著者
松田 晃彦 武田 隆久 木村 美恵子
出版者
日本微量元素学会
雑誌
Biomedical Research on Trace Elements (ISSN:0916717X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.297-307, 2008-12-31 (Released:2009-07-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

Selenium (Se) is an essential trace element and component of glutathione peroxidase known to be involved in the reduction of free radicals. Reduction of body Se is easily induced by the external Se-deficient environment, but the symptoms of Se deficiency such as cardiomyopathy, weakness of muscle strength, muscle pain, anemia, and white nail are rarely seen in human. In this review paper, we describe that the appearance of functional disorders following Se deficiency in rats is not easily appeared, and that Se deficiency in rats reduces toxic threshold of anticancer drug “adriamycin”. And also, we consider the significance of prevention of Se deficiency based on the results of these animal studies.
著者
小林 功 近藤 照彦 武田 淳史 Teruhiko Kondou 武田 淳史 Takeda Atsushi
出版者
群馬パース大学
雑誌
群馬パース大学紀要 (ISSN:18802923)
巻号頁・発行日
no.15, pp.57-62, 2013-03

林野庁長官、秋山氏は1982年、最初に"森林浴"を提唱し、森林療法の概念を確立した。"森林の中には殺菌力を持つ独特の方向が存在し、森の中にいることが健康な体をつくる"とする、この構想の下につくられた林野庁のオリジナルの概念であった。それは健康な体をつくるために、国有林や他の自然林を利用して、心身ともに鍛えるためにそれらを利用することから始まる。国有林と自然林での生体反応を楽しみながら。健康な身体の状態を取り戻すためには、森林浴でのハイキングにより、健全な心身の健康状態を取り戻す必要がある。ところで、我々を含む人間、日本国民が、人為的に古代からの自然環境の下で現代文明、文化を発展させてきた。人間は約500万年前の人類の誕生から、その長い歴史の中で人間と自然との関係について考えるとき、人類は現代の都市文明の中で生きていると言える。人間は、自然界に適応しながら、サルから進化した人間にとってこのことは、長い歴史から見れば、ごく最近の出来事であるが、それまでは、森林の中で、長い時間を共存してきた偉大な歴史があり、この中で、人類は進化してきた。加えて、我々日本人は欧米人とは異なる親密な自然観のもとに生活をしている。この点からも、現代人においても、私たちの周囲の自然環境が密接に温泉周辺の森林生活環境に快適性を認めている。日本は森林の土地面積が全体の75%を占め、世界有数の森林国の一つである。この数値は、アマゾン流域の無限のジャングルを持つブラジルと同一である。一方、中国、イギリスに至っては、10%前後の少ない森林の土地面積となっている。日本は、亜寒帯から亜熱帯まで、北海道から沖縄まで細長い気候分布を持つ中で人々が生活している特色を持っているのである。
著者
武田 克巳 上村 有輝
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.3-9, 2016 (Released:2017-09-27)
参考文献数
6
著者
阿曽村 一郎 武田 康博
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.1053-1058,

オンラインバンキングなどの認証情報を盗むマルウェアはバンキングトロジャンと呼ばれる.多くの場合,これらはメール本文 URL からのダウンロードさせるかたち,またはメールの添付ファイルとして配布される.バンキングトロジャンを配布するための基盤として,Cutwail というボットネットがある.Cutwail についてのこれまでの研究によれば,ボットと C&C サーバ間の通信は攻撃者が望むコンテンツのスパムメールを送信するためのメカニズムを持つことが分かっている.本稿では,Cutwail のボットと C&C サーバの間の通信に着目し,我々が観察した結果と以前の研究結果との比較結果を説明する.
著者
呉 修一 Bambang WINARTA 武田 百合子 有働 恵子 梅田 信 真野 明 田中 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_183-I_190, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
20

