著者
金窪 敏知
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.27-32, 2009 (Released:2014-11-28)
参考文献数
1
著者
浅井 葉子 金子 誠喜 大津 慶子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.51-58, 2005-06-25 (Released:2017-10-27)
被引用文献数
2

椅子からの立ち上がり動作における体幹前傾角度の下肢関節モーメントへの影響を検討した。健常成人男性10名を対象に, 1)通常の立ち上がり, 2)できるだけ体幹を前傾しない立ち上がりを課題運動として設定し三次元動作解析装置を用いて計測を行った。体幹前傾角度の影響はすべての関節モーメントで認められ, 殿部離床時の体幹前傾角度と股関節最大伸展モーメントにもっとも大きな相関があった。2)では股関節伸展モーメントの減少と膝関節伸展モーメントの増加, 最大股関節・膝関節伸展モーメントの発揮の位相ずれ, 身体重心の後方化が認められた。そのため膝関節伸展筋の負担が増加すると思われた。さらに体幹の分節的運動性も関節モーメントに与える影響があることが示された。よって立ち上がり動作における体幹の分節運動獲得の必要性も示唆され, 各症例の機能障害にあわせた動作指導方法について確立していくことが今後の課題と考えられた。
著者
佐藤 咲樹 Lem Wey GUAN 永代 友理 斎藤 季 香山 綾子 柏木 公一 金井Pak 雅子 小山 博史
出版者
日本VR医学会
雑誌
VR医学 (ISSN:13479342)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.15-22, 2020-12-01 (Released:2021-11-22)
参考文献数
20

Background: Nurses must make accurate decisions when caring for patients, even when multitasking. A wrong decision may endanger life. Student nurses are responsible only for single patients during their clinical practice. New graduates have minimal experience with multitasking. We developed a virtual reality (VR) multitasking simulation and evaluated its effectiveness. Methods: Student nurses prioritized tasks when caring for patients. We performed a randomized control trial enrolling senior nursing students who were randomly divided into two groups; thus, an interventional group (13 students) and a control group (performing a paper-based exercise; 14 students). The educational outcomes were measured by asking multiple-choice questions. Subjective confidence was assessed using a Visual Analog Scale. Results and Discussion: The educational outcomes did not differ significantly between the two groups. Subjective confidence was significantly higher in the intervention than in the control group. Conclusion: Although the VR simulation did not improve education, it significantly increased subjective confidence.
著者
金子 直矢 李 忠翰 阿部 博 岡田 和也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2023-IOT-60, no.18, pp.1-8, 2023-03-08

移動体通信機能を備えたコネクティッドカーが普及しつつあり,将来的に通信機能を活用した様々なサービスの登場が期待される.その 1 つとして挙げられる自動車の遠隔運転では,従来運転者が車内で知覚していた視聴覚情報を,遠隔地にいるオペレータへ低遅延かつ安定的に伝送しなければならず,特に視覚情報である映像は,オペレータが主として運転操作に用いるため欠かせない.しかし,移動体通信は自動車の走行位置および時間によって信頼性,可用帯域,遅延が動的に変化するため,通信品質が保たれず遠隔運転の中断に繋がる可能性がある.遠隔運転の中断を抑制するために,通信品質の劣化を早期に検知または推測し,品質劣化エリアの回避,映像品質の制御を通した要求帯域の低減や,他の通信手段への切り替え等の手法が必要である.既存研究では移動体通信回線情報を用いて,可用帯域の予測および予測結果に基づく映像品質制御手法を提案している.本報告では,公道を走行中の自動車から移動体通信回線を用いて遠隔地へ映像を伝送する環境で,通信品質,映像品質および移動体通信回線情報の採取を行い,自動車走行環境における通信・映像品質劣化の推測可能性を検討する.
著者
林 基哉 小林 健一 金 勲 開原 典子
出版者
National Institute of Public Health
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.63-72, 2020-02-01 (Released:2020-03-12)
参考文献数
6

建築物衛生法(LEHB)の制定から50年を経て,建物の衛生が再び注目されている. 1970年代には,LEHBによってシックビルディングシンドロームを予防できると考えられていたが,LEHBの基準に対する空気環境の不適合率は,この20年間増加している.最近の研究では,オフィスでのシックビルディング症候群の発生率は低くないことが示された.この不適合率の要因の 1 つは,1990年代以降の建物の省エネルギー対策のためであり,この傾向は,2017年に建物のエネルギー効率化が義務付けられたため,今後も続くと考えられている.建物衛生を考慮しつつ環境負荷を軽減するには,建築衛生の実態把握と課題の抽出が必要である.本稿では,LEHBと,日本の建物における環境衛生管理,室内空気環境,保健所による監視指導,建物衛生向上のための課題に関する最近の研究の結果を紹介する.
著者
吉原 真由美 金子 尚史
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.43-49, 2023 (Released:2023-02-28)
参考文献数
13

