著者
藤村 欣吾 高松 弓子 蔵本 淳
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.1693-1699, 1986 (Released:2009-02-02)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Fifty six (56) chronic ITP cases were treated with steroid hormone over one year and the effectiveness of steroid was evaluated. Fourty one cases (66.1%) showed good response (platelet counts≥10×104/μl) to the initial steroid treatment within 15∼80 days (mean 29.4 days) and the platelet counts increased depend on cumulative dose of steroids (prednisolone, β-methasone). The clinical and hematological responsiveness after at least one year of steroid treatment was observed in 9 cases were complete remission (platelets≥10×104/μl) reaching to the drug free, in 18 cases of partial remission (Plts≥10×104/μl), 10 cases of minor response (5×104≤Plts 10×104/μl) and 19 cases of non responder (plts<5×104/μl). The CR and PR groups showed good response to initial therapy and the pretreatment period from the onset was shorter than that of MR or NR. Since there was no remarkable correlation between the clinical response to steroid and the PAIgG level or other various autoantibodies level, the prediction of steroid responsiveness before treatment was difficult by these serological findings. The complications of steroid therapy were found in steroid unresponsive cases who were treated with large amount of steroid for long period.These analysis mentioned that the prednisolone (β-methasone) treatment should be the first choice for the initial treatment of ITP to relieve bleeding tendency and to increase the platelet counts rapidly in above half cases (48%).
著者
井出 留美 五明 紀春 三浦 理代 古川 知子 室園 荘一 松永 勝治 伊藤(藤村) 知子 藤村 知子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.102-110, 2004-09-30
参考文献数
15
被引用文献数
2

シリアルは一般にビタミン・ミネラルが強化され, 食物繊維が豊富なものもあり, 体調, 特に便秘や疲れ, 肌の状態を改善することが期待される。このようなシリアルの効果を検証するため, 朝食欠食の習慣がある10~30代男女70名及び, 朝食摂取している10代女性16名, 計86名について, 全粒穀物シリアルの, 体調及び肌に及ぼす影響について調べた。試験データの収集にあたっては, どこでも送受信が可能である利点を考慮して, 一般に普及している携帯電話のメール機能も利用した。
著者
樋渡 涓二 藤村 安志 鈴木 清興 三井 信雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.502-508, 1958-11-01

NHK技術研究所で試作し, 放送に使用中のウォーキー・ルッキーについて, 研究経過・性能と回路構成, 興味ある回路の解説に分けて記述した.トランジスタ化により真空管方式では得られない高い安定度と信頼度が実現され, こんごTV送像装置のトランジスタ化に対し有力な確信を得た.
著者
藤村 直美 堀 良彰 平山 善一
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.37(2003-DSM-032), pp.49-54, 2004-03-29

九州芸術工科大学と九州大学は平成15年10月1日付で統合し,九州芸術工科大学は新しい九州大学の一部となった.これに伴って ,九州芸術工科大学の学内ネットワークを九州大学の学内ネットワークに統合する作業を行った.具体的には,IPアドレスの変更,ドメイン名の変更,キャンパス間接続の高速化である.また ,九州芸術工科大学情報処理センターを九州大学情報基盤センター大橋分室として統合し,関連する学内規則の整備を行った.ここでは大学の統合に伴って行った作業内容,手順,問題点,およびその後の経緯などについて報告する.
著者
秋月 百合 藤村 一美
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.30-39, 2007
被引用文献数
9

