著者
田中 佐知 早瀬 明子 粟津原 元子 香西 みどり
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.306-313, 2010 (Released:2014-10-03)
参考文献数
15

オーブンレンジにおける鶏肉の嗜好性の高い調理方法を明らかにすることを目的として,鶏もも肉を電子レンジ加熱(M)(500W電子レンジ加熱8分間),オーブン加熱(O)(210°Cコンベクションオーブン加熱40分間),それら2つの調理を組み合わせた組合せ加熱(C)(電子レンジ加熱5分間の後オーブン加熱25分間の30分間)の3種類の方法で加熱調理し,調理物の物性測定,官能評価を行った。電子レンジ加熱(M)はオーブン加熱(O)よりも温度上昇速度が高く,内部温度と表面温度の温度差が小さい。また,オーブン加熱(O)は他の加熱よりも重量保持率が低く,電子レンジ加熱(M)は他の加熱よりも柔らかい。官能評価では,外観評価,総合評価ともに,電子レンジ加熱(M)に比べて組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)が有意に好まれ,組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)の好まれ方は有意な差はなかった。よって,組合せ加熱(C)は,好ましい調理を短時間で加熱調理できることから,オーブンレンジに適した嗜好性の高い鶏肉調理が可能な調理方法であることが示された。
著者
高岩 義信 九後 太一 伊藤 憲二 五島 敏芳 金谷 和至 棚橋 誠治 小沼 通二 坂東 昌子 受川 史彦 伊藤 和行 田中 正 山脇 幸一 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本における素粒子物理学の発展への道を開いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を保存する記念史料室等で、その資料を近年のアーカイブズ学の知識によってカタログ情報を国際標準に準拠する史料記述の形式で統一的にデータベース化することにより、史料整理と保存の体制整備と利用促進を図った。それにより、未整理であった資料を含め記念史料の全体について把握が可能になり、その管理について見通しが良くなった。さらにそのデータベースは、ネットワーク経由で相互参照(横断検索)が可能なオンライン検索システムを採用して一般向けに提供するための環境づくりを行ったので、当科研費事業の終了後にもその整備と運用の継続が可能になり、様々な研究課題に利用できるようになり、現実にこれらの史料の参照の要求にこたえることが可能になった。
著者
田中 雅一
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.107-134, 2019-09-30 (Released:2020-01-07)

本稿の目的は、セクシュアリティ・ジェンダー体制と呼ぶ社会システムと宗教との関係を考察することである。具体的な事例としてインドのデーヴァダーシーと呼ばれる女性たちと、その中核に位置するエッラッマ女神への実践と信仰を取り上げる。そこに認められる吉と不吉という女性を分断する宗教的観念が女性への差別を正当化していると同時に、宗教が既存のセクシュアリティ・ジェンダー体制を撹乱する要因にもなっていることを指摘する。差別をめぐる女性の分断は日本の文化や社会体制に馴染んでいる者にとっても他人事ではないという観点から、日本においては女性を分断する支配的な言説として貞淑な女性とふしだらな女性という対立が重要であると指摘する。そして、子宮委員長はるの著書を取り上げて、その撹乱的意義を論じる。
著者
住田 勝 寺田 守 田中 智生 砂川 誠司 中西 淳 坂東 智子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.39-46, 2016

In this study, we explored the complementarity of ignorance in the study of learning as a social act and as subject matter in Japanese language education. We explored the influences of "another reader" that reads the text and "another text" that the class has been read, and the resultant ways of reading. We adopted a "Vygotsky Space" as a lens of learning and explained the relation of "another reader" and "another text" through an analysis of learners' protocols in a study of "Takasebune" at an experimental Japanese class. It was found that learners needed peers to appropriate new cognitive tools, and when a learner transformed the cognitive tools into a new usage, they needed peers to talk about the new interpretation. In the "Takasebune" class, where learners compared two scenes chosen arbitrarily, we identified possibilities of new tool use and creating new interpretations. In addition, we identified the significant meanings of the teacher's behavior that influenced learners' study and that encouraged their "Appropriation".
著者
石神 真悠子 江川 愛都沙 江口 怜 田中 智輝 鈴木 康弘 李 舜志
出版者
東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化センター
雑誌
東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化センター 研究紀要
巻号頁・発行日
no.2, pp.25-63, 2017-03-31

