著者
炭村 紀子 藤村 裕一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.112-119, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

GIGAスクール構想が始まり,学校現場でのICT活用支援の重要性は高まっている.支援人材として,ICT支援員,GIGAスクールサポーターなどの役割の違いは明確であるが,現場では理解されておらず,多様な支援を求めている.実際に教職員が求める具体的支援に関する研究は不十分である.そこでICT支援の実態調査と実証研究を通じ,その問題点やあり方を検討した結果,授業支援を中心とした「ICT活用教育支援員」への制度変更の必要性が示唆された.
著者
倉島 一喜 小川 晴彦 大家 多喜雄 藤村 政樹 松田 保 小林 勉
出版者
Japanese Society of Allergology
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.160-163, 1991-02-28 (Released:2017-02-10)

喘息発作では粘液分泌の亢進, 粘液線毛輸送系の障害が認められ, 粘液栓の形成や末梢気道の閉塞をきたすと考えられる. サーファクタントは粘稠なゲル層をゾル層と開離させるほか, 末梢気道の開存性に重要な役割を果たしていると考えられる. 今回我々は喘息患者の発作時にサーファクタント吸入療法を行い, その効果について検討した. 方法は喘息発作にて来院した患者11名を無作為に次の2群に分けて治療した. 対照群5名では生食1mlをジェットネブライザーにて吸入し, サーファクタント治療群6名ではサーファクタント TA 10mg(1ml生食に懸濁)を同様の方法で吸入した. 両群とも投与前後で呼吸機能, ガス分析の測定を行い薬剤の効果を検討した. その結果, 喘息発作時, 生食吸入群では, FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2に有意な変化はみられなかった. サーファクタント治療群では吸入後FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2はそれぞれ11.7%, 27.3%, 33.2%, 13.4%上昇した. またPaCO_2には有意な変化は認められなかった. 以上より喘息発作時においてはサーファクタント吸入療法の有用性が示唆された.
著者
藤村 謙次郎 山下 彰久 白澤 建藏 城戸 秀彦 原田 岳 林 哲生 牛島 貴宏
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.27-31, 2009

【目的】当院で2000年以降に経験した化膿性膝関節炎を検討し,今後の治療方針決定に役立てる.【対象および方法】2000年から2008年2月までに当科で化膿性膝関節炎と診断されたのは21例21膝.うち合併症のために最終的に下肢切断術を余儀なくされた2例とACL術後感染1例,真菌性膝関節炎1例を除外して検討を加えた.平均年齢69.5(32~89)歳,男性8例,女性9例であった.手術方法は関節鏡下滑膜切除+持続灌流を基本とし,症例に応じて適宜変更した.【結果・考察】退院時のBallard評価基準はgood 2,fair 13,poor 1,死亡1であった.起炎菌の同定,早急な外科的治療および抗生剤投与が重要であり,また,MRSAは治療遷延化および変形性膝関節症(OA)の進行を招き機能予後を低下させる原因であった.さらに2006年以降の4例中3例はMRSA感染であり,近年のMRSA感染増加が示唆された.
著者
千代田 路子 藤村 亮太郎 田辺 聖子 右田 京子 山形 徳光 重松 康彦
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1059, 2009

<BR>【目的】日本では少子高齢化が進み、核家族化、女性の社会進出、単身生活者の増大に伴い、調理の簡便化や省力化の傾向が見られ、カット野菜に対する消費者のニーズが高まってきている。カット野菜は微生物制御を目的に次亜塩素酸ナトリウム溶液による浸漬処理が広く行われており、微生物的な安全面や生理的・化学的変化について多くの報告がなされているが、栄養成分についての研究はあまり進んでいない。そこでカット野菜として需要が高いレタスについて、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄殺菌処理と水道水による洗浄処理がカットレタスの栄養成分に与える影響を明らかにすることを目的に本実験を行った。<BR>【方法】レタスの外葉及び芯を除去した後、包丁にて4cm四方にカットしたレタスを試料とし、次亜塩素酸ナトリウム溶液(200ppm)浸漬による洗浄殺菌処理と水道水による洗浄処理(1分間、20分間)を行った。その後、調製したカットレタスの各栄養成分[ビタミンC及びミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄)]について定量分析を行った。実験期間は栄養素の季節変動を考慮し、季節ごとに年4回(2007年秋~2008年夏)と設定した。<BR>【結果】調製したカットレタスの栄養成分データについて比較した結果、いずれの栄養成分においても各調製試料間に有意な差は確認されなかった。以上の結果より、洗浄方法の違いによってカットレタスのビタミンC及びミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄)に有意な損失はないことが示唆された。また、季節ごとの栄養素の変動について一定の規則性は確認されなかった。
著者
藤村 真弓
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.2, pp.117-122, 2001-02
被引用文献数
1

