著者
グェン ホアイソン 牧野 義樹 リム アズマン オスマン 丹 康雄 篠田 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.31-36, 2012-04-05

空調システムは快適な環境を作り出す一方、住宅エネルギー消費の大きな部分を占めている。住宅における省エネルギーを実現するために温熱環境を含んだ空調システムの挙動をサイバーフィジカルシステムとして総合的に理解することが重要である。我々は住宅における温熱環境のシミュレータの開発をすると共にシミュレーションの精度向上のためのパラメータ同定を行い、実験結果の妥当性を実環境の計測データを比較することで検証してきた。本稿では開発したシミュレータの詳細を述べた上でシミュレーション結果と実験結果との比較を行う。
著者
深田 陽久 橋口 智美 柏木 丈拡 妹尾 歩美 高桑 史明 森岡 克司 沢村 正義 益本 俊郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.678-685, 2010 (Released:2010-10-11)
参考文献数
33
被引用文献数
6 9

養殖ブリの高付加価値化を目的として下記の試験を行った。試験 1 ではユズ果汁をブリ飼料に添加することによって血合筋の褐変を抑制できるか検討した。飼料 1 kg にユズ果汁を段階的に添加し,ブリ幼魚に 40 日間給与した。ユズ果汁の添加によって,成長を損なう事無く,血合筋の褐変が抑制されていた。試験 2 としてユズ果汁を添加した飼料を 30 日間与えたブリの筋肉中からユズ香気成分の検出と同定を行い,香りの成分が果汁を添加した飼料より移行し,蓄積されたことを明らかにした。
著者
織田 修平 水島 昌英 古家 賢一 羽田 陽一 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.388, pp.41-46, 2004-10-21
参考文献数
7
被引用文献数
3

聴覚障害者支援を目的として,日常生活における様々な警告・報知音を,鳴動パターンを保持したまま振動で伝達する方法の検討を進めている.この方法の特徴は従来のように機械が音を識別して文字などでユーザヘ伝達するのではなく,ユーザ自身が音の種類をその鳴動パターンを手がかりにして判別することにある.聴覚障害者が振動の鳴動パターンのみで判別が可能かどうかを検証するため,まず最も鳴動パターンから判別がしやすいと思われる家電製品等で用いられるビープ音による「報知音」を対象に,健聴者,聴覚障害者それぞれを対象とした実験を行った.その結果,聴覚障害者は健聴者が音で報知音を聞く場合と同程度の判別力をもつことがわかった.さらに事前に情報を与えると判別力が向上することを確認した.
著者
柿崎 淑郎 前田 陽二 辻 秀一
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013-IS-124, no.1, pp.1-7, 2013-05-31

本稿では,属性を集約して管理する属性プロバイダ [1] において,ユーザの代理人として属性交換を制御する e-執事を提案する.e-執事は属性プロバイダの一機能として,サービスプロバイダからの属性要求に対して,属性交換の可否を判断したり,属性開示の粒度を設定したりする.また,e-執事は属性交換の履歴を記録することで,ユーザが把握しきれない属性交換の全容を管理し,ユーザを支援する.
著者
千葉 昌幸 漆嶌 賢二 前田 陽二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.676-685, 2006-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
5