<B>目 的</B><br> 本研究の目的は,わが国における病院勤務助産師のバーンアウトの実態を明らかにすることである。<br><B>対象と方法</B><br> 全国の産科診療を行う72病院に勤務する839人を対象に,自記式質問紙を用いた量的横断的調査を実施した。バーンアウトの測定にはMaslach Burnout Inventry(MBI)尺度を用いた。MBI下位尺度と基本的属性,助産師特性,勤務特性,勤務施設特性,職務満足,仕事継続意向,勤務病棟での働きやすさの認識との関連をみるために,一元配置分散分析,t検定ならびに相関分析を行った。<br><B>結 果</B><br> 回収率は87.2%,有効回答数はn=708であった。対象者の平均年齢は35.2歳であった。各下位尺度の平均得点は,「情緒的消耗感」15.67±4.50,「脱人格化」11.89±4.32,「個人的達成感の後退」20.61±4.30であった。婚姻歴,助産・産科看護経験年数,1日勤務時間,月残業時間ならびに有休消化等と情緒的消耗感ならびに脱人格化との間に有意な関連が見られた。職位ならびに勤務形態と個人的達成感の後退との間に有意な関連が見られた。職務満足と個人的達成感の後退の間に,仕事継続意向と情緒的消耗感ならびに個人的達成感の後退との間に負の相関関係があることが明らかになった。<br><B>結 論</B><br> わが国における病院勤務助産師のバーンアウトは,看護師を対象とした先行研究と比較して情緒的消耗感,脱人格化は同様もしくは低い傾向に,個人的達成感の後退においては低い傾向にある可能性が示唆された。因果関係は明確ではないが,仕事満足ならびに仕事継続意向とバーンアウトとの間に関連があることが示唆された。今後,各医療機関において事業場内産業保健スタッフ等による病院勤務助産師へのサポート体制を整備すること,助産師の配置を拡大すること,新人助産師への卒後教育を充実させることの重要性が示唆された。
著者
森 禎三郎 藤村 匠 山田 洋平 狩野 元宏 佐藤 健二 浅沼 宏 星野 健 長谷川 奉延 黒田 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.841-849, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
38

総排泄腔遺残症・外反症や性分化異常症では,生命予後やQOLは改善されてきたが,生殖機能における長期的予後は十分に改善されているとは言えない.当院では小児外科,小児科,泌尿器科,産婦人科でチームを形成し,症例ごとに治療を行っている.今回,外陰部形成術を施行した5例を後方視的にまとめ,術式の選択と至適な手術時期について検討した.原疾患は総排泄腔遺残症が2例,総排泄腔外反症,先天性副腎皮質過形成症,原発性性腺機能低下症が1例ずつであった.外陰部形成には,結腸間置法,skin flap法,pull-through法,total urogenital mobilization,骨盤腹膜利用法をそれぞれ用いた.外陰部形成術を行う疾患は多岐にわたり,病態も多様なため,症例に応じたアプローチが必要である.疾患に応じて手術時期を設定し,乳児期より多科連携による治療戦略のロードマップを描くことが重要である.
著者
西 耕一 水口 雅之 橘 秀樹 大家 他喜雄 藤村 政樹 松田 保
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.350-354, 1996

トロンボキサン合成酵素阻害薬が著効を示したと考えられる慢性持続性咳嗽患者を経験したので報告する. 症例は25歳の女性で, 8週間以上継続する乾性咳嗽を主訴として受診した. 乾性咳嗽のエピソードは今回が2回目であり, 前回は気管支拡張薬が無効であり, 塩基性抗アレルギー薬 (塩酸アゼラスチン)が有効であった. しかし, 今回の咳嗽は, 塩基性抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬は十分効果的ではなく, トロンボキサン合成酵素阻害薬 (塩酸オザグレル) が著効を示した. さらに, カプサイシンに対する咳の感受性も同薬物の投与にて改善した. トロンボキサンA<sub>2</sub>, 咳嗽, およびカプサイシンに対する咳感受性の3者の関係に関する報告は今までのところ少なく, 詳細は不明であるが, 本症例のようにトロンボキサン合成酵素阻害薬が効果的な咳嗽患者が存在することは, 臨床的に重要な知見と考えられたため報告した.
著者
藤村 友美 鈴木 直人
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第5回大会
巻号頁・発行日
pp.113, 2007 (Released:2007-10-01)

