著者
西岡 千文
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.2038, 2019-08-31 (Released:2019-09-05)

IIIFに準拠した京都大学貴重資料デジタルアーカイブは,2018年12月1日に正式公開から一周年を迎えた。本稿は,2017年10月から2018年11月までのデジタルアーカイブの利用状況を報告する。アクセス数は,概ね増加傾向が観察された。アクセスの約4割が中国・アメリカなど海外からであった。富士川文庫ならびに絵図を含む資料が頻繁に閲覧されている。2種類のIIIF対応画像ビューワは同頻度で利用されており,「目的・嗜好に応じてソフトウェアを選択できる」というIIIFの特長を反映している。
著者
岩崎 雄一 本田 大士 西岡 亨 石川 百合子 山根 雅之
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.201-206, 2019 (Released:2019-09-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

水生生物保全を目的とした水質環境基準が設定された直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩 (LAS) の濃度が高い河川地点の特徴を評価するために, 2015年度の水質測定結果を用いて, LAS濃度が0.02 mg L-1 (淡水域の水質環境基準の最小値) を超過する河川地点 (LAS高濃度地点群) とLAS濃度が0.02 mg L-1以下の地点において, ①水面幅 (河川規模の指標) , ②周辺の土地利用, ③有機汚濁 (生物化学的酸素要求量:BOD) の程度を比較した。その結果, LAS高濃度地点群は, ①水面幅の変化が少なく小規模の河川, ②周辺に森林や農地が少なく, 住宅地や市街地が密集している都市域, ③BODが高く有機汚濁が進行した河川, に割合として多くみられることが示唆された。着目する化学物質について高濃度地点の特徴を把握することは, 水生生物の保全効果という観点から管理方策を検討する上で有用な判断材料となるだろう。
著者
前田 淳 林 直諒 小幡 裕 竹本 忠良 関根 暉彬 西岡 久寿弥 松野 堅 上地 六男 山内 大三 山下 克子 横山 泉 市岡 四象 本池 洋二 藤原 純江
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.907-913, 1976

東京女子医大,成人医学センターの定期検診受診者1,391名および同消化器内科に肝疾患のため入院した発端者20名(急性肝炎8名,慢性肝炎6名,肝硬変3名,肝癌3名)の家族90名を対象としHBs抗原およびHBs抗体についてsubtypeを中心に検討を加えた.<BR>定期検診受診者の抗原陽性看は1.4%,抗体陽性者は27.4%であり,肝疾患患看家系では抗原陽性者は41.1%,抗体陽性者は34.4%で定期検診受診者より明らかに高率であり,特に抗原の陽性率が高い.<BR>subtypeでは定期検診受診者,肝疾患患者家系とも抗原はadr,抗体はRが優位であり,定期検診受診者で6ヵ月間隔で2度施行できたものでsubtypeの変動したものはなかった.肝疾患患者家系では肝硬変,肝癌群に兄弟,子供に抗原,抗体の集積がみられ,subtypeでは抗原がadwの家系は急性肝炎の1例のみで,他は抗原はadr,抗体はRであり,同一家族内でsubtypeの異なるものはなかった.
著者
金森 一紀 魚谷 浩平 高倉 文嗣 西岡 真二 越野 健 藤村 政樹 中積 泰人 岡藤 和博 松田 保 上尾 友美恵 柴山 正美 川井 清
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.970-976, 1986-09-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
24