2015 年度若手研究者育成プロジェクト採択者ワーキングペーパー(2016年度に高度化センターHP に公開のものを再掲)キーワード:the social, Education, Social Security, Hannah Arendt

2 0 0 0 OA 航空神經症

著者
田中 肥後太郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空學會誌 (ISSN:18835422)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.975-988, 1935-09-07 (Released:2009-07-09)
参考文献数
7

Aeroneurosen sind nach täglichen langen Flugen und mehrmalig wiederholten höhen oder häftigen acrobatischen Flügen semichronisch auslosende psycho-neurasthenischee Symptomenkomplexe. Als Hauptsymptomen sind allgemeine Mattigkeit, Schlafsucht und verschiedene neuropsyasthenischen Symptomenkomplexe gegeben. Author teilte nach Schneider's Idee die Symptomenkomplexe in vier Gruppen und klassifizierte die begegneten Fällen in die Gruppen: 1. Neuropsyasthenische Form. 2. Herz-Gefässstörungs Form. 3. Magen-Darmstörungs Form. 4. Gleichgewichtsstörungs Form. Weil verschiedene Flugunfälle durch die Krankheit herforgeruft werden können, sollen die Arzte, die an Flug beteiligen, vorsichtig darauf wachsam sein, um die Unfälle zu vorbeugen.
著者
山田 篤裕 四方 理人 田中 聡一郎 駒村 康平
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.127-139, 2012-01-20 (Released:2018-02-01)

本稿ではインターネット調査に基づき,主観的最低生活費の検討を行った。その目的は三つある。第一は一般市民が想定する最低生活費を計測することである。第二は主観的最低生活費が,尋ね方によりどれほど幅のある概念なのか,ということを確認することである。第三は生活保護制度と比較し,計測された主観的最低生活費がどのような特徴を持っているか把握することである。その結果,生活保護基準額は,単身世帯を除きK調査(切り詰めるだけ切り詰めて最低限いくら必要か質問)とT調査(つつましいながらも人前で恥ずかしくない社会生活をおくるためにいくら必要か質問)の主観的最低生活費(中央値)の間に位置すること,単身世帯では生活保護基準はT・K両調査を下回る水準となっていること,世帯所得が1%上昇しても主観的最低生活費は0.2%しか上昇しないこと,主観的最低生活費の等価尺度は小さい(=世帯に働く規模の経済性を大きく見積もる)こと,等を明らかにした。
著者
眞弓(田中) 真秀
出版者
日本教育行政学会
雑誌
日本教育行政学会年報 (ISSN:09198393)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.81-97, 2017 (Released:2019-03-20)

In recent years, there have been various reforms of the working conditions and treatment of teachers. For example, a teacher evaluation system has been introduced in both urban and rural prefectures, and there has been a transfer of authority over matters related to teachers’ salaries in compulsory education to ordinance-designated cities.Regarding this matter, my first point is to consider the connection between the personal evaluation system and teachers’ salaries. My second point considers the issue of costs and authority related to the transfer of control of the salary when the financial burden and authority regarding a teacher’s salary are handed over to an ordinance-designated city in urban and rural prefectures due to decentralization. I also discuss whether urban and rural prefectures, which pay the teachers’ salaries guarantee equal working conditions. For my third point, I consider whether the aims of teachers’ unions are reflected in teacher salary systems.
著者
山地 祥隆 古城 直道 樋口 誠宏 山口 智実 島田 尚一 田中 宏明
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2009年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2009 (Released:2010-02-25)

本研究では,ダイヤモンドと被削材種間の標準自由エネルギー変化の計算,および拡散実験の結果により工具の摩耗メカニズムを推定した.その上で,炭素拡散により摩耗させる鉄,酸化物の還元により摩耗させる銅,炭化物の生成により摩耗させるアルミニウムの切削実験により,摩耗形態と耐摩耗性を調査した.その結果,明らかになった事柄について論じる.
著者
田中 裕美子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.216-221, 2003-07-20
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

