著者
加藤 進 前田 陽一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.127-127, 2008

近年における人間とのインタラクションを目的としたヒューマノイドロボットの研究は急速な発展を遂げており、工学的な分野だけでなく心理学、哲学、医学的分野からのアプローチが積極的に行われている。しかしロボットと人間とのコミュニケーションにとって最も重要な心についての研究は始まったばかりである。本研究室においても人工感情モデルについての研究が進められており、情動と神経修飾物質と強化学習システムにおけるメタパラメタの関連性に基づく情動行動学習システムを構築してきた。 本研究では本システムをより現実の生物の挙動に近づけるために、ストレス反応を有する情動行動学習システムを提案する。この情動行動学習システムを組み込んだ生物エージェントを仮定したシミュレーション実験を行いその有効性を検証した。また感性評価実験として被験者である人間がエージェントの動作から感じた情動とシステムの情動との比較を行った。
著者
浜田 陽子 綾部 園子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.306-313, 1992-11-20
被引用文献数
1

温度および湿度を調整したフードストッカーおよび対照として室内暗所に14種の乾物を12か月間保存し,その品質を評価した。結果は以下の通りである。1.フードストッカーに保存した乾物は,全般的に対照に比べて低水分に保持されていた。2.フードストッカーに保存した乾物の晶質は,対照に比べて有意に劣化の少ないことが官能検査によって認められた。特に米,千ぴょう,切り干大根,かつおげずり節およびのりなどは効果的であった。3.客観的測定においても,乾物のもどし時間,軟化に要する加熱時間,小麦粉のグルテン採取量およびのりのパリパリした感じたとは,保存環境による有意差が認められた。4.12か月後にはフードストッカーに保存しても晶質は低下し,煮干し,乾椎茸およびローリエの感覚的評価における対照との差は小さくなった。又,加熱時の豆の軟化に要する時間や高野豆腐のもとし時間は遅延した。5.乾麺およびこしょうは保存条件による影響をほとんど受けなかった。
著者
倉田 陽平
出版者
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 観光科学域
雑誌
観光科学研究 (ISSN:18824498)
巻号頁・発行日
no.5, pp.159-165, 2012-03
被引用文献数
2

筆者らは「訪日外国人に対する旅行サービスの高度化」を目指した研究プロジェクトに東京大学・JTBとともに取り組んでいる。本稿では,このプロジェクトの一環で開発された「旅行プラン作成支援システム」について報告する。このシステムでは,地図上に表示された旅行プランを見ながら,訪れたい/訪れたくない観光資源を指定したり,プラン全体の性格を指示したり,滞在時間や起終点を調整したりして,探索的かつ能率的に各自の好みにあった旅行プランを作成していくことができる。このシステムによってインターネットを介していつでもどこでも多様な言語によって旅行プランの相談ができるようになるため,日本を訪れる外国人旅行者にとって有用なツールとなることが期待できる。
著者
原田 陽子
出版者
別府大学文学部芸術文化学科
雑誌
芸術学論叢
巻号頁・発行日
no.18, pp.57-57, 2009-03

09卒業制作展卒業制作作品マンガ・アニメーションコース
著者
太田 陽子 松田 時彦 平川 一臣
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.109-128, 1976-10-30 (Released:2009-08-21)
参考文献数
28
被引用文献数
14 9

