著者
酒井 利信
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.40-54, 1998

In ancient Japan, the concept of gods had been changed as passing of time. From this fact, it is expected that Japanese primitive faith had been changed, as sword culture was transmitted from China. In this paper, we describe transformation of primitive belief and foundation of unique Japanese sword culture, in the process of accepting sword culture.<br>The summary is as follows:<br>1. Sword culture influenced ancient Japanese mental world, and changed belief in the fire. This belief in the fire changed from destructive to constructive and part of this had been absorbed in the concept of sword.<br>2. Originally, ancient people believed in god of snake that supported farming. But, as the time went by, power of god of snake had declined, and this faith was absorbed in the concept of the sword.<br>3. Power of god of thunder had decline, too. The belief in this had concentrated at peculiar god "Takemikazuchi", and this had been related to sword.<br>4. The sword came to absorb concepts of fire and snake. And related to "Takemikazuchi", it was recognized as god itself.<br>5. From the above discussion, it is assumed that there is a unique Japanese way of thinking that sword is related to god. This is thought to be a foundation of concept of sword in Japan.
著者
酒井 俊昭
出版者
千葉県暖地園芸試験場
雑誌
千葉県暖地園芸試験場研究報告 (ISSN:03887774)
巻号頁・発行日
no.3, pp.11-14, 1972-03

1968年と1969年に,パセリー,ハナヤサイ,イチゴの夏の育苗について,白,黒寒冷しゃのしゃ光の効果を比較検討した。白寒冷しゃの日よけによって,無しゃ光に対して70%,黒には40%の光量となった。苗の発育には白寒冷しゃがほぼ一貫してよし無しゃ光ではこれにやや劣り,黒の日よけでは,パセリーで欠株数が多くなり,ハナヤサイで発育が劣り,イチゴで採苗数が48%になるなどきわめて悪い結果が出た。これは,黒寒冷しゃでは光飽和に達している時間はわずか5時間程度にすぎず,真夏の強い日差しにかかわらず光線不足が続くからと考えられる。
著者
ポーイェ アントン ポトチニク イゴル 酒井 秀夫
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.47-54, 2010-01-31

ブナの伐採が,その複雑で非対称性な樹冠特性,枝の配置,長さ,厚み,幹の曲がりからしてトウヒやモミに比べて危険度が高いという仮説を検証した。スロベニア国有林で1999〜2005年に発生した払い下げ作業員の事故を分析した。999件の事故のうち,528件が伐採中であり,そのうち475件がブナ,トウヒ,モミの伐採中である。伐採材積または本数に対する事故発生割合から,ブナ伐採がトウヒやモミに比べてどの程度事故の危険性が高いかを示した.I_kは伐採材積を,I_dは伐採本数を指標としたとき,ブナ伐採時はトウヒ,モミに比べて,I_dは1.1倍,I_kは1.5倍高い。くさび打ちのI_d,I_kはそれぞれ1.3,1.9倍,追い口切りは1.6,2.3倍,造材・玉切りは2.0,2.9倍と高い。かかり木除去,枝払いのI_kはそれぞれ1.4倍,1.2倍でありI_dは1.0倍,0.8倍である。概してI_kはI_dよりも高い。以上の結果は,今後広葉樹伐採の研修,作業準備などの事前の安全性確保,作業管理,作業組織,安全作業評価にとって活かすことができる。
著者
菊本 統 中島 伸一郎 小山 倫史 酒井 直樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,吸排水に伴うヒステリシスや体積変化による飽和度変化の影響も考慮した発展型の水分特性曲線モデルと、それを組み込んで締固め過程から変形・破壊までシミュレートできる不飽和土の構成則を開発した。これらのモデルの適用性は,排気非排水圧縮や浸水,せん断シミュレーションを通して検証し,同モデルを用いれば最適含水比と最大乾燥密度を持つ締固め曲線を解析的に表現できることを明らかにした。さらに,有限変形理論に基づいて、2年目までに開発、検証を行った構成モデルと水分特性曲線モデルを組み込んだ有限要素解析コードを開発するとともに、大変形問題のシミュレーションを通して検証を行った。
著者
酒井 茂幸
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. 文学研究篇 (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.43, pp.273-296, 2017-03

