著者
金子 晋一 Shinichi KANEKO 尚美学園大学芸術情報学部音楽表現学科
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.39-67, 2002-03-31

In this article an attempt is made to examine the features and essence of the following three types of music : Tonal music, Blues music, and Shamisen music. Basically, Eastern music and Western music are very different from each other. Western tonal music primarily has a harmonic pitch and the fundamental chords are always fixed, and evenly tempered. For example, the tonic chord I (A-Major key) is always determined by Concert pitch A 440 : the number of vibrations in the sound. 0n the other hand, the tone at the center of Eastern Shamisen music is free-floating, with freer uses of pitches. The first issue I focus on in this paper is the tonal music, especially of the late stage. I will discuss the fundamental chord and harmonic pitch of Wagner's Tristan und Isolde and Schoenberg's Verklaerte Nacht. I will also examine the Mode music of Olivier Messiuen and his floating pitches, as well as the Bluesy tonal music of George Gershwin, specifically Rhapsody in Blue and An American in Paris and their harmonic pitches. The second issue focused on is Blues Music : blue tonality (Bluesy harmonic pitch) exemplified in Dizzy Gillespie's Blue 'N' Boogie or the chord changes in Charlie Parker's works. Finally, I will discuss the uniqueness of Shamisen music and its tonal center such as Hon-Choshi, Ni-Agari and San-Sagari. My discussion and examination are meant to search for ideas aimed at creating new fresh music for the 21st century. I believe that an equal treatment of Western and Eastern music, and their distinctive notions of tone techniques, will play a key role in the creation of a new type of music.
著者
笹谷 孝英 野津 祐三 小金澤 碩城
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.24-33, 1998-02-25
参考文献数
38
被引用文献数
3

日本の異なる地域および植物から分離したインゲンマメ黄斑モザイクウイルス(BYMV)28分離株について, 判別植物の反応と血清反応を比較した。BYMVはインゲン15品種の反応で4つのPathotypeに分けることができた。Pathotype Iはインゲン品種の本金時のみに全身感染を示し, 他の品種には局部感染であった。Pathotype IIは本金時, ケンタッキーワンダーおよび他4品種に全身感染を示し, Pathotype IIIは本金時, ケンタッキーワンダー, マスターピースおよび他4品種に全身感染を示し, Pathotype IVは今回用いた15品種すべてに全身感染を示した。Pathotype II に属するBYMVはソラマメにおいて他のPathotypeに属すものより高い種子伝染性を示した。BYMVあるいはクローバ葉脈黄化ウイルス(ClYVV)に対する16種のモノクローナル抗体(MAb)を用いたTAS-ELISAで, BYMV28分離株には血清学的差異が観察され, 病原性とある程度一致したが, ポリクローナル抗体を用いたDAS-ELISAでは, 分離株間での顕著な差異は観察されなかった。MAb-1F3はPathotype I, II, IIIとClYVVの1株と反応した。MAb-2C4はPathotype IIのみと反応し, MAb-5F2は今回用いたBYMVとClYVVすべての株と反応した。MAb-2B4, -2C5, -3F9, -3F11, -4G8および-4H9はPathotype IIとIIIのすべてと, Pathotype IとIVの一部の株と反応した。MAb-1A2と-2H8はPathotype IIIとClYVV2分離株と強く反応した。以上より, 日本のBYMVは病原性および血清学的に変異に富んでおり, 4つのPathotypeに分かれることが明らかとなった。
著者
高梨 祐明 豊島 真吾 小野 浩司 田村 博明 太田 智彦 金光 幹雄
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.60, pp.274-276, 2009

ナミハダニは落葉果樹の樹上と下草を季節的に異動することが知られている。樹冠下にナミハダニの増殖に好適な草種が繁茂している環境では、除草によって生息場所を失ったナミハダニの移動分散を助長し、樹上密度を上昇させたり、殺ダニ活性のある除草剤を使用することにより、樹上のナミハダニ密度を低減できるという報告もある。ナミハダニは現在、広範囲な薬剤に対する感受性低下が問題となっており、効果が不十分な殺ダニ剤の残効期間を少しでも長く保つため、再増殖の原因となる移入を遮断することが重要である。そのため、主な移入源となる株元雑草をハダニとともに除去できる技術があれば、殺ダニ剤散布の削減に繋がり、IPMの推進に貢献するものと期待される。そこで、雑草とハダニを同時に防除する方法として、株元雑草のバーナー処理を行い、その後のナミハダニ樹上密度に及ぼす影響を評価した。なお本研究は(独)農研機構交付金プロジェクト研究「東北地域における農薬50%削減リンゴ栽培技術体系の確立」の一環として遂行されたものである。
著者
金森 昌彦
出版者
富山大学医学会
雑誌
富山大学医学会誌 (ISSN:18832067)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.10-15, 2010

