著者
樋口 敬二 渡辺 興亜 牛木 久雄 奥平 文雄 上田 豊
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.129-146, 1970-11-30 (Released:2009-07-23)
参考文献数
38
被引用文献数
1 3

北アルプス, 剱沢圏谷において積雪域の調査を, 1967年5月26日~30日, 7月11日~15日, 9月26日~29日, 10月17日の4回にわたっておこない次のような結果を得た. (1) 9月29日における「はまぐり雪」の面積は, 4778m2で, 質量は0.9×104トンであり, これは, 5月29日にこの一帯に存在した67.5×104トンの1.3%に相当する. (2) コアドリルによる試料サンプリングの結果, はまぐり雪には3年の氷層しかないことがわかった. したがって, はまぐり雪は, 1964年に一度消失または極度に縮小したと考えられるが, そのような変動は, 冬期における雪の蓄積量と夏期の融雪量の変動によって説明できた. (3) 雪渓においても, 涵養域と消耗域とが存在することがわかった。この年における涵養域比は, 0.54であった. (4) 雪渓の氷層を構成する結晶粒は, 1963年に報告されているように大きな単結晶ではなく, 1.5mm以下であった. 結晶粒の結晶主軸の分布は, 表面では方向性をもたないのに, 最下部では, 基盤の最大傾斜の方向につよい集中性を示していた.
著者
大山 正 渡辺 はま
出版者
JAPANESE PSYCHOLOGICAL REVIEW
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.179-196, 2019 (Released:2020-12-20)
参考文献数
99

Notices for opportune retrieval, internal representations of plans during retention, and the personal factors influencing the execution of planned actions are discussed in this study. Plans must be composed so that they can be implemented at appropriate times and situations in individuals’ daily lives while considering perceptual factors that are important for accomplishing them. For the remembering processes, we discussed spontaneous remembering, which is unique for prospective memory. Topics for the execution of planned actions, which have been discussed in relation to intention, were reconsidered as memory for future plans. For the retention processes, we discussed the activation of intention (i.e., prospective memory). Furthermore, we reviewed this process from the perspective of planning. Finally, we discussed personal traits for the execution of plans because implementation depends on personal traits such as thoughts, behaviors, and emotions. Understanding the mechanism of the daily execution of planned actions by focusing on notices, internal representations, and personal factors may mitigate the chances of forgetting and/or the failure of plans, and facilitate the development of useful strategies, based on emotional situations. It can promote an active daily life driven by self-efficacy.

1 0 0 0 OA 堀部安兵衛

著者
渡辺霞亭 (碧瑠璃園) 著
出版者
隆文館
巻号頁・発行日
vol.前編, 1910
著者
山田 秀秋 谷田 巖 渡辺 信 南條 楠土 今 孝悦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
2020
被引用文献数
1

<p> 石垣島名蔵湾北部および西表島船浦の潮間帯砂泥域において,コアマモおよび他の海草類の被度を調べるとともに,平均潮位からの水深を測定した。干潮時に,ドローンによる空撮も実施した。両海域ともに,ラグーン状の窪地もしくはその周辺にコアマモ群落が広く認められ,コアマモの被度は水深50 cm前後で最も高かった。コアマモの分布面積はいずれも10 ha以上に及び,琉球列島で最大規模の群落とみられた。沖縄ではコアマモ群落の多くが著しく衰退しているが,船浦では,比較的長期間大規模群落が維持されていると考えられた。</p>
著者
渡辺 弘之
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.302-305, 2003-12-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
7
著者
西田 希久代 遠山 幸男 久野 久美 平野 茂樹 出口 裕子 松田 唯子 渡辺 貴志 山関 知恵 板倉 由縁 斎藤 寛子 長谷川 高明
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.207-213, 2009 (Released:2009-05-15)
参考文献数
12