この報告の目的は、長期に入院を余儀なくされた児の同胞に対するサポートのあり方を模索して、具体的な方法論を確立する手がかりを見いだすことである。他県より病気治療の為に東京の総合病院に入院してきた児の2歳になる妹に対して、1年間にわたる保育サポーターとの関わりをその記録から分析した。兄の病気が「骨肉腫」と言う重いものであり、都内に親戚がまったく無いことから母しか兄妹の世話をすることが出来なかった。その為、兄の看病と妹の世話を両立することが困難な状況であった。そこで看護者の介入により、民間の保育サポーターを導入して母が兄の看病に専念できる体制を整えた。と同時に妹が、母の不在の時間を出来るだけ楽しく有意義に過ごし、本人の成長発達にプラスになる方向でのサポートを行った。妹と保育サポーターの1年間の関わりとその記録の分析から、長期入院児の同胞が少しでも健全に過ごす事が出来る様、今後は彼らの援助に役立つ質的研究の必要性が示唆された。
著者
藤村 佳奈 吉村 春生 赤羽 理紗 山下 仁
出版者
一般社団法人 日本統合医療学会
雑誌
日本統合医療学会誌 (ISSN:24355372)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.24-33, 2020-05-20 (Released:2021-05-20)
参考文献数
15

目 的 : 鍼灸師による擦過鍼を用いた認知症高齢者のケアの臨床的意義に関して量的手法では評価されていなかった概念を探察するため。方 法 : グループホーム入居中の認知症高齢者に対する施術の観察記録、介護記録、介護者インタビューの収集データから、鍼灸施術に関連した言動や情景についての記述を抜き出し、同質の意味内容を象徴するキーワードにまとめ、質的・統合的な解釈を試みた。結 果 : 擦過鍼施術を受けた11名の認知症高齢者に関する反応や変化に関する記述は、【心地よさ】【怒りの軽減】【気分の改善】【楽しみの追加】【コミュニケーション】【社交性の獲得】【痛みの軽減】【展望記憶の想起】【不満のはけ口】という9つのキーワードにまとめられた。考察・結論 : 擦過鍼施術の物理的特性による【心地よさ】と【痛みの軽減】、および鍼灸師との【コミュニケーション】が、その他の評価概念を示すキーワードにつながっていったと解釈している。これらの観点を踏まえると、鍼灸師による擦過鍼を用いた認知症高齢者に対するケアは、日常的・標準的な介護ケアを補完する役割を担っていることが示唆された。
著者
伊藤 晋 山本 茂一 林 司 加藤 誠司 日裏 久英 松本 雅則 藤村 吉博
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.27-35, 2010

ADAMTS13は,止血因子であるフォンビレブランド因子(VWF)のA2ドメイン内のTyr<sup>1605</sup>-Met<sup>1606</sup>間のペプチド結合を特異的に切断する酵素である.この切断により新たに生じるペプチドのC末端Tyr1605を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いて,基質の切断生成物をELISA法で直接測定する原理に基づいたADAMTS13活性測定法のキット化を行い,そのキットの基本的な性能を評価した.<br> 本キットの最小検出感度は,健常人のADAMTS13活性100%に対して,0.4%と高感度であった.また,調製したプレート内のウエル間の均一性(変動係数(CV)=3.3%)は良好で,濃度の違う検体での同時再現性(CV=1.1~4.7%)及び日差再現性(CV=2.6~7.5%)も良好であった.希釈試験では,原点に回帰する良好な直線性が得られた.またヘモグロビンやビリルビン等の共存物質の影響は,検討した濃度範囲では認められなかった.反応はEDTAで完全に阻害された.<br> 臨床検体及び健常人検体を本キットで測定したときのADAMTS13活性は,健常人プール血漿100%に対し先天性のADAMTS13活性欠損症であるUpshaw-Schulman症候群(USS)で0.5%以下~2.7%,USS保因者群で7.7~85.3%,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)群で0.5%以下~58.1%,健常人で54.7~134.4%と測定され,TTPの診断に必要な判別能を有しており,SDS-agaroseゲル電気泳動法との相関は相関係数(r)=0.931と良好であった.本キットは優れた性能と操作性を有していることから,TTPの診断や血小板輸血時の適否判断などにおいて有用であると考えられた.<br>
著者
藤村 瞳
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.136-165, 2020

