著者
金 甫榮 中村 覚 渡邉 英徳
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.s3, pp.s147-s150, 2022 (Released:2022-11-02)
参考文献数
9

本研究では、デジタル化した資料の長期保存および公開のための、OAIS情報モデルに準拠したワークフローを提案する。ワークフローの実現には、オープンソースソフトウェアであるArchivematica(長期保存用)とOmeka S(公開用)を用いる。まず、デジタル化資料の真正性を確保するため、OAIS情報モデルで定義するメタデータ要素に基づき、メタデータを分析した。次に、Archivematicaを用いて必要な情報パッケージを作成した上で、それをOmeka Sへインポートするためのツールを独自に開発した。その結果、デジタル化資料の受入から公開までの一貫したワークフローを提案することが可能となった。
著者
王 子灃 譚 成博 川堀 真人 七戸 秀夫 寶金 清博
出版者
北海道医学会
雑誌
北海道医学雑誌 (ISSN:03676102)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.13-20, 2018-05-01

A recent breakthrough in cell therapy is expected to reverse the neurological sequelae of stroke, spinal cord injury, traumatic brain injury and so forth. In fact, various clinical trials concerning cell therapy for central nervous system (CNS) disease have been reported all over the world. Although some pioneer studies were conducted in China, accurate information was not always conveyed to Japan due to the language barrier. In our present article, we reported our systematic review of the scientific papers and the protocols about clinical trials concerning cell therapy for CNS disease in China. Moreover, we reported the regulatory framework for the stem cell research in China. It is noteworthy that we referred to not only English-based databases, but also Chinese-based databases. In conclusion, though some problems remain in China, we expect the acceleration of cell therapy for CNS disease in the future because of the new regulatory framework.
著者
川口 麻衣 足立 茜 荒木 敬雄 大桑 由美 大納 英美 岡田 梨亜 金谷 妃佐子 北林 聖子 黒田 普美子 厳本 英 高田 圭美 谷元 直美 橋本 達矢 鶴亀 美幸 樋浦 絵美子 三島 準也 森岡 賢一 吉元 奈央子 斎藤 美智子 山本 和代 別府 清香
出版者
地方独立行政法人 神戸市民病院機構
雑誌
神戸市立病院紀要 (ISSN:0286455X)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.41-50, 2022 (Released:2022-04-25)
参考文献数
1

神戸市立医療センター西市民病院では、2020 年4月から新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れた。コロナ専用病棟や発熱外来の開設、一般病棟の閉鎖、スタッフの異動など、すべての部署で様々な影響があった。その中で主任研修において各部署の主任看護師が、コロナ禍における自部署での経験や学びを発表する場を設けた。今回この学びをまとめることにより、主任看護師は普段から持っている力を非常事態の際にも発揮していたが、状況に合わせてその力を使い分けていることが分かった。
著者
和田 健太郎 金崎 圭吾 西田 匡志 平井 章ー
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_326-A_334, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
10

本研究は,小仏トンネルに渋滞対策として導入された音声注意喚起(速度回復情報提供)システムによって,なぜ渋滞発生時交通量,渋滞発生後捌け交通量等の交通性能の改善がもたらされたのかを考察する.具体的には,近年提案された最新の交通流理論(Jin, 2018; Wada et al., 2020)に枯づく実証分析をシステム導入前後のデータに対して行い比較する.そして,(i) 渋滞発生時/渋滞発生後捌け交通量の改善はボトルネック区間における「安全車間時間の短縮」という共通のメカニズムにより説明できること,(ii) 渋滞中のボトルネック下流の加速度向上は必ずしも捌け交通量の改善には繋がっておらずさらなる改善の余地があること,を示す.
著者
北原 英幸 野上 達也 渡り 英俊 金原 嘉之 藤本 誠 柴原 直利 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.137-142, 2020 (Released:2020-12-07)
参考文献数
19