がん患者は複雑な痛みをさまざまな言葉で表現する. こうした表現から薬剤の効果を推測することができ, 適切な疼痛緩和へつながると考え, 本調査を行った. がん性疼痛のある患者164名から, 529語(108種類)の痛みの表現を収集し, 使用頻度の高い痛みの表現に対するオピオイドおよび非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の効果を評価した. その結果, 「重い」や「どーん」という表現はオピオイドが効きやすく, 「しびれ」や「ぴりぴり」はオピオイドが効きにくい表現であることが推測された. 医療従事者は, 患者の言葉に耳を傾け, 患者の痛みを把握することが重要であり,このことが良好な疼痛緩和につながると考える.Palliat Care Res 2009; 4(1): 207-213
著者
高嶋 香苗 渡辺 輝也 周東 和好
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.49-70, 2017 (Released:2017-06-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Most junior and senior high school students dislike long-distance race in physical education classes, even though many adults enjoy running marathons or spectating at middle- or long-distance races at track and field meetings. The purpose of this study was to develop a new approach to teaching long-distance races in physical education classes, enabling students to enjoy learning tactics for long-distance races in track and field athletics. Tactics for long-distance races were first characterized by analyzing the pace of the women's world record 1,500 m race (3′50″07) and the winning race in the 2015 world championship (4′08″09), won by Genzebe Dibaba, the women's 1,500 m world record holder. This analysis showed that the tactics of a long distance race can be classified into two types: 1) to maintain a pace for improving upon one's record (“tactics for record”) and 2) to compete making use of a slow start, pace changing, and a final sprint to win without any thought of records (“tactics for winning”). Secondly, previous reports on physical education practices for long-distance races were collected and analyzed. This analysis suggested that most practices focused on learning “tactics for record,” which would inevitably exhaust learners, and that the positive learning outcomes of these classes might not make up for the negative experience of “exhaustion,” and thus most learners took an instinctive dislike to long-distance races in physical education classes. Thirdly, a new loop course was created, which included a number of “non-passing zones.” This race condition was designed in order for learners to enjoy learning the “tactics for winning.” A learning experiment, for which 20 university students volunteered, was then conducted to test the efficiency of the race condition created. Video analysis of racing by the subjects and a questionnaire investigation showed that most subjects enjoyed learning the “tactics for winning” and competing with other subjects under the race conditions created. From these results, it is concluded that physical education classes for long-distance races enable students to enjoy long-distance races by focusing on “tactics for winning” using the race conditions created.
著者
蒲地 正幸 重松 昭生 渡辺 浩行
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.フォスファチジルコリンとコレステロ―ルとを用い,ロータリーエバポレータ(Haake-Buckler社)にてCL2MDPリポソームを作製した.2.CL2MDPをラットの気管内に投与して肺胞内MFを枯渇させた群とCl2MDPを含まないリポソームを気管内投与した群とにわけて,エンドトキシンによる肺血管透過性の変化について調べた.エンドトキシンの腹腔内投与による肺血管透過性亢進はCl2MDP投与群において抑制されることをエンドトキシン投与後24時間目に^<125>Iと^<51>Crを用いたdouble isotope methodで肺血管外水分量を測定することで確認した.3.次にCl2MDPを血管内投与した場合,肺胞MFの数には影響を与えず,血管内MFはほぼ完全に枯渇する事を確認した.しかしエンドトキシンの腹腔内投与による肺血管外水分量の増加は,気管内投与した場合と逆にCl2MDP投与群おいてコントロール群に比較して高度であった.4.今回の実験においてエンドトキシンショック時の肺障害には肺胞マクロファージが強く関与していることが示唆されたが,Cl2MDPを全身投与することによってエンドトキシンによる肺血管外水分量の増加が増強されたことの理由は不明である.現在,血中のサイトカインやエンドトキシンの動態,またマクロファージ以外の細胞の関与について研究中である.
著者
匂坂 智子 渡辺 成良
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.5-15, 2009-05-31 (Released:2019-03-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Recently beginners’ programming courses for university freshmen have high number of dropout and low achievers. To find the cause of this problem, this study investigated into students in beginners’ programming course based on learning strategies and programming test with gradual level. These investigations have two research questions: 1) What kind of learning strategies students have, which affect their grade and learning performance? 2) What type of questions in the programming test students cannot answer, and in particular the differences in the unanswered questions that exist among four student groups with the learning levels. The result shows the evident differences about the learning strategies and the programming test among the four student groups with the learning levels. Additionally this study did discriminant analysis to classify these four groups and shows equations that can classify more than 85% of all students correctly. We finally give some learning support-rules for the programming course.
著者
伊藤 毅 渡辺 剛弘
出版者
Japan Wetland Society
雑誌
湿地研究 (ISSN:21854238)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.7-18, 2020 (Released:2020-08-10)
参考文献数
57

