著者
川上 雄士 円城寺 隆志 毛利 茂樹 田中 宏季 高島 和希
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.195-198, 2007
被引用文献数
2

&nbsp;&nbsp;In this paper, we describe an experimental study of pulsed current sintered binderless tungsten carbide hard metal. The binderless tungsten carbide is expected to be a highly precious mold material used under high temperature and harsh conditions.<br> &nbsp;&nbsp; Low temperature and rapid sintering are achieved by the pulsed current sintering method. The developed material has more than 99% of relative density and Rockwell hardness of 96.5[HR30N] without applying hot isostatic press. Due to its rapid sintering, the material has fine microstructure and fine surface roughness. The polished surface roughness (Ra) is less than 3 nm.<br>
著者
田中 悟
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.139-160, 2009

子安宣邦による「国家神道」論が提起しようとした問題は、その後の議論において正当に受け止められたと言えるだろうか。本論文は、「国家」や「国民国家」といったタームを手がかりとして、「国家神道」をめぐる従来的な議論に若干の新たな認識視座を導入しようという試みである。宗教学的な「国家神道」研究はこれまで、「神道」研究(の一環)とみなされ、「国家」研究の側面が疎かにされてきた。しかし「国家神道」は、政治学的な「国家」の枠組みにおいても把握が目指されねばならない研究対象である。「神道とは何か」と同時に、「国家とは何か」が問われねばならない。「国家神道」は、両者の問いの相関として議論されねばならないのである。そこで筆者が提示しようとする「国家神道」の新たな認識視座とはすなわち、「国家とは何か」という問いをそれ自体としてまず直視し、「国家」と「神道」との相関を問う、関係論としての「国家神道」論である。
著者
吉田 忠裕 田中 太郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.204, pp.50-53, 2016-06

本社機能の一部を開発・製造拠点が集中する富山県黒部市に移転する。同時に、電力を極力使わないパッシブな暮らしを提案する街の開発を進める。聞き手田中 太郎/本誌編集長
著者
田中 祥司 髙橋 広行
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-7, 2020 (Released:2020-04-24)
参考文献数
28

本稿は,ブランドの本物感における知覚・認知の程度の違いによる階層性に注目しながら,下位ランク(階層)から上位ランク(階層)への移行に影響を与える要因の解明を試みたものである。具体的には,潜在ランク理論を用いた分析によって,ブランドの本物感の階層性(四つのランク)を見出した。同時に,その階層性と本物感を構成する要素との関連について,上位のランクになるほど,物象的から象徴的な要素へと移行することを示唆した。さらに,上位のランクに移行する際に影響を与える要因を検討した結果,企業のこだわりが一貫して重要な要因であること,最初の移行(ランク1からランク2),および,最後の移行(ランク3からランク4)においては,こだわりに加え,感情的関与も重要な要因であることを明らかにした。
著者
田中 俊男
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学, 人文・社会科学, 自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.94-85, 2015-02

本稿では、小学校における長期安定教材であり、国民的童話文学とも言うべき新美南吉「ごんぎつね」を取り上げる。「ごんぎつね」本文の問題に触れた後、第一、二章では教科書と「赤い鳥」という二つの場を想定し、きつねが活躍する他の物語群との相関で「ごんぎつね」をとらえる。第三章では「ごんぎつね」のテキスト分析を試みる。まず情報伝達という観点から反復・反省と遅れの操作を見る。次に「鶴の恩返し」や南吉の他の初期作との共通点を述べ、南吉の作劇術を考察する。
著者
岡崎 好秀 東 知宏 田中 浩二 石黒 延枝 大田原 香織 久米 美佳 宮城 淳 壺内 智郎 下野 勉
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.677-683, 1998-09-25
参考文献数
25
被引用文献数
5

