著者
遠藤 真司
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
開智国際大学紀要 (ISSN:24334618)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.125-132, 2018 (Released:2018-03-01)

小学生用の国語の教科書には、説明的な文章と文学的な文章の2つの文種がある。説明文を読む時、私たちは記述をもとに筆者の考えを理解する。一方、文学的な文章を読む時には、想像力を駆使する。教員志願者にも現職教員にも、この2つの読み方の違いを教えていく必要がある。
著者
遠藤 真仁 嘉名 光市 高木 悠里
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1000-1007, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
7

本研究は、道路空間に設置した滞留スポット設置前後の滞留行動の変化を把握し、また滞留者数の違いによる滞留行動の変化を把握することを目的とする。本研究では、大阪・御堂筋における社会実験「御堂筋チャレンジ2022」を対象として滞留行動調査を実施した。調査の結果、以下が確認された。(1)社会実験前と社会実験期間中を比較すると、滞留者数は増加し、座具周辺に滞留が集中する。(2)社会実験期間中で見られたアクティビティは社会実験前と比較して多様化する。(3)社会実験期間中の滞留時間は社会実験前と比較して長くなる。(4) 滞留者数の違いにより、滞留行動は変化する。以上から、通行量の変化が大きい御堂筋で設置されたベンチは通行量の変動に対して対応できていることが確認された。
著者
遠藤 恵子
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、内務省が所管していた行政の諸分野における、戦間期の女性政策の見取り図を作成することを目的とする。おもに、次の2点について、文献研究を行った。第一に、様々な政策についての政策形成過程や女性像を明らかにすることである。第二に、各政策における女性の状況を明らかにすることである。そして、多様な女性政策が形成されており、これらの政策の多くが、第一次世界大戦以降の欧米における女性政策の動向を反映していたことを理解した。
著者
遠藤 雅伸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.248-256, 2014 (Released:2016-09-28)

コインを入れて楽しむ電源系娯楽機は19世紀末に生まれた.その後,機械やアナログ回路を用いた娯楽機が発展し, 1960年代にはCRTが表示装置として使われるようになった.1970年代後半には,コンピュータを利用したテレビゲーム(ビデオゲーム)が世界的にヒットし,リアルタイムCGを牽引する形で,画像技術が応用され続けている.
著者
小泉 雄大 遠藤 広光 今村 央
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-029, (Released:2021-03-15)
参考文献数
17

The stomiid snaggletooth genus Astronesthes Richardson, 1844 comprises nine species groups (including 40 valid species), plus a further eight species independent of the groups. Among them, the Astronesthes cyanea species group (seven species) is distinguished from all other species by having the following characters: e.g., 42‒50 total vertebrae, 16‒21 dorsal-fin rays, a relatively long chin barbel (but rudimentary in three species), 3 or 4 photophores (part of the ventral row below the pectoral fin) forming an arch, and prominent luminous tissue on the operculum in large specimens. Two specimens (84.6 and 111.1 mm in standard length) belonging to this species group, collected off the Yaeyama and Ogasawara Islands, Japan, were identified as Astronesthes formosana Liao, Chen and Shao, 2006. Although the original description of A. formosana, which noted its close resemblance to Astronesthes indopacifica Parin and Borodulina, 1997, considered the former to differ from the latter in having prominent luminous patch on the lower jaw (vs. absent), a slightly swollen or rounded tip on the chin barbel (vs. slender and simple), prominent luminous tissue on the lower part of the operculum, extending to the lower end of the maxilla [vs. restricted to the middle part of the operculum (in >50 mm standard length specimens)], numerous scalelike spots or prominent patches dorsally on the head and body (vs. sparse), and the upper nostril with more a pair prominent or smearlike luminous patches (vs. a single pair prominent luminous patches), no significant differences were found between the two species in prominent luminous tissue on the operculum, and scalelike spots or prominent patches dorsally on the head (including upper nostril) and body. In addition, the barbel tip shape was found to be of inconclusive value for separating the two species, leaving the presence or absence of prominent luminous patch on the lower jaw as the only valid distinguishing characteristic. Because the features of the two Japanese specimens agreed closely with those in the original description of A. formosana, they were identified as that species, being the first record of the latter from Japanese waters. The new standard Japanese name “Taiwan-tokagegisu” is proposed for the species.
著者
遠藤 秀紀 山崎 剛史 森 健人 工藤 光平 小薮 大輔
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.21-25, 2014-03-31 (Released:2014-05-31)
参考文献数
12

