著者
黒後 洋 藤田 直
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.389-398, 2007-07-01

文部科学省より平成12年9月に策定された「スポーツ振興基本計画」では、「2010年までに、全国の各市町村において少なくとも1つは総合型地域スポーツクラブを育成する」という指針を提示した。栃木県内における総合型地域スポーツクラブの創設は、平成15年度以降徐々に増加傾向を示し、日本体育協会のクラブ育成推進事業等を基盤に各市町における積極的な取り組みが伸張しつつある。しかしながら、クラブ創設・育成に関しては自主財源、施設・指導者の確保等、様々な問題を抱えているのが現状である。そこで本稿では栃木県内における総合型地域スポーツクラブの現状を分析しその課題について再検討を行った。その結果、創設・育成に関する今後の課題として、広域スポーツセンターの機能拡充、未設置市町への具体的方策の策定。また、スポーツ指導者の確保、クラブマネージャーの育成に関する有資格化、さらにスポーツ振興のシンボルとして栃木SCを中心としたプロスポーツクラブとの連携を企図すること等が示唆された。
著者
藤田 直希 鍋谷 伸子 梅村 紀匡 菊池 千草 鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.10, pp.1445-1448, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
7
被引用文献数
3

In this study, we took continuous measurements of hemoglobin A1c (HbA1c) levels and conducted lifestyle checks in three cases to determine if these parameters were effective in improving overall wellness. We selected three young men with relatively high HbA1c levels. During the 12-weeks study periods, we regularly measured each participant's HbA1c levels and monitored their lifestyle habits every two weeks at the community pharmacy once every 2 weeks using specific guidelines. The first participant, a 23-year-old man, had a HbA1c level of 5.7% at his first measurement. His HbA1c level decreased to 5.2% at the last measurement. The second participant, a 19-year-old man, had an initial HbA1c level of 5.7% and a final HbA1c level of 5.4%. The third participant was a 22-year-old man with an initial HbA1c level of 5.4%. His HbA1c level had decreased to 5.1% by the last measurement. The lifestyles of all three men improved with respect to exercise and diet. Based on these results, we surmise that continuous measurements of HbA1c and regular lifestyle checks may contribute to reducing the risk of lifestyle-related disease.
著者
藤田 直
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.203-218, 2002 (Released:2003-02-18)
参考文献数
60
被引用文献数
21 40

It is well known that biomembranes and subcellular organelles are susceptible to lipid peroxidation. There is a steadily increasing body of evidence indicating that lipid peroxidation is involved in basic deteriorative mechanisms, e.g., membrane damage, enzyme damage, and nucleic acid mutagenicity. The formation of lipid peroxides can be induced by enzymatic or nonenzymatic peroxidation in the presence of oxygen. The mechanisms of formation and removal of reactive oxygen species, lipid peroxides, and free radicals in biological systems are briefly reviewed. In recent years, there has been renewed interest in the role played by lipid peroxidation in many disease states. Xanthine oxidase has been shown to generate reactive oxygen species, superoxide (O2−·), and hydrogen peroxide (H2O2) that are involved in the peroxidative damage to cells that occurs in ischemia-reperfusion injury. During ischemia, this enzyme is induced from xanthine dehydrogenase. We have shown that peroxynitrite (a reactive nitrogen species) has the potential to convert xanthine dehydrogenase to oxidase. The following biological effects of lipid peroxidation were found: a) the lipid peroxidation induced by ascorbic acid and Fe2+ affects the membrane transport in the kidney cortex and the cyclooxygenase activity in the kidney medulla, and b) the hydroperoxy adducts of linoleic acid and eicosapentaenoic acid inhibit the cyclooxygenase activity in platelets. The balance between the formation and removal of lipid peroxides determines the peroxide level in cells. This balance can be disturbed if cellular defenses are decreased or if there is a significant increase in peroxidative reactions. Once lipid peroxidation is initiated, the reactive intermediate formed induces cell damage.
著者
後藤田 直人 板野 聡 堀木 貞幸 寺田 紀彦 児玉 雅治
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.2596-2600, 1999-11-01
参考文献数
14
被引用文献数
12 9

