著者
柳原 正 池田 和史 松本 一則 滝嶋 康弘
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.313-315, 2009-08-20

一般的に用いられる形態素解析器では、単語境界や品詞の推定を行う際に形態素解析用辞書が必要である。新しい単語に対応するため、それらの単語を辞書に追加しなければならないが、この作業は人手によって行わなければならないため、コストがかかることが大きな問題となっている。本論文では、情報量基準に基づく形態素解析用辞書の自動獲得方式を提案する。提案内容では、情報量基準に基づくモデル検定によって、単語境界及び品詞を自動推定する。これにより、人手を借りずに形態素解析用辞書を自動的に更新可能となる。
著者
西口 敏司 仙田 修司 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

講義の際に板書される文字を,効率よく記録するためには,文字が書かれるまでは黒板全体を観察し,新しく文字が書かれたときに,その文字だけを記録する必要がある.そのためには,黒板に文字が書かれる状況を実時間で把握し,かつ,必要に応じて記録したい部分に視点を移さなければならない.そこで本稿では,パン,チルト,ズームの制御が可能な首振りカメラを使って,板書された文字(以下「板書文字」という)を画像データとして自動的に記録するシステムを提案する.
著者
池田 潤
出版者
筑波一般言語学研究会
雑誌
一般言語学論叢 (ISSN:13443046)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-10, 2006-12-31 (Released:2013-12-25)
著者
中山 満子 野村 晴夫 池田 曜子 東村 知子
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ママ友関係について調査検討を行った。ママ友への役割期待では、自律性、類似性、支援性の因子が得られた。特に支援性への期待が高く、女子大生の友人関係と似ていることも示唆された。同時に自律性への期待が女子大生より有意に高いことも特徴であった。悩みの類型では、子ども関連群、ママ友パーソナリティ関連群、多様群が得られ、この類型により関係のとらえ方傾向、対処方略に差異が認められた。
著者
苧阪 直行 池田 尊司 Naoyuki Osaka Takashi Ikeda 京都大学大学院文学研究科 京都大学大学院文学研究科 Department of Psychology Graduate School of Letters Kyoto University Department of Psychology Graduate School of Letters Kyoto University
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 = Journal of the Color Science Association of Japan (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.197-203, 2006-12-01
参考文献数
27