<p>While Protestantism brought modernity to indigenous peoples, it sometimes created new types of confusion in local society. Previous literature on the Karen Baptist mission in nineteenth-century Burma tended to focus on missionaries' devising Karen scripts and orthographies, depicting this as the major modern influence of Christianity on Karen speakers. Yet, it is also essential to examine how the invented orthography and printed materials were utilized by Karen evangelists in their oral preaching, in order to understand the vast influence of literacy in the Protestant mission more holistically.</p><p>Analyzing various historical sources in Sgaw Karen from the 1840s, this paper reveals how a set of the Christianized Sgaw Karen vocabulary and expressions was created along with the Bible translation. This new Karen lexicon, heavily reflecting the Christian worldview, was used by Karen evangelists in their preaching. The use of the new Karen lexicon meant that incomprehensible literacy and narration emerged in the Karen world, generating a lexical gap between the converted and non-Christians. That the new incomprehensible narration was pivotal in the mission to preach God's word suggests that modern Karen literacy, despite its modernity, emerged in the Karen world as something inseparable from a particular religion, that is, Christianity.</p>
著者
藤村 直美
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-54, no.4, pp.1, 2021-07-02

大学における最近の情報環境整備について,九州大学における取り組みを,情報統括本部の設立から,その後の活動について,筆者が直接かかわった活動について述べる.具体的には,ソフトウェアの包括契約,電子メール,認証基盤,教育情報システム,PC 必携化 (BYOD),遠隔講義システム,Web 学習支援システム,教育データの利活用,クラウドの活用,最後に ISMS 取得について,歴史的な経緯,現状,問題点,今後の課題等について述べる.
著者
藤村 正司
出版者
広島大学高等教育研究開発センター
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.99-115, 2011

Why has the percentage of women enrolled at university always been lower than that of men, even at a time of universal provision? Although the differences in participation rates between men and women have been well documented, less is understood about why this is so. The aim of this paper is to investigate the structure of university attendance in Japan from the viewpoint of sibling order and sex. Using the 2005 National High School Parent Survey, the effects of ability, parental income, the number of siblings, birth order, and parental altruistic attitude towards university attendance and expenditure, were investigated. The parental survey sought information on family background, and included questions relating to parents' willingness or obligations in paying for the education of their 18 year-old children. Although the extent to which parents invest in their children has long been recognized as integral to status attainment or human capital theory, that investment has rarely been examined directly. Special emphasis was placed on the role of two parameters: the number of siblings and their birth order, and parents' altruistic attitude. The major findings are as follows:(1) Resource-dilution hypothesis was supported by the data. There was an inverse relationship between the number of siblings and out-of-school expenses, and to an aspiration to attend college, which were attributed to a reduction in the availability of family resources available for each child. (2) An examination of the effect of birth order proved that if other variables were controlled, parents held less aspiration for, and spent less on out-of-school expenses for, their later-born daughters than for their sons. This alternative resource allocation suggests that parents prefer having sons to daughters in order to solve any contradictions between equality and efficiency among siblings.(3) Disparity between college attendance and non-college attendance is affected by the adequacy of family income and this has a greater effect on the aspirations of women than it does for men. (4) Parents may attempt to equalize educational attainment among their offspring. If older sons have attended college, parents hope their younger brothers will also do so. However, this depolarizing effect worked only for males, since daughters were more likely to resemble their non-college brothers and sisters. (5) While parents' altruistic attitudes (fear of incurring a loan on behalf of their daughter) had a negative effect on the probability of their daughters attending college, it did have a positive effect on the payment of college tuition and the cost of living.These classical findings show that inequality of educational opportunity still remains more or less constant between sons and daughters within the same family even during the era of universal provision.
著者
藤村 諒 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.450-451, 2018