健常者および非発作期の気管支喘息患者を対象に深吸気の影響を検討した. Maximum expiratory flow-volume curve のV25をMEF25, これと同一肺気量における partial expiratory flow-volume curve のVをPEF25とし, Deep Inspimtion (DI) Index=(PEF25-MEF25)/PEF25を求めた. 健常者では若年者の DI Index は負となり深呼吸による気道拡張効果が認められたが, この効果は加齢とともに減弱し, 50歳以上では DI Index は正の値になった. 抗コリン剤吸入後には DI Index は有意に増加して正の値となり年齢差は認められなくなったことから, 若年者では迷走神経の緊張が強く気道の resting tone が収縮性に保たれていることが推測された. 気管支喘息のうち40歳未満で%FEV1.0≧70%の患者では DI Index は負となり, 抗コリン剤吸入後には有意に増加して年の値となったことから, 気管支喘息でも深呼吸の気道拡張効果は存在し迷走神経が関与していると考えられた.
著者
川畑 徹朗 島井 哲志 西岡 伸紀
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.15-26, 1998-01-15
参考文献数
18
被引用文献数
16
著者
西岡 佑一郎 鍔本 武久 タウン ・ タイ ジン ・ マウン ・ マウン ・ テイン 高井 正成
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.5-20, 2018-09-30 (Released:2019-04-03)

The upper Neogene Pegu Group and Irrawaddy beds of Central Myanmar yield abundant perissodactyl and artiodactyl (cetartiodactyl) fossils. The upper Pegu or lowest Irrawaddy fauna is correlated with the middle Miocene Chinji fauna of the Siwalik Group, Indo-Pakistan, which contains Brachypotherium, Listriodon, and Microbunodon. The occurrence of Hipparion, Tetraconodon, Bramatherium, and some bovids (e.g., Selenoportax and Pachyportax) represents the early late Miocene fauna in Central Myanmar. Hipparion and Bramatherium disappeared in the latest Miocene or early Pliocene, while the bovids survived until this period. The latest Miocene/early Pliocene fauna is characterized by dominance of bovids and hippos (Hexaprotodon), which indicate the increase of grassland. The late Pliocene fauna is basically not different from the latest Miocene/ early Pliocene fauna because many perissodactyl and artiodactyl species continuously occur from both horizons of the Irrawaddy beds. Through the late Neogene, there were a few times of faunal and floral changes in continental Southeast Asia, and one of the remarkable change was during the late Miocene. Many forest dwellers that existed in the middle Miocene to early late Miocene were probably extinct at least before the latest Miocene when grasslands or open woodlands expanded in Central Myanmar.
著者
青木 正哉 向原 伸彦 吉田 正人 村上 博久 邉見 宗一郎 松島 峻介 西岡 成知 森本 直人 本多 祐 中桐 啓太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.391-394, 2013

症例は71歳男性,201&times;年2月22日に他院にて腹部大動脈瘤破裂に対し人工血管置換術が施行された.術後3カ月目,外来の採血検査でHb 7.0 g/dlの貧血を認めたため,再入院となった.CTならびに上部消化管内視鏡検査にて,Aortoenteric Fistula(以下AEF)と診断され,手術目的にて当科転院となった.手術待機中に,吐・下血後,出血性ショックとなり,緊急でステントグラフトによる血管内治療(Endovascular aneurysm repair : EVAR)を施行した.術後,感染の再燃や消化管出血も認めず,術後58日目に軽快退院した.現在術後1年が経過しているが,再感染の兆候なく,外来にて厳重に経過観察中である.二次性AEFは予後不良であり,外科的根治術が原則である.しかし,出血からショックに陥った症例では,血管内治療はその低侵襲性と迅速性を活かしてbridge to open surgeryとして治療のオプションとなりうる.また,再感染がなく,消化管出血を認めないなどの条件が整っていれば,最終的な治療にもなりうるが,再感染および再出血のリスクを念頭に置いた観察が必要である.
著者
西岡 佑介 新家 俊樹 山田 裕貴 金井 孝夫 小川 高
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.221-223, 2012-03-20
参考文献数
7

13歳雑種犬に左眼の第三眼瞼及び下眼瞼結膜の腫脹がみられ生検により脂肪組織が得られた.超音波及びCT検査で腫瘤は眼窩内深部から下眼瞼結膜下へ広がっていた.外科的牽引除去された組織は脂肪腫と病理診断され,良好な予後が得られた.
著者
西岡 洋 小寺 浩史
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.301-305, 2005
被引用文献数
1

