著者
湯浅 美千代 野口 美和子 桑田 美代子 鈴木 智子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-16, 2003-03
被引用文献数
2

本研究の目的は,痴呆症状を有する患者が本来持っている能力を見出す方法を,実践者の経験から明らかにすることである.研究方法は,ある老人病院において痴呆患者のケアを提供している実践者5名(看護師3名を含む)へのインタビューであり,その内容を質的に分析した.その結果,以下の知見が得られた.1.ケアによって,痴呆患者が本来持っている能力の発揮を妨げる場合がある.2.痴呆患者が本来持っている能力を見出す方法として,『見方を変えること』『患者が安心できること』『患者の内面を理解し,その気持ちや思いに気づくこと』『患者のもつ可能性を探ること』があげられ,またその具体的な方法が得られた.3.痴呆患者が本来持っている能力を見出すために基盤となるケア姿勢が必要である.
著者
吉村 忍 小林 敬 秋葉 博 鈴木 智 荻野 正雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.203-221, 2012 (Released:2012-08-15)
参考文献数
17
被引用文献数
3 7

In this paper, we present the three-dimensional finite element seismic response analysis of the full-scale boiling water reactor BWR5 at the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant subjected to the Niigata-ken Chuetsu-Oki (NCO) earthquake that occurred on 16th July 2007. During the earthquake, the automatic shutdown of the reactors was performed successfully. Although the monitored seismic acceleration significantly exceeded the design level, it was found through in-depth investigation that there was no significant damage of the reactor cores or other important systems, structures and components (SSCs). In the seismic design commonly used in Japan, a lumped mass model is employed to evaluate the seismic response of SSCs. Although the lumped mass model has worked well so far for a seismic proof design, more precise methods should be developed to understand response behaviors visually. In the present study, we propose the three-dimensional finite element seismic response analysis of the full-scale and precise BWR model in order to directly visualize the dynamic behaviors of this model. Through the comparison of the analysis results, we discuss the characteristics of both models. The stress values were also found to be generally under the design value.
著者
鈴木 智也
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.70-78, 2009-02-20

自然界や社会に存在するネットワークには,スモールワールド現象を示すものが数多く存在する.スモールワールド現象とは,各ノードが局所的にクラスタ化している割には他の遠いノードと短いステップでアクセス可能という特徴を持ち,情報伝達のしやすさに関係している.この性質は Watts らによって,クラスタ係数と平均最短経路長により定義されている.平均最短経路長はダイクストラの方法を用いればネットワークの種類を問わず算出できるが,クラスタ係数においては有向グラフの場合,前処理なしでは計算できない.そこで本研究では,情報伝達の仕方を考慮することで前処理の方法を検討し,有向グラフでも適切にクラスタ係数を計算する手法を提案する.その妥当性を検証するために,Watts らが提案した Small-world ネットワークモデルを重み付き有向グラフに拡張し,本提案手法を適用した.さらに,今まで調査されてきた線虫の神経網などの実ネットワークについて本提案手法を適用したところ,従来よりも顕著にスモールワールド現象が確認された.To analyze a structure of natural or social networks, the small-world network structure is often discussed. In the small-world network, each node can be more highly clustered than the random network, and can access other nodes through fewer edges than the regular network. It is well known that the small-world network can effectively communicate and share information, and is defined by two measures: the cluster coefficient and the shortest path length. The shortest path length can be calculated by Dijkstra's algorithm, which can be applied to directed and/or weighted graphs. However, the cluster coefficient cannot be applied to directed networks. In this report, we propose a method to estimate the cluster coefficient for directed and weighted networks on the basis of how to propagate information sent by parent nodes. Then, we confirm the validity of the proposed method with the numerical network models which we proposed by extending the Watts-Strogatz model to directed and weighted type. Moreover, we apply the proposed method to real directed networks discussed by previous studies, and can confirm the small-world phenomena of real networks more clearly from the viewpoint of directed and weighted networks.
著者
鈴木 智也
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.70-78, 2009-02-20