人間の視覚において,周辺視は時間的に変化する情報に敏感であるといわれている(福田, 1996)。本研究では,周辺視において動的情報が表情認知に及ぼす影響を検討することを目的とした。表情刺激は,次元的観点に基づいて作成した表情から快表情3種類(いきいきした,うれしい,のんびりした),不快表情3種類(恐ろしい,怒った,悲しい)を抜粋した。課題は,見本照合課題を用いた。これは,中心視,左右周辺視のいずれかの位置に呈示されるターゲット表情(動画,静止画)と同一の表情刺激を後続の見本表情(静止画)の中から選択するというものである。結果は,中心視では,動画条件と静止画条件の正答率に有意な差は見られなかったのに対し,周辺視では,恐ろしい表情以外で動画条件の正答率は,静止画条件の正答率よりも有意に高かった。このことから,周辺視では,動的情報によって相対的に表情の認知的処理が促進されることが明らかになった。
著者
與儀 ヤス子 藤村 響男 鈴木 幸一
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 = Japanese journal of leprosy (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.197-204, 2008-09-01
参考文献数
24
被引用文献数
1

1873年のらい菌発見から長い年月に渡って多くの研究者がらい菌の動物移植実験に尽力してきたが、1960年の Shepard による foot-pad 法の開発後はめざましい成果が残された。T-Rマウス、無胸腺 (ヌード) マウスのらい菌動物移植への導入、また、アルマジロ、チンパンジーやマンガベイサルの自然発症例が報告され、ハンセン病が人畜共通伝染病であることがその後のわずか十数年で確認された。増菌されたらい菌は大量菌を必要とする分野への供給に役立ち、らい菌の動物移植研究の成果はハンセン病医学に大きく貢献した。われわれがらい菌増殖用の tool として開発したコンジェニック高血圧ヌードラット (SHR. F344-Foxn1<sup><i>rnu</i></sup>) はIL-10産生能が高く、らい菌に対する感受性能が優れていた。本ヌードラット (<i>rnu/rnu</i>) に接種されたらい菌は接種部および非接種部位に肉眼的らい性腫瘤を作りながら増殖、全身化していく独特のらい菌感染像を呈すことから、ヒトL型ハンセン病患者の実験モデル動物として有用であり、同腹仔有胸腺ラット (<i>rnu/+</i>) では、らい菌感染後24時間目頃から、らい菌特異的免疫機構の成立を示唆する像が観察され、6ヶ月後には、リンパ球に幾重にも取り囲まれて、らい菌が殺菌され排除される像が観察されたことから、らい菌の宿主からの防御機構を研究する動物モデルとしてヌードラットとともに有用である。
著者
瀬崎 彩也子 藤村 夏美 野坂 咲耶 今井 具子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.219-241, 2021-08-01 (Released:2021-10-02)
参考文献数
268

【目的】現在報告されている食事スコアと非感染性疾患との関連についてシステマティックレビューを行い,本研究ではそのうち地中海食スコアの特徴と有用性を明らかにすることを目的とした。【方法】成人を対象に食事スコアで非感染性疾患を評価し,英語・日本語でPubMedに発表された論文(2000年1月~2017年5月)から採択基準により抽出した。スコアごとに分類し,そのうち地中海食スコアの詳細をエビデンステーブルにまとめた。【結果】2,036件の抽出論文より,タイトル574件,アブストラクト902件,本文精読323件が削除され,最終採択論文は237件となった。食事スコアはHealthy Eating Index関連142件,地中海食スコア関連65件,Dietary Quality Index関連34件等に分類された。地中海食スコアはMediterranean Diet Score(MDS)17件,alternate Mediterranean Diet Score(aMed)23件,MedDietScore5件等であった。MDSとaMedは対象集団に依存する相対スコア,MedDietScoreは絶対値スコアであり,いずれも非感染性疾患との有意な関連が報告されていた。【結論】地中海食スコアは対象集団,目的等で使い分ける必要があることが示唆された。今後さらなるエビデンスの蓄積が必要だと確認された。
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。