シダ植物の重金属含有量を調べるために, 兵庫県内7地域に自生するシダ133試料を採取した.蛍光X線分析法および原子吸光分析法を用いて測定した結果, 以下の事実を得た.<BR>1) ウラジロ科のコシダやウラジロはいずれもマンガンについて比較的高いX線強度が得られた.<BR>2) S1地域において採取したシシガシラには数千ppmの鉛が含有されていた.<BR>3) シシガシラにおける鉛含有量は根茎, 根および葉身の順に高かった.
著者
伊藤 雄大 髙田 麻季 飯田 真之 宇田 篤史 住吉 霞美 秋山 恵里 丸上 奈穂 丹田 雅明 野間 千尋 山本 和宏 五百蔵 武士 木村 丈司 西岡 達也 久米 学 槇本 博雄 矢野 育子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.236-243, 2018-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2

Team-based learning (TBL) is an active learning method which has been designed to help students solve problems both by themselves and as a team. In this study, TBL was introduced in the journal club (gathering to read and discuss medical papers) for pharmacists, and its effectiveness was compared with that of a traditional lecture. The subjects, 29 pharmacists at Kobe University Hospital, were randomly allocated to the lecture group and TBL group. The pre-test was conducted two months before the journal club, and the post-tests were conducted immediately and one month after the journal club. There was no significant difference in the background data of the pharmacists between the lecture group and the TBL group. The score differences between the pre-test and the post-test immediately after the journal club were not significant (11.4 ± 2.3 points (mean ± SD) in the TBL group, 8.8 ± 4.2 points in the lecture group, P = 0.14). The post-test scores immediately after the journal club in the TBL group (19.6 ± 0.5 points) were significantly higher compared with those in the lecture group (17.8 ± 1.5 points) (P < 0.01), and the learning effect provided by TBL tended to be maintained one month after the TBL. In conclusion, TBL was an alternative method of the ordinal lecture and may be a useful learning method for pharmacists to read medical papers critically compared with the ordinal lecture.
著者
佐藤 安沙子 藤田 智子 阿部 睦子 菊地 英明 桑原 智美 西岡 里奈 倉持 清美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

