著者
三浦 聡一郎 塚田 隆裕 野村 英之 鎌倉 友男 谷嵜 徹也 上田 浩次 宇佐見 順二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.387, pp.53-57, 2013-01-17

降雪や路面凍結によるスリップ事故は絶えることがない.これを防ぐために冬タイヤ規制が各路面で展開されているが,人員による目視判断によって行われているため,作業員の肉体的負担に伴う誤判定,車両の一時停車による渋滞等が発生している.そこで,我々は車両走行時にタイヤ/路面の接触に伴って発生する路面振動を収集し,周波数解析などから夏/冬タイヤの判別を行った.この結果,両タイヤの識別が可能という指針を得た.
著者
野村 一雄 藤岡 知昭
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.822-830, 1993-05-20

進行胃癌に対するLAK細胞の臨床応用のための基礎的研究として,健康成人および胃癌患者の末梢血リソパ球よりIL-2添加完全培地(非動化10%ヒトAB型血清添加RPMI)および無血清培地 (AIM-V)によりLAK細胞を誘導し,その性状について検討した.完全培地を使用した場合,健康成人より分離した末梢血リンパ球は,4日目には培養前の60%に回復し,そのNK活性およびLAK活性は4日目以降に著明に増強した.また,培養4日目で無血清培地を使用した場合も完全培地の場合と同様のリンパ球の増殖,細胞傷害性が認められ,その増殖細胞は,いずれの培地を使用した場合も,CD25,HLA-DR,CD3およびCD16細胞が高率で,ともに活性化T細胞,NK細胞の集団と考えられた.また,LAK細胞は単独でIFN-γおよびIL-βを産生し,その産生能は経時的であり,腫瘍細胞の刺激で増強した.TNF-αはLAK細胞をCaki-1またはK-562で刺激した場合に比較的早期に産生された.よってLAK細胞の直接的細胞傷害性に加え産生されたサイトカインを介する抗腫瘍効果も示唆された.さらに,胃癌患者の末梢血リソパ球においても,無血清培地を使用した培養4日目の細胞回復率は,健康成人の場合と同様で,その培養リンパ球は自己腫瘍および培養胃癌細胞を含む広い抗癌スペクトルを有していた.以上の結果は,IL-2添加無血清培地により誘導されたLAK細胞が臨床上有効であることを支持するものと考える.
著者
岩本 里織 岡本 玲子 小出 恵子 西田 真寿美 生田 由加利 鈴木 るり子 野村 美千江 酒井 陽子 岸 恵美子 城島 哲子 草野 恵美子 齋藤 美紀 寺本 千恵 村嶋 幸代
出版者
一般社団法人 日本公衆衛生看護学会
雑誌
日本公衆衛生看護学会誌 (ISSN:21877122)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.21-31, 2015

目的:本研究は,東日本大震災により被災した自治体における職員の身体的精神的な健康に影響を与える苦悩を生じる状況を明らかにすることを目的とした.<br/>研究方法:研究参加者は,東日本大震災で甚大な津波被害を受けたA町職員30名であり,半構成質問紙による個別面接調査を行った.調査内容は,被災後の業務で印象に残っている内容や出来事などである.分析は,研究参加者の語りから,身体的精神的健康に関連している内容を抽出しカテゴリ化した.<br/>結果:研究参加者の平均年齢は40.6歳,男性17人,女性13人であった.研究参加者の語りから2つのコアカテゴリ,9つのカテゴリ,19のサブカテゴリが抽出された.<br/>結論:被災した自治体職員は,自身も被災者であり家族など親しい人々の死にも直面し,職務においては,津波による役所建物などの物的喪失や同僚の死による人的喪失が重なり,業務遂行の負担が大きく,身体的精神的健康に影響を与えていることが考えられた.震災後の早期から職員の健康面への継続的な支援が必要である.
著者
野村 益寛
出版者
日本英語学会
雑誌
Conference Handbook
巻号頁・発行日
vol.29, pp.229-234, 2011

ラネカーの主観性の構図は、ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』の中で視野は決してこういう形をしていないとした図とよく似ている。だからといって、ラネカーの構図がナイーブだということには必ずしもならない。我々にとっては「主観性」をどう考えれば言語現象をよりよく説明できるかが問題だからである。 さて、池上 (2000)は日本語における主語の省略という現象を「主観的把握」の現れと分析している。他方、Langacker (2008: 468)では、(I) don’t trust him.と主語を省略した場合、省略された話し手はimmediate scope (=onstage)には位置しないが、objective content (OC)を構成するとされる。onstageの要素がobject of conceptionであり、OCがobject of descriptionと定義されることを考えると、省略された話し手は、概念化の対象ではないが、描写の対象である ことになる。ラネカーはなぜこのような不可解な分析をせざるを得なかったのか?本発表では、物語論におけるfocalizationという考え方などを参考にし、認知文法における主観性の構図の検討を試みる。
著者
池添 剛 梶川 嘉延 野村 康雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.3201-3212, 2001-12-15

