著者
渡邊 勝太郎 大倉 克美 鈴木 至 松邑 勝治
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.101-106, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
1

科学技術文献データベースは特許データベースと異なり、その収録範囲は分野別、用途別、データベースベンダーのポリシーなどによって時に大きく異なる。本稿では総合系のデータベースとして著名なエルゼビア社の Scopus、クラリベイト・アナリティクス社の Web of Science(WoS)と JST の文献情報データベース(JST文献)を比較し、示唆を与えることを目的とする。3 種類のデータベースの収録範囲を ISSN を用いて集計した結果、Scopus と WoS の収録範囲は多くの雑誌(15,000 誌超)で重複しており、JST 文献の収録範囲は他 2 者との重複はさほど多くはないものの、学協会発行の雑誌や大学紀要等の国内の文献の豊富な収録状況(独自の収録13,000 誌超)が明らかになった。さらに、JST が実施している、JST 文献と Scopus とを書誌マッチングした結果を用いて、大学等公的機関と企業の共著関係を検索し、国内学会での発表等 JST 文献以外では収録していない情報から、研究初期の段階にあるテーマ等を追うことができる可能性を示した。
著者
植木 岳雪 鈴木 毅彦
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.389-394, 2004 (Released:2005-01-07)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

東北日本の八甲田カルデラの周辺には, 新しい方から八甲田第2期火砕流堆積物 (Hkd2), 八甲田第1期火砕流堆積物 (Hkd1), 八甲田第0期火砕流堆積物 (Hkd0) および黄瀬川火砕流堆積物 (Osg) の4枚の火砕流堆積物が分布している. これらの火砕流堆積物の古地磁気測定を行った結果, Hkd2およびHkd1は正帯磁, Hkd0およびOsgは逆帯磁であった. このことは, Hkd1と日本各地のBrunhes/Matuyama Chronozone境界直上のテフラとの広域対比の確度をより高めるものである.
著者
岩崎 敬二 木村 妙子 木下 今日子 山口 寿之 西川 輝昭 西 栄二郎 山西 良平 林 育夫 大越 健嗣 小菅 丈治 鈴木 孝男 逸見 泰久 風呂田 利夫 向井 宏
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF BENTHOLOGY
雑誌
日本ベントス学会誌 = Japanese journal of benthology (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.22-44, 2004-07-28
被引用文献数
24 26

To investigate the invasion history and recent geographic distribution of marine organisms introduced to Japan or transferred domestically to non-native regions, a questionnaire survey on their occurrence in the field, including both published and unpublished records, was conducted in 2002-2003. A total of 105 taxa was reported by 94 respondents. According to three criteria, viz. known or unknown geographic origin, established invasion history, and presumed dispersal mechanisms associated with human activities, 42 taxa were designated as non-indigenous species introduced to Japan through human activities, 26 taxa as indigenous species that are distributed both in Japan and other countries but are introduced from abroad to Japan for fisheries or as fish bait, 20 taxa as cryptogenic species which are not demonstrably native or introduced, two taxa as non-indigenous species that have extended their range to Japan through natural dispersion, and one taxon as an indigenous species. The remaining 14 taxa were considered to have been transferred domestically to new areas. Analysis of the years of first record of 42 non-indigenous species suggests that the rate of invasion has increased over the past century, with seven or eight species being introduced per decade after 1960. Data on temporal change in geographic distribution revealed that many non-indigenous species have become widespread recently, from the Pacific coasts of central Japan to the coasts of the Sea of Japan or northward. However, the species listed in the present study are not exhaustive, and more extensive investigations covering all taxa and all presumed dispersal mechanisms are urgently needed before consideration of legislative management of introduced marine organisms.
著者
鈴木 武志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.564-573, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)