患者は72歳の女性.55歳の時に交通事故で骨盤を骨折.3年前よりときどき右下腹部痛,下痢がみられ,当院を受診.触診では右下腹部から側腹部にかけて圧痛を認めたが,腹膜刺激症状はなく,腫瘤も触知しなかった.その後も症状が続くため平成10年に注腸造影X線検査(以下,注腸Xp), Computed tomography(以下,CT)を施行し,上行結腸の腹腔内からの脱出を認めた.腰ヘルニアを疑い,手術を行うも胸腰筋膜のレベルで,外腹斜筋の中に腸骨稜を下端とした直径4cmの欠損部があり,上腰三角,下腰三角は脆弱でないため,腰ヘルニアではなく,17年前の外傷による腹壁ヘルニアと診断,周辺組織を縫合することで欠損部を閉鎖した.術後は良好に経過中である.外傷性腹壁ヘルニアは鈍的,鋭的損傷,または介達外力による損傷の結果生じるヘルニアである.受傷後まもなく発生する場合と遅発性に発生する場合があるが,後者はその中でもまれといわれている.自験例では注腸Xp, CTがヘルニアの存在診断に有用であると考えられた.
著者
岩崎 亘典 藤田 直子 SPRAGUE David 寺元 郁博 山口 欧志 小野原 彩香
出版者
国立研究開発法人 農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、明治時代初期に作成された迅速測図を元に、高解像度・高位置精度のラスタデータを作成するとともに、このデータを元に100mグリッドでの明治時代初期土地利用データベースを構築、公開した。次に、視図,断面図などの図郭外図についてデジタル化と位置の特定を行い、KML形式とCesiumを使ったWebページで公開した。視図が描かれた地点のうち、27地点において高解像度パノラマ写真を撮影し、現在の景観と比較が可能なデータベースを構築、公開した。さらに、国土数値情報との比較により過去130年間の土地地利用・被覆変化を類型化した。これらのコンテンツはライセンスは、CC BY 4.0 国際とした。
著者
藤田 直子
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.117, pp.21-64, 2007-06

本論文は、2006年に東京大学に提出した学位論文の後半部分であり、前半における自然に対する神道の空間認識と日本人の自然に対する空間概念形成の整理に続く、都市における神社や社叢の緑地としての現状の実態分析及びその評価と位置づけることができる。本研究の立脚点は「緑地」という視点を通して時間的な軸と空間的な軸から社叢空間を捉えようとするところにある。
著者
田舎片 健太 森下 博和 長名 保範 藤田 直行 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.361, pp.205-210, 2011-01-10
参考文献数
17

近年,物理学,化学,経済学といった種々の分野で科学技術計算が用いられている.その計算には,通常多くの浮動小数点演算が含まれており,汎用CPUでは実行効率が悪く,専用計算機上で実行されることが多い.アクセラレータとして使用されるデバイスは様々であるが,FPGAというリコンフィギャラブルデバイスは,微細化による組込み素子の増大に伴い,比較的安価である点,柔軟なメモリアクセスを実現できる点から広く利用されてきた.しかし,FPGA上にアプリケーションを実装することは,アルゴリズムといった理論の研究者にとっては困難であるという問題がある.そこで,本研究では,ALUアレイを構成し,それを利用してストリーム処理を行うことができるシステムを提案,設計する.これにより,ALUへの命令とALU間の接続情報及び演算データを用意することで,ハードウェア上での実行が可能となることを目的とした.また,専用計算機上で実行した場合の性能の目安となることも同様に目的とした.MUSCLという計算流体力学のアプリケーションを用いて評価した結果,演算部分の性能は2.4GHzのIntel Core 2Duo上での実行に対して,約4.1倍が期待できることがわかった.また,パイプライン利用率が専用計算機との比較において大きな割合を占めることがわかった.
著者
藤田 直毅 西村 健士 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-36, 1997-03-12