近年,過剰捕獲,人工孵化への過度な依存,産卵場所の減少により,サケの保全は危機的状況に置 かれている.サケは自然界の食物連鎖の中で湿原生態系を維持する役割を担うキーストーン種である 一方,人間社会においては,サケは生業としての漁業を成り立たせる重要な資源であり,両方の世界 の健全な将来のために必要不可欠な役割を担っている.本稿では,サケの保全に重要な役割を果たす 湿地に焦点を当て,特に,ラムサール条約で保護された日本最大の湿地である釧路湿原におけるサケ の自然産卵がいかに産業としてのサケ漁業と湿地の豊かな生態系の保全の両方に有用であるかを検証する.最初に,サケの自然産卵を通じた湿原生態系の保護が流域生態系にもたらすポジティブな影響を北米の事例を中心に取り上げ,次に,社会・生態システム分析を用いて,開発が進んだ明治から今日までの釧路地方の発展の歴史の中でサケと湿原を中心とした流域生態系がいかに変化してきたかを検証する.そこから明らかになったことは,林業,酪農,サケ増殖などの近代的産業が盛んになったため,人間社会とサケを中心とした流域環境の間で生態系サービスとスペースをめぐる競争が激しくなり,サケ捕獲のポイントは釧路川上流域から徐々に湿原の中心部そして河口域に移された結果,繊細かつ複雑に絡み合ったサケを中心とした流域生態系が崩れることになった.本稿は,人工孵化への過度な依存を見直し,自然産卵ができる環境とそれを促す社会システムを考えることで,釧路川流域の生態系の再生と地域社会の創生の両方につながることを提示する.
著者
鎌田 佳伸 渡辺 瞳
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.188, 2003

【目的】ミシン刺繍では刺繍作業中に糸切れが発生することがある。刺繍は基布に刺繍糸を縫いこんでいくが、その過程において糸が多層に重なり合う場所も存在する。したがってミシン刺繍は、通常の縫合縫製と比べ糸の負担が大きくなることが予想される。しかし、糸切れの原因については、縫糸メーカーや、ミシンメーカーにおいても特定されていないと言われている。そ二で、ミシン刺繍による糸切れの原因究明を行った。【実験】刺繍ミシンはジャノメメモリークラフト10000、基布はデニムを使用した。刺繍糸は、各種メー力ー製6種、色別を15種用いた。糸切れの発生し易いパターンを用いた糸切れの状況、円形等の基本的パターンを用いた糸の寄り戻り、さらに糸の物性も調べた。【結果】糸切れの原因は熱による溶断ではなく、機械的損傷であることが切断面の観察から分かった。糸の色に関しては、白やベージュなどの淡色系に比して黒や紫の濃色系は糸切れしやすかった。糸の種別(メーカー別)では、糸切れし易い糸とし難い糸に分けると、糸切れしやすい糸は撚が甘く擦過強度比(擦過による損傷比)が大きかった。糸切れし難い糸はその逆であった。ただし、撚が強く、擦過に強くても原糸がアクリルの刺繍糸の場合には糸切れし易かった(他はポリエステル糸が使用されている)。これは素材の弱さにその原因があると思われる。
著者
松田 健 渡辺 澄夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J93-A, no.4, pp.300-308, 2010-04-01

混合モデル,ニューラルネットワーク,ベイジアンネットワークなどの特異モデルは情報工学において広く使われている.近年,特異モデルの学習の精度が特異点解消定理による代数幾何学的な方法によって明らかにされた.本論文では,重み付きブローアップによる学習係数の新しい算出方法を提案し,混合多項分布への応用によってその有用性を示した.
著者
渡辺 航太 吉田 祐文 松村 崇史 相羽 整 八代 忍
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.31-34, 2004-01-01

19歳女.自転車運転中,乗用車に左側より衝突されて受傷した.多発肋骨骨折と血気胸,左上腕骨頸部骨折,左両下腿骨骨折,両肺挫傷と胸椎異常がみられ,更にTh8の脱臼骨折を認めた.受傷機転となった外力の加わった方向と椎体の転位方向に関して,全ての過去の報告の側方脱臼骨折例では脊柱変形の凸側に外力が加わっており,本例では凹側に加わっていた.ほかの全ては上位椎体は凹側に転位しているが本例では凸側に転位していた.本例では麻痺は伴っていなかったが,脊髄は脊柱管内に突出した骨片により圧迫されており,三つのcolumnが全て損傷している不安定骨折であったため,脊柱の安定性獲得と遅発性麻痺の予防のために手術を施行した.治療法決定には麻痺の程度や骨折型を十分に検討する必要があると考えられた
著者
山内 正仁 山崎 順一 渡辺 敏英 三橋 政次 安藤 孝 横田 明俊 久保山 智司 油谷 崇志 鈴木 崇弘 岩田 佳之 村上 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 25.75 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.27-32, 2001-11-16 (Released:2017-06-23)
参考文献数
10

これまでに、ハイビジョンカメラを宇宙で使用した場合、CCD上に白傷が多数発生することが確認され、映像劣化の観点から、映像素材や科学的データの取得に際して障害となることが報告されている。本報告では、CCDの耐放射線特性を調べる目的で、ハイビジョン用のCCDに対して地上照射実験を実施したので、その結果を報告する。