生体認証技術は個人認証方式としてさまざまなシーンで導入されている。その技術の一つである顔認証でNECは米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する評価プログラムで4回連続世界No.1の評価を得ている。顔認証には「積極的認証」「非積極的認証」という2つの視点があるが,これから特に注目されるのが後者で,それは認証対象者本人が意識しない,対象者の協力を得ることができないケースでの認証である。この非積極的認証で使われる技術が「動画顔認証技術」である。同認証は画像中から顔を検出,次に特徴的な点を見つけ,顔特徴量を抽出しデータベースと比較,閾値よりも類似度が高い人物を見つけた場合に本人と判定する。動画顔認証では低解像度画像で照合できることが重要で,NECはNISTの評価試験で最高評価を獲得した。顔認証は対象となる顔の提示が必須であったが,時空間データ横断プロファイリング技術のようなその課題を解決する技術も生まれており,いっそうの活用が見込まれる。
著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ
巻号頁・発行日
vol.56, pp.173-210, 2017-10-20

スティーヴン・ドッド『青春のことども――梶井基次郎の時代の生と死』(ハワイ大学プレス、2014)は、国際的な展望に立ち、梶井基次郎の世界を高く評価する論考と、ほとんどの作品の翻訳を収めた英語による初めての書物である。その論考部分は、欧米の諸分野の理論を援用し、国際的学際的な視野に立ち、日本のモダニズムをめぐる重大な課題を提起し、鋭い指摘に満ちている。創造的であろうとするあまり、理論の適用限界や文芸文化史の見渡しに問題が見受けられるが、それは決してドッド一人が抱える問題ではない。とくに1980年代までの日本の文芸批評の歴史的限界がはたらいている。本稿は、ドッドの広い視野に立つ挑戦を真に意義あるものにするために、文芸批評の方法を検討し、日本モダニズム研究に新しいステージを拓く試みである。
著者
鈴木 徹 SUZUKI Toru
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = BULLETIN OF THE CENTER FOR EDUCATIONAL RESEARCH AND PRACTICE FACULTY OF EDUCATION AND HUMAN STUDIES AKITA UNIVERSITY (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.177-180, 2017-03-31

本研究は,肢体不自由特別支援学校におけるタブレット型端末の活用実態を把握した上で,今後の研修会の在り方について検討することを目的とした.タブレット型端末の活用の有無と活用する上での課題を整理したところ,様々な活用方法が試みられているにもかかわらず,台数不足等が指摘されていることが明らかになった.結果を踏まえ,タブレット型端末の活用に関する研修会の在り方について論じた.
著者
高谷 美正 鈴木 修 山内 洋 中里 真久 猪上 華子
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1037-1054, 2011-12-31
被引用文献数
2

2007年4月28日午後,関東地方は雷雨・突風・降雹を伴う大荒れの天気となり,各地で被害が相次いだ.この事例について,ドップラーレーダー,高層気象観測,ウィンドプロファイラー,地上気象観測の各データおよび被害調査等から解析を行った結果以下のことがわかった.(1)被害をもたらした降水システムは,ボウエコー(弓形のエコー)の特徴を備えていた.(2)レーダーのデュアル解析により,このボウエコーの先端部分に鉛直渦度と水平収束の大きい領域が解析された.この領域の形状と振る舞いは先行研究のサイクロニックなメソサイクロンと良く似た特徴を持っていた.この領域は当初中空(地上2〜4km)に浮いていたが,その後その南西端が地上付近に垂れ下がるような形状となった.この時にその足付近で,低層のPPIデータにマイソサイクロンが2つ検出され,これらは鉛直渦度と水平収束の大きい領域とともに東南東に移動した.(3)2つのマイソサイクロンの内,より南側を通過したマイソサイクロンが,東京湾岸地帯の約18kmにわたる直線上の複数の場所に突風被害をもたらした.低層のPPIデータによる見積りでは,被害場所は,渦の風と渦の移動速度が線形の重ね合わせによって強め合う場所で起きており,風速は最大40ms^<-1>ほどに達したと見積もられる.(4)サイクロニックなメソサイクロンの発生機構として,先行研究の数値実験において,「下降域内を下降する空気塊が,ガストフロントをまたぐ傾圧帯において傾圧効果により水平渦を獲得する.その水平渦がガストフロントに沿って存在する上昇流によって上方に傾けられて鉛直渦度を獲得し,更に延伸することにより鉛直渦度が強められる」というものが挙げられている.この発生機構が実際に働いていることを示唆する解析結果が得られた.(5)被害が最初に起きた時刻の約10分前に,仰角の高いドップラーデータで見ると,ボウエコーの先端部分において動径風の収束が強まっていた.これはマイソサイクロンの前兆現象として突風の直前予報に役立つと思われる.
著者
鈴木 親彦 Suzuki Chikahiko
出版者
人文学オープンデータ共同利用センター

