著者
征矢 智美 野村 美佳 林 照次 長谷川 敬
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.115-124, 2004-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1 4

「肌の透明感」は女性の肌状態, 肌意識に関するアンケート調査や化粧品使用前後の指標に多く使用される重要なキーワードであるが, 「透明感」が具体的に肌のどのような状態を指すかについては明確ではない。そこで, 本研究では最初に若年層と中高年層を対象に「透明感のある肌」に対する重要度調査と他の肌表現語との関連度調査を行った。その結果, 「透明感のある肌」の重要度は, 若年層では最高位であるのに対し中高年層では肌荒れしていない等の肌悩みの方が重要視されていた。反面, 「透明感のある肌」は, 肌のキメや色, うるおいなどの三つの要素を基本要件とする複合概念であるという点で両年代に差異はなかった。次に, 両年代の評定者が同じ若年モデルを観察したときの「透明感」の主観判断とモデルの実際の皮膚生理的特性との関係を調べた。その結果, 若年層では肌色におけるbの色ムラ (標準偏差), 角層水分量, 皮膚表面形態 (皮溝深さ, 皮溝量), 中高年層では, 肌色におけるLおよびaの色ムラ (標準偏差) について有意な関係が認められた。これらの結果から, 「透明感」の言語的構造に年代差はないが, 判断の手がかりである皮膚の生理特性は異なると考えられた。
著者
福岡 俊道 野村 昌孝
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.17-00018-17-00018, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Titanium and titanium alloys have a lot of excellent characteristics when used for the parts and components of machines and structures. As for bolted joints, however, they are used only for some limited cases because of the high cost. Their specific characteristics, e.g., low weight and high resistance to corrosion, are highly attractive from the engineering point of view. In this paper, thermal contact coefficients at the interface composed of titanium and titanium alloys are measured, and the empirical equations for evaluating the coefficients are derived in the same form proposed in the previous papers. Then, heating experiments of bolted joints, tightened by titanium bolts, are conducted to examine how the bolt preloads vary when subjected to thermal loads, and the bolt preload variations are compared to the case tightened by carbon steel bolts. In the next place, aiming at a broader use of titanium and titanium alloy bolts, numerical analyses are performed to demonstrate the effectiveness of those bolts by incorporating the foregoing thermal contact coefficients into the finite element formulation. The numerical results are favorably in good agreement with the experimental ones, and they suggest that threaded fasteners made of titanium alloys can be favorably applied to the joints whose clamping forces are likely to decrease when subjected to thermal loads.
著者
野村 拳一 谷 藤吉郎
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.31, no.166, pp.99-114, 1981-06-05 (Released:2009-06-12)
参考文献数
6

The Toyoha mine is located in the geothermal area of Southwest Hokkaido, Japan. The geothermal surveys revealed the presence of very high heat flow areas widely spread over the ore deposit in the Neogene system. The heat flow amounts to 25.7 HFU (heat flow unit), about ten times higher than we expect generally in the Green-tuff region of Japan. Notwithstanding, few hot springs and vapor fumaroles are found around the area and neither prospect tunnels nor drillings have ever disclosed any conspicuous underground hot-water reservoirs.On the basis of the geothermal data obtained from the borehole temperature measurements, it is proved that the temperature distribution has a clear tendency to increase southeastwards and vertically downwards. The source of the high heat flow concerned is presumed as a kind of hot dry rock.The mining operation will be concentrated on the conspicuously high heat flow areas in the future. Thus it is an important problem how to lower the temperature at the underground working site. For the purpose of obtaining the basic data for the future exploration and development in hot areas, the present study aims to draw a possible limit of exploitation by computing the heat balance in tunnel.
著者
野村 陵 川本 英樹 吉田 秀則 米田 武史 青木 茂
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集 (ISSN:13465260)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.72-77, 2005 (Released:2005-10-31)
参考文献数
10

高解像度圧縮性CFD解析コードを用いて超音速風洞流路流れの可視化を行った.CFD解析結果の可視化は,流れ方向の気体の密度勾配分布に基づいた仮想的なシュリーレン光学画像処理手法を用いて行った.ここでは,以前に考案した超音速風洞流路流れの特性を利用した最適化手法によるノズル形状の最適化結果を例として,最適化前後のCFD解析結果を可視化し,風洞測定部の気流の変化を確認した.可視化によって,風洞流路内の一様流れ中に発生する微小な圧力波を良く捉えることができ,最適化による風洞測定部の圧力波のわずかな変化を確認することができた.このような可視化手法が微小な圧力波を評価する上で有効な手法であることが判明した.
著者
新谷 昌之 内藤 勇太 山田 信吾 野村 祐吾 周 勝 中島田 豊 細見 正明
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.539-544, 2008-09-20
参考文献数
25
被引用文献数
3 15