655名の小児を対象として,3歳時と小学校1年生時から中学1年生時までの,齲蝕指数の推移について経年的に調査した。<BR>1)3歳時の齲蝕罹患者率は65.6%,1人平均df歯数は3.80歯であった。<BR>2)中学1年生時の齲蝕罹患者率は93.4%,1人平均DF歯数は4.78歯であった。<BR>3)3歳時のdf歯数は,小学校1年生から中学校1年生までのDF歯数と高度の相関が認められた(p<0.001)。<BR>4)3歳時のdf歯数が0歯群と9歯以上群の小学校1年生から中学校1年生までの永久歯齲蝕罹患者率には,有意の差が認められた(p<0.001)。<BR>5)3歳時のdf歯数が多い群ほど,永久歯のDF歯数も高い値を示した(p<0.05)。3歳時の齲蝕は,将来の齲蝕に影響を与えることから,乳幼児期からの齲蝕予防の重要性が示唆された。
著者
五十嵐 善哉 座波 健仁 田中 規夫 佐藤 創 鳥田 宏行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_229-I_234, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
17

防潮林は,津波に対して流体力低減や浮遊物捕捉などの効果を持つ.その一方で,樹木が破壊され流木化し家屋への被害を増長するリスクも有する.樹木が流木化せずその場にとどまる転倒破壊であれば,津波に対する抗力低減効果と捕捉効果は期待できる.樹木の胸高直径が太ければ破壊されにくくなるが,生育のためには定期的に密度を小さくする必要があり,間伐が行われる.本研究は,樹木破壊を高精度に取り入れたモデルを使用し,北海道のクロマツ間伐条件で生育した防潮林のデータにより,津波減勢効果と樹木破壊状況を評価することを目的とした.樹木破壊の観点では,間伐により樹木を十分に育てて胸高直径,枝下高を大きくした方が良いが,津波減勢の観点では,樹林帯の厚みが大きくなるように,ある程度密度があり,枝下が高くない条件が最もよい.
著者
小林 奈保子 下田 実可子 清水 綾音 川原 正博 田中 健一郎
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-9, 2021-02-05 (Released:2021-02-09)
参考文献数
17

皮膚は表皮(ケラチノサイト),真皮(ファイブロブラスト),皮下組織から構成されており,生体内部の保護や体温調節などの役割を果たしている。また,表皮最下層の基底層にはメラニンを産生するメラノサイトが局在している。一方,紫外線(UV)などの刺激に曝されると,皮膚障害(ケラチノサイトでの細胞死)・メラノサイトでの過剰なメラニン産生・ファイブロブラストでのコラーゲン産生低下が起こる。このように,皮膚がUVに繰り返し曝露されると,酸化ストレスによる障害が蓄積し,シミ・シワを特徴とする「光老化」が引き起こされる。そこで,本研究では,酸化ストレスによる皮膚障害を抑制する精油を網羅的スクリーニングにより発見することを目的として実施した。その結果,ラベンダー精油がケラチノサイト保護とコラーゲン産生低下の回復,ジャスミンAbs.がメラニン産生抑制とコラーゲン産生低下の回復という複数の保護作用を持つことを見いだした。また,これらの保護作用は抗酸化作用を介する可能性が示唆された。今後さらなる解析を行い,酸化ストレスによる皮膚障害を抑制する最適な精油を提案したい。
著者
田中 宏和
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.276-285, 2021-04-15 (Released:2021-04-23)
参考文献数
20