自然界や社会に存在するネットワークには,スモールワールド現象を示すものが数多く存在する.スモールワールド現象とは,各ノードが局所的にクラスタ化している割には他の遠いノードと短いステップでアクセス可能という特徴を持ち,情報伝達のしやすさに関係している.この性質は Watts らによって,クラスタ係数と平均最短経路長により定義されている.平均最短経路長はダイクストラの方法を用いればネットワークの種類を問わず算出できるが,クラスタ係数においては有向グラフの場合,前処理なしでは計算できない.そこで本研究では,情報伝達の仕方を考慮することで前処理の方法を検討し,有向グラフでも適切にクラスタ係数を計算する手法を提案する.その妥当性を検証するために,Watts らが提案した Small-world ネットワークモデルを重み付き有向グラフに拡張し,本提案手法を適用した.さらに,今まで調査されてきた線虫の神経網などの実ネットワークについて本提案手法を適用したところ,従来よりも顕著にスモールワールド現象が確認された.
著者
舩橋 晴俊 壽福 眞美 徳安 彰 佐藤 成基 岡野内 正 津田 正太郎 宮島 喬 吉村 真子 上林 千恵子 石坂 悦男 藤田 真文 奥 武則 須藤 春夫 金井 明人 池田 寛二 田中 充 堀川 三郎 島本 美保子 樋口 明彦 荒井 容子 平塚 眞樹 三井 さよ 鈴木 智之 田嶋 淳子 増田 正人 小林 直毅 土橋 臣吾 宇野 斉 鈴木 宗徳 長谷部 俊治 原田 悦子 羽場 久美子 田中 義久 湯浅 陽一 伊藤 守 上村 泰裕 丹羽 美之 宮本 みち子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、グローバル化問題、環境問題、移民・マイノリティ問題、若者問題、メディア公共圏、ユビキタス社会、ケア問題といった具体的な社会問題領域についての実証的研究を通して、社会制御システム論、公共圏論および規範理論に関する理論的研究を発展させた。公共圏の豊富化が現代社会における制御能力向上の鍵であり、それを担う主体形成が重要である。また、社会制御には合理性のみならず道理性の原則が必要である。
著者
鈴木 智之
出版者
日本図書館協会
雑誌
カレントアウェアネス (ISSN:03878007)
巻号頁・発行日
no.280, pp.2-3, 2004-06-20
被引用文献数
1
著者
落合 慶広 鈴木 英人 篠沢 一彦 鈴木 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

気象予報業務の自由化に伴い、局地・短時間の詳細な気象予測情報の提供が望まれている。そこで、本稿では、ニューロ技術を利用して3時間先までを分単位で、かつ、数km以下の詳細な降水予測情報を生成することが可能なニューロ気象予測システム"My Weather"について述べる。
著者
磯貝 英一 明石 重男 寺澤 達雄 赤平 昌文 鈴木 智成 宇野 力
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

研究代表者及び各分担者はこの研究課題に直接的又は間接的に関係する研究成果を得ることができた。代表者の得た主な研究硬果は次のようなものである。1.二乗誤差に標本抽出費用を加えたものを損失関数としたとき、母平均と母分散が未知な正規分布における標準偏差のべきの点推定問題を考えた。損失関数の期待値であるリスクを最小にする標本数で推定するとき、標本数が大きいときの漸近的に最適な標本数には未知母数が含まれる。そこで、逐次推定量を提案し、1標本抽出費用が十分小さいとき、この逐次推定量に対するリスクおよび平均標本数の漸近展開を求めた。この結果はMetrika vol.55,no.3(2002)に掲載された。2.正規分布における未知な尺度母数のべきの点推定問題を考えた。リスクとして平均二乗誤差を考え,このリスクがある与えられた誤差値以下になるような最小の標本数を用いて推定したい。この場合、最小の標本数の近似値は未知な尺度母数を含む。そこで標本抽出を停止する停止規則を定義し、与えられた誤差値が十分小さいときリスクに関する条件がみたされることを示した。また、リスクとして平均2乗誤差と標本抽出にかかる費用の和を用いたとき、指数分布における未知な尺度母数のべきの点推定問題も考えた。本論文で得られた成果はSequential Analysis, vol.22,no.1&2(2003)に掲載された。3.指数分布における未知な尺度母数のべきの有界危険点推定問題を考えた。リスクとして平均二乗誤差を考え、このリスクがある与えられた誤差値以下になるような最小の標本数を用いて推定したい。この場合、最小の標本数の近似値は未知な尺度母数重合むため実際には利用できない。そこで標本抽出を停止する停止規則を与え、与えられた誤差値が十分小さいときリスクに関する条件がみたされることを示した。本論文で得られた成果はScientiae Mathematicae Japonicae, vol.58,no.1(2003)に掲載された。
著者
中尾 正博 佐藤 哲夫 冨井 直弥 高山 慎一郎 堀内 貴史 朴澤 佐智子 鈴木 智美 小川 恵美子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.427, pp.49-53, 2010-02-19

