著者
五十嵐 高志 山田 穰 小林 俊市 清水 増治郎 納口 恭明
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.114-115, 2001-10-30

(1)資料収集に基づく災害分析:1999年冬季および2000年冬季に発生した雪氷被害の人身事故について解析を実施して、地域の特徴を得た。(2)重力滑走方式による雪輸送技術の研究:雪輸送中、重力滑走シュート内に閉塞(つまり)を生じた時の対策として、シュート内に水を流すことにより閉塞を解除する方法についての室内実験を実施した。(3)被覆状況別の日射反射率推定に関する研究:積雪期間の気温上昇に及ぼす影響を、枝葉温度の測定より明らかにした。
著者
笠原 克昌 鳥居 祥二 小澤 俊介 清水 雄輝 増田 公明 さこ 隆志
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

LHCf実験はCERN LHC加速器を用いて,超高エネルギー宇宙線(UHECR)に匹敵するエネルギー領域で超前方に発生する粒子(ガンマ線=光子,中性子)のスペクトルを観測する.これにより宇宙線実験で使われているモンテカルロ(MC)シミュレーションで用いられる核相互作用モデルの検証を行い,UHECR の謎の解明に役立てるのが目的である.LHCfは2009年末に450GeV+450GeV衝突,2010年に3.5TeV+3.5TeV衝突の観測に成功した.これらは実験室系換算で4.3・10^<14>eVと2.6・10^<16>eVにそれぞれ相当する.MCのモデルとしてDPMJET(v3.04),PYTHIA(v8.145),QGSJET II(v03),SIBYLL(v2.1)およびEPOS(v1.99)を検証した.この全く未知の領域でのスペクトルは予想から全く外れている訳ではなかったものの,これらのどのモデルも実験結果を満足に再現するレベルには遠いことが判明した.光子のスペクトルは多くのMC モデルよりソフトな様相を呈し,ハドロンはハードな様相を呈している.また,LHCの他の実験(ATLAS,CMSなど)の中心領域での擬ラピディティ(η)分布の結果と合わせると,全てのモデルはLHC 領域で破綻すると言ってよい.DPMJETは低エネルギー領域では非常によいモデルであるが,LHCf での光子スペクトルはデータよりかなりハードである.η分布はLHC領域で突然データからずれる.PYTHIAはLHCのη分布を再現するように調整されたものを用いたが,光子についてはDPMJET と同じ様相を呈する.これらのことは,数年後に期待されるLHCの最高エネルギーでの実験を行い,破綻の傾向を調べ,モデルの検証行うことが重要なこと,新たなモデルの構築が必要なことを示している.
著者
吉村 真 清水 雅夫 田中 正行 奥富 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.1, pp.169-176, 2007-01-12