【目的】後期高齢者において透析モダリティの違いによってADLや生命予後,認知機能に差が生じるのかを明らかにすること.【方法】新規にHDあるいはPD導入となった75歳以上の患者を前向きに登録し,バーセルインデックス・KPSを3か月毎,HDS-Rを6か月毎に2年間測定した.【成績】2年間の組み込み期間でPD群18名,HD群40名が組入れとなった.平均年齢はPD群が有意に高齢であった.バーセルインデックス,KPSの組み込み時の値からの変化量はHD群で有意に高値となりPD群との間に有意差を認めた.HDS-Rは両群とも有意な変動は認めなかった.死亡と研究継続困難と判断されるADL・認知機能の低下で定義した観察中止までの期間は両群で有意差は認めなかった.【結論】HD群は透析開始後有意にADLが改善した.PD群はより高齢であるも,HD群と比べ認知機能の低下や観察中止までの期間に差を認めなかった.
著者
夏目金之助著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2016
著者
金 蘭九
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 = The Journal of Kyushu University of Nursing and Social Welfare (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.45-57, 2005-03

本稿の目的は、戦前・戦中期における傷痍軍人援護政策の史的展開を考察し、傷痍軍人援護政策における当時の実態と政策意図、あるいは行政と政策との乖離を歴史的分析および日韓比較を通じて解明することにある。戦前の日本においては、国家による障害者福祉政策はまず傷痍軍人に対する職業保護政策という、極めて軍事的色彩の強い政策として出発した。そこで、本稿は戦前・戦中期に実施された臨時軍事援護部の設置から傷兵保護院の設置、さらには軍事保護院の設置に至るまでの傷痍軍人援護政策について、実証的に検証した。
著者
福井 佳子 徐 信夫 前島 精治 酒谷 省子 草壁 秀成 清金 公裕
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.534-543, 1995 (Released:2010-08-25)
参考文献数
29
被引用文献数
9

昭和52年4月から平成7年3月までの18年間の転移性皮膚癌32症例を集計した。同期間内に当科外来を受診した新患総数に対する転移性皮膚癌患者の頻度は0.04%であった。年齢構成は平均58.9歳 (男: 59.2, 女: 58.6), 原発巣分類では胃癌 (9例)・乳癌 (8例)・肺癌 (7例) が多く, 全体の75%を占めていた。転移部位は胸腹部に多くみられ, 多発型が多かった。臨床像は結節型, 組織像は腺癌が圧倒的に多かった。原発巣発見後皮膚転移までの平均期間は36カ月で, 乳癌は長い傾向にあった。皮膚転移後死亡までの平均期間は5カ月で, 6カ月以内に死亡する例が全体の75%を占めていた。
著者
松原 直義 宮元 敬範 丹野 史朗 宮川 淳 阿部 祐也 横尾 望 金子 和樹 高橋 大志 中田 浩一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.100-105, 2023 (Released:2023-01-25)
参考文献数
12

カーボンニュートラル社会の実現に向けて様々な産業の脱炭素化に資する水素が注目されており,運輸部門においてはFCEVに加えて水素エンジンの検討がなされている.水素はガソリンと比較して着火しやすいという特性があるため異常燃焼が生じやすい.本論文では,水素特有の異常燃焼の発生メカニズムの解析を実施した.
著者
金井 啓子
出版者
近畿大学総合社会学部
雑誌
近畿大学総合社会学部紀要:総社る = Applied Sociology Research Review KINDAI UNIVERSITY : Social (ISSN:21866260)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.45-53, 2016-09-30

[Abstract] I, as a university associate professor and an ex-journalist, have appeared on several TV news and information programs as a commentator. Why are commentators necessary for such programs? There are two different types of commentators: experts such as university professors and non-experts like TV celebrities. What different roles do they play? This article centers on my experience as a commentator and analyzes roles of university professors who act as commentators by interviewing TV producers and reporters who have been in charge of producing those programs. Separately, the article also tries to find out how university professors affect their universities when they appear on the programs.
著者
井上 亮太郎 金本 麻里 保井 俊之 前野 隆司
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.91-104, 2022-12-30 (Released:2023-02-28)
参考文献数
43

This study is to focus on factors on well-being and ill-being at work, and to develop a scale to measure quantitatively states of employees’ well-being. The proposed scales consist of the well-being scale (7 factors: 67 items) and the ill-being scale (7 factors: 62 items) at work, which will be positioned as subcategories of existing scales on the subjective well-being such as SWLS (Diner et al., 1985) and Maeno’s four factors of happiness (Maeno, 2013). Identified factors are expected to be used in the fields of career development for individual employees and human resource management, in order to improve the state of well-being and ill-being at work.
著者
川﨑 志保理 櫻井 順子 金子 真弘
出版者
日本臨床倫理学会
雑誌
臨床倫理 (ISSN:21876134)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.73-76, 2017 (Released:2021-07-12)
参考文献数
4

エホバの証人の患者の輸血拒否に関しては,現場では画一化された対応がなされているとはいい難く,その解決には現状の把握が重要である.エホバの証人の信者の方にインタビューを行うことによりその結果と医療現場との考えを比較してみると,患者の権利,医療,法だけでは解決できない問題が根底にあり,臨床倫理に基づいた対応がエホバの証人と医療側との相互理解につながる可能性があると思われた.
著者
金子 希代子 工藤 優子 西澤 裕美子 堀場 沙世 茂木 淳一 馬渡 健一 中込 和哉 山辺 智代 藤森 新
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.23-29, 2007 (Released:2012-11-27)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