ベクトル空間法は, 文書内の単語の出現頻度などを基に文書をあるベクトル空間の一点に対応させ, 対応する点と点との距離に基づいて文書の検索を行なう手法で, 1960年代から実験されてきた SMART が本手法の適用例として有名である. SMART の応用例は, USENET 上の FAQ を対象とした検索システムFAQ Finder が知られている. ベクトル空間法の特徴としては, 表面的ではあるが意味的な検索ができること, 対象文書中に構文解析ができないような文や図表を含んでいても動作する頑強性を備えていること等が挙げられる. 本稿では, 1本手法をヘルプデスクにおける支援システム, 特に電子メールを利用して顧客対応を行うシステムヘ適用した事例を紹介する. はじめに, ヘルプデスクで日々生成される文書, つまり, 問い合わせとその回答との組の Q & A 事例を対象とする検索の問題点について整理し, 次に, 実際に本手法を適用して開発した類似文書検索システムを紹介する.
著者
阿久澤 さゆり 藤田 直子 早川 文代
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本晴を親にして、澱粉合成酵素の働きを抑えて特性を変化させた変異体米(SSIIIa)を作出し、その米の精白米と分離した米澱粉の特性を検討した。その結果SSIIIa の精白米は、日本晴と近似していたが、炊飯によって縦に長くなる形状で、粘らずもろい特性を示した。これらの特徴は、澱粉中のアミロペクチンの構造変化によるもので、国内産米の利用の拡大につながると期待された。
著者
奥村 裕 金指 美帆 金澤 佑治 藤田 直人 近藤 浩代 藤野 英己
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AbPI2069, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】廃用性筋萎縮が起こると筋線維毎の毛細血管数や毛細血管径が減少する。このような毛細血管の退行には活性酸素種が関与していると考えられている。活性酸素により毛細血管の退行が生じれば、骨格筋細胞の代謝活性に影響を与える。一方、筋萎縮に伴う骨格筋毛細血管の退行に対する酸化ストレスを軽減させる方法や毛細血管退行と骨格筋細胞の代謝活性を考慮した研究はみられない。そこで、本研究では骨格筋線維と毛細血管のクロストークに焦点をあて、抗酸化力の高い抗酸化物質摂取による毛細血管への影響と骨格筋細胞の代謝という観点から、廃用性筋萎縮筋の筋線維タイプ別の毛細血管及び酸化的リン酸化系の代謝変化について検討した。【方法】12週齢のWistar系雄ラットを対照群(Cont群)、栄養サポートのみを行った群(CA群)、一週間の後肢懸垂を行った群(HU群)、及び後肢懸垂期間中に栄養サポートを行った群(HA群)の4群に区分した。栄養サポートにはアスタキサンチン(富士化学工業株式会社より提供)を毎日50mg/kgを1日2回経口摂取させた。実験期間終了後、足底筋を摘出し、急速凍結して保存した。摘出した筋試料は10μm厚に薄切し、ミオシンATPase染色(pH4.3)、アルカリフォスファターゼ(AP)染色、コハク酸脱水素酵素(SDH)染色後に光学顕微鏡で観察を行った。ATPase染色像を用いて足底筋を遅筋線維の多い深層部と速筋線維の多い浅層部に分別し、筋線維毎の毛細血管数の割合、単一筋線維の周囲の毛細血管数、筋線維のSDH活性を計測した。統計処理は一元配置分散分析とTukey-Kramerの多重比較検定を行い、有意水準は5%未満とした。【説明と同意】全ての実験は所属施設における動物実験に関する指針に従い、動物実験委員会の許可を得たうえで実施した。【結果】一週間の後肢懸垂によりラット足底筋の筋湿重量は12%減少した。また、後肢懸垂期間中にアスタキサンチンを摂取したHA群においても同様に減少した。一方、深層部における筋線維毎の毛細血管数は、HU群ではCont群に比べ有意に減少を認めた。しかし、アスタキサンチンを経口摂取したCA群及びHA群は、それぞれCont群、HU群と比較して有意な増加を認めた。また、浅層部では4群間における有意な差は認められず、後肢懸垂の影響、アスタキサンチンの摂取有無に関係はみられなかった。また、単一筋線維周囲の毛細血管数は、遅筋線維ではCont群に比べHU群では有意な減少を認めたが、アスタキサンチンを摂取したCA群及びHA群では、単一筋線維周囲の毛細血管数の有意な増加を認めた。一方、速筋線維は4群間における有意な差は認められなかった。SDH活性をみると深層部の遅筋線維はCont群に比べHU群では有意に減少を認め、アスタキサンチンを摂取したCA群及びHA群では有意に増加を認めた。これらの結果からアスタキサンチンは遅筋線維のSDH活性を増加させ、廃用に伴う遅筋周囲の毛細血管退行を減衰させるものと考えられる。【考察】一週間の後肢懸垂により足底筋の深層部では、筋線維毎の毛細血管数や遅筋線維周囲の毛細血管数の減少、SDH活性の低下を認めた。これらの結果は、後肢懸垂で筋活動が低下し、筋細胞内のミトコンドリアにおけるエネルギー代謝が低下したために生じる現象であると考えられる。廃用性筋萎縮により骨格筋内の活性酸素種産生が増加するが、アスタキサンチン摂取により活性酸素種の産生を抑制し、酸化ストレスを減少できるとの報告がみられる。(Wolf, 2010)。本研究では、足底筋の深層部でアスタキサンチンを摂取したCA群及びHA群では、筋線維毎の毛細血管数や単一筋線維周囲の毛細血管数の有意な増加を認めた。また、遅筋線維でSDH活性の増加を認めた。これはアスタキサンチン摂取により活性酸素種が減少し、骨格筋線維周囲の毛細血管退行を防止できたために骨格筋細胞の代謝が阻害されなかったものと考えられる。また、その裏付けとして毛細血管の退行を抑制できた遅筋線維ではSDH活性が増加した。本研究では、速筋線維周囲の毛細血管には変化がなく、遅筋線維周囲で廃用の影響や毛細血管の変化が観察された。この結果は、遅筋線維の方が酸化的リン酸化による代謝に依存して、毛細血管からの酸素の供給に影響されることに起因するものと考えられる。【理学療法学研究としての意義】骨格筋における毛細血管ネットワークは骨格筋細胞への酸素供給や糖・代謝産物輸送に重要である。骨格筋細胞の環境を最適化するために毛細血管の役割は必要不可欠である。また、本研究から、抗酸化物質を用いた栄養サポートは骨格筋の毛細血管退行に予防的な効果を示した。長期臥床などに伴う筋力増強運動などを実施する際に栄養面でのサポートを組み合わせて行っていく必要性があると考える。
著者
藤田 直晴 小畑 精和 伊藤 剛 虎岩 直子 市川 宏雄 広松 悟 輿水 肇
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