視覚的に呈示された色情報の短期的保持が言語(言語的ワーキングメモリ)に依存するのか、あるいは視覚(視覚的ワーキングメモリ)に依存するのかは、当該色が色カテゴリーの境界をクロス(跨ぐ)するかしないかで異なるというモデルを提案した。機能的磁気共鳴脳画像法(fMRI)を用いて、代表的なワーキングメモリ課題であるNバック課題を導入してモデルを検証した。色の記憶における言語と視覚のワーキングメモリの寄与について検討した結果、基本色名で定義される色カテゴリーをクロスする条件では、左半球の下前頭回や下頭頂小葉が強く活動することがわかった。左の言語半球のこれらの領域の活性化は色の名前を音韻ループで保持する言語性ワーキングメモリが働いていることを示している。一方、同じ色カテゴリー内に留まる色差の小さい色の場合は、右半球の下前頭回が強く活動すること、つまり視覚的ワーキングメモリは視空間的スケッチパッドで保持されていることが示された。記憶すべき色刺激が左の音韻ループ(言語性ワーキングメモリ)で保持されるのか、右の視空間スケッチパッド(視覚性ワーキングメモリ)で保持されるのか、その認知負荷のバランスは色カテゴリーの境界を手がかりとした認知的方略によることが明らかになった。脳は色差に応じて色をことばであるいは知覚イメージで短期保持するのである。We proposed a model that colors could be memorized either in verbal or visual working memory depending on the color category borders. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), the model was tested by introducing a 2-back working memory task. We investigated the involvement of verbal and visual working memory in color memory. Colors between (cross) the categories defined by basic color names strongly activated the left inferior frontal gyms (IFG) and left inferior parietal lobule (IPL) corresponding to the phonological loop as verbal working memory, while colors within the category boarder strongly activated the right IFG corresponding to the visuospatial sketchpad as visual working memory. The choice of colors to memorize might modulated the cognitive load balance between the phonological loop and the visuospatial sketchpad.
著者
小沢 朝江 池田 忍 水沼 淑子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)近世内裏における天皇常御殿と女御常御殿を比較すると、同じ用途の部屋でも天皇御殿の方が天井が高く、仕様も高い。また本途(1坪当たりの大工工数)は、天皇常御殿の御学問所など表向の御殿に次いで高いのに対し、女御常御殿は若宮御殿よりも低い。したがって両常御殿の寸法の差異は、女性の身体寸法に合わせたものではなく、天皇と女御の「格」の差を表現したものと判断される。(2)女御御里御殿は、女御の御産に用いる御殿であり、延宝度以降南東隅を上段、上段の西室を二の間、北室を寝所兼産所とする平面を踏襲したが、寛政度以前が上段・寝所を中心とする内向きの御殿であるのに対し、寛政度は、上・下段から成る儀式空間に変化した。この寛政度上段・二の間の「錦花鳥」「子の日の小松引き」の障壁画は、一見異なる画題ながら「根引きの小松」のモチーフで連続する。小松は、江戸時代中期以降定着した「内着帯」に用いられる道具のひとつで、寛政度の障壁画は御里御殿が「内着帯」の儀式空間に変化したことを視覚的に表現したと考えられる。(3)旧東宮御所(明治42年竣工、現:迎賓館)は、従来欧州の宮殿建築を参考にしたと指摘されていたが、洋館でありながら明治宮殿(明治21年竣工)や近世内裏の配置を参考に設計され、特に1階の寝室や居間は、東宮が東宮妃側を訪れるという近世以来の用法を前提に計画されたことが判明した。一方、東宮妃側にも政務を行う御学問所や内謁見所を設けた点は近世と大きく異なり、東宮妃の公務への関与が想定された。また、各室を東宮・東宮妃側で同型同大で設け、意匠にも大きな格差をつけないこと、東宮妃側のみ子ども用の椅子やフットレスト(足台)を配置したことは、東宮妃が東宮と「一対」であり、東宮妃が理想の妻・母であることを強調したと考えられ、明治天皇以前とは異なる「理想の家族」という新たな天皇・皇后像の表現が意図された。
著者
石黒 浩 中村 泰 池田 徹志
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は体全体を表現メディアとした人間に親和的なアンドロイドシステムの開発を目指して, 親和的動作の生成メカニズムの実装と効果の検証, さらに状況の応じたアンドロイドの振る舞い変化による人間との親和的な関係構築について検証した. 動作の生成メカニズムとして, アンドロイドの動作の印象に大きな影響を与える体全体の振動を軽減する枠組みを提案した. 神経減衰振動子と呼ばれるパターン生成器を用いた制御法とその学習アルゴリズムからなる枠組みで, この手法により振動現象を軽減することができた. この手法は関節間の連動性を調整する枠組みとしても利用可能であり, 学習の目的により動作の印象を変えることが可能であることから, 体全体の自然な動作を生成する枠組みとして期待できる. また, リアルな環境における振る舞いの違いがコミュニケーションへ与える影響の検証を目的として, アンドロイドを病院の診察場面に陪席させる実験を行った. 患者の笑顔や頷きに同期してアンドロイドに笑顔や頷きを表出させた場合に患者の医師に対する印象や診察への満足度が向上するなど, アンドロイドの振る舞いを変化させることにより, 患者の診察への印象が変化することを示した. この研究は, 人間との親和的な関係を構築できる情報メディアとしてのアンドロイドを開発するだけではなく, 人間のロボットの関わるシステムの構成要素を明らかにするものである. すなわち, 三者間のコミュニケーションにおける親和的な関係構築への影響を調査したものであり, アンドロイドが今後, どのような社会的な役割を担い, 親和的なコミュニケーションの実現に寄与するかを検証するための重要な一歩となっている.
著者
鬼頭 秀一 丸山 康司 佐藤 哲 井上 有一 池田 啓 桑子 敏雄 丸山 徳次 白水 士郎 森岡 正博 松田 裕之 森岡 正博 蔵田 伸雄 松田 裕之 瀬戸口 明久 立澤 史郎 福永 真弓 吉永 明弘 富田 涼都 安田 章人 二宮 咲子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

生物多様性保全と自然再生の理念は、地域社会の文化や社会のあり方と密接に結びついており、そのようなものを統合した「地域再生」の理念と深い関係がある。そのため、自然と社会や文化の入れ子状態の中で、「サステイナビリティ」などの自然にかかわる理念も社会や文化の理念から再定義されなければならない。そのようなことを実践的に可能にするための人材育成のあり方を実践的に提示するとともに、生物多様性保全や自然再生が、治水や災害などの問題も含めた包括的な環境や社会のあり方、さらには、エネルギーや脱炭素化社会の構築にも展開できる社会的な論理を提示した。『環境倫理学』(東京大学出版会)を出版してその成果の内容を提示した。
著者
池田 信夫
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.45, pp.133-141, 212-211, 1994-07-30

