著者
原田 慎一 藤田(濱邊) 和歌子 神谷 浩平 佐武 紀子 徳山 尚吾
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.5, pp.707-712, 2010-05-01 (Released:2010-05-01)
被引用文献数
2 3

本総説は、“Biological and Pharmaceutical Bulletin” 誌に掲載された後、取り下げとなった内容と同一か、密接に関連する図表やデータを含んでいることから、編集委員会は本総説を撤回することに決定しました。The Editorial Committee of the Pharmaceutical Society of Japan (February 18, 2020)
著者
神谷 浩
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.191-195, 1993-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

歯肉の発赤, 腫脹, 疹痛, 出血, 排膿などの炎症症状が著明に認められる炎症型 (実熱証型) 歯周疾患の急性発作期に対し, 清熱作用を持つ黄連解毒湯と排膿散及湯の投薬目標 (証) を想定し投薬を行った。黄連解毒湯の証は, 歯肉が腫脹し発赤の程度が強い歯周炎, あるいは歯肉発赤と出血が認められる歯周炎と想定した。排膿散及湯の証は, 歯肉が腫脹しているが発赤の程度が弱い歯周炎, あるいは排膿が認められる歯周炎と想定した。黄連解毒湯, 排膿散及湯とも各10症例に投与し, 良好な結果が得られた。炎症型 (実熱証型) 歯周疾患の急性発作期において, 想定した投薬目標 (証) で, 黄連解毒湯と排膿散及湯のエキス剤が有効であると考えられた。
著者
神谷 浩夫 池谷 江理子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.15-35, 1994-06-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
11
被引用文献数
6 6

本稿の目的は,各地域における就業する女子と就業していない女子の比率(すなわち就業率ないし労働力率)が,他の地域と比較してどれほど差があるかを考察することにある。そのためにまず,第二次大戦後から現在に至る女子就業率の推移を市郡別データを基に概観して都市部と農村部における女子就業率の動向を明らかにし,これを受けて都道府県別の女子労働力率の差異の分析を行なった。なお,時系列の考察では就業率,地域差の考察では労働力率という異なった指標を用いた。本来,労働力率という単独の指標で分析を統一することが望ましいが,産業別・年齢別の労働力データが得られないため,就業率を用いることとした。 1955年から1985年の間の女子就業率の変動を,市部と郡部に分けて考察した結果, 1955年には市部の女子就業率は郡部に比べてかなり低かったが, 1985年の両地域の差異はかなり縮小したことが明らかとなった。年齢別女子就業率の特徴としては,いわゆるM字型プロフィールが1955年から1985年の間にかなり鮮明となると同時に,市部と郡部でプロフィールの形状に差がなくなりつつある点が明らかとなった。これは,市部で中年層の就業率が大幅に上昇し,郡部では中年層以外の年齢層の就業率が低下したことに起因する。産業分野別の就業者割合の変化をみると,卸・小売業,サービス業従業者の比率が上昇した点は郡部・市部ともに共通しているが,製造業従業者比率の増大は製造業が地方へ分散したたあに市部よりも郡部で大きかった。年齢別には,市部・郡部ともに15~19歳の年齢層で女子就業率が大幅に低下したが,これは,高校・大学進学率の上昇に原因があると推測された。また,パートタイム・アルバイト就業が女子就業のかなりの部分を占めていることも,データから裏付けられた。 次に, 1985年における女子労働力の地域的変動を説明するために,都道府県別女子労働力率を従属変数,女子労働力の需要と供給に関する11変数を独立変数としてステップワイズ重回帰分析を行なった。その結果得られた回帰方程式では, 15~24歳の年齢層と他の年齢層とでは女子就業率の地域的変動を説明する要因が大きく異なっていた。また,35~44歳や45~54歳の年齢層では,農家世帯比率が女子労働力率の地域差を説明する最大の要因であったが,15~24歳の年齢層ではとび抜けて寄与率の高い要因は見い出せなかった。既往の研究と比較すると,回帰式の決定係数が低い結果となった。その理由は,日本の国全体でみて1985年には農業就業者がかなりの水準まで低下したたあと推測される。また,若年層と高年齢層では供給要因以外にも労働市場の需要要因が地域の女子労働力率の高低に対して影響を及ぼしていることも明らかとなった。今後,さらに女子就業の地域的変動を詳しく分析するためには,パートタイム就業者やアルバイト就業者といった就業形態の違いも考慮に入れた分析も必要だろう。
著者
熊谷 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.205-207, 2012 (Released:2015-07-01)
参考文献数
5

心房細動(AF)に対する薬物治療が奏効しない場合,カテーテルアブレーションによってAFを根治できる可能性がある.また近年は,AF停止効果が認められているピルシカイニドやニフェカラントとカテーテルアブレーションを組み合わせたhybrid therapyにより,高い洞調律維持率が得られるようになった.カテーテルアブレーションと抗不整脈薬によるhybrid therapyは,難治性AFに対する治療戦略のひとつとして有用であると考えられた.
著者
市倉 加奈子 日野 亜弥子 田上 明日香 井村 里穂 石田 陽菜 深瀬 裕子 村山 憲男 村瀬 華子 島津 明人 平井 啓 田ヶ谷 浩邦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.94.21046, (Released:2023-02-01)
参考文献数
39