英語圏の特異的言語発達障害 (SLI) は文法形態素獲得の遅れを主症状とする文法障害である.5歳での発現率は7.4%で, 言語障害は青年期まで長期化する.SLI研究法は, 理論をデータから検証するトップダウン方式が中心であり, 異言語間比較が理論追求に寄与するところが大きい.本研究では, 幼稚園でのスクリーニングにより同定したSLI群, 健常群, 知的障害児群とで, 語順や名詞数という言語学的要因を変化させた文理解成績を比較した.その結果, SLI群では健常の言語年齢比較群や知的障害群とは異なる反応パタンが見られ, 言語情報処理能力の欠陥説を支持した.さらに, 臨床家にSLIと診断された3症例に文理解や音韻記憶課題を実施した結果, SLIの評価・診断法としての有用性が示唆された.言語発達の遅れを「ことばを話すか」という現象のみで捉えるのでなく, 「何をどのように話すか」といった言語学的視点などを含め多面的で掘り下げ的な評価法の確立が今後期待される.
著者
村上 尚 宮本 忠幸 石村 和敬 桑島 正道 田中 敏博 年森 清隆
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

Juvenile Visceral Steatosis(JVS)mouseにはカルニチン輸送担体の活性がない(BBRC223:283,1996)。即ち、ヒトのprimary carnitine deficiencyのanimal modelである。このマウスのオスでは妊よう性の低下があるので、その原因を検索した。研究実績の概要は以下のとおりである。1.原因遺伝子の同定JVSマウスは常染色体劣性の遺伝形式をもつ、単一遺伝子疾患である。原因遺伝子は、第11番染色体上に局在することを、1996年に報告していた。1998年にhuman OCTN2(Na^+dependent carnitine transporter)が報告されたので、mouseOCTN2をclonigし、その第6trnsmembrane domainにあるcodon352のCTG(Leu)が、JVSマウスではCGC(Arg)に変異していることを見い出した。2.精巣の分析JVSマウスのオスは生殖能が極めて悪く、その原因を知る目的で組織学的分析を行った。その結果、精巣上体の体部と尾部の間で、閉塞(6例中5例が完全、1例が不完全)し、完全閉塞の場合、尾部には精子が見られなかった。精巣上体は精子を通過させながら、成熟させていく極めて大切なorganであり、JVSマウスがヒトの閉塞性無精子症のanimal modelになりうる可能性を示した。3..カルニチン輸送に対する阻害剤の発見3-〈2,2,2-trimethylhydrazinium)propionateがカルニチン輸送に対する阻害剤であることを見い出した。将来本研究を推進させるのに有力な武器になりうると考えられた。
著者
遠藤 秀紀 九郎丸 正道 林 良博 大迫 誠一郎 松元 光春 西中川 駿 山本 英康 黒澤 弥悦 田中 一栄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.731-733, 1998-06
参考文献数
11
被引用文献数
4 8

徳之島リュウキュウイノシシ(Sus scrofa riukiuanus)の下顎骨7例を計測し, 奄美大島, 加計呂麻島, 沖縄島, 石垣島, 西表島産102例の既存の計測値と比較検討した.島嶼間で下顎サイズの統計学的検定を行うとともに, 主成分分析により, 各集団間の骨計測学的特徴を把握した.徳之島産資料は, 長径および幅径において, 奄美大島産と沖縄島産より有意に大きく, リュウキュウイノシシにおいて従来から提唱されてきたサイズクラインは, 成立していないことが明らかになった.主成分分析の結果, 下顎の大きさと形は, 特に雌で島嶼集団毎に明確に分離された.形の要素として第2主成分得点を見ると, 徳之島集団は沖縄島集団と類似し, その他の集団と区別できることが明らかとなった.今後蓄積される形態学的データを基に, 各島嶼集団における形態変異の適応的意義が検討され, 各集団間の進化学的相互関係が明確になることが期待される.
著者
菅野 博靖 田中 二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.p694-705, 1989-06-15
被引用文献数
5
著者
田中 日佐夫
出版者
成城大学
雑誌
美學美術史論集 (ISSN:09132465)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.3-12, 1984-08