- 著者
-
田中 佐知
早瀬 明子
粟津原 元子
香西 みどり
- 出版者
- 一般社団法人 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.5, pp.306-313, 2010 (Released:2014-10-03)
- 参考文献数
- 15
オーブンレンジにおける鶏肉の嗜好性の高い調理方法を明らかにすることを目的として,鶏もも肉を電子レンジ加熱(M)(500W電子レンジ加熱8分間),オーブン加熱(O)(210°Cコンベクションオーブン加熱40分間),それら2つの調理を組み合わせた組合せ加熱(C)(電子レンジ加熱5分間の後オーブン加熱25分間の30分間)の3種類の方法で加熱調理し,調理物の物性測定,官能評価を行った。電子レンジ加熱(M)はオーブン加熱(O)よりも温度上昇速度が高く,内部温度と表面温度の温度差が小さい。また,オーブン加熱(O)は他の加熱よりも重量保持率が低く,電子レンジ加熱(M)は他の加熱よりも柔らかい。官能評価では,外観評価,総合評価ともに,電子レンジ加熱(M)に比べて組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)が有意に好まれ,組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)の好まれ方は有意な差はなかった。よって,組合せ加熱(C)は,好ましい調理を短時間で加熱調理できることから,オーブンレンジに適した嗜好性の高い鶏肉調理が可能な調理方法であることが示された。