Workplace changes, such as remote work during the COVID-19 pandemic, have caused serious psychological distress for workers. The aim of this study was to examine job stressors and coping strategies among Japanese workers during the pandemic. The study was a qualitative methods approach using a web-based survey for Japanese workers in May 2020. We asked about job stressors and coping strategies with free text comments. We performed context analysis and categorized job stressors and coping strategies. Of the participants, 59.2 % suffered psychological stress from workplace changes during the pandemic. We identified 11 categories of job stressors including “work-life balance,” “lack of communication,” “overwork,” and “diminishing work role.” We also identified 16 categories of coping strategies including “distraction,” “dealing with work tasks,” “looking for ways to communicate,” “environmental coordination of work-at-home,” “online chatting,” and “psychological disengagement.” This study shows that Japanese workers tried many ways to manage their job stressors under the burden of the state of emergency. In the future, we should examine the association between coping strategies and psychological distress during the COVID-19 pandemic.
著者
大谷 浩一
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.286-290, 2013-05-31 (Released:2013-06-21)
参考文献数
5
著者
奥谷 浩一
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.108, pp.1-33, 2020-11-20

ハイデガーは,『存在と時間』のなかで,「実在性」「主観・客観関係」「真理」にかんする独自の見解を主張している。われわれの意識の外部に客観的実在が存在するかどうかという問題は哲学の根本問題とされてきた。この問題にどう答えるかで,哲学上の立場と流派が決定されるからである。これと関連して,主観と客観との関係をどう見るか,真理をどう定義するかなどの認識論の基礎をなす問題群がある。伝統的な西洋哲学における存在論を「解体」または「破壊」して独自の思想を構築しようとするハイデガーは,この問題と関連する問題群とに対しても独自の立場を展開する。彼によれば,客観的実在をめぐる実在性の問題は人間存在である「現存在」のひとつの「存在様式」である。主観・客観の問題もまた「主体の実存様式に依存する」とされる。そして,「真理」にかんしても認識と対象との一致という伝統的な真理概念は妥当しないとされ,「真理」は「現存在」の中で「隠蔽」されていたものが「開示」されるという主観的な関係のうちで理解される。私見によれば,「独我論」へと傾斜する彼のこうした主観主義的立場が,いざ客体的存在を含めた彼自身の「存在」論を展開しようとする段になって,重大な困難をもたらしたように思われる。本論文では,ハイデガーの伝統的認識論に対する批判がいかなる意味をもつかを検討し,その批判の正当性と問題点とを批判的に考察する。
著者
千葉 麗子 三木谷 浩史
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
no.75, pp.199-201, 1998-07

【三木谷】興銀時代に,M&A(企業の合併・買収)セクションにいて,企業買収のアドバイザーをしていたんです。その時に,ソフトバンクの孫正義社長とか,ディレクTVの増田宗昭社長と一緒に仕事をする機会があって…。増田さんとは今でも,かなり親しいんですが,彼らに独立をそそのかされて,辞めちゃったんです(笑)。
著者
下河内 洋平 井川 貴裕 渡邊 有実 油谷 浩之 井口 理 内田 靖之 楠本 繁生
出版者
日本トレーニング指導学会
雑誌
トレーニング指導 (ISSN:24336742)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.4-9, 2014 (Released:2020-03-30)
参考文献数
17

本研究はハンドボールにおいてシュートを打つ時の踏切脚と非踏切脚による片脚リバウンドジャンプの遂行能力と、両脚を用いたスクワット1RM(SQ1RM)及びスクワットジャンプ最大パワー値(SQJP)との関係性を検証した。19人の大学女子ハンドボール選手が本研究に参加した。彼女らは異なった負荷を用いてバックスクワットとスクワットジャンプを行い、SQ1RMとSQJPを決定した。また、測定参加者は片脚リバウンドジャンプ(RJ)をマットスイッチの上で10回行い、その時の接地時間、跳躍高、RJ指数(跳躍高/接地時間)をRJ遂行能力の指標として測定/算出した。各RJ遂行能力の指標をSQ1RMまたはSQJPで予測する直線回帰分析を、踏切脚と非踏切脚別々に行った。その結果、踏切脚においてはSQ1RM (R2 = 0.235~0.454, p < 0.05)とSQJP (R2 =0.238~0.426, p < 0.05)がより高いほど、跳躍高とRJ指数がより高く、接地時間がより短い関係性が示された。一方、非踏切脚においては、有意な関係性はSQ1RMとRJ指数の間にのみ見られた(R2= 0.158, p < 0.05)。これらの結果は、女子ハンドボール選手においては、SQ1RMとSQJPは踏切脚のRJ遂行能力のみ反映していることを示している。よって、これらの選手の下肢の筋力及び筋パワーを評価するためには、片脚スクワット1RMや片脚スクワットジャンプパワーを高精度で測定する方法を確立する必要がある。また、本研究結果は、下肢神経筋機能の左右不均衡を有する選手が両脚を効率的に鍛えるためには、より片脚での閉鎖性運動連鎖による運動をトレーニングプログラムにおいて強調する必要性があることを示している可能性がある。
著者
神谷 浩夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.39, 2006