2006年5月,インドネシア・シドアルジョ市で泥火山が噴出した.噴出に伴い,2011年6月の時点で6.5km2の範囲が泥水で覆われ,高速道路や鉄道が影響を受け,3万人以上の近隣住民の生活に影響が及んだ.堆積・貯蔵限界を超えた泥水は,隣接するポロン川へ導水路を通じて排出されている.噴出した泥には硫黄などの有毒成分が含まれるため,河川・海洋の環境汚染および汚泥の堆積による河川の洪水疎通能力の低下が懸念されている.本論文は,ポロン川における汚泥の堆積・流出状況を評価するため,河川横断面データを収集し河床形状の時間的な変化を解析した.解析結果により,ポロン川への汚泥の流入に伴い,乾期に汚泥の堆積が顕著に進むが雨期には流出し, その堆積量は年々減少していることが明らかとなった.
著者
堂本 真吾 江口 正司 高岡 昌輝 松本 忠生 大下 和徹 武田 信生
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.309-319, 2006-11-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
23
被引用文献数
1

地球規模での水銀汚染に関して人為的発生源は重要である。未知発生源の1つとして火葬炉から排出される水銀の挙動を調査した。火葬炉のバグフィルタ出口においてOntario Hydro Methodを基にした水銀形態別連続分析計を用い, 34検体の排ガス中水銀濃度を連続測定した。排ガス中の総水銀濃度は4.3μg/m3NでHg0が2.2μg/m3N, Hg2+が2.1μg/m3Nであった。1御遺体あたりの水銀排出量は51.8mg/人と見積もられ, 年間死亡人口との関係から年間水銀排出量は57.0kg/年と推定された。イギリスでの規制値案としては水銀排出量150mg/4人 (37.5mg/人) である。この規制値と今回の結果を比較すると34検体中12検体がこの規制を満たしていないことがわかった。また年齢階級別に平均水銀排出量を算出すると65-69歳の階級で最大の142mg/人の排出量となった。これは過去に歯科治療にアマルガムが多く利用されてきたことと喪失歯が少ないことが原因と考えられた。また過去の歯科治療におけるアマルガム使用推移から水銀排出量の将来予測を行った。その結果歯科治療履歴からの推測では, 2005年現在で1670~2380kg/年と見積もられた。実測値からの推測と治療歴からの推測には大きな隔たりがあった。将来動向としてはこれから約20年後に水銀排出のピークを迎えることが示唆された。
著者
河内 明夫 冨重 恵利紗 柴田 由香里 鳴海 恵子 園田 純一郎 武田 泰生 本屋 敏郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-105, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

要 旨目的 : 地域住民を対象とした調剤報酬講義により保険薬局における医療費の内容について理解を促し, それが受講者の保険薬局の選択に影響を及ぼすか否かについて検討した. 方法 : 受講者34名に対し, 講義前後アンケートを実施した. 解析対象はアンケートに記入不備のなかった29名とした. 結果 : 保険点数付き領収証を見たことがないと回答した受講者は34.5%であり, 保険点数を理解した上で支払っていたとの回答は25.0%であった. 講義後, 保険薬局の業務内容において服薬指導は55.2%の上昇, 調剤, 薬歴管理及び疑義照会はそれぞれ27.6%, 27.6%及び20.7%の上昇を示した. 講義後, 薬局選択の理由は病院近くの薬局で37.9%の減少, 薬の説明指導がしっかりしている薬局や相談対応の良い薬局ではそれぞれ72.5%, 20.7%の上昇となった. 結論 : 調剤報酬を学ぶことによって地域住民が保険薬剤師の職能を理解することは保険薬局の選択に好影響を与える可能性が示唆された.
著者
高山 真 岩崎 鋼 渡部 正司 神谷 哲治 平野 篤 松田 綾音 沼田 健裕 楠山 寛子 沖津 玲奈 菊地 章子 関 隆志 武田 卓 八重樫 伸生
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.275-282, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