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)は,Ka帯のMBAやMPAによる高い送信・受信能力を持ち,小型の地球局で広帯域通信が可能であり,遅延時間が少ないという特徴を持つ衛星である.「きずな」は2008年2月23日に打上げられ,軌道上での初期機能確認試験を行った後,様々な実験を実施してきた.本稿では,宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)が実施した基本実験結果の概略について紹介する.
著者
池田 真一 鈴木 智也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.477, pp.19-24, 2008-01-31
参考文献数
9

自然界の実システムは,一般に各要素がネットワークを構成しており,互いに相互作用して時間発展している.我々はその様子を時系列データとして人手し,システムの理解や将来変動の予測などに利用することができる.例えば経済システムにおいては,ネットワークの構成要素は各企業であり,企業間で相互作用することで,株価変動などの複雑な振る舞いを見せる.このような複雑な株価変動を予測する場合,大企業や中小企業といったノード毎で異なる特徴に応じて,予測難易度や最適な予測モデルが異なる可能性がある.そこで本研究では,実システムを模擬するために,数理モデルとしてスモールワールドネットワークを生成するWSモデルをベースにカオス結合系を構成し,各ノードが生成した時系列データに対して非線形予測を行った.さらに,次数中心性,媒介中心性,近接中心性といった各ノードの特徴と予測精度の関係を調べ,経済システムなどの複雑システムの予測可能性について議論した.
著者
大塚 和弘 堀越 力 鈴木 智
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.409-410, 1997-03-12
被引用文献数
1

近年の計算機技術や気象学の発達に伴い, 2,3日先までの全国規模の気象予測の精度は向上している. 一方, 集中豪雨・豪雪, 雷雨などの局所的 (数km^2~数100km^2) で激しい降水現象は, 観測的にも物理的にも未解明な点が多く, 十分な予測が困難である. しかし, 現在, 防災や各種産業の効率, 経済性の向上のため, 1時間~3時間先までの空間・時間解像度の高い降水予測が重要な課題となっている. これまで, このような予測のために, 気象レーダ画像を用いた手法が提案されているが, 実用上その予測精度には問題があった。そこで, 本稿ではエコーパターンの局所的、大局的な動きの性質の違いに着目し, エコーの速度場の分割に基づく予測手法を提案し, 実験により予測精度の向上を確認したのでその旨を報告する.
著者
増井 三夫 福山 暁雄 鈴木 智子 齋京 四郎
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.231-244, 2004

「学級」を同質的集団であるとする思い込み一学級文化主義はいま根本的な転換を余儀なくされている。相互行為の視点が導入されて久しいが,この文化主義を超える方法はいまだ模索の段階にある。合意形成研究が示すように,相互行為にみられる行為者の意味はもともと不確定である。とすると「学級」が異文化ないし個別文化が共生する空間へ転換する可能性は閉ざされているのか。本共同研究は,この共生の可能性について,まずは,保健室における養護教諭と来室者の会話記録から,両者の相互行為を解釈する方法として,エスノメソドロジーとコミュニケイション的行為論の有効性を検証することから着手している。検討と考察の結果は,養護教諭と来室者との間で相互に了解を志向する行為を解釈する方法はコミュニケイション的行為論による方法が有効であった。Changing a priori premise that classroom is homogenous group is almost inevitable nowadays. A view point of interactive action hat been discussed in fields of educational science and educational sociology: neversless the development of Methodology is till at groping level. According to the study of conflict and consensus, sense of actors in interactive action is naturally uncertainty. Then is the possibility of changing over schoolroom to a space coexisting with diverse individualties closed? This cooperative research aims at verifing the validity of theory of ethnomethdology and communicative action as the method to interpret interractive action between nurseroom attendance and school nurse. The result of verifing is the following: theory of communicative action by Habermas is more valid than ethnomethdology.