本研究では疎水性シリカを使用した撥水剤を作成し、天然繊維や再生繊維、合成繊維の種類を問わずに高い撥水性を付与することを可能にした。疎水性シリカとはそれ自体が非常に水と混ざりづらい性質を持っており、また非常に粒子が小さいというものである。本研究ではこの疎水性シリカにエタノールを溶媒にして懸濁液とした。懸濁液をゲル状になる割合で配合することで塗り込む事ができる撥水剤を作成した。撥水性の測定を接触角によって定量化した。接触角とは液滴の接線と固体表面とのなす角度である。この接触角の値が大きいほど撥水性であると言える。本研究では、市販のフッ素系の撥水スプレーと作成したゲル状の疎水性シリカの撥水剤とで接触角の比較検証を行った。サンプルは天然繊維及び再生繊維、合成繊維の布地で合計6種類使用した。結果は市販の撥水スプレーを塗布したサンプルでは6種類の布地の接触角はほぼ110から120度の値を示していた。作成した疎水性シリカの撥水剤を塗布したサンプルでは、再生繊維のキュプラを除く5種類で150度を超える接触角を示していた。しかし水滴と共に、疎水性シリカの一部が流れ落ちることが今後の課題である。
著者
藤村 正之
出版者
福祉社会学会
雑誌
福祉社会学研究 (ISSN:13493337)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.5-24, 2017

<p> 本講演の主題は,福祉社会学の研究において,もう一度社会学や社会科学の</p><p>問題関心を意識しながら取り組んでみてはどうかということである.福祉社会</p><p>学の登場は,業績主義が浸透する社会において,1960 年代以降,性・年齢・</p><p>障害・エスニシティなどの属性要因に基づく問題が浮上してきたことと軌を一</p><p>にするといえよう.その際,人間の内なる自然への関心として福祉社会学が,</p><p>人間の外なる自然への関心として環境社会学が登場したと位置づけることがで</p><p>きる.福祉社会学が取り組むべき現代の社会変動として少子高齢化,リスク社</p><p>会化,グローバル化の3 つを考えることができる.それらの事象を分析するた</p><p>めの社会学的認識をあげるならば,中間集団の栄枯盛衰,経済と社会への複眼</p><p>的視座,資源配分様式(自助・互酬・再分配・市場交換),関係性の社会的配</p><p>置(親密性・協働性・公共性・市場性),社会科学の原点としての規範と欲望</p><p>の相克・相乗などの論点が考えられる.21 世紀に向けては,生とグローバル</p><p>の対比,福祉社会や共生社会などの理想モデルの探索,公共社会学との接点の</p><p>検討などが福祉社会学の課題となっていくであろう.</p>
著者
長谷部 孝毅 堀 龍介 児嶋 剛 岡上 雄介 藤村 真太郎 鹿子島 大貴 田口 敦士 庄司 和彦
出版者
公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所
雑誌
天理医学紀要 (ISSN:13441817)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.50-51, 2020-12-25 (Released:2020-07-17)

【目的】顔面神経麻痺疾患において,予後予測,治療効果判定のために正確な評価が必要である.誘発筋電図(electroneurography; ENoG)などの電気生理学的評価方法の他に,柳原法などに代表される顔面各部位の動きを評価し,その合計で麻痺程度を評価する主観的評価方法が簡便であり広く使われている.しかしながら,顔面表情の動きを見た目で評価する方法は複数あるものの,いずれにも共通する欠点として,あくまで主観的評価のため検者間で差異が生じる可能性がある他,各部位は3 段階評価のため,わずかな改善などを点数では評価しきれないという点が挙げられる.それらを解決する方法として,画像解析による評価方法はいくつか報告されているが,解析の手間や装置の問題などから広くは使われていない.一方で,近年米Apple 社の販売するスマートフォン(iPhone X 以降) は,その認証方式として顔認証を用いており,顔面運動を正確に捉えることが可能である.そこで我々は,顔面神経麻痺に対する客観的かつ簡便な評価方法を確立することを試みた. 【方法】iPhone XS を用いて検証した.各顔面の部位の動きを係数化し最大値を取得し,左右の比較を行うことで顔面神経麻痺を評価するアプリを作成した.それを用いて外来受診した顔面神経麻痺患者の評価を行い,主観的評価法との比較,及びENoG,積分筋電図との比較を行った. 【結果】アプリでの評価は既存の主観的評価方法と相関しており,特に頬,鼻翼,口角では強い相関が見られた.また,ENoG では相関関係が見られなかったものの,積分筋電図でも相関が見られた. 【結論】デバイスは一般に普及しているため,臨床応用に向けての素地は整っており,目的としていた客観的かつ簡便な評価アプリは開発出来た.顔面の動きの捉え方は,病態生理に基づきさらなる検証およびアップデートが必要ではあるが,非耳鼻科医,さらに言えば患者本人でも現状評価を行うことができるようになることが期待される.