インターネットおよびE コマースの進展により,氏名,住所,資格情報などの"個人属性" 情報がインターネットを通じて様々な場所で交換されているが,同時に個人情報漏洩のリスクもまた急速に大きくなってきている.インターネットサービスにおいても個人情報保護法を遵守し,適切に個人属性を管理できる仕組みが求められている.本稿では,オープンな標準技術に基づき相互運用性の高い環境の下,個人属性を安全に交換,管理する情報化基盤「属性情報プロバイダ」を提案する.属性情報プロバイダは,運用システムの安全性について第三者機関の認定が得られた複数のサービス事業者により構成されるものである.利用者は,属性情報プロバイダに個人属性を登録および委託することで,以後は直接取引相手に渡すのではなく,利用者の同意を得たサービス提供者にのみ属性情報プロバイダを介して個人属性を安全に渡す.ネットワークプロバイダ,PKI などとともに今後,情報ネットワークの重要な基盤になると期待される.According to explosive growth of the Internet and e-commerce "personal attribute" information such like a name, a postal address and some qualifications have been exchanged on it. However privacy risk has been rapidly raised at the same time. Thus proper personal attribute management has been required conforming to the Personal Data Protection Law enacted in April 2005. In this paper we will propose the "Personal Attribute Provider" which is an infrastructure for secure exchange and management of personal attribute based on open standards that will provide higher interoperability. Some part of personal information will be registered and entrusted to the provider which should be founded by trusted authorized organization then user, attribute provider and service provider which can be online shopping site can exchange the personal attribute on the agreement with the user. Distributed management of personal attribute which relies on the federation of multiple attribute providers can reduce irreparable damage of privacy and digital signature technology used in the attribute provider can offer authenticated personal attribute to service provider. This paper describes the investigation result for it as it should be important commonly used infrastructure on the information network as well as network providers and PKI are in the future.
著者
安梅 勅江 田中 裕 酒井 初恵 宮崎 勝宣 小林 昭雄 天久 薫 枝本 信一郎 伊藤 澄雄 篠原 亮次 杉澤 悠圭 澤田 優子 童 連 田中 笑子 冨崎 悦子 望月 由妃子 渡辺 多恵子 恩田 陽子 徳竹 健太郎 平野 真紀 森田 健太郎 AMARSANAA Gan-Yadam 川島 悠里 難波 麻由美 呉 柏良 丸山 昭子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

経年的な子どもの発達、社会適応、健康状態、問題行動の発現への影響を踏まえ、科学的な根拠に基づく「気になる子ども支援プログラム」の開発を目的とした。全国の0~6歳児と保護者約36,000組の12年間パネルコホート調査を用い、子どもの特性別に発達の軌跡と関連要因について分析した。その結果、家庭環境要因、子ども特性要因、家族特性要因、地域サポート要因の子どもの発達への影響の大きさと軌跡を明らかにした。
著者
藤林 真美 梅田 陽子 松本 珠希 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.336-344, 2011-04-01
参考文献数
32

多様化した現代社会の中で,ストレスを抱える人口が激増している.ストレスも長期にわたると精神障害の発症を招く可能性が指摘されており,心の健康の維持・増進は重要課題である.本研究では,一般社会人20名を対象として予防的観点から運動トレーニングを4週間介入,介入前後に安静時心電図を測定し心拍変動パワースペクトル法を用いて自律神経活動を分離・定量化し,さらに質問紙法(Center for Epidemiologic Studies Depression:CES-D)を用いて抑うつ傾向を評価した.運動トレーニングの介入により,Δ心拍数とΔCES-D,および副交感神経活動を反映するΔHFとΔCES-Dに有意な強い相関を認めた.これまで運動トレーニングが身体および心理的な改善作用を有することは数多く報告されているが,本研究より,身体と心の改善は独立した変動ではなく心身相互作用である可能性が示唆された.
著者
伊藤 宏之 中山 治彦 藤田 敦 石和 直樹 池原 瑞樹 田中 学 山田 耕三 野村 郁男 野田 和正 亀田 陽一 密田 亜希
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.132-135, 2000
参考文献数
6

症例は34歳男性。5年前に近医で右肺野の腫瘤陰影を指摘され, mucoid impactionを伴ったcystic brochiectasisと診断された。1999年3月, 健康診断で胸部異常陰影を再度指摘され, 4月26日に当院を紹介受診した。胸部CTでは, 右B^6bを中心に経約4cmの気管支に沿って拡がる樹枝状の, 内部に一部空洞を伴った充実性腫瘤陰影を認めた。この空洞にcystic brochiectasisに特徴的所見とされるair fluid levelがないことから, 気管支鏡検査を行ったところ, B^6内腔を閉鎖する赤紅色の易出血性のポリープ状腫瘤を認め, 生検によりatypical carcinoidと診断された。6月10日, 右下葉切除およびR2a郭清を施行した。摘出標本の病理組織所見においても, B^6より出現した腫瘍が気管支を拡張しつつ, 長軸方向への気管支内発育をし, 樹枝状の形態をとっていたことが確認された。また画像上腫瘍内部に認められた空洞は, 腫瘍末梢の嚢状の拡張気管支であることが判明した。
著者
田代 隆義 吉田 誠史 深田 陽一 坂本 健 梶山 義夫 吉本 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.410, pp.7-12, 2012-01-19
被引用文献数
2

