著者
内藤 明美 森田 達也 神谷 浩平 鈴木 尚樹 田上 恵太 本成 登貴和 高橋 秀徳 中西 絵里香 中島 信久
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.255-260, 2021

<p>【背景】医療において文化的側面への配慮は重要である.本研究は沖縄・東北を例に首都圏と対比させ国内のがん医療・緩和ケアにおける地域差を調査した.【対象・方法】沖縄,東北,首都圏でがん医療に携わる医師を対象とした質問紙調査を行った.【結果】553名(沖縄187名,東北219名,首都圏147名)から回答を得た.地域差を比較したところ,沖縄では「最期の瞬間に家族全員が立ち会うことが大切」「治療方針について家族の年長者に相談する」「病院で亡くなると魂が戻らないため自宅で亡くなることを望む」などが有意に多く,東北では「特定の時期に入院を希望する」が有意に多かった.東北・沖縄では「がんを近所の人や親せきから隠す」「高齢患者が治療費を子・孫の生活費・教育費にあてるために治療を希望しない」が多かった.【結論】がん医療・緩和ケアのあり方には地域差があり地域での文化や風習を踏まえた医療やケアに気を配る必要がある.</p>
著者
西岡 みどり 住田 正幸 大谷 浩己 奥本 均 上田 博晤 近藤 育志
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1985

1)わが国で最も普通のトノサマガエルとダルマガエル、著しい体色変化をするアマガエル、特殊な色素細胞をもつアオガエルを主材料として、正常の体色と色彩突然変異について、形態学的、遺伝学的研究を行なった。2)トノサマガエル群では、褐色または緑色の正常色彩、配偶子の放射線照射によって得た9系統の色彩突然変異、野外で発見されたアルビノの10系統、その他黒色眼と灰色眼突然変異について、遺伝と色素細胞の微細構造について調べた。特にアルビノについては、次の重要な新知見を得た。(i) アルビノには遺伝子座の異なる5群があり、第1群は4種類の対立遺伝子によって支配される。(ii) 各アルビノは、外観および黒色素胞内に含まれるプレメラノソームに明らかな違いがある。(iii) 2遺伝子座でアルビノ遺伝子が同型接合になった12種類のアルビノを作り、各アルビノ遺伝子の表現の優劣を明らかにした。(iv) アルビノのトノサマガエルと正常のダルマガエルとの間の戻し雑種について、遺伝子型とランプブラシ染色体の組成との対比,および連鎖と転座の利用によって、各遺伝子の染色体上の位置を推定した。そのほか、オリーブ色と青色の各突然変異遺伝子座のある染色体を推定した。3)アオガエルでは、変態後黄色素胞の一部が下方に移動して、紫色素胞となり、退化した黒色素胞の代りをすることを確かめた。4)トノサマガエル、アマガエル、アオガエル、ツチガエルの黒色眼または灰色眼突然変異が、単一劣性遺伝子によって支配されることを確かめ、それぞれの色素細胞の異常を電顕観察によって明らかにした。5)トノサマガエル、ニホンアカガエル、ツチガエルを用い、色彩突然変異体と正常個体との間の前後キメラを作ったところ、前部が正常のものでは、それの色素細胞が癒着面を越えて後方に移動するが、特に虹色素胞が著しい移動をすることが確かめられた。
著者
新谷 浩一 今井 昭夫 石原 良晃
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究課題では,折りたたみコンテナの導入が港背後地でのコンテナトレーラ輸送において,コスト削減効果をもたらすか否かについて検討した.具体的には,折りたたみコンテナを導入することによって,トレーラの使用台数と走行距離,荷役回数を減らすかどうか数理計画的手法を用いて検証した.近年,大規模コンテナ港の背後地では,空コンテナの過不足問題が深刻化している.その問題の緩和に,空のときに輸送容量を縮小できる折りたたみコンテナの導入に期待される.しかし,折りたたみコンテナはいまだ本格的な実用化にいたっていない.なぜなら,折りたたみコンテナがコスト削減効果をもたらすかどうか明確になっていなかったからである.
著者
ネスミス キャシー ラドクリフ サラ 山元 貴継[訳] 神谷 浩夫[訳]
雑誌
空間・社会・地理思想 (ISSN:13423282)
巻号頁・発行日
no.4, pp.94-108, 1999