Recently the problem of media's influence over society has been frequently argued, but never seems to be settled. Major contributions to this field such as the agenda- setting theory or the spiral of silence hypothesis have partly solved it, but have left much more to be solved. What makes this problem so opaque is the lack of a systematic analysis of the interaction between the media and the audience. H.A.Simon found that constituents' voting behavious are bounded by the "frames"by which they decide national issues. His concept of bounded rationality can be the cognitive foundation of the influence of agenda set by the media. It is an optimizing solution to the problem in which few values among many parameters are known exactly and it takes high information cost and algorithmic complexity to decide it by him/herself. A very simple game-theoretical model is introduced to formulate this cognitive view: we model the"spiral"effect as interdependence of two players' optimal strategies (agenda) in a"coordination game"played by the media and the audience (or a medium and another medium), in which one player's payoff is positive if and only if his/her strategy corresponds with another's. Examining its quasi-dynamic behaviour, we found that the more correlated media and audience's agenda, the stronger the spiral effect would be. An important reason for this interdependence is undecidedness of the coordination game: i.e.any cooperative solution is equivalent as long as one's strategy corresponds with another, so there is no criteria for deciding which of these"multiple equilibria"is more desirable than another. What makes such correspondence possible is not the players' rationality but their common knowledge that each other selects more"salient"agenda. This deductive conclusion of game theory coincides with the common wisdom of media theory, and might be a logical foundation of the spiral effect in setting agenda. These findings suggest how to asses the media's influence over the audience: it is not their proper"power"but their function to create such correspondence or momentum that makes them seem so influential. And this momentum will be accelerated by growing ignorance and undecidedness about national issues, because the information matrices we face are becoming more and more complex and multi-dimensional today. Since we will be more bounded and interdependent by sharing information, the media's seemingly strong power is only one symptom of the instability and precariousness of the coming"information society".
著者
池田 光栄 志堂寺 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.410, pp.51-56, 2006-11-30
被引用文献数
1

食品の見た目によって生じるおいしさは,食品の視覚的物理特性や,嗜好や空腹具合など見る人の特性を素因とし,これらが生起させる種々の感覚や感情が相互に影響しあって生じる.よって,これらの要因やその相互関係を調べることにより,見た目のおいしさのメカニズム解明に迫ることができると考えられる.本研究では,食品としてケーキを用い,ケーキの視覚的物理特性と食品を見ることによって生じる感覚との関係を調べる実験を行った.ケーキは様々な要素で構成されているので,ケーキの印象を評価する場合の注目領域の計測を行った.さらに,ニューラルネットワークを用いて見た目のおいしさとケーキの視覚的物理特性との関係を検討した.
著者
池田 清治
巻号頁・発行日
2006-04-20

民法はすべての法律学の基本であるため、法学部では通常20単位程度の授業時間が割り当てられています。しかし、専門的な授業では詳細な講義がなされるため、返ってその全体像が分かりにくく、親しみづらいものとなってしまいます。そこで、「社会の認識」という全学向けのこの講義では、「民法の全体像」を把握するよう努めます。法学部のみなさんにとっては、今後の学習の道しるべになるでしょう。法学部以外のみなさんにとっては、法律学がいかなる思考枠組みを用いて「世界」を認識するものであるのか、その構造上の特徴が明らかになりますので、自身の専門分野における認識枠組みとの違いが分かり、法律学に対する興味をそそられるでしょう。 ですので、この授業では、民法を「体系的に」講義します。1回に1件、面白い事件を取り上げ、それを15回つなぎ合わせるなどといったものではなく、「学問的に」民法を教授します。しかし、親しみやすくなるよう、いろいろな事例を使って分かりやすく説明しますので、その点は安心してください。 高校までは、本当の意味で法律学を学ぶ機会はありませんでした。みなさんにとって、これがはじめての機会です。法律学とはどのような学問体系なのか、そこにはいかなる特徴があるのか、この問題にアプローチするには「民法の全体像」を把握することが有用かつ不可欠であり、そのような講義にしたいと思っています。
著者
前川 久義 池田 俊文 村田 信之 内田 秀樹
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.469-478,a3, 2000-05-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

中能登農道橋は, 石川県中島町と七尾湾に浮かぶ能登島を結ぶ全長620mの海上橋で, 橋長170mのPC2径問連続箱桁と, 橋長450mのPC3径間連続斜張橋で構成されている。PC斜張橋の中央支間は230mであり, わが国最大級の規模であるとともに, 支持層が約50mと深く多数の転石を含む悪条件下において鋼管矢板井筒基礎が採用されている。本報文は, 斜張橋部の設計活荷重見直し対応および斜張橋特有の動的解析, 耐風安定性に関する設計と海洋斜張橋の基礎工事や張出架設の技術的特色を中心に最新の技術知見を踏まえて報告するものである。