症例は42歳女性。1年前から月に1—2回,呼吸困難,恐怖感,手の硬直などを伴うパニック発作があり,多忙時や月経期間に生じやすく,他院から処方された加味逍遥散エキスと甘麦大棗湯エキスが有効であったが,自動車の接触事故後に今まで以上に強い発作が出現したため当科を受診した。血液検査,画像検査等で特記所見なくパニック症と診断。奔豚気と捉えて苓桂甘棗湯を処方し,2週間後から気分の改善と発作症状の軽減を得たが,仕事が多忙となった2ヵ月後から週1—2回発作が再発した。前駆症状として後頸部の異常感覚が生じ,同時期に頸部痛,頸部の凝りが増悪することを考慮して桂枝去桂加茯苓白朮湯に転方したところ,後頸部の異常感覚が消失し,以後,発作は出現せずに経過した。頸部の不調がパニック発作の出現と関連する場合,桂枝去桂加茯苓白朮湯が発作予防に有効な方剤と考えられた。
著者
廖 金孫 松井 繁憲 串田 守可 篠原 正 藤野 陽三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.749, pp.137-148, 2003-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

鋼橋建設コストの低減を目的として, 塗装の代わりに除湿機を箱桁内部に設置し, 湿度を制御することにより, 箱桁内面の腐食を防止する工法が検討され, 実用化されている. しかし, この防食方法には電源が必要不可欠な上, 除湿機の設置・運転費用もかかる欠点がある. これらの欠点を解決するため, 取扱いが容易で安価な除湿剤に着目し, 除湿剤による箱桁内部の湿度制御効果について検討した. 本文では, 北海道および沖縄に架設された実橋を対象とした鋼製箱桁内部の環境腐食性の調査結果および, 腐食環境が厳しい沖縄の実橋鋼製箱桁内部における除湿剤の湿度制御効果を解析し, 鋼板の腐食発生挙動に及ぼす不純物付着量の影響を明らかにした上で, 除湿剤を使用する鋼製箱桁内部の防錆システムを提案した.
著者
宇多 高明 田村 貴久 小金 宏秋 横田 拓也 芹沢 真澄 大谷 靖郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_427-I_432, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

初期地形として平行等深線地形を与え,江の島をおいて方向分散法により波浪場を定めた上,BGモデルにより地形変化計算を行った.この結果,江の島背後の舌状砂州の再現が可能となった.次に,計算された地形を初期形状として,湘南港や片瀬漁港などの施設建設後の地形変化を計算し,その上で片瀬漁港での航路浚渫を考慮した計算を行ったところ,片瀬西浜の汀線後退には片瀬漁港沖での航路浚渫の影響が大きいことが明らかになった.さらに,引地川河口以西では冬季にSSW方向の季節風の作用により汀線砂が斜め陸向きに運ばれ,海岸線に沿う遊歩道に堆積するが,BGモデルとセルオートマトン法を組み合わせて飛砂も含む海浜変形の予測を行った.最後に,片瀬西浜での侵食対策としては,片瀬西浜で2万m3/yrの養浜を行うことが望ましいことを明らかにした.
著者
金岡 晃
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2019-CSEC-86, no.65, pp.1-6, 2019-07-16

特定の分野や技術要素について研究された論文の多くを調べ,アプローチなどの複数観点から研究開発の現状を整理しその先の研究の展望を考えるようなサーベイ論文は,セキュリティやプライバシーの研究分野においても多い.また近年の難関国際会議では,既存の研究を整理し体系化するような作業を Systematization of Knowledge (SoK) 論文として受け入れることが始まっている.これらの論文は新たにこの分野の研究を始める研究者などを助けるなど意義が深い.本稿では,セキュリティとプライバシーに関するサーベイ論文や SoK 論文を概観することで,どういった整理や体系化が行われているかなどサーベイ論文や SoK 論文をメタな視点で体系化することに挑む.
著者
木脇 充明 山崎 泰雄 金子 延男
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 95 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
pp.16-20, 1959-10-20 (Released:2018-02-24)

