著者
三澤 遼 木村 克也 水町 海斗 服部 努 成松 庸二 鈴木 勇人 森川 英祐 時岡 駿 永尾 次郎 柴田 泰宙 遠藤 広光 田城 文人 甲斐 嘉晃
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-023, (Released:2020-10-02)
参考文献数
192

New distributional records of forty-five fish species off the Pacific coast of Tohoku District, northern Japan are reported, based on specimens trawled by the R/V Wakataka-maru (Japan Fisheries Research and Education Agency) during surveys in autumn of each year from 1995 to 2019. The records include northern distribution range extensions of 19 species, distribution gaps filled for 17 species, and northern and southern limits along the Pacific coast of Japan for eight and one species, respectively. Twenty-seven species were recorded off Tohoku District for the first time. In addition, taxonomic notes for each species, including some meristic and morphometric data from the collected specimens, are also provided.
著者
遠藤 哲夫 佐藤 方信 吉田 博 矢川 寛一
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.1007-1015, 1978-09-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
22

A total of 747 cases of malignant neoplasms of the thyroid reported in the “Annual of the Pathological Autopsy Cases in Japan” during the past 5 years (1969-1973) were reviewed and statistically analysed.Histological diagnosis in this series were papillary carcinoma in 323 cases (51.8%), follicular carcinoma in 143 cases (22.9%) and anaplastic carcinoma in 102 cases (16.3%). The average age of patients at autopsy was 58 years for papillary carcinoma cases, 62.4 years for follicular carcinoma cases and 61.7 years for anaplastic carcinoma cases. The incidence of metastasis to lymph nodes and to organs was 47.3% and 51.5%, respectively in cases of follicular carcinoma and 73.3% and 98.0%, respectively in cases of anaplastic carcinoma. Autopsy revealed an otherwise unnoticed thyroid cancer in 457 cases, which accounted for 61.2% of the entire autopsy cases of malignancy of this organ. A so-called multiple cancer, i.e. the concurrence of carcinomas in the thyroid gland and other organs, was seen in 239 cases (32.3%).
著者
志村 浩己 遠藤 登代志 太田 一保 原口 和貴 女屋 敏正 若林 哲也
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.146-152, 2001-08-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
22
被引用文献数
2

甲状腺超音波検診による結節性甲状腺疾患および甲状腺機能異常のスクリーニングにおける有用性と問題点を明らかにするため,3,886名の甲状腺超音波検診の結果について検討した。その結果,充実性腫瘤は19.4%に認められ,このうち甲状腺癌は21例(0.5%),Plummer病は1例,原発性副甲状腺機能充進症も4例発見された。び慢性甲状腺腫あるいは内部エコーレベルの異常は11.7%に認められ,このうち17%で精査が行われ,橋本病47例(1.2%),バセドウ病4例,亜急性甲状腺炎1例が発見された。
著者
山本 俊夫 島津 智浩 遠藤 善宏 白石 廣行 影山 努
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.515-521, 2005-08-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

The concentrations of norovirus (NV) genes in water samples from rivers A, B and C flowing into oyster farms in Miyagi Prefecture, Japan were determined from October 2002 to March 2004. Norovirus genes in 35 specimens collected over 17 months were measured using genogroup 1 (G1) and genogroup 2 (G2) specific real-time quantitative reverse transcription PCR techniques. The respective positive rates of NV genes in rivers A, B and C were 51% (18 of 35), 97% (34 of 35) and 26% (9 of 35). The respective concentrations of the NV G1 gene ranged from 85 - 5.3 × 103 copies, 80 - 9.6 × 104 copies and 85 - 1.7 × 103 copies in 100 ml of water samples from rivers A, B and C. The respective concentrations of the NV G2 gene ranged from 93 - 2.0 × 103 copies, 65 - 1.5 × 105 copies and 72 - 1.2 × 103 copies in 100 ml of the same water sample. These values were high during winter, and low but detectable during summer.
著者
遠藤 匡俊
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.601-620, 2001-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
58
被引用文献数
1 2