カナダの多文化政策に相応する複合的・多元的な観点から、カナダの5つの主要都市を中心に調査を行い、学術的にも都市地理学、都市社会学、都市政策、都市政治学、環境政策、文化と文学といったマルチ・ディシプリナリーな観点から、カナダの多文化政策に関する研究を行った。ヴァンクーヴァー、カルガリー、トロント、オタワ、モントリオールには、多くの移民が集中することから、社会的不平等や地域間格差を是正するための多文化政策は重要となる。このカナダの豊かな民族的多様性は、世界に広がる豊かなネットワーク資源となり、カナダの「強み」と「楽しみ」へと直結している。しかし、国際競争力が上昇するにためは、カナダの多文化社会が抱える「弱み」や「苦しみ」にも目を向ける必要があるため、長所・短所双方の観点から考察を加えた。本研究課題の成果に関しては、図書として2011年度中の出版に向けて準備中である。
著者
児玉 雅治 板野 聡 寺田 紀彦 堀木 貞幸 後藤田 直人
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.2288-2291, 1998-11-01
被引用文献数
5

患者は62歳の男性.60歳のとき両側鼠径部ヘルニアの手術を受けたが, 術後1か月目より右鼠径部から右陰嚢に腫瘤の脱出を認め, 排尿異常も出現した.CTでは右陰嚢内に腫瘤陰影が認められ, 脱出したものは膀胱と腸管が考えられた.術中, 右鼠径部内側に小さなヘルニア嚢を認め, 術前に触れた手挙大の腫瘤はヘルニア内容とは別のものと判断し, 膀胱内留置カテーテルに生食を注入したところ, 腫瘤は膨張したため腫瘤が膀胱であると判断し, 切除することなく還納した.鼠径ヘルニア, もしくは大腿ヘルニアの手術に際して本症の存在を念頭におくことも必要と考えられる.また, 術中にヘルニア嚢以外の腫瘤を認めた場合, 安易に切除せず, 膀胱などの可能性を考慮すべきで, 確認は膀胱内カテーテルへの注入法が容易で有用であると考えられた.