時系列画像を用いた画像処理には,安定で高精度な画像レジストレーションを必要とするものが多い.このような画像レジストレーションでは,多くの場合,アフィン変換や射影変換などの,比較的自由度が低いモーションモデルが採用されてきた.しかし,このようなモーションモデルでは正確に表現できないような変形をする撮影対象もある.本論文では,画像上に多数配置した制御点の移動をパラメータとする,B-Spline画像変形を用いた画像間レジストレーション手法を検討する.従来,このような非剛体レジストレーションでは,画像の輝度勾配を用いた勾配法によってモーションパラメータを求めていたが,テクスチャが少なく輝度勾配が小さい領域では勾配法が安定に収束しない問題があった.そこで,輝度勾配に応じて変化する安定化項をコスト関数に導入し,画像によらず高精度でしかも安定にモーションパラメータを推定できるようにした.非剛体変形する対象の例として,望遠レンズで遠方の対象を撮影するときに生じる大気揺らぎ(かげろう)と,水面を通して水中物体を撮影するときに生じる揺らぎを取り上げる.これらの揺らぎは,観測時間を十分に長く取れば平均位置に対して対称になる.そこで,このような揺らぎを含む時系列画像を時間方向に平均化することで,空間的にぼやける代わりに揺らぎを除去できる.この平均化画像に対して各入力画像を非剛体レジストレーションすることで,入力時系列画像から揺らぎを除去することができる.揺らぎを含む実画像を利用した実験を行い,効果を確認した.A stable and highly accurate image registration technique is required for sequential image processing. Affine and projective transforms are often used for motion models of the image registration, but some objects cannot be modeled with the motion models using such a limited number of parameters. In this paper we discuss a non-rigid registration that utilizes a B-Spline image transformation with a parameter-set of the control vertex positions. The parameter-set can be estimated using a gradient-based parameter optimization method. The optimization method is, however, sometimes unstable at texture-less regions with image noise. We have introduced a stabilization term that varies with the magnitude of image gradient to the cost function, which allows estimating a stable and accurate parameter-set even if the image has a weak texture.In the experiments, we have applied the stable non-rigid registration technique to eliminate two types of fluctuations in image sequences; an atmospheric fluctuation and a fluctuation through a watter surface. A deformation-eliminated reference image is obtained by averaging image frames in the sequence, and then each frame is non-rigidly registered to the reference image. The experimental results demonstrate the stability and accuracy of the proposed non-rigid image registration technique.
著者
真野 博 清水 純 任 良? 中谷 祥恵 野口 有希 増田 和成 和田 政裕 Mano Hiroshi / Shimizu Jun / Im Ryanghyok / Nakatani Sachie / Noguchi Yuki / Masuda Kazunari / Wada Masahiro マノ ヒロシ シミズ ジュン Im Ryanghyok ナカタニ サチエ ノグチ ユキ マスダ カズナリ ワダ マサヒロ
出版者
出版者:日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.177-183,
被引用文献数
3

DNAマイクロアレイ解析法を用いることで, 沖縄伝統野菜ニガナ (Crepidiastrum lanceolatum) を摂取させた実験動物の肝臓では, 遺伝子発現パターンが大きく変動していることを明らかにした。特に, ニガナは強力なエリスロポエチン (EPO) 遺伝子発現誘導活性を有していることがわかった。このことから, ニガナの摂取は体内のEPOタンパク質産生を上昇させる可能性が考えられた。さらに, Potential Free Energy (pF) 1.5, pF 1.8, pF 3.0の条件で灌水量を調節し, 成分量 (栄養成分や硝酸態窒素) を変化させ, 品質を改良したニガナを作製した。3種類のニガナのうちpF 1.5の灌水量条件で栽培したニガナは, 硝酸態窒素含量およびカリウム含量が比較的少なく, その他のビタミンやミネラル含量は他と同程度であったが, EPO遺伝子誘導活能が最も高かった。本研究の結果, 食品を投与した実験動物を用いたDNAマイクロアレイ解析は, 食品の新たな品質設計技術の一部として有用であると考えた。
著者
白井 裕泰 小野 泰 林 英昭 藤田 香織 栗子 岳大 奥山 智也 大西 裕也 大関 貴史 榎本 将紀 佐々木 雄也 菊池 智也 清水 元紀 山田 悠人 谷川 弘子 齋藤 嘉一 朝光 拓也 高橋 定信 高橋 和弘 高橋 直弘 千葉 恒介
出版者
ものつくり大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

阮朝フエ王宮における昭敬殿の上部構造を以下の方法によって復原した。①昭敬殿と隆徳殿の柱間寸法の比較および基壇構造の比較によって昭敬殿が隆徳殿と同一規模、同一形式であることを明らかにした。②昭敬殿の復原は、隆徳殿の寸法計画、建築技法、細部意匠を踏襲することによって実施した。③隆徳殿と同様に復原設計に倣って原寸図を作成し、その寸法を基準に施工した。④昭敬殿の基壇は、地盤の地耐力を考慮して、隆徳殿基壇修理と同様に、各柱礎石下にレンガ積独立基礎を新設した。⑤昭敬殿の軸部および屋根の組立は、隆徳殿の施工に倣って行われた。⑥昭敬殿復原の参考資料として、復原図、基壇詳細図、原寸図、竣工写真などをまとめた。
著者
清水 由美子 赤間 啓之
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.607-614, 2008
被引用文献数
1

