著者
清水 亮 丹藤 雄介
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.40-50, 2022-02-01 (Released:2022-03-12)
参考文献数
7

【目的】先行研究において,栄養管理プロセスにおける栄養診断コード(Nutrition Diagnosis Code: NDC)の明確な違いを示すことが,栄養診断実施の促進に必要と考えられた。そこで,妥当性かつ一致性の高いNDC選択のためのフロー図(NDCフロー図)の開発に取り組むこととした。【方法】NDCフロー図は,エネルギーや栄養素摂取量に関係する第1NDC(P1)が導かれる部分と,第1NDCで示される栄養問題の根本的な原因を示す第2NDC(P2)が導かれる部分の二部構成とした。青森県内95病院の管理栄養士・栄養士の長に,提示した模擬患者症例についてNDCフロー図を用いて,栄養診断を実施してもらい,NDCフロー図の妥当性等を評価した。【結果】回答率は43.2%であった。模擬患者Aでは,P1, P2ともに正答率が80%以上,妥当と考える割合は90%を超えていた。他方,模擬患者Bでは,P1で正答率が約40%,妥当と考える割合が約90%,P2ではそれぞれ10%,50%であった。NDCフロー図の難易度は,有用性に比べて低い評価であった。【結論】NDCフロー図は,その有用性は期待されたものの,妥当で一致性の高いNDC選択のためのツールとしては改善が必要であり,特に体重や検査値に関するNDCや行動と生活環境領域の選択に課題があることが示された。
著者
大国 千尋 清水 祥子 木村 紘美 藤澤 義久 堀江 稔 宮平 良満 九嶋 亮治
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.679-684, 2016

<p>アンダーセン・タウィル症候群(Andersen-Tawil syndrome; ATS)は,(1)U波を伴う心室性不整脈,(2)周期性四肢麻痺,(3)外表小奇形を3徴とするまれな遺伝性疾患である。内向き整流性カリウムチャネルであるKir2.1蛋白をコードしている<i>KCNJ2</i>遺伝子の変異が原因で発症する。心電図所見としてQU延長を伴う著明なU波と頻発する心室期外収縮(PVC),2方向性心室頻拍を認め,治療にはIc群抗不整脈薬であるフレカイニドの有用性が報告されている。症例は50代女性,ATSの3徴全てを満たし,QU延長(723 msec)を伴う著明なU波,PVC頻発を認め,遺伝子検索にて<i>KCNJ2</i>遺伝子変異陽性であった。ホルター心電図では総心拍の24%のPVC,2方向性心室頻拍を認め,フレカイニドの導入により9%までPVCが減少,動悸症状も改善した。ATSでは,増高したU波や2方向性心室頻拍が重要な所見となるため,心電図検査,ホルター心電図の解析では,QU時間,U波高,U波幅,PVCの極性などの情報にも着目する必要がある。</p>
著者
加藤 丈雄 清水 健司 原田 昭夫 佐藤 泰
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.344-349, 1991

乳酸菌スターターをを10<SUP>7</SUP> cells/g添加して37℃で発酵することによりソーセージ内部の<I>Staphylococcus aureus</I>の生育は阻止されたが,ソーセージ表面の<I>S. aureus</I>の生育は阻止されなかった.ソーセージに乳酸菌スターターを添加し,直ちに乳酸菌の最適温度で短時間くん煙処理を行うことにより,ソーセージ表面及び内部における<I>S. aureus</I>の増殖とエンテロトキシン産生を効果的に阻止することができた.また,このようなくん煙処理は実質的にソーセージの乳酸発酵に影響しないと考えられた.
著者
遠藤 陽子 清水 章 遠田 悦子 中村 元信
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