国文学研究資料館蔵「羅生門物語」(DOI 10.20730/200003096)の顔貌キュレーション
著者
芳賀 高洋 我妻 潤子 臼井 洋子 大谷 卓史 工藤 紗貴子 鈴木 二正 高瀬 浩之 塚本 初恵 豊福 晋平 中駄 康博 西尾 琢郎 森棟 隆一 三輪 吉和 渡辺 光輝
出版者
日本デジタル教科書学会
巻号頁・発行日
pp.61-62, 2017 (Released:2017-10-02)
参考文献数
2

文化庁 文化審議会著作権分科会は2017年4月「文化審議会著作権分科会報告書」において「教育の情報化の推進等」を公表した。本ポスター発表では、こうした審議会等で討議される教育に関連した最新動向(権利制限の拡大案や公衆送信権に関わる補償金制度導入、学生からの著作権利用許諾料金の徴収、ライセンシング体制の整備ほか)の要点を解説し、著作者・著作権者と利用者(教員、児童生徒、保護者)との「対話」の促進のためのコミュニティの構築といった、今後求められる施策について提案する。
著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.237-260, 2011-03

本稿では、第二次大戦後の日本で主流になっていた「自然主義」対「反自然主義」という日本近代文学史の分析スキームを完全に解体し、文藝表現観と文藝表現の様式(style)を指標に、広い意味での象徴主義を主流においた文藝史を新たに構想する。そのために、文藝(literar art)をめぐる近代的概念体系(conceptual system)とその組み換えの過程を明らかにし、宗教や自然科学との関連を示しながら、藝術観と藝術全般の様式の変化のなかで文藝表現の変化を跡づけるために、絵画における印象主義から「モダニズム」と呼ぶ用法を採用する。印象主義は、外界を受けとる人間の感覚や意識に根ざそうとする姿勢を藝術表現上に示したものであり、その意味で、のちの現象学と共通の根をもち、今日につながる現代的な表現の態度のはじまりを意味するからである。 従来用いられてきた一九二〇年代後半から顕著になる新傾向には、「狭義のモダニズム」という規定を行い、ここにいう広義のモダニズムの流れに、どのような変化が起こったことによって、それが生じたのかを明らかにする。従来の狭義のモダニズムを基準にするなら、ここにいうのはモダニズム前史ないし"early modernism"からの流れということになる。 本稿は、次の三章で構成する。第一章「文藝という概念」では、日本および東アジアにおける文藝(狭義の「文学」、文字で記された言語藝術)という概念について、広義の「文学」の日本的特殊性――ヨーロッパ語の"humanities"の翻訳語として成立したものだが、ヨーロッパと異なり、宗教の叙述、「漢文」と呼ばれる中国語による記述、また民衆文藝を内包する――と関連させつつ、ごく簡単に示す。その上で、それがヨーロッパの一九世紀後期に台頭した象徴主義が帯びていた神秘的宗教性を受容し、藝術の普遍性、永遠性の観念とアジア主義や文化相対主義をともなって展開する様子を概括する。日本の象徴主義は、イギリス、フランス、ドイツの、それぞれに異なる傾向の象徴主義を受容しつつ、東洋的伝統を織り込みながら、多彩に展開したものだったが、その核心に「普遍的な生命の表現」という表現観をもっていた。これは国際的な前衛美術にも認められるものである。 第二章「美術におけるモダニズム」では、印象主義、象徴主義、アーリイ・モダニズムの流れを一連のものとしてとらえ、その刺戟を受けながら、二〇世紀前期の日本の美術がたどった歩みを概観する。 第三章「文藝におけるモダニズム」では、二〇世紀前期の日本美術と平行する文藝表現の動向を概観する。そして、それと狭義のモダニズムの顕著な傾向である表現の形式と構成法への強い関心との連続性と断絶を示す。ただし、広義のモダニズムの中には、もうひとつ、表現の即興性にかける流れも生まれていた。小説においては「しゃべるように書く」饒舌体で、それが一九三五年前後に、狭義のモダニズムに対して、ポスト・モダニズムともいうべき「この小説の小説」形式を生んでいたことをも指摘する。
著者
熊谷 謙一 山内 康太 小林 裕貴 萩原 理紗 岩松 希美 小柳 靖裕 藤本 茂 鈴木 聡
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.554-561, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
20