残留性有機汚染物質(POPs)として懸念される有機フッ素化合物,ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)のメカノケミカル(MC)処理に注目した.酸化カルシウム(CaO)を反応助剤とし,小型遊星ボールミル(ミル回転数700 rpm)を用いておよそCa/F(mol比)=2でPFOS,PFOAのMC処理を行った結果,どちらの物質とも3時間の処理で80%以上分解することが明らかとなった.処理後は,炭酸カルシウム(CaCO<sub>3</sub>)やフッ化カルシウム(CaF<sub>2</sub>)の生成が確認され,C–F結合やC–C結合の開裂反応によって分解反応が促進することが示された.また,有価なCaF<sub>2</sub>の生成により,マテリアルリサイクルの可能性も見出された.
著者
三上 可菜子 高橋 亮輔 東山 和寿 野村 健一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.137, no.8, pp.561-564, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
1

1. はじめに1.1 シンデレラ・テクノロジーとは読者のみなさんは「盛る」という言葉の意味をどのように解釈しているだろうか。一般的には, 例えば「料理を皿に盛る」といった使い方をする言葉であるが, 近年は, 特に若い女性の間で本来の意味と異なる使い方で用いられている。彼女たちにとって「盛る」とは, バーチャル世界

1 0 0 0 OA 犬の腎癌

著者
野村 靖夫 藤井 勇 土屋 新男 斉藤 保二
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.431-434, 1972-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Only 32 cases of renal carcinoma had been reported previously in dogs. The present paper deals with 2 canine cases of papillary adenocarcinoma. Observation of these cases revealed that hematuria varying in severity might be a very important symptom in the early stage of renal for radiographic and laboratory diagnosis.
著者
國井 享奈 野村 智美 高山 裕子 世良 喜子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.27-37, 2017
被引用文献数
1

看護師としてメンタルヘルスに不調を感じたときの心身の状況とその時の具体的な出来事を明らかにすることである。A 病院に勤務する全看護師204人に対し質問紙調査を行なった。調査内容は, 1 )個人属性, 2 )看護師がメンタルヘルスに不調を感じたときの心身の状況, 3 )看護師の仕事上のメンタルヘルスに不調を感じた具体的な出来事の自由記載である。Krippendorff の内容分析を参考にして163名の有効回答を分析対象とした。看護師がメンタルヘルスに不調を感じたときの心身の状況は,ひどく疲れた77.3%,だるい62%,不眠,憂うつだ,何をするのも面倒だ,が半数以上の回答であった。メンタルヘルスに不調を感じた出来事の具体的な状況, 1 .労働環境に関わる状況81件は, 1 )時間外勤務, 2 )業務内容がストレス, 3 )夜勤回数, 4 )新しい環境にストレス, 5 )仕事上のミス, 6 )配置への不安, 7 )業務への不安, 8 )とれない公休・有給休暇, 9 )育児との両立,10)役割過重,11)自信喪失,12)ストレスの場面のフラッシュバック,13)トラウマ,14)看護質が低いに分類された。2 .人間関係に関わる状況35件は,15)上司がストレス,16)同僚がストレス,17)先輩の態度,18)先輩がストレス,19)上司の暴言,20)医師の言動,21)患者に陰性感情,22)産休後の部署の変化,23)同僚の暴言,24)先輩の暴言,25)同僚師長の職務放棄,26)後輩の態度,27)他職種との連携,28)スタッフへの指導であった。対人関係より労働環境の記述が多かった。
著者
杉浦 太樹 野村 眞平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

リクルート住まいカンパニーでは、データの蓄積・管理・分析の重要性は高まっており、データを活用したサービス強化への取り組みを続けている。本報告では、現在取り組んでいるのデータ活用の事例を交えつつ、不動産領域における統計/機械学習の活用を述べるまた画像解析や言語解析などを活用する将来の展望についても報告したい。
著者
梅澤 敬 野村 浩一 山口 裕 小林 重光 安田 允
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.144-148, 2005-05-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

背景: 高カルシウム血症型小細胞癌は若年者に好発する予後不良の卵巣腫瘍であるが, その細胞像は十分理解されていない.症例: 25歳, 女性. 下腹部膨満感を主訴に来院した. 卵巣癌が疑われ, 右附属器摘出+左卵巣部分切除+大網切除+リンパ節郭清術が施行された. 右卵巣は19×11×95cm, 灰白~黄色調, 充実性部分と嚢胞状部分が混在していた. 腫瘍の捺印標本では, 核/細胞質比の高い小型細胞が孤在性に出現していた. 核は円~類円形で比較的均一, クロマチンは細~一部粗穎粒状で増量に乏しく核小体は小型であった. また, ライト緑淡染性で豊富な細胞質を有する大型多辺形細胞の結合性の弱い小集塊や少数の印環細胞がみられた. 一方, 腹水では核のmoldingを示す裸核様小型細胞がみられた. 組織学的に核/細胞質比の高い小型細胞が主としてびまん性に増生していた. 濾胞様構造がみられたが, 核溝やCall-Exner bodyはみられなかった. 大型多辺形細胞や印環細胞がみられた. 免疫組織化学的にcytokeratin陽性, epithelial membrane antigen陽性, α-inhibin陰性であった. 再発のため術後9ヵ月で死亡した.結論: 小細胞癌の細胞像の把握は, 若年女性の腹水細胞診やstagingのための術中腹膜捺印細胞診に有用である。
著者
根本 充貴 増谷 佳孝 野村 行弘 花岡 昇平 三木 聡一郎 吉川 健啓 林 直人 大友 邦
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.29-34, 2016-05-31 (Released:2016-11-30)
参考文献数
25