文字を持たないアイヌ社会において,近所に生きている人やすでに死亡した人と同じ名を付けないという 個人名の命名規則が,どの程度の空間的範囲に生活する人々に適用されていたのかは,これまで不明であっ た.アイヌ名の命名には,出生後初めての命名と改名による新たな命名があり,いずれもアイヌ固有の文化 であったと考えられる.アイヌ名の改名は根室場所,紋別場所,静内場所,三石場所,高島場所,樺太(サ ハリン)南西部,鵜城で確認された.中でもアイヌ名の改名が最も多く生じていたのは,根室場所であった. 根室場所におけるアイヌ名の改名は,結婚や死と関わって生じた事例が多かった.改名による新たな命名が 多く生じていたにもかかわらず,同じ名を付けないという個人名の命名規則は, 1848~1858 (嘉永1~安政5) 年の根室場所においては,集落単位のみならず根室場所全域でほぼ遵守されていた.根室場所は,アイ ヌの風俗の改変率が高いことから和人文化への文化変容が進んだ地域とみなされるが,アイヌ名の命名規則 に関する限り,アイヌ文化は受け継がれていたと考えられる.
著者
田辺 健 雨宮 智浩 遠藤 博史 井野 秀一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.291-301, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
72

When presented with asymmetric vibrations, humans typically experience an illusory force that is similar to the sensation of being pulled toward a particular direction. The pulling illusion has been used in new display elements for a pedestrian navigation system and a VR content because the asymmetric vibrations can be implemented in a small non-grounded device. This paper reviews the findings of the pulling illusion with covering a wide range of topics, including the basic concept, physiological mechanism, optimal parameters for the illusion, the control method of force vectors, the evaluation method of the illusion, and applications. As a result of the review, the research trend of the pulling illusion was confirmed, and the vital points which were stimulation method and parameters of asymmetric vibration to design a haptic interface using the illusion were clarified.
著者
遠藤 匡俊
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.236-258, 2012-05-01 (Released:2017-10-07)
参考文献数
55

幕府は二度にわたり蝦夷地を直轄地として,アイヌの人々の文化を和人風に変えようとした.この同化政策によるアイヌ文化の変容過程については,あまり知られていない.本研究では1799~1801(寛政11~享和元)年のエトロフ島におけるアイヌの和名化と風俗改変の空間的・社会的拡散過程を復元した.1799年にシャナ集落で始まった文化変容の中で,和名化は1800年に,風俗改変は1801年にほぼエトロフ島全体に広がった.1801年に会所や番小屋が設置された集落とその周辺地域では和名化率と風俗改変率はより高く,ロシアとの境界に接するエトロフ島北部では低かった.1800年に和名化したのは主に10歳以下の子供であり,1801年に和名化・風俗改変したのは主に16歳以上の青壮年であった.和名化と風俗改変が生じるかどうかにおいては有力者の動向が下男・下女に影響力をもっていた.
著者
岡村 菊夫 鷲見 幸彦 遠藤 英俊 徳田 治彦 志賀 幸夫 三浦 久幸 野尻 佳克
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.557-563, 2005-09-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
33
被引用文献数
4 6

目的: 水分を多く摂取することで脳梗塞や心筋梗塞を予防できるか否か, これまでの報告を系統的にレビューする. 方法: PubMed 上で dehydration, hydration, water intake, fluid intake, cerebral infarction, cerebrovascular disease, apoplexy, myocardial infarction, angina pectoris, ischemic heart disease, blood viscosity, hemorheology を組み合わせた条件で文献検索し, 6名が論文を評価, 取捨選択した. 結果: 検索された611論文のうち22論文を選択した. 前向き無作為化試験が1つ, 前向きの非無作為化試験が4つ, コホート研究あるいは症例対照研究が8つ, 後ろ向きの記述研究が9つ存在し, 以下の点が明らかとなった. 脱水は血液粘稠度を上昇させ, 脳梗塞や心筋梗塞を惹起する原因の一つである. 血液粘稠度上昇には, 脱水以外にも重要な複数の要因が関連する. 夜間の水分補給は血液粘稠度を下げるが, 脳梗塞を予防するという証拠はない. コップ5杯以上の水を飲む人は, 2杯以下しか飲まない人より心筋梗塞の発症が低いとする報告が1つ存在した. 結論: 脳梗塞や心筋梗塞の主な原因は動脈硬化, 動脈硬化性粥腫であり, 予防には生活習慣の是正が根本的に重要である. 水分を多く摂取すると脳梗塞を予防するという直接的な証拠はなかった. 水分摂取と脳梗塞・心筋梗塞の頻度に関してはさらなる研究が必要であり, 高齢者のQoLを向上させる適切な水分摂取法を検討していく必要がある.
著者
遠藤 幸子
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.267-277, 2014 (Released:2015-04-28)
参考文献数
71
被引用文献数
1 3