糖尿病による腎障害では線維化・尿細管萎縮(IFTA)が起こり、腎不全に至ります。IFTAが進行する原因の一つとして、血液中のマクロファージが腎臓へ浸潤し、腎臓線維化の促進に働くことが挙げられています。そこで、私たちはマクロファージの活性に関連するFROUNTと、FROUNTを抑制する処方薬のDSFに着目しました。DSFがマクロファージを抑制することで、糖尿病でのIFTAを抑制、腎不全への進行を止められると考えています。糖尿病モデル動物をDSF投与群と非投与群とに分け、その腎臓や血液・尿を検査し、マクロファージ抑制、IFTA抑制、腎機能保持が出来るのかを明らかとします。
著者
清水 新悟 長井 力 元田 英一 大日方 五郎
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_11-1_17, 2013 (Released:2013-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

We propose a method that can be diagnosed in a simple spread foot to prevent failure in such as sports injuries. In addition, to clarify the boundary value that can be used to predict spread foot and its reliability, we report on our investigation of the effects of merger rate and location of pain and other diseases, using a 6-minute walk distance.    Measurement of spread foot is measurement by using the spread angle and spread rate. We checked spread rate and the spread angle at the first and fifth metatarsal angles of the X-ray with correlation. And then we calculated by the regression equation metrics of spread foot. In the case of spread foot, to see the complications of other diseases, we observed the correlation high rate medial longitudinal arch, first toe angle and fifth toe angle. We also observed the merger rate of flatfoot deformity, hallux valgus deformity, and digitus quintus varus.    We also examined the occurrence of pain and the occurrence of callus of spread foot. Furthermore, we observed the correlation between the angle of M1-M5 using the 6-minute walk distance test.    The subjects were 9 men and 48 women who had been diagnosed with spread foot. 62 foot of them were examined in this study.    As a result, spread rate was r = 0.535733. Spread angle was r = 0.653131. The results indicated on the index with over 40.9% spread rate and over 15°spread angles. Spread foot merger rate was higher for flat foot, hallux valgus, and digitus quintus varus. There were many cases of second metatarsal bone pain and first metatarsal bone pain.    Prediction of degradation mechanisms of the arch could be made on the basis of flat foot with talus sliding down by the subtalar joint pronation and pushing the adjacent navicular bone to the lower part. It was thought that the drop of the horizontal arch navicular bone was pushed to the lower part. Appearance of the hallux valgus and digitus quintus was predicted by the drop of the horizontal arch.
著者
清水 寛太 山田 義智 肖 春彦 小山 智幸
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.68, pp.76-80, 2022

<p>In this study, we survey on ready-mixed concrete shipped in Okinawa prefecture, including material temperature, concrete temperature at the time of kneading and unloading, and outside temperature. As a result, It was found that the concrete temperature at the time of unloading must be about 33℃ or less so that the concrete temperature at the time of kneading does not exceed 35℃. We also showed that random forest and LightGBM, which are a type of machine learning, can estimate concrete temperature at the time of kneading and unloading with high accuracy from the unit quantity of material, material and outside temperature.</p>
著者
清水 翔吾 清水 孝洋 東 洋一郎 齊藤 源顕
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.154, no.5, pp.250-254, 2019 (Released:2019-11-15)
参考文献数
37

前立腺肥大症は,尿道閉塞による排尿困難や,二次的に発生した刺激が膀胱に伝わり頻尿及び夜間頻尿など下部尿路症状を引き起こす.近年の臨床及び疫学研究において,高血圧,高脂血症,糖尿病といった動脈硬化に関連する疾患が,前立腺肥大症を含む下部尿路症状の危険因子になりうるとの報告がなされた.また,複数の実験動物モデルを用いた基礎研究においても,前立腺血流低下(虚血)が,前立腺の細胞増殖や線維化,前立腺平滑筋収縮の増大に関与することが報告されている.そのため,臓器そのものだけでなく,骨盤内または前立腺血流自体が前立腺肥大症の治療標的になりうると考えられている.著者らは,自然発症高血圧ラットを用いて,前立腺血流低下に伴う前立腺肥大症発症メカニズムの解明並びに血管拡張薬の有用性について報告を行ってきた.本稿では,前立腺虚血及び前立腺肥大に関する研究成果を,著者らの研究成果を中心に紹介する.
著者
遠藤 俊二 清水 絵美 岩波 俊介 清水 祐一 笹村 泰昭
出版者
苫小牧工業高等専門学校
雑誌
苫小牧工業高等専門学校紀要 (ISSN:03886131)
巻号頁・発行日
no.39, pp.63-67, 2004-03