近年盛んになりつつある女性と自然、環境をめぐる言説は、環境フェミニズムあるいはエコズムという総称でくくられる。現境問題に対する地理的アプローチを発展させるために、環境フェミニズムによって提起された諸問題に対する批判的検討が行なわれる。地理学の読者に対して環境フェミニズムの原理を手短かに紹介したのち、将来の地理学的研究のための三つの領域が概述される。それは、第1に自然と文化、ジェンダー、第2にグローバルな開発と環境とのジェンダー化された関係、第3にジェンダー化された景観とアイデンティティの問題である。とくに、フェミニズム地理学と文化地理学的考察は、環境フェミニズムのアプローチの将来的な発展に対して重要な扉になると主張される。
著者
児玉 勇人 杉谷 浩規 須賀 茂幸 神谷 周
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.542-547, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
11

近年の環境規制・燃費規制に対し,ディーゼルエンジンでは高出力化と高筒内圧化が進められている.軸受としては,鋼裏金と銅合金から成る2層軸受上に,軟質オーバレイを設けた3層構造の軸受が主に使用されているが,オーバレイの耐疲労性が課題となっている.本研究では耐疲労性に優れたエンジン用軸受について報告する.
著者
神谷 浩夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.413-426, 1984-06-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
52

Consumer behavior research stimulated by the development of cognitive behavioral approach has accumulated many empirical studies, having close relation to such established fields as spatial interaction studies and the central place theory. Recent trends in this field suggest that spatial behavior is influenced by spatial and temporal constraints and that preference structure behind the behavior is not intrinsic to individuals. In the light of this argument, the focus of the study is placed on the constraints-oriented spatial choice process. The purpose of the paper is to propose a store choice model which includes the concept of constraints and to test its validity. First, through the descriptive analysis in Section III, consumers' patronage patterns for various facilities (including grocery store, pharmacy, post office and bank) are examined. The data are gathered through the self-reporting about these facilities by housewives living in Nagoya City. In Section IV the proposed model is operationalised and applied to the grocery store choice. In this model, the choice process is divided into two components. One expresses the process of constructing individual's choice set. The other indicates the process of choosing the best alternative among the choice set. And the standard ellipse is used as the choice set to delineate the activity space where consumers usually keep contact. The form of the choice function is multiplicative. When we introduce the activity space ellipse, we could explain the observed behavior better than without employing the ellipse. At the next step, we subdivid the population into subgroups according to their socio-economic status. This subdivision is repeated in terms of the ownership of private vehicle and the housewife's working status. After the population is divided, the activity ellipses are changed respectively and then applied to the grocery choice model. This time the explanable results were not obtained. The defficiency of the activity ellipse may be due to the discrepancy between the actual travel mode used and the household's ownership reported, and also due to the shape of ellipse.
著者
新谷 葉 渋谷 浩太 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.189-190, 2012
参考文献数
6

画コンテをもとに、役者の表情、仕草などを「身体素材」として撮影。のちに加工。それにより、2次元の表裏面で様々な身体表現の要素をみせる。私なりに考える、「紙人形」というアイテムに則って制作した。「静止画」であるキャラクターを、「動く」映像媒体で表現した。「時間」と「アニマ(魂)」についての観察作品。
著者
増田 晃 助川 剛 水本 直恵 谷 浩行 宮本 忠 笹井 知美 馬場 栄一郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.1177-1182, 2000-11-25
被引用文献数
4 31