Machine learning algorithms are to analyze any dataset to extract data-driven model, prediction rule, or decision rule from the dataset. Various machine learning algorithms are now used to develop high-performance medical image processing systems such as computer-aided detection (CADe) system which detects clinically significant objects from medical images and computer-aided diagnosis (CADx) system which quantifies malignancy of manually or automatically detected clinical objects. In this paper, we introduce some applications of machine learning algorithms to the development of medical image processing system.
著者
Martin Pauly 青木 和子 市川 あゆみ 島田 啓史 野村 香介 日向 賢
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.67-73, 2004

平成15年7月4日から7月18日までの日程で、学生3名、教官2名、技官1名が本学の姉妹校であるアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)とナショナル聾工科大学(NTID)を主として訪問した。これは、視覚部アメリカ研修旅行としては第4回目である。UBでは、リハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター、障害者サービス室、スポーツ医学施設見学やELIの英語のクラスへ参加した。さらには、バッファロー市の視覚障害センターや自立生活センターの訪問などを通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。ロチェスターではNTIDの施設見学を行った。他には、ナイアガラの滝、エリー運河、博物館なども訪れ、アメリカの自然、歴史に触れる機会となった。参加者各自がそれぞれの視点で今回の海外研修についてレポートする。
著者
謝 肖男 来生 貴也 米山 香織 野村 崇人 秋山 康紀 内田 健一 横田 孝雄 Christopher S. P. McErlean 米山 弘一
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.58-61, 2017-05-20 (Released:2017-05-20)
参考文献数
10
被引用文献数
41

トウモロコシが生産する根寄生雑草種子発芽刺激物質の1つを単離し,その構造を各種機器分析により,methyl (2E,3E)-4-((RS)-3,3-dimethyl-2-(3-methylbut-2-en-2-yl)-5-oxotetrahydrofuran-2-yl)-2-((((R)-4-methyl-5-oxo-2,5-dihydrofran-2-yl)oxy)methylene)but-3-enoate(1)と決定し,ゼアラトン酸メチルと名付けた.ストリゴラクトンの生合成前駆体であるカーラクトンの13C標識体の投与実験から,1はトウモロコシ体内においてカーラクトンから生合成されることを確認した.1は根寄生雑草Striga hermonthicaおよびPhelipanche ramosaの種子に対して強力な発芽刺激活性を示したが,Orobanche minorの種子に対する活性は100倍弱かった.
著者
野津 翔太 野村 英子 Walsh Catherine Eistrup Christian
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

原始惑星系円盤(以下、‘円盤’) 内では凍結温度の違いにより、分子種(e.g., H2O, CO, HCN, CO2)ごとにスノーラインの位置は異なると考えられる。その為、円盤ガス・ダスト中のC/O比は、中心星からの距離に応じて変化すると考えられる。例えばH2Oスノーラインの外側では、多くの酸素がH2Oの形でダスト表面に凍結する一方、炭素の多くはCOなどの形で円盤ガス中に留まるので、ガス中でC/O比が大きくなる。また、近年太陽系外ガス惑星大気のC/O比が見積もられ始めているが、観測されたホットジュピターの中にはC/O~1 のガス大気を持ち、円盤外側での形成・大気獲得を示唆するものも存在する (e.g, Madhusudhan et al. 2011)。この様に円盤と惑星大気のC/O比を比較する事で、惑星大気獲得・移動の過程に制限を加えられる事が検討されている (e.g., Oberg et al. 2011, Eistrup et al. 2016)。これまで我々は、円盤の化学反応ネットワーク計算と放射輸送計算の手法を用いて、円盤内のスノーライン位置とC/O 比の分布や、それらを同定するのに適した分子輝線(赤外線~サブミリ波)の調査を進めてきた (e.g., Notsu et al. 2016, ApJ, 827, 113; 2017, ApJ, 836, 118)。今回我々は、まずGuillot et al. (2010, A&A, 520, A27) の手法を用いて、中心星からの照射で決まる系外ガス惑星大気の放射平衡な物理構造を計算した。その上で、系外惑星大気の化学構造と惑星形成環境の関係を探るべく、中心星からの距離、およびC, O, Nの元素組成比などを様々に変えた場合について、系外ガス惑星大気の化学平衡計算を行っている。その結果、大気温度が減少するとCH4の組成が増加する傾向が見えた。また同様の大気物理構造の場合でも、C/O比が太陽の値に比べて高くなると、大気下部でCH4, HCN などの組成が増加する事などが見えてきた。講演では、現状の計算結果を紹介した上で、観測で得られた系外ガス惑星大気の化学構造との関連についても簡単に議論する予定である。