生物化学コース4年生の[生物工学実験]においてハスカップと玉葱外皮を教材に取り上げた。それらの色素を抽出し多繊交織布を染める実験を導入することを試みた。布の染まり具合から色素と繊維の化学構造を相互に関連付けて考察することが可能であった。種々検討した結果,本テーマは学生実験として充分有意義であると判断した。
著者
石田 竜弘 異島 優 清水 太郎
出版者
徳島大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

タンパクや核酸など高分子医薬品の低侵襲的投与法として経皮投与技術の開発が切望されている。最大のバリアである皮膚の角質層を突破させるため、透過促進剤やマイクロニードルの活用、超音波や電気などの物理的な刺激を利用する方法などが提案されてきた。しかし、高分子医薬品の透過に成功した報告は乏しく、実用化に進む可能性のある技術の開発は未達である。イオン液体は陽イオンと陰イオンからなる常温で液体の物質であり、その特徴的な性質から、新たな電池材料や溶剤としてなどグリーンケミストリーの素材として活用されてきている。しかし、医療応用に向けた試みは行われていない。本研究の目的は、イオン液体をキャリアとし、皮膚角質層の突破という最も大きな課題を一気に解決するための高分子医薬品の低侵襲的投与法を開発することである。本年度はモデル抗原としてインスリンを用い、in vitroでの皮膚透過性試験を行った。その結果、ある種のイオン液体と混合することで、インスリンの皮膚透過性が飛躍的に向上することが確認できた。次いでin vivoでの皮膚透過性試験を行った。その結果、インスリンが角質層を透過し、血中ににまで移行していることを血糖降下作用によって確認した。現在、がんペプチドであるWT1を用いて同様の検討を行っているが、同様に良好な結果が得られつつあり、当初の目的である画期的な低侵襲性の経皮型がんワクチンの開発に繋げていく予定である。
著者
清水 文雄
出版者
王朝文学の会
雑誌
河の音
巻号頁・発行日
pp.166-168, 1967-03
著者
水戸部 祐子 鈴木 映一 L.A. GUZMAN 清水 健司
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.306-310, 2006 (Released:2013-02-19)
参考文献数
3

本研究では, 蒸発法を用いた海水からの製塩方法について検討し, 装置設計および操作条件の確立を目的として, 塩の組成と形状の制御方法を捉えることを試みた. 用いた海水は, 野田沖海水 (岩手県野田村沖1km, 水深30m) と三睦沖海洋深層水 (岩手県宮古市トドヶ崎東方31km, 水深680m) で, 2種類の海水の違いについて報告する.本論文で用いた海水では, 沈殿結晶の形状に違いがみられたが, 採取塩では, 結晶形状および組成の変化はほとんどみられなかった.蒸発量の違いにおいて沈殿結晶と採取塩の形状の変化および組成の定量的変化を明らかにできた. また, 蒸発濃縮の初期過程における硫酸カルシウムの析出過程を明確にした.
著者
清水 修 花房 一義 新崎 晃大 郡司 大輔 酒井 優人 池田 広盛 松岡 史倫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2, pp.146-154, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
22

Laborsaving is a major issue in production. In an automotive production line, a yard that is used as a temporary storage for vehicles before shipping. The vehicle-loading robot that operates autonomously has been proposed to automate the alignment of vehicles in the yard instead of human driving. In this study, the dynamic wireless power transfer system that includes the structure of the roadside for the vehicle-loaded robot is proposed. It is proven that the transmitter coil has enough durability for the load of the robot weight using simulation and actual measurement. It is also shown that the reinforcement bars of the road structure cause considerable eddy current loss even with stainless steel. This is similar to loss by coil resistance. This system achieves a 1.8kW dynamic wireless power transfer with an automated coil detection system and a frequency control system, under factory conditions.
著者
清水 眞澄
出版者
成城大学文芸学部
雑誌
成城文芸 (ISSN:02865718)
巻号頁・発行日
no.188, pp.1-13, 2004-09