高齢化社会を迎え,健康寿命延伸の必要性が論じられる中で「運動器不安定症」という概念が確立しつつある。運動器を「からだ」の単なるパーツとしてではなく,総合的に捉えるとともに,人間の健康そのものも「からだ」全体として把握する考え方に変化してきた。これは生命に直結する内臓疾患や感情や情動の中枢となる脳神経疾患ばかりではなく,個人の自立と尊厳を考える上で,人間の日常生活活動を妨げる運動器の障害に注目することを再認識した結果である。特に,様々なストレスに関連する慢性疼痛は「からだ」の異常から「こころ」の異常へ連続する最も順応できない感覚である。人間の健康と看護を論ずる上で運動器に纏わる障害や慢性疼痛は避けて通ることができない重要な課題であることには間違いない。運動器医療を「からだ」「こころ」「文化・社会」の面から学際的に分析すること,そして運動器医療の不確実性を理解し,種々のコミュニケーションを構築すること,運動器障害と共生し,自立および社会復帰するための支援をすることが重要であると考え,私は看護基礎科学教育の中に運動器人間科学としての視点を展開したい。
著者
金徳龍著
出版者
社会評論社
巻号頁・発行日
2004
著者
小菅 直人 金川 秀也
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第61回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.137, 2012 (Released:2012-03-28)

多次元反射壁ブラウン運動を用いて複数の株価モデリングを行う.反射壁ブラウン運動はスコロホド方程式と呼ばれる関数方程式から導出された確率微分方程式によって定義されるが、まずその近似解をランダムウォークを用いて構成する。この近似解から株価過程のモデリングを行う。複数の株価はそれらの企業の経済的な関係が強ければ相関が強くなり、ある一定の期間株価を観測すると、近似的に反射壁ブラウン運動と同様の振る舞いをする.このことから、多次元反射壁ブラウン運動によるモデリングとその有効性について考察する.
著者
松本 一寿 早川 裕子 山中 章広 永野 護 金子 浩久 成田 健味
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.278, 2010

濃縮度を増加させた9×9燃料により,ウラン燃料炉心での長期サイクル運転が可能になった。ここでは,現行MOX燃料と濃縮度増加9×9燃料の混在炉心においても長期サイクル運転が可能であることの確認を行った。
著者
金城 一雄
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄短大論叢 (ISSN:09112022)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.99-124, 1998-03-01
著者
金 成元
出版者
The Japan Society for Hematopoietic Stem Cell Transplantation
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌 (ISSN:21865612)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.105-113, 2014 (Released:2014-10-15)
参考文献数
50
被引用文献数
1 1

造血幹細胞移植患者は骨髄抑制,免疫抑制に加え,消化管毒性・合併症による経口摂取制限や腸管からの吸収障害を来し,異化が亢進するため,適切な栄養管理を受けなければ,容易に低栄養となり,感染症や臓器障害などの合併症を招く。各移植施設の栄養サポートの基本方針のもと,全ての移植患者に対し,栄養アセスメントと個別の栄養サポートを実施すべきである。Bacterial translocationに関連した敗血症を防ぎ,消化管機能を早期に回復させるため,安易に禁食にせず,低微生物食による経口栄養サポートをなるべく続けるべきである。経口摂取量の不足を経静脈栄養によって補うことが基本的な栄養学的介入となる。近年,経腸栄養の導入も増加している。いずれにせよ,抗酸化物質,グルタミン,脂肪酸,グルコースといった重要な栄養素を適切に利用すべきである。栄養アセスメントと栄養学的介入は,移植を成功に導く重要な要素である。
著者
永井 良治 中原 雅美 森田 正治 下田 武良 岡 真一郎 鈴木 あかり 濱地 望 池田 拓郎 金子 秀雄 高野 吉朗 江口 雅彦 柗田 憲亮
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.713-719, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
11
被引用文献数
2

〔目的〕臨床実習指導者を対象に,クリニカルクラークシップ(CCS)の取り組みに対する意見をまとめ,今後のCCS型臨床教育の捉え方を検討するための資料とすること.〔対象と方法〕4年目以上の理学療法士60名を対象に,自己記入式質問紙を用いたアンケート調査を実施した.〔結果〕実習形態については,診療に参加させながら学生の成長を促すことができるとの回答が多かった.しかし学生は受身的な取り組み姿勢で,チェックリストを埋めることに意識が向きやすいことが示された.学生の理解度の把握については理学療法全体に関する理解の指導方法が課題になっていることが示された.〔結語〕現在のCCSの取り組みが明らかになった.学生の取り組み姿勢や指導方法については,臨床実習指導者と連携して検討していきたい.