食品中のプリン体含量を測定した.今回対象とした食品は,和食で使用される野菜を中心とした食材で今までに測定されていない食品とおつまみ類,および健康食品である.プリン体含量は,四塩基合計値として,空豆,おくら,もやしは40mg/100g以下であった. 豆もやし, 貝割れ大根,おから,ブロッコリースプラウト,舞茸は50~130mg/100gとpurine-rich vegetablesに分類された.おつまみ類(生ハム,さきいか,アーモンド),調味料(唐揚げ粉),粉末スープ類(ポタージュ, コンソメ) には3 0~180mg/100gのプリン体が含有されていた.一方,健康食品(ケール,ローヤルゼリー, ビール酵母, クロレラ,DNA/RNA)は40~21500mg/100gと大量のプリン体を含有するものがあった.今回測定した食品では,健康食品に,非常に多くのプリン体を含むものがあり,推奨される1日のプリ体摂取量400mgの半量を占めることから,これらの健康食品の日常的な服用には注意が必要であると考えられた
著者
吉﨑 由美子 金 顯民 奥津 果優 池永 誠 玉置 尚徳 髙峯 和則
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.170-178, 2015 (Released:2018-04-16)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

本研究では韓国麹「ヌルク」を用いた焼酎商品化の可能性について検討した。10種類のヌルクの発酵能力を確認したところ,米麹と比べ全てのヌルクで発酵能が弱かった。しかし,その中でも2種のヌルクは比較的高い発酵能力を示した。ヌルクに含まれるα-アミラーゼとグルコアミラーゼは米麹とほぼ同等であり,生デンプン分解活性に関してはヌルクの方が高かった。ヌルクに含まれるデンプン質の糊化度は米麹と比較して低く,糊化度の低さがヌルクの緩やかな発酵に影響していることが強く示唆され,糊化度をもとに発酵能力の高いヌルクを選抜できる可能性が示された。ヌルクを用いて製造した米焼酎の官能評価は,米麹を利用した焼酎より酸臭と酸味がある一方で,華やかであった。さらに,一次仕込み時に焼酎酵母を添加することでヌルクを使用した米焼酎の酸臭および酸味を抑制できる可能性が示唆された。また,ヌルクに含まれる酵母の1つとしてSaccharomyces cerevisiaeを同定し焼酎製造に適した微生物をもつことが確認された。 本研究は韓国RDAとの共同研究(Project No. PJ008600)で実施された。
著者
朝岡 洸太 和久田 康平 金本 凌 諏訪 秀樹 荒木 拓人
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.22-00325, (Released:2023-03-02)
参考文献数
24

Various fields, such as the paper industry, chemical engineering, and renewable energy, are faced with gas-liquid two-phase flows and are being studied by visualization and observation. Although it is necessary to quantitatively evaluate the characteristics of bubbles, there is a limitation in the amount of labor required for detection and measurement by human observation of images. There are no examples for bubbles in polymer electrolyte membrane water electrolysis (PEMWE), where the bubbles in PEMWE have heterogeneous backgrounds, unpatterned patterns, and unclear bubble contours. Existing methods for detecting these bubbles are not expected to be accurate enough. In this study, a deep learning-based bubble detection method using convolutional neural networks (CNN) was developed for bubbles in PEMWE. Our method has two novel approaches: first, we developed an algorithm that automatically draws a pseudo-bubble image based on an actual bubble image on an arbitrary background as a method for automatically generating training data for the CNNs. Second, we developed a CNN-based bubble detection method that uses the motion of bubbles, specifically, the difference between the bubble image and the image from one frame ago, as input. Finally, we tested the algorithm on bubble images in a PEMWE and achieved an F1 score of 0.83 or better for all current densities of 0.5, 1, 2, and 3 A/cm2, and an F1 score of 0.844 for the entire detection.
著者
金澤 将史 竹本 正明 中野 貴明 若山 功 田井 誠悟 杉村 真美子 大野 孝則 朝比奈 謙吾 井上 幸久 伊藤 敏孝
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-54, 2023-02-28 (Released:2023-02-28)
参考文献数
5

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波では,高齢者施設で多くのクラスターが発生した。高齢のCOVID-19患者に対してその使いやすさもあってモルヌピラビル(ラゲブリオ®)が投与された。今回われわれは,COVID-19罹患後にモルヌピラビルを投与され症状が改善して療養解除となった後に,呼吸困難を発症し入院した症例を2例経験した。同じ抗ウイルス薬に分類されるニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド®)使用例では,COVID-19から回復して2〜8日後の症状再燃または検査での陰転化後の再陽性で定義されるリバウンドの報告があり,モルヌピラビルでもリバウンドが認められた。リバウンドは療養解除後の時期に起こり得るが,その際の救急診療における感染対策や隔離解除などの対応に注意が必要である。今後の対応のため疫学調査ならびに病態解明の必要性が示唆された。
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.