This study aims to clarify the semantic processing mechanism of pictures, in which pictures and their meanings are not the same. Meanings are sent out from pictures using all conceptual extension mechanisms such as synecdoche, metonymy and metaphor. Time required to judge the relationship between picture and meaning depends on these types of figures of speech. This mechanism was examined in relation to two strategies, word association and perceptual simulation, which were employed to determine the relationship between picture and meaning. It was assumed that the "mechanism for recognition of figures of speech"would determine the strategy, and these strategies would generate differences in reaction time. We verified this hypothesis through two tasks, by changing variable conditions. As a result, it was found that at least synecdoche and metonymy could be treated as specific recognition mechanisms for which word association and perceptual simulation were suitable in meaning processing.
著者
広瀬 悟 清水 俊行 南部 起可 柳沢 一機 丸茂 喜高 綱島 均 土師 知己 泰羅 雅登
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.681-686, 2009-06-16
被引用文献数
1

シミュレータにおいて、運転タスクに応じたドライバーの脳活動を、機能的近赤外分光装置fNIRSで計測した。通常走行に比べ、狭路走行と先行車追従走行では、前頭外側部の賦活量がより大きくなることを確認した。さらに、運転中に注意課題を与えた場合の注意力喚起に起因する賦活を、運転タスクの差から見出した。
著者
嵩 英雄 清水 憲一 能町 宏 宮崎 祐三
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1453-1458, 1997-06-09
被引用文献数
1

打継ぎ部の付着性状に及ぼす打継ぎ処理の影響を検討するため,打継ぎ面の処理と湿潤状態及び養生の程度を変え,鉛直および水平打継ぎ部を持っ供試体の曲げ強度,中性化,超音波伝播速度などを試験し,打継ぎ面の骨材露出処理は付着強度を改善し中性化を抑制すること,打継ぎ面の散水の効果は少なく打継ぎ直前の散水は付着を低下させること,超音波試験による打継ぎ部の付着性状を評価できることを明らかにした.キーワード:
著者
岩森 光 横山 哲也 中村 仁美 石塚 治 吉田 晶樹 羽生 毅 Tatiana Churikova Boris Gordeychik Asobo Asaah Festus T. Aka 清水 健二 西澤 達治 小澤 恭弘
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

全地球に分布する主に第四紀に噴火した玄武岩の組成に基づき、地球内部の不均質構造を調べた。これは人体の血液検査に例えることができる。特に、最近提案された「マントルの東西半球構造」に注目し、(1)半球構造の境界付近の詳細研究、(2)地球全体のデータに関する独立成分分析、(3)水を含むマントル対流シミュレーションを行った。その結果、東半球はより親水成分に富み、かつマントル浅部から内核にいたるまで、超大陸の分布に支配される「Top-down hemispherical dynamics」を介して長波長の大構造を有することが示唆された。
著者
矢野 隆 井上 久雄 清水 康雄 新開 志帆 越智 政勝
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.53-58, 2002-04-01
被引用文献数
3 1