多くの鳥類において,繁殖期に雄から雌への給餌行動が観察される.この行動は,繁殖における雌雄の役割分担,交尾をめぐる雌雄の性的対立,そして社会的一夫一妻制鳥類におけるつがい関係維持に果たす役割といった観点から研究が行なわれ,鳥類の繁殖生態の研究において行動生態学分野の知見を提供してきた.これまでの研究から,雄から雌への給餌行動は,各繁殖段階において個体の適応度に影響を与えるであろう,様々な機能をもつことが明らかになってきた.そして,これらの報告は,鳥類の繁殖における雌雄の関係性の理解に大いに貢献することを示唆した.そこで,本稿では,繁殖段階ごとに雄から雌への給餌の機能に関して提唱されている仮説とその検証結果について整理し,鳥類の繁殖における雄から雌への給餌行動の機能とこの行動の進化した背景について議論する.なお,つがい形成前における(1)つがい相手選択仮説,つがい形成後から産卵期にかけては(2a)栄養補給仮説,(2b)雌に交尾を受け入れてもらうための給餌仮説,(2c)雌による雄の育雛能力査定仮説,(2d)つがい関係維持仮説を,そして抱卵期における給餌においては(3a)栄養補給仮説,(3b)雌による雄の育雛能力査定仮説,そして(3c)つがい関係維持仮説について,それぞれ説明する.
著者
阿部 真由美 遠藤 健 森田 裕介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46068, (Released:2023-05-10)
参考文献数
17

本研究では,2020年度秋学期の大学での授業について,大学生を対象としたアンケート調査を実施し,学生が「有益」だととらえた授業の形態とその傾向を検証した.授業形態は,対面とリアルタイム,オンデマンド,さらにそれらの組み合わせといずれも含まない8つの形態に分類した.その結果,次の点が明らかになった.まず,「有益」な授業には,対面やリアルタイムでの同期型の授業が含まれていた.また,同期型の授業では,履修者の発言や授業内の協調活動が活発だった.一方,授業外の協調活動は対面授業によって促進される可能性が示唆された.さらに,授業の区分や規模,学生の学年により,「有益」な授業形態の傾向に違いが見られた.
著者
遠藤 秀紀 佐々木 基樹
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.45-53, 2001 (Released:2018-05-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

哺乳類の科以上の高次分類群に関して,その和名を検討し,リストとして表現した。目レベルでは原義を尊重しながら実際の定着度を考慮して和名を提示し,科レベルでは代表的属名のラテン語綴りを片仮名表記する方針をとった。分類体系の議論は加えていないが,従来の食虫目において,第三紀初期の化石諸群および現生するクリソクロリス類などが目として独立したため,トガリネズミ類,モグラ類,テンレック類などを無盲腸目と呼称する必要が生じていることが特筆される。また,有袋類を複数の目に分割する必要性が生じ,新たな和名を提案することとなった。近年,行政や出版界から,学校教育・社会教育の現場に影響する形で,学術的検討成果を顧みない安易な目名の変更が提案された経緯があり,本結果が哺乳類の高次分類群の和名について,学界のみならず社会的にも有意義な示唆となることを期待する。
著者
遠藤 野ゆり
出版者
法政大学キャリアデザイン学会
雑誌
生涯学習とキャリアデザイン = 生涯学習とキャリアデザイン (ISSN:13493051)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.85-101, 2013-02

The education for developmental-disorder-childrenwhich has started since 2006 underthe title of"inclusive education"results astwo things. In one hand, many handicappedchildren have got suitable education. Onthe other hand, they have been driven outfrom ordinal education. In order to achievethe co-lived society, we have not only toemphasize the merit of developmentaldisordered cognitive feature, but also tobe conscious of non-handicapped personʼsvarious cognitive abilities. Thanks to the priorresearch of developmental disorder and myinterview about the non-handicapped personʼsexperiences of the memory and the image ofothers, this paper illustrates that all people,regardless of being handicapped or not, hasvarious bias on their cognitive ability.
著者
遠藤 由紀子 Yukiko Endo
出版者
昭和女子大学女性文化研究所
雑誌
女性文化研究所紀要 (ISSN:09160957)
巻号頁・発行日
no.35, pp.25-41, 2008-03

Heima Kajiwara, who was the chief retainer of the Aizu-han in the last days of the Edo period, disappeared suddenly in the beginning of the Meiji period. He had a child with Futaba Yamakawa in the Edo period and some children with Tei Mizuno in the Meiji period. Futaba had been brought up under strictly 'Samurai' ethic of woman in the Aizu-han and worked in the Tokyo Women's College of Education. Tei was an advanced woman who founded a free, private elementary school in Nemuro, Hokkaido and worked to promote the importance of Education. Recently the re-evaluation of Tei's work brought with it the discovery of the location of Heima's tomb. The discovery clarified what happened at the end of Heima's life. Both Futaba and Tei brought up their children while working and single. Both women did not adhere to the traditional conventions of marriage, and lived their lives without depending on their husband.