本論文では,感性語により音楽を検索するシステムを提案する.提案システムでは,データベース中の曲をマッピングするための検索空間をSD法ならびに因子分析により生成する.また,データベースに新たな曲を登録する際には,GAとニューラルネットワークにより構成された自動インデクシングシステムにより検索空間へのマッピングを行う.検索の際には,8つの感性語対の度合い(1?7)をニューラルネットワークに入力することにより,ニューラルネットワークはそれらの入力に対応する感性空間中の座標を出力するので,検索システムはその出力座標値からユークリッド距離の最も近い曲から順番に検索候補としてユーザに提示を行う.提案システムに対して主観評価実験を行ったところ,検索システムに関しては95%の被験者が満足しており,自動インデクシングシステムに関しては59%の被験者が満足するという良好な結果が得られた.
著者
坂本 寛和 中村 優太 野村 駿 濱中 真太郎 山口 実靖 小林 亜樹
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-8, 2015-01-19

Android 搭載端末をはじめとするスマートフォンの課題の一つに,消費電力の大きさがあり,ユーザの意識調査では最大の不満点となっている.本研究では,出力 RGB 値と消費電力・照度の関係の調査結果を示す.そして,その結果に基づいた RGB 値の制御により消費電力を削減する手法を提案する.通常手法 (端末の明るさ設定) で消費電力の低減を行った場合と提案手法を用いて消費電力の低減を行った場合の消費電力を比較した結果,通常手法,提案手法ともに同程度に消費電力を減少させることが可能であることが分かった.また,通常手法と提案手法においてほぼ同等の消費電力のときにどちらの手法による表示方法が見やすいかを主観評価により調査を行った.結果,メールやブラウザなどのテキスト表示において提案手法が有効であることが分かった.
著者
松浦 桂 山本 隆一郎 野村 忍
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-22, 2009-04-25

本研究では,ストレスークリーナー(SC-SX:株式会社テクノスジャパン製)の心理・身体的リラクセーション効果を検証した.対象者は44名(男性20名,女性24名,平均年齢34.14歳,SD=11.58歳)であった.対象者は,SC-SXの音楽付映像AおよびBを順に視聴した.心理指標の測定には,対象者の気分状態が用いられた.気分状態の測定には,Profile of Mood State短縮版(POMS:横山,2005)を用い,映像視聴前(T1)・A視聴後(T2)・B視聴後(T3)の3時点で回答するよう教示された.POMSは,緊張-不安(Tension-Anxiety:T-A),抑うつ-落ち込み(Depression-Dejection:D),怒り-敵意(Anger-Hostility:A-H),活気(Vigor:V),疲労(Fatigue:F),混乱(Confusion:C)の6つの下位尺度から構成され,総合的な気分状態(Total Mood Disturbance:TMD)は,Vを除く全ての下位尺度を合計した点数からV得点を減じて算出された.生理指標の測定には生体信号(筋電位)が用いられた.生体信号は,周波数解析(FFT)を行われた後,2Hz〜40Hzのパワー値が3時点について記録された.記録された生体信号は,全て積算され,平均を求めたものがPCの画面上へ100指数で表された(以下,NB値:Numerical of biological signal).統計解析には,映像視聴時期を独立変数,POMSの各下位尺度得点平均値・総合得点(TMD)平均値・NB値平均値を従属変数とする1要因3水準の反復測定分散分析を用いられた.全ての下位尺度,TMD,NB値において,映像視聴時期の主効果が確認されたT-A,A-H,F,C,TMD:p<.001,V:p<.01,D:p<.05,NB:p<.10).単純主効果(Bonferoni法)の検討を行った結果,T1-T2において,全ての下位尺度およびTMDの有意な低減が確認された(ps<.05).T1-T3においては,D以外の全ての下位尺度およびTMDの有意な低減が確認された(ps<.01),また,T2-T3においては,T-AおよびNB値に有意な低減が認められた(緊張-不安:p<.01,NB:p<.10).以上の結果から,SC-SXの心理・身体的リラクセーション効果が確認された.
著者
野村 美明 福澤 一吉 奥村 哲史 久保山 力也 D・H Foote 蓮 行 太田 勝造 大澤 恒夫 江口 勇治 金 美善 竹内 俊隆 新田 克己 平井 啓 仁木 恒夫 森下 哲朗 加賀 有津子 小野木 尚
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

国内でも国際的にも交渉の必要性は増大しているが、一般市民にはその教育と学習の機会は少ない。本研究の課題は、交渉の非専門家や一般市民に交渉教育・学習へのアクセスを広げることである。本研究は、交渉の要素を説明する理論とこれらを解説する実例を組み合わせた要素理論表と「要素・理論・ケースサイクル」法によって、以上の課題の解決を図った。本研究によるよりよい交渉実践の普及が、秩序形成と価値創造を促進することが期待される。
著者
野村 仙一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.588-597, 1976-11-01 (Released:2016-03-16)
参考文献数
6