ユスラウメ台木栽培に適した品種を探索するため, モモ15品種を試作し, 収量, 乾物分配および枝幹横断面の性状について調査した.年平均収量は'千曲白鳳', 'あかつき', 'よしひめ', '川中島白桃'で多く'武井白鳳', '八幡白鳳', 'やまなし白鳳', '瀬戸内白桃'で少なかった.果実生産性の高い品種は他の部位の乾物重量も多かったのに対して, 生産性の低かった'八幡白鳳', 'やまなし白鳳', '竜鳳'は総乾物重も低く, 純生産量が少ないと考えられた.一方, '武井白鳳', '瀬戸内白桃'は果実生産量は少なかったが穂木部の幹への分配は多く, 総乾物重において高生産性品種との有意な差はなかった.穂木部における幹の性状と乾物生産についてみると, 皮部の面積割合の高い品種はおおむね穂木部乾物重が少なかった.衰弱しやすいとされる'川中島白桃'はF/L比が極めて高く, 果実への分配が特異的に多くなった.この物質分配の不均衡は, 樹勢衰弱を誘発させる一要因と考えられた.
著者
前田 茂人 林田 直美 メイルマノフ セリック 清水 一雄 兼松 隆之 林 徳真吉
出版者
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

2007年から2009年の3年間にかけて、セミパラチンスク(カザフスタン)の核実験場近くのセミパラチンスクがんセンターおよびセミパラチンスク医科大学にて、甲状腺癌および乳癌に対する外科的医療支援を行った。同地域では、1949年から1989年まで489回にもわたる核実験が行われており、2009年は核実験が閉鎖されて20年となる年である。甲状腺癌および乳癌の標準的診断および外科治療が施行されるように、インターネット教育および現地での実践を行った。特に甲状腺癌外科治療おいては、頸部リンパ節郭清の概念および手技の導入が現地外科医になされたと考えられた。
著者
川本 直義 清水 裕之 大月 淳
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.63-76, 2003
被引用文献数
2

市民吹奏楽団という具体的な市民文化活動の実態を明らかにし、自治体等の活動支援のあり方を考察する。演奏機会、練習場、資金について、自治体等がどのように市民吹奏楽団を支援しており、それがどのような活動結果につながっているかを分析した。その結果、支援の性格によって活動の方向に違いがあることがわかった。共同体としての支援の枠組みだけでなく、新たな支援の枠組みが今後必要となるであろう。
著者
卯城 祐司 土方 裕子 清水 真紀 中川 知佳子 古賀 功 大野 真澄 梅原 愛
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.31-40, 2007-03

A recall test is useful in that the test score is not affected by question items; however, this test is frequently criticized as being simply a memory test that does not measure pure reading comprehension. Although retrieval cues are sometimes provided to readers in order to decrease the effects of the memory load, it is unclear how these cues are related to the ideas recalled. The aim of this study is to examine what types of retrieval cues can promote recall performance of Japanese EFL learners. In Experiment 1, we investigated the relationship between learners' L2 reading proficiency and the importance level of recalled ideas. In Experiment 2, we examined the effects of cue types on recall tests. In addition, the results of three types of recall tests - free recall, recall with main cues, and recall with detailed cues - were compared in order to elucidate the validity of cued recall tests. The results showed that retrieval cues did not promote recall performance. Moreover, we found that cued recall tests had lower correlations with L2 reading proficiency scores than free recall tests, which indicates that retrieval cues reduced the concurrent validity.
著者
卯城 祐司 甲斐 あかり 中川 知佳子 渡邊 芙裕美 星野 由子 清水 遥
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.11-20, 2009-03

The effects of reading perspective on summarization have not been investigated in previous studies even though many researchers have confirmed its influence on reading processes and comprehension. Through two experiments, the present study examined how EFL learners' perspective in reading affects their summary writing processes, including importance rating and application of macrorules. Experiment 1 showed that reading perspective influenced the reader's evaluation of information importance, whereas it had no significant effect on the selection of information to be included in summaries - a result which might have been caused by the lenient restriction on summary length. Hence, in Experiment 2, the effects of reading perspective were re-examined with a shorter summary task. Contrary to Experiment 1, the results revealed the significant influence of reading perspective on the selection of information as well as on the application of two other macrorules: generalization and construction. These findings suggest the importance of providing reading perspective in summary writing as well as the possibility that summary length influences the application of macrorules.