古くからヨーロッパでは自然療法を取り入れて健康を保つ方法が一般的に行なわれてきており,特にドイツでは統合医療に補完・代替医療が積極的に導入されている。ドイツでも有名な4つの施設,ミュンヘン大学麻酔科ペインクリニック,TCM Klinik Bad Ko¨tzting, Immamuel Krankenhaus, ZenHaus Klinik を視察し統合医療の現状を報告する。各施設では,慢性疼痛に対する4週間プログラム,中国伝統医学中心の治療,自然療法主体の治療,日本伝統医学にアロマテラピーを加えた治療など,各々の施設で特徴的な治療方法が行なわれていた。ドイツでは多くの病院,クリニックで補完・代替医療が盛んに行なわれているが,その広がりの一つにドイツにおける医療保険制度が挙げられる。公的保険では治療の一部,プライベート保険では広い範囲で補完・代替医療に対する保険償還が行なわれる。歴史的背景に加え,このような制度も統合医療の広がりに影響を与えていると考える。
著者
土田 孝之 武田 正之 宮本 達也 小林 英樹 中込 宙史 芳山 充晴
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

間質性膀胱炎に対して、ブシ末(トリカブト)中心とした漢方を処方した。3年間継続治療をして、副作用なく効果は持続している。低侵襲性で患者への貢献度は高い。また、ボツリヌス毒素の膀胱筋層内注入療法は10回以上繰り返しても、副作用、効果の減弱は認めない。また膀胱上皮細胞の伸展刺激におけるATP放出の分子メカニズムを、細胞内小胞へのATPの蓄積ならびに開口放出の視点から捉え、ボツリヌス毒素はこのATP放出を抑制する。膀胱痛症候群(PBS)の動物モデルにおいて、脊髄神経膠星状細胞(アストロサイト)の顕著な活性化が示された。マウスの実験でアストロサイトの活性化を漢方のブシによって抑制することが可能。
著者
武田 浩学 Kohgaku Takeda
出版者
国際仏教学大学院大学
雑誌
国際仏教学大学院大学研究紀要 = Journal of the International College for Advanced Buddhist Studies (ISSN:13434128)
巻号頁・発行日
no.3, pp.211-244, 2000-03-31

Who was the author of the Mahaprajnaparamitasastra大智度論(T1509)? Traditionally it was believed to be Nagarjuna龍樹, and scholars until fairly recently thought that Kumarajiva鳩摩羅什only modified the text. Currently, however, the opinion that Kumarajiva was himself the author is gaining ground. This opinion is based on circumstantial evidence, though, and is not supported by any textusl evidence. In this paper, I would like to go back to the original view and argue that Nagarjuna was in fact the author, based on textual evidence. There are a number of original ideas in the Sastra, but of these, Pratyutpannabuddhasammukhavasthiasamadhi般舟三眛(Buddhanusmrtisamadhi念仏三眛), in particular, deserves careful attention. The author of the Sastra defined this Pratyutpannasamadhi as "Upaya." Usually Upaya (i.e., Upaya-kausalya善巧方便) refers to the means for Sattva-paripacana教化衆生. On the other hand, "Upaya" (i.e., Pratyutpannasamadhi in the Sastra) is the presupposition of Upayakausalya, "Pre-upaya"前方便, as it were. This definition in the Sastra matches the description in the Bodhisambharasastra菩提資糧論(T1660), which has been proven to be of Nagarjuna's authorship. However, this definition cannot be found in books of Kumarajiva (i.e., the Tchou wei mo kie king注維摩詰経(T1775) and the Kieou mo lo che fa che to yi大乗大義章(T1856)). In addition, the author of the Sastra regarded Prajnaparamita般若波羅密fa che as more important than Upaya, whereas Kumarajiva in the Tchou wei mo kie king regarded Upaya as more important than Prajnaparamita. In conclusion, I maintain that Nagarjuna was the author of Sastra and that Kumarajiva only made modifications.
著者
小畑 伸五 武田 鉄郎
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.85-94, 2017

本研究は、知的障害特別支援学校高等部の軽度知的障害教育課程を履修する生徒がどのような情緒および行動上の課題を抱えているかを明らかにすることを目的とした。子どもの行動チェックリスト(CBCL)の教師用質問紙であるTeacher's Report Form(TRF)を使用し、生徒の評価に対する回答を求めた。その結果、知的障害特別支援学校高等部の軽度知的障害教育課程を履修する生徒の約半数が情緒および行動上の課題を抱えていることが明らかになった。また、地域の中学校からの進学者と特別支援学校中学部からの内部進学者を比較した場合、地域の中学校からの進学者のほうが情緒および行動上の課題を抱えていること、また、男子と女子を比較した場合においては、女子のほうが情緒および行動上の課題を抱えていることが明らかとなった。このことから、知的障害特別支援学校高等部の軽度知的障害教育課程を履修する生徒に対しては、指導方法や指導内容を検討する必要があると考えられる。
著者
武田 康宏
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.38-46, 2019

