が,必ずしもインフルエンザの流行と一致するとは限らない.本研究では,前者の問題に対応するため, 発言者が実際にインフルエンザにかかっているもののみを抽出し集計を行う.後者の問題に対して,発言と流行の時間的なずれを吸収するための感染症モデルを提案する.実験においては,Twitter の発言を材料にしたインフルエンザ流行の推定値は,感染症情報センターの患者数と相関係数 0.910 という高い相関を示し,その有効性を示した.本研究により,ソーシャルメディア上の情報をそのまま用いるのではなく,文章分類や疾患モデルと組み合わせて用いることで,さらに精度を向上できることが示された.
著者
森藤 元 川崎 明彦 森田 豊久 宝木 和夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.70, pp.467-471, 2005-07-22
被引用文献数
1

個人情報保護法が2005年4月に前面施行され、プライバシ保護に対するニーズがかつてなく高まっている。本稿では、実名、偽名、匿名を渡り歩く技術の一実現手段を検討している。ここでは、受信者の権限に応じて匿名から偽名、実名を復元できるレベルを決めることができ、さらに送信者の意思により実名、偽名、匿名を選択できるアイデンティティ制御方法を考案した。With the complete introduction of the law for protecting personal information in April 2005, the needs concerning protection of privacy have become ever more demanding. Accordingly, in this paper, the authors propose an "identity control" method that can (I) set the disclosure level for revealing the real name and pseudonym from the antonym according to the receiver's authority and (ii) select the real name, pseudonym or antonym according to the will of the sender.
著者
森下 嘉之
出版者
北海道大学スラブ研究センター
雑誌
スラヴ研究 (ISSN:05626579)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.93-114, 2012-06-15

Right after WWII, Eastern European countries stood at a crossroads, witnessing, to name but a couple, communization of the state and transfer of millions of ethnic minorities, most notably Germans. Postwar Czechoslovakia was no exception. Czechoslovakia had had three republican periods: the first republic from its independence in 1918 to the collapse in 1938, the second from 1938 to the Nazi occupation in 1939, and the third from 1945 to the beginning of Communist Party rule in 1948. The third republic in particular embraced many alternatives for future social policies, neither capitalistic nor communistic. Focusing on the housing policy from 1945 to 1948, this article aims to elucidate postwar Czechoslovakia's search for the optimum social policies, addressing the difference between the prewar and the postwar period. I also examine the policy of the transfer of the German population and the settlement of Czechs in the Czech border area, as it was against this backdrop that the new housing policy took form. While the last president of the first republic, Eduard Beneš, returned as president of the new Czechoslovakia, the Communist Party was dominant in the government. On the one hand, the new republic resembled its prewar predecessors in terms of parliamentary democracy. On the other hand, undertaking the nationalization of large enterprises, land reform, and a planned economy, the postwar government attempted to differentiate itself from the prewar regime that had resulted in the Nazi's invasion and the collapse of the state. The Communists as the largest group in the government could propose their own postwar reforms disposed not toward Soviet-type socialism, but toward "the Czechoslovakian way" or "the bridge between the East and the West." The highest on the agenda for postwar reconstruction was the housing policy. The postwar government launched a "two-year plan," the first planned economy for the reconstruction of Czechoslovakia. Notably, the government planned to build and supply 125,000 houses from 1947 to 1948. The government and architects worked in tandem to upgrade the poor prewar housing conditions by revising prewar housing laws. On the one hand, socialist parties and architects criticized the prewar liberalist housing market, exhorting the introduction of state control of the market. Some architects were enthusiastic about grand apartment buildings containing small houses as the socialist type of housing of the future. On the other hand, based on the housing law of 1921, the government decided to provide subsidies for family houses with 80 m2 of floor space, instead of 34 m2 as had been stipulated in 1937, with a view toward improving the housing environment. Moreover, the new government adhering to the Czechoslovakian way, neither liberalist nor socialist, even allowed private properties, while some architects influenced by Soviet architecture insisted on the entire socialization of houses and land. It is definitely necessary to contextualize the postwar Czechoslovakian housing policy in the removal of more than 2,000,000 Germans and the settlement of Czech people in the borderland (pohraniči). There, the "settlement office (Osidlovací úřad)" led by the Communist Party played a particularly essential role. The settlement office as well as the national board, which was also ruled by Communists, fulfilled the task of furnishing new Czech settlers with houses that had been expropriated from Germans and Hungarians as well as managing the housing market. The Communist Party had a good reason to expect support from those new settlers who could obtain huge properties, such as houses, thanks to the Communist policy. Despite the abundance of confiscated empty houses, this period did not see the solution to the housing problem, as the condition of these houses remained atrocious. Although the postwar housing policy held an opportunity to realize ideal plans for the future Czechoslovakia, it did not thrive due to the tough reality in the borderland. The policy and the ideal were consigned to oblivion after the establishment of the Communist regime in 1948.