本稿では延宝八年(一六八〇)から天和三年(一六八三)の後西院から霊元天皇・近衛基凞への古今伝受について、『基凞公記』の別記・陽明文庫蔵『伝授日記』の解読を中心に据えて、流れを整理し、かつそれぞれの場面における様相を御所伝受の通史を視野に収め検討する。まず、霊元天皇から所望が提起され、後西院が後水尾院に相談し諒解が得られた。続いて「三十首和歌」が詠進され、いよいよ後西院による講釈が、延宝八年五月六日から始まる。一度徳川家綱の薨去のため延宝八年五月一一日に講釈が中断し、約三年後の天和三年四月二日に再開される。後西院の講釈は天和三年四月一四日に終り、一六日になり切紙伝受、誓状の提出、証明状の下賜と進んだ。切紙伝受の模様は、天正二年(一五七四)の古今伝受以来と同様に、人麻呂の画像を架けその前に設えた白机に三種の神器を置き神事として行われた。ただ、寛文四年(一六六四)の古今伝受以来三種の神器の玉が香箱になっている。東山御文庫蔵『後西天皇古今伝授御証明状』に拠ると、この四月一六日の霊元天皇への切紙伝受では、後水尾院相伝・宸翰の切紙二四通と後西院宸翰『伝心抄』の進上が伝受の対象となった。一方、基凞への切紙伝受では後西院宸翰の切紙が伝受されたようであり、陽明文庫に後西院宸翰の切紙が所蔵されている。なお、二二日に小御所において竟宴和歌御会が催されていることも注意される。This paper is a detailed reading of one section of Konoe Motohiro's (1648-1722) diary, entitled Denju niiki (Diary of the secret transmission), currently part of the Yōmei Collection. Retired Emperor Go-Sai (1637-1685, r. 1654-1663) spent a total of four years, from 1680 to 1683, passing on his lineage of the secret transmission-a collection of esoteric interpretations -of the Kokin wakashū (Anthology of Japanese poems old and new, 905) to Emperor Reigen (1654-1732, r. 1663-1687) and Konoe Motohiro. In this paper, I will look closely at Konoe's diary in hopes of reconstructing the various stages of this transmission, as well as the different venues within the palace in which it took place.In the first place, it was Emperor Reigen who initiated the process by appealing to Retired Emperor Go-Sai, who, having in turn consulted with Retired Emperor Go-Mizunoo (1596-1680, r. 1611-1629), gained permission to begin the secret transmission. Then, the thirty poems around which this secret transmission revolves were recited, after which, on the sixth day of the fifth month in the eighth year of Enpō (1680), Retired Emperor Go-Sai began his exoteric explanation. The death of Tokugawa Ietsuna (1641-1680, shogun from 1651-1680) less than a week put a temporary halt to these lectures. They were eventually resumed some three years later, in 1683, on the second day of the fourth month. Retired Emperor Go-Sai concluded his lectures on fourteenth day of that same month, whereupon his two disciples were made to vow never to reveal the transmission to the uninitiated. They were both given certificates which proved their newly attained place in the lineage of the secret transmission.
著者
矢野 純子 居林 晴久 西山 知宏 田中 政幸 佐藤 茂夫 酒井 和代 松田 晋哉 小林 篤 矢倉 尚典
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.229-237, 2006
被引用文献数
2 1

2006年4月から実施された介護保険新予防給付に先立ち, 鹿児島県離島において筋力向上器械を使用した高齢者の運動器の機能向上プログラムを3ヵ月間実施した. その前後に行った体力測定, 生活習慣・日常生活動作(Activities of Daily Living: ADL)・手段的日常生活動作(Instrumental Activities of Daily Living: IADL)調査, 改訂版Frenchay Activities Index自己評価法の結果, 体力測定の内, 筋力, 歩行能力, 全身協調性は有意に向上し, その他の指標, ADL, IADLには有意差は見られなかった. この理由としては例数が少なく筋力の向上が生活全体の活動量の増加に繋がっていないことが示唆された.
著者
酒井 秀夫 大橋 文人 佐々木 重人 伊藤 福美 森田 明 小林 晋作 高井 信治 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.1239-1242, 1984-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
9

活性炭などの吸着剤による直接血液灌流(DHP)は肝不全・腎不全などに対する治療として有効である。本治療法実施に際しての抗凝固剤としては主にヘパリンが使用されているが, 血球の減少・DHP後の出血傾向などの問題がある。我々はこれらの問題点を考慮し, ヘパリンにかわる抗凝固剤としてカルバサイクリン誘導体CS-570を使用して実験的尿毒症犬の活性炭によるDHPを行ない, 血球成分・血液凝固能・血圧・回路内圧などを指標としてCS-570のDHPにおける抗凝固剤としての有用性を検討した。その結果, DHP実施中の赤血球数・血小板数は変動せず, 血液回路内での血小板凝集は強く抑制されており回路内凝血の徴候は認められなかった。一方, 生体内での凝集抑制率は低くDHP終了後の凝集能回復も速やかであった。また, 血圧の低下はわずかであった。以上のことからCS-570はDHPにおける抗凝固剤として非常に有用であると考えられた。
著者
太田 貴久 南 拓也 山崎 祐介 奥野 好成 田辺 千夏 酒井 浩之 坂地 泰紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2L103, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究では,発明の新たな用途先を探す手法を提案した.提案手法では,はじめに,技術的特徴とそれに対応する効果を抽出する.その後,ユーザが指定した発明と,技術的特徴が類似し,かつ効果が類似しない他の特許を検索する.このような手法によって,発明の新たな用途先を探索する.提案手法に対して実験を行った結果,実際に別用途へ展開された特許の例を再現することでできた.
著者
大黒 香 加藤 道久 當別當 庸子 箕田 直治 若松 成知 山中 明美 酒井 陽子 福田 靖 郷 律子 神山 有史
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.34-37, 2009-03-25
被引用文献数
1