JIPDECにおける日本語情報処理システムの研究開発の一環として,昭和50年度から2年計画で実施している日本語情報を適用したオンライン文献検索システムについて,概要を紹介する。データベースには,情報処理分野に関連した技術文献を漢字モードの記録を主体に蓄積し,カタカナ・キーワード入力による検索サービスでは,シソーラス概念および前方一致法による関連語情報の提供を行なうとともに,論理式による集合演算検索で得られる文献情報を漢字出力装置に表示・出力する。
著者
野村 俊明
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.751-767, 1998-11-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
196
被引用文献数
4 4

水晶発振子は大気中での微量てんびんとして開発され利用されてきた.この原理は,水晶発振子上で生じた質量変化を振動数変化として検出するものである.水晶発振子の振動数変化は,質量のみに依存し,どんな物質による質量変化かには関係しない.従って,水晶発振子を化学分析の検出器として用いる際には,特定の物質のみが付着するようにする必要があり,定量法の重要な課題となる.又,この水晶発振子を液体中での検出器として用いるためには,大気中での振動数特性のほかに,密度,粘度,電気伝導度,誘電率などの液性も考慮する必要があり,より複雑になる.ここでは,水晶発振子を液体中の微量成分分析の検出器として用いるために,これらの振動数を変化させる要因をいかに考慮するか.いかにしたら特定の物質だけが付着するようになるか.又,より簡単に定量するにはどのようにすれば良いか,などについて,読者の研究の参考になればと,液体中における化学分析に関係した論文をまとめてみた.
著者
小松 寿美雄 野村 俊明 伊藤 利恵
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.171-174, 1969-02-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

N,N-ジエチルジチオカルバミン酸銀とイオウイオンとの交換反応の結果,遊離するN,N-ジエチルジチオカルバミン酸イオンに銅(II)を加えてN,N-ジエチルジチオカルバミン酸銅を生成させ,これの四塩化炭素抽出溶液の吸光度を測定してイオウイオンの間接定量を行なった。PH7.5~8.21こ調製したアンモニア水一20%クエン酸アンモニウム系緩衝溶液1.O mlを分液漏斗にとり,N,N一ジエチルジチオヵルバミン酸銀20mgおよびイオウイオン試料溶液を加えて水で30 mlにする。これを約10分ふりまぜたのち,5×10-4mol/1硫酸銅溶液10mlおよび四塩化炭素14mlを加えて約10分ふりまぜて分離した四塩化炭素溶液の吸光度を波長435mμ で測定する。イオウイオン3.3~30μg/IOml(溶媒)の濃度範囲でeerの法則が成立する。見かけのモル吸光係数は1.1×104である。ヨウ素,シアン,チオ硫酸などの陰イオンおよび金(III),白金(IV),パラジウム(II)などの共存は妨害する。
著者
野村 俊明
出版者
信州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

1 銅(11)などと錯体を形成するジフェニルカルバゾンやジフェニルカルバジドを水晶発振子上に塗布した場合、pH緩衝液によりわずかずつ溶出し、繰返し実験に耐えない。銅(11)錯体としての塗布は、溶出がほとんどなく、EDTA溶液などの溶離剤を用いれば、銅(11)と反応して重量を変化させるが、付着した銅(11)が次第に溶出するので、感度が悪い上に再現性も悪い。サリチリデンジアミノベンゾフランをアセトン溶液にして水晶発振子上に塗布した場合、pH緩衝液による溶出は認められず、亜鉛(11)と反応して非常に大きな振動数変化を与えるる。しかし、付着した亜鉛(11)に対する適当な溶離剤がないので、定量には用いられない。酢酸セルロースとの等量混合溶液として塗布し、溶離剤として0.01M硝酸溶液を用いれば、試薬のみの時よりも感度は悪くなるが再現性よく亜鉛(11)を定量できる。2 サリチリデンジアミノベンゾフラン-酢酸セルロースを塗布した水晶発振子をフローセル装着し、0.01Mベロナールナトリウム-塩酸緩衝液(pH8.4、試薬ブランク液)を流速4.4ml.【min^(-1)】で流し、振動数を一定(【F_1】)にする。つぎに亜鉛(11)試料溶液(pH8.4)を5分間流したのち、再び試薬ブランク液を流して振動数を一定(【F_2】)にする。亜鉛(11)による振動数変化量(【F_1】-【F_2】)と、あらかじめ求めた検量線とから亜鉛(11)量を求める。付着した亜鉛(11)は0.01M硝酸溶液を約10分間流して除去し、つぎの実験に備える。3 この定量法によりμΜ濃度の亜鉛(11)が簡単迅速にしかも再現性よく定量できる。本法の確立により、水に不溶でしかも金属イオンと特異的に反応する有機試薬は、酢酸セルロースなどの樹脂との混合物として塗布することにより、水中の微量金属イオンを特異的に定量するための塗布剤として利用できることがわかった。
著者
山本 耀司 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1152, pp.94-97, 2002-07-29

モノ作りの海外移転は、日本文化を滅ぼすと憂う。(聞き手は本誌編集長、野村 裕知) 問 山本さんは長年、日本のファッションデザイナーの第一人者として活躍されてきました。今、日本のファッション業界では、森英恵さん率いるハナエモリが民事再生法を申請するなど、欧米の巨大資本ブランドに押し込まれているように見えます。