ハシビロコウ(Balaeniceps rex)の咽頭腔と舌骨を三次元 CT画像解析により検討した。咽頭と頭側の食道は,左右両側へ著しく拡大していた。巨大な咽頭と頭側の食道,固定されていない柔軟な舌骨,退化した舌が観察された。これらはハシビロコウがその採餌生態に特徴的な大きな食魂を受け止めることを可能にしていると考えられた。ハシビロコウの咽頭腔領域の構造は,大きな食塊を消化管へ通過させる柔軟な憩室として機能していることが示唆された。また,舌骨,口腔,咽頭腔,頭側の食道腔に左右非対称性が観察された。この非対称性もハシビロコウが大きな魚体を嚥下することに寄与している可能性がある。
著者
遠藤 隆
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.125-135, 1995

日米関係を論ずる際に,それぞれの分野の現状を分析するものであるが,併せて,念頭に置かねばならないことに,「日本の対米観」,或いは,「米国の対日観」というものがある。これは時代によって変わるかにみえるものであるが,戦後50周年を迎えた1995年は,歴史認識という点で,両国はやや感情的になる傾向を見せたように思われる。この傾向は,前年の12月7日,日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を悼む半旗がホワイトハウスの屋上に掲げられた頃からはじまる。つまり,戦争の発端となった日本の戦争責任を問うようなムードが高まった観がある。そして,発行を中止したものの,「原爆切手」の日米間の論争があった。「原爆投下が太平洋戦争の終結を早めた」という説明のついた「原爆キノコ雲切手」ということで,被爆国としての日本政府は米国務省に発行の再検討を申し入れた。続いて,ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館は原爆投下50周年にあわせて特別展の開催を計画した。しかし,在郷軍人会などがその内容に反対し,当初予定していた史実の描写及び説明内容が大幅に縮小・削除・変更された。このように,日米関係の歴史を回顧する気運が高まりつつある時に,このB29「エノラ・ゲイ」展示がきっかけで民間戦史研究家らの論文や図書がひときわ米国市民の注目を集めることになった。そして,この展示内容は修正に修正を重ねられたもので,確かに,広島,長崎の被害状況を詳しく一般市民に見せるよい機会でありながら,それがなかったことは,物足りなさを感じざるを得なかった。しかし,そのことがむしろ歴史学者の研究を深め,米国の原爆投下の是非論にまで発展し,マスコミを賑わすことにもなったのである。そこで,本稿では,この「エノラ・ゲイ」展示の経緯と原爆投下の決定に係わる当時の議論について,現地調査(ワシントン在住の歴史学者とのインタビューを含め)から得た情報に基づいて,考察するものである。
著者
本間 恵美 平光 美津子 尾木 千恵美 鷲見 孝子 黒木 智奈美 遠藤 仁子 中村 年子
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.9-17, 1995-03-31

(1)対象学生は,自宅通学者が80%近くを占め,通学時間は1時間未満が半数以上あった。アルバイトは60%近くの者がしており,1ヵ月のこづかい額は,2万円以上が42.3%あった。(2)昼食の意識として高いのは,「栄養のバランスを考える」で,ついで「友達つきあいが大切」,「お金をかけたくない」である。「食べたいときに欲しいものを食べればよい」,「ウエイトコントロールのために控えめにしよう」と思う者は少なく,約半数の者はそのような意識はないとしている。13)自家製弁当については,「外食よりも安上がりだ」と思う者は,80%以上あり,「好きなものや食べる量が選べるからよい」,「弁当を持って行きたい」と思う者は50%前後あった。「弁当をつくる時間がもったいない」と思う者は少なく,全体的にみて弁当持参に賛成の意向がみうけられた。(4)「昼休みは短い」と思っている者は約70%で,「学生食堂は便利」,「外食の方が弁当よりリッチ」と思う者はいずれも50%強あった。「目新しい食品で楽しみたい」,「既製品は衛生'面で心配」ということはあまり意識していないようである。(5)高校生の時はほとんどの者が毎日弁当持参であったが,現在は持って行く日が多い者は30%弱であり,全く持って行かない者が45%と多かった。(6)5日間の昼食の実態では,テイクアウト食品の利用が最も多く,学生食堂・飲食店の利用などを含めると46.7%が外食をしていた。昼食を自宅で摂る者も30%近くあり,自家製弁当を持って行った者はわずか16.7%のみであった。(7)外食の食事内容は利用先により異なり,学生食堂ではカレーライス等,定食・ランチが多く,飲食店では定食・ランチが,テイクアウト食品では市販弁当,菓子パン,飲料・デザト類が多かった。(8)食事の選択理由は,学生食堂や飲食店を利用する場合は「おいしそう」が多く,テイクアウト食品の場合は「簡単にすませたい」,「好きだから」が多い。飲食店を利用する場合は「友達つきあい」というのも多かった。栄養のバランスを考えることは意識調査では高率であったが実態調査ではいずれの場合でも少なかった。
著者
遠藤 英樹
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.129-144, 2013 (Released:2020-01-13)