The Noto Peninsula, which projects northeastwards from central Japan is the largest peninsula in the area along the Sea of Japan. This peninsula mostly consists of low relief erosion surfaces and marine terraces truncating the Neogene rocks. Many active faults which displace these geomorphic surfaces as well as alluvial fans are observed as shown in Fig. 1. Figures 2 to 12 represent the detailed topographies and profiles near and across the active faults. All the active faults are expressed as clear fault scarps or scarplets, and most of them are reverse faults with upwarping of the terrace surfaces on the upthrown side.Active faults in this peninsula are classified into three types according to their bearing on geomorphic development. Type I is the first order active fault which resulted in the differentiation of mountain blocks as indicated in Fig. 1. Bijosan I, II and Sekidosan Faults belong to this type. Ochi Depression delineated by these faults at both margins is a kind of ramp valley in a restricted sense rather than graben, as shown in Fig. 13. Fault scarplets at younger uplifted fans (L1) indicate the faulting has still continued until recently. Type II is the second order fault, represented by large scale height difference of marine terraces, and caused subdivision of each mountain block. Togigawa and Sakami Faults belong to this type. All the other active faults except those mentioned above belong to type III, which has resulted in local deformation of marine terrace surfaces. Faults of this type are usually less than 2km in length and less than 20m in vertical displacement. It is especially interesting that the seaward portion of terrace surfaces generally upthrust against their inland parts. Therefore, active faults of type III can be easily recognized by such an abnormal inland-facing scarplet on terrace surface.Active faults in this area are listed in Table 3. It is noticed that the rate of faulting is always more than 10cm/1, 000 years in types I and II, while it is usually less than that in type III. The amount of vertical displacement even in type III is, however, thought too large to be caused by a single earthquake, so that repeated faultings must be considered.Direction of principal axis of maximum compressive stress is N40-60°W, which is inferred from the frequency distribution of trend of active reverse faults shown in Fig. 14. Fault mechanism of a destructive earthquake of 1933 shows also a maximum pressure direction of approximately E-W, probably with a reverse faulting. The direction above mentioned is almost the same as that in the inland areas of central Japan. It is noteworthy, however, that there is a clear difference in fault type between the Noto Peninsula and the other areas of central Japan where strike-slip active faults predominate.
著者
池原 瑞樹 山田 耕三 斉藤 春洋 尾下 文浩 野田 和正 荒井 宏雅 伊藤 宏之 中山 治彦 密田 亜希 亀田 陽一
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.231-236, 2001-06-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

造影CT画像と単純GT画像におけるCT値の差によって, 肺野微小病変の質的診断を試みた報告はある. しかし造影thin-section CT (以下造影TS-CTと略す) 画像のみでのCT値の解析でその質的診断を試みた報告は少ない. 今回, CT画像上充実型を呈する肺野末梢微小病変を対象として, CT画像による質的診断を目的に造影TS-CT画像におけるCT値の解析を行った. 対象は, 最近3年間に当施設で切除された20mm以下の肺野微小病変47例である. 組織型は原発性肺癌が23例, 転移性肺腫瘍が6例であり, 非癌性病変は18例であった. CT画像は造影剤35mlを経静脈的に0.8ml/秒の速度で注入を開始し, その50秒後の画像である. CT値は病変内に真円に最も近い最小のROIを作成し, 病変の中心部と大動脈中心部の平均CT値を測定した. 結果は, 原発性肺癌では非癌性病変に比べて “病変部のmean CT値” および “病変部のmean CT値と大動脈のmean CT値の比” のいずれも高値を示し, 有意差を認めた. 以上より, 造影TS-CT画像でのCT値の計測は, 充実型を呈する肺野微小病変の質的診断に寄与する可能性が示唆された.

1 0 0 0 OA E型肝炎の臨床

著者
矢野 公士 玉田 陽子 八橋 弘
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.188-194, 2009 (Released:2009-02-05)
参考文献数
32
被引用文献数
2

E型肝炎は世界中に遍在している疾患である.本邦では,遅くとも1980年ごろには散発的なE型肝炎の発生がおこっており,近年増加傾向にある.E型肝炎ウイルスには4つの遺伝子型があり,このうち本邦に土着しているのは3型および4型である.元来熱帯地方で報告されてきた1型ないし2型とは異なった疫学,臨床的特徴を示す.3型と4型との間にも相当の地理的分布,臨床的差異が存在し,4型HEVはE型急性肝炎の重症化と関連している.本稿では,近年明らかになってきた,本邦におけるE型肝炎型肝炎の現状,ならびに疫学と遺伝子型を中心としたE型肝炎の臨床的特徴について述べる.
著者
藤田 陽子 我部 政明 前門 晃 桜井 国俊 Fujita Yoko Gabe Masaaki Maekado Akira Sakurai Kunitoshi
出版者
藤田陽子
巻号頁・発行日
2015-03