1.問題の所在<BR> グローバル化の進展によって,より安価な賃金コストの地域に生産拠点を移転させ,グローバル市場において優位性を確保しようとする動きが活発になりつつある.こうした生産拠点の海外移転は労働力が非可動的であることを想定している.もちろんこれは,他の生産要素に比べた相対的なものである.実際には,地域間で賃金格差が大きい場合にも労働力は移動する.けれども,労働力の国際移動は素材や製品の輸出入と比べると規制が大きい.<BR> 東南アジアへの日本企業の進出は1970年代ころから活発化し,それにともない海外へ赴任する日本人の数も増大していった.海外で働く日本人の多くは,男性従業員が妻と子供を同伴するスタイルをとっていることが多い.一方1990年代半ばから,海外で働くことが20代の独身女性の間でブームとなっている.とりわけ,香港やシンガポール,上海など東南アジア諸国で働く女性が増加しているものと思われる.そこで本発表では,東南アジアで働く日本人女性に着目し,シンガポールで働く独身女性が増えた理由を検討する.<BR><BR>2.分析の手順<BR> 企業の海外進出にともなう人口移動の実態を明らかにし,海外で働く日本人独身女性が増えた理由を検討するためには,その前に日系企業の進出状況が東南アジアでどのように進んだのかを明らかにしておく必要がある.<BR> 次に,東南アジアに滞在する日本人の動向を把握することで,シンガポールにおける日本人女性が就いている職業に関して予察的な考察を試みる.海外で働く日本人に関しては,労働力調査といった国内で利用可能な労働力に関する各種統計が利用できないため,多面的に推測を積み重ねる方法をとらざるを得ない.<BR> 最後に,東南アジア諸国において日本人が働く際に大きな影響を与える就労ビザの発給方針についても整理しておく.<BR><BR>3.結果の概要<BR> 地域オフィスが形成される過程やその役割に関して考察した鍬塚(2001)は,シンガポール地域オフィスは販売管理業務あるいは現地の合弁製造会社に対する本社サービスの提供にあることを明らかにした.世界都市としてのシンガポールの機能はこうした中枢管理機能に負っている部分が大きく,日系企業の事業所もほぼこうした原理に則っている.日系企業の進出状況を業種別の現地法人で見てみると,シンガポールでは製造業が4分の1を占めるに過ぎないのに対して,マレーシアやタイでは製造業がほぼ半数を占めている.<BR> 図1は,シンガポールにおける長期滞在者の推移を示したものである.本人(男)の人数は,日系企業の現地法人に勤務する駐在員の数に相当すると考えることができる.本人(女)の人数は,男性に比べると圧倒的に少ないことから,量的な面では家族を同伴する駐在員の人数に比べれば,シンガポールで働く(おそらく独身の)日本人女性はごく少数である.それでも,1990年代に入ってから増えていることが読み取れる.<BR> その他の検討結果については,当日に報告する予定である.<BR><BR>文献<BR>鍬塚賢太郎 2001. 日本電機企業の東南アジア展開にともなうシンガポール地域オフィスの形成とその役割. 地理学評論 41A-3, 179-201<BR>Thang, L. L., MacLachlan, E., and Goda, M. 2002. Expatriates on the margins: a study of Japanese women working in Singapore. Geoforum 33, 539-551.
著者
廣瀬 恒平 田中 大雄 千葉 剛 嶋崎 達也 鷲谷 浩輔 千坂 大二朗
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.189-202, 2019-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
16

The purpose of this study was to clarify effective tactics of attack on the sport of rugby sevens using notational analysis of game performance on the menʼs rugby sevens at Olympic games 2016. The main results of this study were as follows; 1) The rate of attack to the open-side and reverse-direction are higher. 2) To breakthrough the defence-line is more difficult than the gain-line. 3) In the number of passes before contact, the rate of breakthrough the defence-line unused pass were the lowest and the rate of unused pass in the Top6 teams was lower than the bottom6 teams and therefore the attack option using pass is effective. 4) In the attack options, the rate of breakthrough the defence-line under the overlap situation is the highest and therefore the attack option to carry the ball at vacant space is effective. 5) In the starting points in attack, the rate of breakthrough the defence-line in attack from turn-over and therefore turn-over is one of the effective starting points.
著者
谷 浩明
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.119-125, 1990 (Released:2007-03-29)
参考文献数
11

我々が研究を行う際には、仮説を検証するためにパラメータを吟味することから始まります。この吟味によって選択されたパラメータをある測定方法によって得るわけですが、このとき用いられた選択と測定方法が仮説にとって適したものであるかどうか、というのは研究全体にとって非常に重要なことです。信頼性と妥当性という概念はこういったデータを処理する以前の問題として存在します。信頼性は測定の一貫性として、妥当性はその構成概念に対する測定の合理性として定義されます。今回、Jules M.Rothsteinの話をもとに信頼性と妥当性の問題をとりあげ、その内容と研究における位置を述べてみました。