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著者
内藤 久資 中島 啓 高崎 金久 小森 康雄 菊地 光嗣
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.314-331, 2002-07-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
6
著者
佐藤 博文 針金 三弥 龍村 俊樹 山本 恵一 小島 道久 山本 和夫 柴崎 洋一 松本 貞敏 鈴木 亮一
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1330-1334_1, 1984 (Released:2011-05-09)
参考文献数
10

尋常性疣贅の多発を伴ったS状結腸癌の2例を報告した.症例は59歳の女性と78歳の男性で,ともに消化器症状はなかったが,2年以上前から尋常性疣贅が顔面,手背に多発し治癒傾向にないため,消化管の精査を行った. 上部消化管には異常所見を認めなかったが,注腸造影と大腸内視鏡検査によりS状結腸癌の合併をみとめ,根治術をおこなうことが出来た. 近年,本邦での結腸癌の罹患率は増加傾向にあり,結腸癌による死亡率を低下させるには一般住民を対象とした大腸集検と共に高危険群の精査による早期癌の発見が必要である. 尋常性疣贅はhuman papilloma virus(HPV)による皮膚感染症で,その発病は細胞性免疫能の低下と関連しているといわれている.今回の2症例の経験から,高齢者で尋常性疣贅が多発し,しかも難治傾向にある場合には,内臓悪性腫瘍の高危険群に屈すると考え,精査追跡をすすめるべきである.
著者
木村 学 木下 正高 金川 久一 金松 敏也 芦 寿一郎 斎藤 実篤 廣瀬 丈洋 山田 泰広 荒木 英一郎 江口 暢久 Sean Toczko
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.1, pp.47-65, 2018-01-15 (Released:2018-05-30)
参考文献数
98
被引用文献数
1

2007年開始の南海トラフ地震発生帯掘削計画は,プレート境界で起こる地震発生,断層メカニズムの理解を目的に実施,掘削の結果,これまで以下の主要な成果が得られた.1)南海前弧域は,~6Ma以降の沈み込み,特に2Ma以降の付加体の急成長によって形成され,プレート境界の上盤を形成することとなった.2)プレート境界と分岐断層に沿うすべりは,海底面まで高速ですべり抜けたことがある.3)粘土鉱物に富む断層ガウジは静的にも動的にも,絶対的に弱い.4)掘削によって応力測定に成功した.多くの地点で最大水平圧縮方向はプレートの収束方向とほぼ平行であり,次の南海地震に向けての応力蓄積の進行が示唆される.5)掘削孔設置の観測計が,2016年4月1日に南海プレート境界で72年ぶりに発生した地震による圧力変動を観測した.海底観測網による微小津波観測と同期しており,上盤内の地震時体積収縮を世界で初めて観測した.
著者
井地口 朋也 兼本 大輔 ポカレル ラメシュ 吉富 邦明 金谷 晴一 吉田 啓二 石川 晶 深川 秀午 児玉 法行 多比良 明弘
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.580, 2012

現在、高度道路交通システム(ITS)では5.8GHzのISMバンドを用いた一方向、または双方向の無線通信技術であるDSRC(Dedicated Short Range Communications)が用いられている。今後のITSの提供するサービスとして、従来のETCに加えてVICSによる渋滞情報、所要時間、駐車場の位置等の情報提供、ガソリンスタンドや駐車場でのキャッシュレス決済、インターネットへの接続等が期待されている。<br>本研究では5.8GHz-DSRCの帯域を満たす平面型の円偏波アンテナを提案する。本アンテナでは、スロットアンテナの両側の接地導体から片側の接地導体のみを残し、他方の接地導体を取り除いたコプレーナ線路とアンテナに設けたスロットにより、直交する偏波を発生させることで円偏波アンテナを実現した。
著者
蛯子 隼 大久保 宏貴 仲宗根 素子 川越 得弘 金城 政樹 普天間 朝上 赤嶺 良幸 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.799-803, 2018

<p>Ollier病による上腕骨変形に対する治療はMultiaxial correction systemを用いた報告が多い.これは創外固定器装着後に変形矯正が可能だが,衣服の着脱が困難で女性への適応は躊躇することが多い.単支柱型創外固定器を用いて変形を矯正し得た症例を報告する.14歳,女児.進行する左上腕変形のため,外観が気になるようになった.単純X線像で上腕骨近位約80%は内軟骨腫に占拠され,3D-CTでは健側と比較して外反65°伸展37°,内旋22°変形し,45 mm短縮していた.手術は3D-CTシミュレーション通りに骨切りを行い,変形を矯正した後,単支柱型創外固定器を装着した.仮骨延長を行い,延長量は43 mmでhealing indexは45 days/cmであった.創外固定器装着中も衣服の着脱は容易で,愁訴はなかった.最終観察時,変形は矯正され外観に満足している.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.546-551, 2018

<p>中高齢者の広範囲腱板断裂を合併した反復性脱臼の治療には難渋する.今回,我々の術後成績を報告する.対象は広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対して関節唇・腱板修復術を施行した8例8肩である.内訳は男性5肩,女性3肩,平均年齢は66歳,平均経過観察期間は25カ月であった.術前後の肩関節可動域(以下,ROM)(屈曲・外旋・内旋),日本肩関節学会肩関節不安定症評価法(以下,SISスコア),再脱臼・再断裂を調査した.ROMは術前(屈曲78°・外旋24°・内旋1点)が術後(130°・56°・4点),SISスコアは術前23点が術後73点に改善した.再脱臼はなく,亜脱臼を1例,関節症性変化を1例,腱板再断裂を1例に認めた.広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対する関節唇・腱板修復術は有用な術式と考えられた.</p>