はじめに 2019年末に中華人民共和国湖北省武漢市で初報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はわずか数か月で世界的に拡大し,欧州でも多くの感染者を出した。本稿はオランダにおける2020年7月末までの感染拡大とその対応についてまとめ,新興感染症による公衆衛生の海外での体験を一例として共有することを目的とした。疫学 2020年2月27日に初めての新型コロナウイルス感染症患者が確認されてから感染が急拡大し,第一波は新規感染者・死亡者ともに4月10日ごろにピーク(日別新規感染者1,395人,日本の人口換算で約10,000人)を迎えた。その後,感染拡大は収束したが5月31日時点で感染者46,422人,入院患者11,735人,死亡者5,956人が累計で報告された。死亡のほとんどが60歳以上で発生し,男性は80-84歳で,女性は85-89歳でそれぞれピークとなっていた。地理的な広がりとしてはアムステルダム・ロッテルダムといった都市圏での感染者は相対的に少なく,南部の北ブラバント州・リンブルフ州で多かった。オランダ政府の対応 オランダ政府の対策の特徴は,最初の感染者の確認からわずか2週間で全国的な都市封鎖に追い込まれたこと,比較的緩やかな都市封鎖措置と行動制限を実施したこと,社会・経済活動の再開までに約3か月を要したことが挙げられる。2020年3月12日から段階的に全国的な対策を施行し,3月下旬にルッテ首相がインテリジェント・ロックダウン(Intelligent Lockdown)と呼ぶオランダ式の新型コロナウイルス感染防止対策が形成された。5月中旬以降,子どもに対する規制が緩和されたが対策措置の多くは6月中旬まで続き,段階的な緩和をもって社会・経済活動が再開,7月1日にほぼすべての規制が解除された。それ以降,在宅勤務の推奨,1.5メートルの社会的距離を取ることや公共交通機関でのマスク着用義務化など新しい日常への模索が続いている。おわりに オランダにおける感染拡大防止策は多様性と寛容に裏打ちされたオランダの国民性を体現したものだったが,感染者数および死亡者数は日本より深刻な状況であった。健康危機管理に関する他国の政策の評価には公衆衛生や医療資源の評価とともに,その背景にある社会の特徴を考慮することが重要である。
著者
小田 桂吾 斉藤 秀之 沼宮内 華子 金森 毅繁 糸賀 美穂 田中 利和 小関 迪
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.491, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】格闘技は古代から世界各地に様々な民族の文化を反映し存在している。しかし1993年、アメリカでルールの制約がほとんどないUltimate Fighting Championshipが開催され、世界的に総合格闘技という概念の新たな競技が盛んになっており、日本でもPRIDE,修斗,パンクラスなどの興行が人気を集めている。今回総合格闘技の選手の障害,外傷に関する調査をしたのでここに報告する。【対象】プロの総合格闘技選手11名,平均年齢25.7±3歳,平均身長171.6±6cm,平均体重74.1±12kgで全員男性であった。【方法】個別にアンケートにてコンディション,外傷,障害に関する調査を実施した。【結果】対象者の練習頻度は週5.5回、練習時間は2.9時間であった。対象者全員が今までに何らかの外傷,障害を経験していた。複数回答による疾患部位は耳介(カリフラワー状耳),肩関節,腰部,肘関節が8件と最も多く以下、頸部,手指(7件),下腿(すね),足関節,足指(6件),膝関節,鼻,(5件)手関節(4件),顔面,股関節(3件),頭部,上腕,前腕,胸部,大腿部,ハムストリングス(2件)であった。医療機関で確定診断を受けたものについては腰椎分離症,鼻骨折(3件),頚椎捻挫,膝半月板損傷,膝靭帯損傷,肩関節脱臼,足関節捻挫,足関節骨折(2件),手関節脱臼,手関節骨折,肘靭帯損傷,頚椎ヘルニア,腰椎椎間板ヘルニア,肘関節脱臼,大腿肉離れ,足指骨折(1件)等であった。受傷後入院が必要であった選手は3名、手術を行った選手は2名であった。また受傷後の経過として疾患部位の痛みが残存,慢性化しているが59.3%、完治したのが40.7%であったが現在、医療機関でリハビリテーションを行っている選手はいなかった。【考察】総合格闘技は基本的に「目潰し」「噛みつき」「金的攻撃」が禁止され、投げ技,打撃技(パンチ,キック),関節技,締め技の全てが認められている。関節技を例にとれば選手は対戦相手の正常可動域を越えるように技を仕掛けようとする。すなわち外傷,障害を防ぐのは不可能に近い状態である。実際の試合で決まり手となるのは打撃によるKOを除くと、チョークスリーパー(裸締め),腕ひしぎ十字固め,三角締め,足首固め等が多く、疾患部位にダメージを受けやすい傾向にあると考えられる。またグランドでの攻防ではマウント,ガードポジションというポジショニングが重要になってくるが、これは頸部,腰部に対するストレスがかかると考えられる。今回の調査で選手は疾患部位のリハビリテーションをほとんど行っておらず、慢性的な痛みを抱えながら試合に臨んでいると考えられる。競技能力を高める意味でも今後選手の状態に合わせたアスレティックリハビリテーション及びトレーニングの指導が必要であると考えられる。
著者
遠藤 明仁 加登 麻子 柳澤 成江 田中 寿一 市川 真里 柴崎 鮎美 川井 泰 増田 哲也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.44-50, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
20