【目的】<br> 近年、学校現場における安全・衛生面への配慮が期待されている。中学校家庭科の学習指導要領には、「安全と衛生に留意し、食品や調理用具等の適切な管理ができること。」(文部科学省,2008)とある。田中他(2015)は、大学生の食の衛生管理の実施状況は、下準備・調理時、後片付け時で特に意識が低いことを指摘している。さらに、河村他(2006)によると、生徒にとって調理実習は、楽しい時間であると同時に、調理技能の習得を目指すものであることが明らかとなっている。これらのことから、小・中・高等学校家庭科で衛生管理について学んでいるはずであるが実践されておらず、学校での調理実習においても衛生管理に意識が及ぶことは少ないと考えられる。<br> 本研究では、小・中・高校生の食の安全における衛生管理に関する意識を調査する。学校種間の衛生意識の相違と、ICTを活用した衛生管理に関する授業と調理実習での実践前後の衛生意識の変化を明らかにする。それを通し、授業での衛生管理の扱い方を検討する。<br>【方法】<br>(1)調査対象および調査方法<br> 調査は、東京学芸大学附属小・中・高等学校の児童・生徒を対象に、2017年9~11月に2回行った。1回目は、409名(小5:102名、中2:149名、高2:158名)を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。2回目は、248名(小5:100名、中2:148名)を対象に、食の安全における衛生管理に関する授業実践と調理実習の後、1回目と同様の調査を実施した。なお、高校では2回目の調査は行わなかった。質問紙調査の有効回答率は、全て100%であった。<br>(2)質問紙調査内容<br> 食の安全における衛生管理について、「家庭」と「学校での調理実習時」の2つの状況において気を付けている程度を5件法で質問した。質問項目は、下準備・調理時、食事時、片づけ時などである。<br>(3)授業実践の概要(小・中学校)<br> ICTを活用した衛生管理に関する授業と調理実習を行った。<br>・小学生:衛生を意識した手の洗い方についての授業を行った。蛍光剤入りローションを手に付け、手洗いの様子を撮影し、手洗い方法や洗い残しについて検討した。調理実習は青菜をゆでた。<br>・中学生:バナナケーキの調理を通して、衛生を意識した食材の扱い方と手洗いについて、授業を行った。バナナの皮を触った後、触れた箇所をシールと映像で記録し、食材の菌の繁殖や手洗いの重要性について検討した。調理実習は煮込みハンバーグである。<br>【結果】<br> 衛生管理に関する授業前の学校種間の意識について比較をした。その結果、家庭においてはほとんどの項目において、「大変気を付けている」と回答した者の割合が、小・中・高の順に高かった。学校においては、小・高・中の順に高かった。これは、小学生は保護者や教員からの衛生管理への意識付けが高いことが考えられる。また、生肉の取り扱いに関しては、家庭・学校ともに中学生よりも高校生の方が気を付けている者が多かった。中学生はまだ学校で生肉を扱った経験がなかったことが影響していると考えられる。<br> 次に、授業前後の意識について比較をした。中学校では、ほぼ全ての項目で気を付けている割合が高まった。特に、手洗いに関する項目は大幅に増加していた。これは授業で重きをおいた、食材に触れた後の手洗いに関する学びの効果であることが考えられる。一方小学生では、意識変化があまり見られなかった。小学生は、衛生管理に関する授業前から意識が高かったことに加え、衛生に関する授業において食材を扱っておらず、具体的な調理場面における衛生意識との関連付けが難しかったことが考えられる。<br> なお、本研究は東京学芸大学平成29年度教育実践研究推進経費「特別開発研究プロジェクト」の研究成果の一部である。
著者
西岡 篤夫 安藤 勲 井上 義夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.30, no.335, pp.139-143, 1973
被引用文献数
2

ポリアクリロニトリルのモデル化合物メソおよびラセミ2, 4-ジシアノペンタンのプロトンデカップリングを行なったパルスフーリエ変換<SUP>13</SUP>C NMRスペクトルを室温で25.15MHzで測定した。各炭素原子の化学シフトの順序は低磁場からCN, CH<SUB>2</SUB>, CH, CH<SUB>3</SUB>の順で, またCN炭素の場合メソはラセミより低磁場に現われるが, CH炭素の場合メソはラセミより高磁場に現われた。この結果はポリアクリロニトリルの場合低磁場からCN, CH<SUB>2</SUB>, CHの順に現われ, またトリアッド (I, H, S) につきCNはIがSより低磁場に現われるのに対し, CHはその逆になることと一致する。このモデル化合物の<SUP>13</SUP>C化学シフトの理論的計算をPopleの理論に基づきCNDO/2法で行ない, 実験値と比較した。
著者
西岡 千文 亀田 尭宙 佐藤 翔
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告: 人文科学とコンピュータ(CH) = IPSJ SIG Technical Report (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2019-CH-120, no.5, pp.1-8, 2019-05-04

近年, 学術出版物のオープンアクセスが進展し,自由にアクセス可能な学術情報が蓄積されている. 一方で,研究評価など様々な目的で利用されている学術出版物の引用データに関しては, 機械可読なアクセスのオープン化が遅れてきた. このような状況を解決するために, I4OC (Initiative for Open Citations) が学術機関と出版社によって設立された. 本稿では, I4OC が公開している引用データを, JaLC メタデータと unpaywall により公開されているデータとともに利用することで, 日本の学術出版物の引用データのオープン化の現状分析を試みる.