Recently Volatile corrosion inhibitor (V.C.I.) is applied in all circles to the prevention of corrosion of the iron and steel materials on vapour and liquid phases. Experiments have been made on the anticorrosive effect of the V.C.I. for boilers which are at rest or cleaned with acid. The results of the experiments come to the next conclusions. (1) The suitable concentration of V.C.I. in the liquid phase is 100 mg/l and V.C.I. of more than 100 mg/l is not more efficacious. (2) V,C.I. of 100 mg/l concentration have nearly the same effect as NaOH of 300 mg/l. (3) After the acid cleaning, the boilers must be washed well with NaOH solution and water, and V.C.I. should be used in vapour or liquid phase.
著者
中島 秀之 野田 五十樹 松原 仁 平田 圭二 田柳 恵美子 白石 陽 佐野 渉二 小柴 等 金森 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_875-I_888, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

バスとタクシーの区別を無くした,主として都市部を対象とした新しい公共交通システム(Smart Access Vehicle System)の概念を示す.これは,コンピューターにより全ての車輛の位置と経路を管理し,固定路線やダイヤを持たず,乗合いで,デマンドに即時対応するシステムである.これを交通サービスのクラウド化と呼ぶ.タクシーの利便性とバスの経済性を併せ持つことが可能である上に,渋滞,事故,天候変化,災害などに柔軟に対応できる.筆者らは函館市内において小規模な実験を行い,数日間の完全自動配車に成功している.
著者
金子 充
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.33-43, 2002-08-31

産業構造の転換に伴って,人びとの働き方,家族のあり方,ライフコースが大きく変化してきている。そのことは,社会福祉の「対象」が変化していることを表している。こうした社会福祉の現代的な「対象」の問題は,ジェンダー論,人種/エスニシティ論,そしてアンダークラス論から提示されている。「批判的社会政策論」(Critical Social Policy)はこれらの議論のエッセンスを凝縮し,階級,ジェンダー,人種/エスニシティなどの観点から,人びとが「社会的に分裂した」(social division)状態にあることに注目しつつ,そのような、人びとの差異やアイデンティティに配慮した福祉国家を構築することに関心をもつアプローチである。こうした視点をもとに,現代の社会変化と「社会的分裂」に関する議論を踏まえた社会福祉対象論を再構成するための展望について論じる。
著者
浅野 豊美 池田 慎太郎 金 敬黙 李 鍾元 木宮 正史 磯崎 典世 山内 康英 太田 修 林 夏生 吉澤 文寿 西野 純也 金 敬黙 小林 玲子 藤井 賢二 長澤 裕子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

日韓米三国の資料からなる『日韓国交正常化問題資料集』を刊行し、また新規公開資料を利用した最初の本格的な実証研究を、法政大学出版局から『歴史としての日韓国交正常化』上・下、2分冊として、日本学術振興会の出版助成により刊行することが確定した。さらに、研究成果の社会的還元のため、「日韓国交正常化の現代的意味」と題した公開シンポジウムを、東京大学において朝日新聞・東亜日報の後援を得て開催した。また、2008年日本国際政治学会年次大会日韓合同部会の正式企画を担当・運営し、新たな問題提起と専門研究者との討論を行った。国外の国際学会であるアメリカアジア学会(AAS)では韓国の研究協力者と合同しパネルを組織し、日韓米三国の研究者による討論の場を作って報告した。
著者
信吉 真璃奈 金生 由紀子 松田 なつみ 河野 稔明 野中 舞子 藤尾 未由希 下山 晴彦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.507-513, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

The purpose of this study was to develop a Japanese version of the Sensory Gating Inventory (SGI; Hetrick, Erickson, & Smith, 2012) and to examine its reliability and validity. SGI measures abnormalities in the quality of sensory input, heightened awareness of background noises, and poor selective attention at the phenomenological level. The questionnaire was completed by 515 university and graduate students. The questionnaire package included 3 scales; 35 items from the Japanese version of SGI, 27 items from the Japanese version of the Highly Sensitive Person Scale (HSPS; Funahashi, 2011), and 25 items from the Japanese version of the Cognitive Failures Questionnaire (CFQ; Yamada, 1991). Confirmatory factor analysis showed that the Japanese SGI had an acceptable level of internal consistency. Cronbach’s alpha was calculated to examine reliability and showed high values. Correlation analyses showed that the Japanese SGI and Japanese HSPS or CFQ were moderately positively correlated. This study suggests that the Japanese SGI is reliable and valid. It can be used to screen for abnormal sensory gating before physiological or behavioral inspection.