当院は,平成18年5月に新病院に移転した.一般病棟は多床室がなくなり,個室と2床室のみとなった.院内の急変対応に関しては,コードブルー体制が運用されているが,新病院移転後の発生状況を検討し,問題点や今後の課題について検討した.平成17年から19年の3年間のコードブルー症例について診療録および看護記録からそれぞれ発生状況などの調査を行った.3年間の症例数はそれぞれ11,27,6例であり,平成18年の病院移転前後での発生が増加していた.平成18年では,発生場所は外来および中央診療部(透析室,CT室,内視鏡室)が10例,病棟17例であった.時間外が15例であった.心停止になりCPR を施行したものが18例(67%)あり,そのうちVFが3例あった.自己心拍再開率は39%(7/18)であり,心停止をきたした18例中で社会復帰症例は1例のみであった.新病院に移転した平成18年に,コードブルー件数が増加したことがわかった.病院移転や新しいシステム導入時には患者対応の遅れが危惧される.個々の症例について発生状況やその対応について十分検証していく必要性がある.
著者
酒井 哲弥 斎藤 文紀 増田 富士雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-14, 1995-08-10
参考文献数
23
被引用文献数
5

1980年代後半にエクソングループの手によってシーケンス層序学が確立された。ここではその概念について説明する。その中でも特に, シーケンス層序学で最も基本となるユニットであるシーケンスとそれを構成するユニットの特徴を説明し, ユースタシーが地層形成にどう影響するかについて議論する。
著者
酒井 孝寛 坂田 治 伊豫 泉
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.115-126, 2013-03-29

水産業や加工業、旅館等の観光業や飲食業など、天草地域は里海の恩恵を受けて発展してきた。しかしながら、温暖化による海の環境の変化や水産資源の減少、漁業者の高齢化や後継者問題など、現在の天草の里海は様々な問題を抱えている。本提案は、天草地域における里海の保存と継承に向けたコンソーシアムの設立と、シールを活用した保存活動資金の確保に関する提案である。Amakusa area has developed with the benefits of Sato-umi, such as tourist business and catering trade that are fisheries, processing industry, hotel and etc. However, now Sato-umi of Amakusa has various problems, such as change of marine environment by global warming, reduction of marine resouces, a fishery worker's aging and the lack of successors etc. This suggestion related to the securing of the preservation activity fund which utilized the establishment of the consortium and the stickers, for the preservation and the succession of Sato-umi in Amakusa area.
著者
酒井 哲也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.198-199, 2018-01-15
著者
片山 訓博 大倉 三洋 山崎 裕司 重島 晃史 酒井 寿美 栗山 裕司 稲岡 忠勝 宮崎 登美子 柏 智之 藤本 哲也 藤原 孝之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.365-369, 2011 (Released:2011-07-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

〔目的〕常圧下における低酸素および高酸素条件への急性暴露が,運動時の呼吸循環応答へ与える影響を検討した.〔対象〕健常成人男性7名.〔方法〕膜分離方式により常圧環境下において低,通常,高の3つの酸素濃度条件を設定した.各条件下で自転車エルゴメータによる多段階漸増運動負荷を行い,安静時から運動最終時までの呼吸循環応答を測定した.低酸素濃度と通常酸素濃度,通常酸素濃度と高酸素濃度の呼吸循環反応を比較検討した.〔結果〕低酸素濃度では,通常酸素濃度に比べ呼吸循環器系への負荷が有意に増大した.特に,嫌気性代謝閾値以上の負荷において呼吸器系への負荷が大きくなる傾向にあった.高酸素濃度では,通常酸素濃度と大きな差を認めなかった.〔結語〕急性暴露における常圧低酸素環境においても,順化させた低圧低酸素環境での呼吸循環負荷と同様の効果が示された.