<p>国語施策の歴史は,内閣告示の実行などによって,社会一般における表記の緩やかな統一を図るとともに,公用文や法令における揺れのない表記法,言わばある種の「正書法」の形成過程でもあった.昭和30年代の国語審議会における正書法についての議論を振り返った上で,公用文が揺れのない表記を前提としていることを,日本語において正書法を導入しようした場合のひな形として捉え直す.それらによって,日本語における正書法に検討の余地があったのかどうかを改めて考えようとする.</p>
著者
武田 尚子
出版者
日本都市社会学会
雑誌
日本都市社会学会年報 (ISSN:13414585)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.17, pp.55-71, 1999-07-03 (Released:2011-02-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1
著者
中澤 知洋 森 浩二 村上 弘志 久保田 あや 寺田 幸功 谷津 陽一 馬場 彩 幸村 孝由 内山 泰伸 斉藤 新也 北山 哲 高橋 忠幸 渡辺 伸 中島 真也 萩野 浩一 松本 浩典 古澤 彰浩 鶴 剛 上田 佳宏 田中 孝明 内田 裕之 武田 彩希 常深 博 中嶋 大 信川 正順 太田 直美 粟木 久光 寺島 雄一 深沢 泰司 高橋 弘充 大野 雅功 岡島 崇 山口 弘悦 森 英之 小高 裕和 他FORCE WG
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.508, 2017 (Released:2018-04-19)

NGHXTあらため、FORCE衛星は1-80 keVの広帯域X線を高感度で撮像分光し、まだ見ぬ隠されたブラックホールや超新星残骸のフィラメントでの粒子加速の探査を目指している。2016年に変更した計画の内容、検出器および望遠鏡の開発状況、およびサイエンス検討の進捗を報告する。
著者
西村 義一 武田 志乃 金 煕善
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第49回大会
巻号頁・発行日
pp.301, 2006 (Released:2007-03-13)

【目的】ラクトフェリン(LF)は「牛乳の赤いタンパク質」として、スウェーデンで発見され、ヒトを含む哺乳類の乳、分泌液、成熟好中球の顆粒などに含まれる分子量約8万のタンパク質で、2~3個のシアル酸からなる糖鎖を持っている。LFは血液中の鉄蛋白であるトランスフェリンと同様、Fe3+を二個分子内にキレートする性質がある。先の学会で LF添加飼料で飼育したマウスにX線を全身すると照射後30日目の生存率はLF給餌群で85%、対象群で62%とLF給餌群で放射線抵抗性が観察された。またLFはヒドキシラジカルに対するラジカルスカベンジャーであり、放射線防護剤としての利用が期待できることを示した。一方、放射線照射後、腹腔内投与することで放射線防護効果のある物質が報告されているが、そのメカニズム等、詳細については明らかにされていない。今回はマウスX線全身照射後のLFの放射線防護効果に関する実験を行い、興味深い知見が得られたので報告する。【方法】8週齢のC3H/Heマウス、52匹に6.8Gy のX線を全身照射した後、半数のマウスにはLF4mg/匹を腹腔内投与した。投与後、マウスには完全精製飼料を与え、30日間の生存率を観察した。また、脾臓細胞のアポトーシスなどについても観察を行った。【結果】C3H/Heマウスに6.8Gy全身照射後、LFを腹腔内投与すると、LF投与群ではほとんど死亡せず、照射後30日目の生存率は92%であったのに対し、対照群では50%であった。また、マウスにX線を全身照射後、1, 2 ,4 hr後にLF腹腔内投与すると、脾臓細胞のアポトーシスと骨髄細胞の損傷を抑制した。一方、腹腔内マクロファージュについては有意な変化は認められなかった。