わが国は乳・乳製品のうち生乳のみを動物検疫の対象としていたが,2017年11月から新たに乳・乳製品の輸入検疫を開始した.口蹄疫発生地域から輸入する場合,ウイルス不活化のため72℃ 15秒の加熱処理等が求められ,輸入検査では一部の現物で加熱履歴を確認する.乳の加熱履歴確認は,IDF63等に準拠したアルカリホスファターゼ(ALP)活性測定法が有効だが,手順が煩雑で時間を要す.そこで,ALPの反応により生成された蛍光物質量を簡易迅速に測定する手法を基に測定を試みた.種々の条件で加熱したウシ,ヒツジ,ヤギの乳と各種乳製品を供試し,各動物種乳において72℃ 15秒とほぼ同等の加熱でALPが失活することを確認した.今回確立した方法は,IDF63等より簡易で,少量かつ短時間での測定が可能であった.また,材料を懸濁することで各乳製品の加熱履歴確認も可能であった.
著者
田中 浩基 矢島 暁 筒井 裕士 佐藤 岳実 小野 公二 高田 真志 浅野 智之 櫻井 良憲 丸橋 晃 鈴木 実 増永 慎一郎 菓子野 元郎 劉 勇 木梨 友子 密本 俊典
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.128, 2010

京都大学原子炉実験所では硼素中性子捕捉療法用のサイクロトロン加速器を用いた熱外中性子源の開発を行っている。実機のインストールを平成20年10月に完了し、平成21年3月に施設検査合格、中性子発生試験を開始した。陽子電流は1mAを達成し、熱外中性子強度1×10<SUP>9</SUP>(n/cm<SUP>2</SUP>/s)を実験的に確認した。これまで原子炉で行ってきた臨床試験の中性子強度よりも高い熱外中性子束を得ることができた。
著者
田中 秀和
出版者
立正大学社会福祉研究所
雑誌
立正大学社会福祉研究所年報 (ISSN:13449532)
巻号頁・発行日
no.22, pp.75-109, 2020-07-31

Studies focusing mainly on policymakers (bureaucrats, etc.) are one commonly used technique for historical research on public assistance, including welfare systems. These studies include research on the process of establishing welfare law, research on the social history of welfare systems, and analysis of welfare standards and implementation procedures. On the other hand, some research takes a different approach to the pertinent issues, focusing on the welfare case workers who administer welfare on the front lines. This research traces the history of independent research organizations, whose primary members are welfare caseworkers, and describes how, in each era, these men and women diligently struggled in their work, and strived to improve the specialization of their occupation, while being buffeted by changing government policies and measures. The above research describes the history of welfare case workers up to the 1990s, but the modern history of the occupation from that time to today is an unexplored area of research. The goal in this paper is to learn from prior research, and at the same time clarify some of the characteristics and issues seen in the development of modern public assistance, by investigating the modern history of welfare case workers in and after the 2000s. To achieve the above goal, this paper focuses on tracing the history of the relationship between the Japan Society for the Study of Public Assistance, whose members are primarily drawn from welfare case workers, and the comics and television dramas for which the society has provided media supervision. Other issues are taken up as appropriate, such as the history of public assistance research, the image of the welfare case worker occupation, and qualification problems, so that the main theme in this paper may be understood with a multifaceted depth.