2012(平成24)年度~2014(平成26)年度(*2015(平成27)年度期間延長)科学研究費助成事業基盤研究(B)成果報告書 / 研究概要:本報告書は,3年間にわたる事業の成果としてまとめたものである。できる限り多角的に基地環境問題を捉えるため,研究チームのメンバーに加え,本研究課題の研究協力者にも論文執筆を依頼した。以下,掲載論文を簡単に紹介する。我部論文「化学兵器の沖縄からの撤去をめぐる日米琉関係」は,1971年の米軍の沖縄からの化学兵器撤去に関する米国政府等の意思決定過程を中心に,日米両政府聞における政治的思惑や,沖縄側の葛藤などについて分析している。前門論文「沖縄県における米軍基地と赤土流出」は,自然地理学の立場から,沖縄における米軍基地からの赤土流出の現状についてキャンプ・ハンセン周辺を中心に分析し,基地内裸地からの流出量が桁違いであることを指摘し,問題解決の必要性を訴えている。桜井論文「返還米軍基地跡地の浄化に関する日韓比較」は,本研究課題期間における複数回にわたる韓国調査に基づいている。同じように在外米軍基地の返還跡地の汚染や浄化の問題を抱えながら,土地所有形態の違いや地位協定の内容により大きく異なる状況にある沖縄と韓国を比較し,問題の根底を明らかにしている。川瀬論文「米軍基地を維持するためにどれだけ財政負担しているか」では,思いやり予算や特定防衛施設周辺整備交付金等,米軍基地を巡る様々な予算について客観的な財政分析を行い,それらの目的や根拠の不明瞭性を明らかにするとともに,米軍基地を沖縄に置き続ける理由となっていることを指摘している。林論文「米軍基地返還の意義」は,横田基地の軍用機騒音による社会的費用を推計するとともに,跡地利用推進特措法の役割の検証,そして軍事基地環境問題を考える上で,従来の経済計算の不備を指摘,「生の破壊を考慮に入れた経済学」の必要性を論じている。 Smith論文"Trouble in Paradise?US Military Forces Abroad,American Environmental Law,and the Law of Jurisdiction"は,在外米軍基地所在地での米国環境法の適用について論じている。たとえば普天間飛行場の辺野古移転に関しては,仮に米国連邦絶滅危慎種法等がされるとするならば,移転計画自体が中止されなければならないとしている。Davis論文"When the Bombs Stop: Environmental Issues after Military Base Closures"では,グアム,ハワイ,ヴィエケス島(プエルト・リコ)の各地における米軍基地による環境問題が地域の自然や社会に深刻な影響を与え,また基地使用終了後も同エリアが自然保護区に指定されるなどしてその歴史が隠されてしまう事実を示し,こうした現状は一種のコロニアリズムであるとも指摘している。これらの研究論文を通して,沖縄を中心に,韓国,ハワイ,グアム,ヴィエケス島といった同様の問題を抱えつつもその背景や現状を異にする複数の事例を比較することが可能となった。今後は,植民地支配や地域併合などの歴史的背景,地位協定に規定されている費用負担責任やホスト国の権限の差異,あるいは現在直面している安全保障上の問題との関連などに関するさらなる検証と,問題解決に向けたより具体的な提言が求められる。本報告書はその作業に向けたスタートに立つものであり,また本課題による研究活動が軍事基地環境問題を科学的・客観的に考察するための学術連携の基盤をなすものと考える。
著者
東田 陽博
出版者
日本DDS学会 = Japan Society of Drug Delivery System
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.310-317, 2013
被引用文献数
2

オキシトシンは脳内に放出され、扁桃体をはじめとする「社会脳」領域を介して社会性行動、特に信頼を基礎とするあらゆる人間相互間活動に影響を与える。オキシトシン遺伝子や受容体、オキシトシンの脳内分泌を制御するCD38などがそれらの機能を司る。オキシトシンの鼻腔単回投与により健常人、自閉症スペクトラム障害者ともに、目を見るなどの対人関係行動の改善や促進があり、連続投与により、社会性障害症状の改善が報告されている。オキシトシンの末梢投与により、オキシトシンは脳脊髄液中や脳内へ移行すると思われるが、まだ十分な証拠はなく、移行の分子メカニズムを含めて、今後の研究が待たれる。