10G-EPONシステムのモバイルバックホール適用や幅広い新サービスの提供を目的に,周波数および時刻同期機能を実装した試作装置の性能評価結果を報告する.OLTは外部リファレンス信号(GPs受信装置の10MHz正弦波・1PPS・ToD等)を入力可能とし,周波数および時刻同期を行う.OLT-ONU間においては,SyncE(網同期クロック転送)による周波数同期と,802.1ASプロトコルに従う時刻情報転送および時刻補正により時刻同期を実現する方式を採用した.また,より高精度な同期機能実現を日的に,物理層で得られた回線抽出クロックを用いて時刻情報の補正を実行する構成を採用した.これらを実装した試作機を作成し,高精度な同期性能が得られたことを確認したので報告する.
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.1-6, 2008-12-11
参考文献数
8
被引用文献数
5

2011年7月のBSアナログ放送の終了により解放される3チャンネルと2000年の世界無線会議(WRC-2000)で新たに追加割り当てされた4チャンネルが新たなデジタル放送に利用可能となる。これらのチャンネルでは従来のISDB-Sに加え、2008年7,月に情報通信審議会から答申された高度衛星デジタル放送方式も利用可能となる。本方式では、LDPC符号と低ロールオフ率0.1を採用し、伝送容量をISDB-Sに比べ30%以上拡大できる。ARIBでは本方式の審議の過程で機能と性能を確認するため、擬似中継器と放送衛星を用いた実証実験を行った。本稿ではこの実証実験の詳細について報告する。
著者
古野 小百合 村田 忠彦 坂口 りつ子 藤井 淑子 竹久 文之 浜田 陽子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.306-309, 1991-11-20
被引用文献数
2

1.日頃よく食べ慣れているフルーツ21品目について,5段階による評定法で得られたデータを主成分分析することによってフレッシュ軸とカジュアル軸とで構成されるフルーツのイメージマップを作成できた。2.このマップ上では,フルーツを6つの群に分類することができ,それぞれ庶民的フルーツ群,季節フルーツ群,イメージ先行フルーツ群,柑橘系フルーツ群,ジュースレスフルーツ群,ハイクラスフルーツ群と名付けることができた。3.東北,関東,関西,九州の4地域別にこのイメ一ジマップを比較したところ,地域による差は大きくはなかった。4.生産地であることがそのフルーツのイメージに若干の影響を与えている傾向がみられた。即ち,南下するにしたがい身近度が高くたるものはびわ,巨峰,パイナップルであり,又小さい動きであるがさくらんぼ,りんご,桃,メロンについてはさかやか度がアップした。
著者
星野 周弘 原田 豊 野田 陽子 矢島 正見 米里 誠司 加門 博子 田村 雅幸 麦島 文夫
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、今日のわが国において非行の発現・深化の過程がどのような要因の影響によって生じているかを明らかにすることを目的とし、非行少年・一般少年に対する質問紙を用いたケースコントロール型の調査と、公的記録による追跡型の調査とを組み合わせたデザインによって実施した。平成12年度に行った先行研究のレビューに基づいて、平成13年度に、公立中学校の第2学年に在学中の少年(コントロール)と、非行をして警察に補導された同学年の少年(ケース)とに対し、同一の調査票による調査を実施した。平成14年度〜15年度には、非行少年に対する質問紙調査を継続するとともに、非行少年の非行反復状況を警察記録によって調査した。調査対象地は大阪府であり、最終的な分析対象者は、非行少年289人、および一般の中学2年生2,046人である。非行少年と一般中学生とを対比した分析の結果、家族との情緒的関係や父母の養育態度の悪さ、逸脱的な友人との相互作用、中学校入学以前の問題行動や中学校での学業不振、学校の規則や行事への関与の低さ、衝動性・攻撃性・興奮追求傾向・反抗性の高さ、および自己効力感の低さが非行のリスクファクターとなること、問題行動を許容しない保護者の厳格な姿勢、友人による遵法的活動への勧誘、地域における人々相互の親しいつきあいや少年の健全育成活動などが非行のプロテクティブファクターになることが明らかになった。非行反復状況に関する分析の結果からは、分析対象者の約4割が本件以外にも非行で警察に補導されていること、調査対象者の約25%は本件以前にも非行で補導された経験をもっていること、本件以後に再度非行で補導された者の割合もほぼ25%であるが、女子(17%)に比べて男子(27%)の再非行者率が高いこと、学業成績や教育アスピレーション、友人関係に関する項目が、再非行と相対的に強く関連することなどが明らかになった。