人文・社会科学は観光研究も含め、1960年代から1980年代にかけて「言語論的転回」を、1980年代から2000年代にかけて「文化論的転回」を経ながら、みずからのレゾンデートル(存在意義)を刷新してきた。特に人類学、社会学、地理学の領域では、国内外ともに、その傾向は顕著であった。だが現在、これら「言語論的転回」や「文化論的転回」の議論をさらにすすめて、「モビリティー」や「再帰的近代」等に対する問いかけがなされるようになっている。これら人文・社会科学におけるいくつかの転回は、既存の学的な視点によっては「社会的なもの(the social)」の位相を充分にとらえることができなくなってきたがゆえのものだと言える。本稿では、これらをふまえて、現在「社会的なもの」は「観光(tourism)」に明白に現れるようになっており、人文・社会科学は観光論的な視点を積極的に内在化させていく必要があることを主張する。結論として、観光学を、静的・定常的なディシプリンとしてではなく、動的・生成的なディシプリンとして確立していくべきことを呼びかける。
著者
遠藤 光暁
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.40-51, 2011-08-30 (Released:2017-08-31)

In this paper, a panoramic view is given on the relationship between three different laryngeal features found in Eastern Asian languages. The features under investigation consist of manner of articulation of the consonant, phonation type and pitch, all of which are controlled by larynx. Close correlation between these features is observed, especially among tone languages distributed across the center of the East Asian region. Moreover, examples from surrounding languages (i.e. Japanese and Korean, as well as Austronesian and Austroasiatic languages) are also surveyed.
著者
遠藤 由香 石川 匡子
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.105-110, 2015 (Released:2016-09-26)
参考文献数
10

にがりを構成する無機塩と塩の味質の関係について官能評価と味覚センサにより検討した.官能評価の結果,塩化ナトリウム0.8 %溶液に,塩化カリウム,硫酸ナトリウムを0.08 %添加した際,味の識別が可能であり,添加濃度の増加とともに味が濃く感じられた.一方,硫酸マグネシウムは0.04 %,塩化マグネシウムは0.16 %添加した際,識別可能であり,添加濃度の増加とともに味が薄く感じられると同時に,苦味も感じられた.味覚センサ測定では,硫酸マグネシウム,塩化マグネシウムのみ,苦味の応答パターンが他の溶液と異なっていた.以上の結果から,にがり成分によって,塩の味質に与える影響が異なると考えられる.
著者
加茂 智彦 荻原 啓文 田中 亮造 遠藤 まゆみ 角田 玲子 伏木 宏彰
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.242-249, 2019 (Released:2019-08-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2

【目的】本研究では日本におけるめまい症に対する理学療法士による個別リハビリの効果を検証した。【方法】本研究は,後ろ向きのコホート研究である。対象はめまい患者20 例とした。介入群には個別リハを週1 回,1 回40 分,4 週間実施に加え,自宅における自主的な前庭リハビリを指導した。対照群には自主トレのみを指導した。測定項目はDizziness Handicap Inventory(以下,DHI),Dynamic Gait Index(以下,DGI),Functional Gait Assessment(以下,FGA)とした。【結果】介入前後の変化率はDHI_Emotional,DHI_Total,DGI,FGA において介入群とコントロール群間に有意差が認められた。【結論】本研究の結果より,理学療法士による個別リハビリはめまい患者におけるバランス・歩行能力,めまいに関連した日常生活活動を改善させることが明らかとなった。