イヌの外耳炎ではMalassezia pachydermatisが優勢な起炎菌として検出されるが, この真菌の持つ宿主特異性や部位特異性を解明する一助とするため以下の調査と実験を行った.1370頭の来院犬中にみられた120頭の外耳炎症例を対象に, 外耳炎の発生率, 耳翼の形状, 犬種との関係について疫学的調査を行った.垂耳犬種では672頭中85例(12.6%)が, 立耳犬種では698頭中35例(5.0%)が外耳炎であり, 両犬種間には有意差がみられた(P<0.05).脂肪酸定量のための耳垢材料が採取できた95例の耳垢サンプルについて, 培養によりM.pachydermatisを確認した後, 主な脂肪酸をガスクロマトグラフィーにより定量した.M.Pachydermatisの検出率は垂耳犬種で55.2%, 立耳犬種で53.6%と差がなかったが, 総脂肪酸量の平均値は垂耳犬種の方が立耳犬種よりも高く, 立耳犬種でありながら極端に高い脂肪酸値を示したシベリアンハスキーの値を棄却すると両耳型群の間には有意な差(P<0.05)がみられた.42株のM.pachydermatis分離株について脂肪酸の発育増強効果を調べたところ, 大多数の菌株が脂肪酸を利用しながら速く発育することが分かった.以上の結果から、犬種により差はあるものの脂質が多量に分泌されるイヌの耳道内では脂肪酸を好むM.pachydermatisがよく発育し, これはM.pachydermatisがイヌ外耳炎の優勢起炎菌になる理由の一つであると考えられる.
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔦 瑞樹 藤田 かおり 杉山 武裕 粉川 美踏 荒木 徹也 鍋谷 浩志 相良 泰行
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.296-303, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

すだち(気泡構造)からパンの食感を推定するために,粘弾性と気泡計測パラメータを計測し,それらの関係の定量化を行った.(1) すだちの構造把握に十分な数の気泡を含む大きさを持ち,合わせて試料間にバラツキが確保されるようにサンプリングするために,試料サイズの最適値を決定した.気泡パラメータの変動および実際の計測の安定性を考慮した結果,試料サイズの最適値は1辺20mmの立方体とした.(2) クリープ試験により得られた時間-歪曲線に4要素フォークト粘弾性モデルを適用し,4つの粘弾性係数(瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性および永久粘性)を得た.一方,イメージスキャナにより撮像したデータに,画像処理を利用した既往の研究8) の気泡検出法を適用し,平均気泡面積,平均気泡周囲長,単位面積当たりの気泡数,および気泡面積割合の4つの気泡パラメータを算出した.粘弾性係数および気泡パラメータの変動係数は7.5~49.2%であり,パン試料断面の部位によって不均一であることが明らかになった.(3) 粘弾性係数および気泡パラメータに相関分析を適用した結果,瞬間弾性,遅延弾性および永久粘性と気泡面積割合(画像全体に占める気泡面積の割合)に有意な相関がみられた(r>0.6, p<0.05).本実験で用いた試料においては計測した咀嚼面の気泡面積割合が大きいほど,「かたく」感じられることが示唆された.また,既往の研究と異なる方向の画像解析においても食感を推測できる可能を示せた.
著者
岡本 佳之 高柳 毅 釣谷 浩之 佐山 利彦 上杉 健太朗 星野 真人 長瀬 達則 森 孝男
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集 (ISSN:21876886)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.497-501, 2015-07-21 (Released:2021-01-15)
参考文献数
3

SPring-8における放射光光源を利用したX線マイクロCT装置(SP-μCT)を用い、フリップチップのSn-Ag-Cu鉛フリーはんだ接合部を対象として、デジタル画像相関法による、ひずみ分布の非破壊計測の可能性について検証を行った。ひずみ計測の前段階として、変位ベクトルの粗探索を行った結果、Ag3Sn相のような特徴点の周囲では、比較的高い精度で、ひずみ計測を行うことができる見通しが得られた。今後、追加の実験を行うことでマイクロ接合部における新たな信頼性手法の開発が期待できる。
著者
横山 真男 室谷 浩平 矢川 元基
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
計算力学講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp._213-1_-_213-3_, 2015

本研究では,粒子法の大規模並列計算により,ミルクラウンと呼ばれる水滴が落下し液相に衝突したときに発生するスプラッシュ現象を再した.解析モデルに対して,十分小さな粒子を用いることができければ,クラウン側面の壁厚さ方向に十分な粒子数を配置することができず,クラウン側面の壁に穴が開くという非物理的な現象が発生する.本研究では,十分に小さな粒子を用いることで,粒子法によりミクルラウンを再現すること成功した.加えて,本研究では,クラウン状の構造が消滅した後に形成される「こけし」の生成も成功した.