【目的】脳卒中治療における効果判定ツールとしてのStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS)の有用性を検討した。【方法】対象は脳卒中の診断で入院,リハビリテーションを実施した244例とし,評価は入院7,21日目に実施した。SIASの反応性はStandardized Response Mean(以下,SRM)を用いて検討した。Minimal Clinically Important Difference(以下,MCID)の検討は,歩行能力の改善を臨床上重要な指標の変化と定義し,それが生じるのに必要なSIASの変化量を検討した。【結果】SIASのSRMは0.61で,歩行能力が改善するためのSIASのMCIDは2点であった。【結論】SIASは経時的に改善し,2点の改善が歩行能力改善と関連していた。そのため,脳卒中治療の効果判定として有用な指標であることが示唆された。
著者
鈴木 淳史 巽 和也 堀井 悟史 栗山 怜子 中部 主敬
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.853, pp.17-00200-17-00200, 2017 (Released:2017-09-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1

A fluid temperature measurement technique based on fluorescence polarization is developed and applied to measure the two-dimensional temperature distributions in microchannel. In this measurement method, the fluorescence depolarization due to rotational Brownian motion of the fluorescent molecules in the solution is measured and converted to fluid temperature. Since the fluorescence polarization degree is independent to fluorescence intensity, the measurement is less influenced by the fluorescence quenching effect, which is an issue in laser-induced fluorescence (LIF) method. Experiments were performed using a microchannel with fluorescent molecules solved in water. The effects of the fluorescent molecule concentration, fluid pH and fluid temperature on the fluorescence polarization degree are discussed to evaluate the influence of the quenching effects and to derive the correlation curves. Furthermore, the proposed method was applied to measure the temperature distribution with linear gradient generated in the microchannel. The results showed that the fluorescence polarization is considerably less sensitive to quenching factors compared with the fluorescence intensity measurements. A linear correlation between the polarization degree and the fluid temperature was obtained. This relationship agreed well with the theoretical one. Further, measurement of two-dimensional temperature distribution in the microchannel agreed well with the values obtained by the thermocouple measurements. These results confirmed the validity of the measurements and feasibility of the proposed method.
著者
三輪 清三 上野 高次 桜井 稔 小林 章男 鈴木 重一
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
日本傳染病學會雜誌 (ISSN:00214817)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.10-20, 1964-04-20 (Released:2011-11-25)
参考文献数
32

Tularemia in Izu Peninsula in Shizuoka Prefecture was investigated epidemiologically and1. All the tularemia cases collected by us occurred locally in the southern parts of Izu Peninsula; 25 cases in Minamiizumachi of them 20 cases infected each by separate hares, 7 cases in Shimoda-machi 6 infected each by separate hares, and 1 case in Matsuzaki machi.2. Among these cases, the first case occurred in 1932 and the majority of cases occurred in 1949. Thereafter occurrences of a few cases continued to 1962.3. Most cases occurred from December to March.4. Almost all the cases were infected from skinning and processing the meat of hares found dead or weak.5. The rate of inapparent infection of hunters group in each region in Izu area was as follows; South coast of the Peninsula 20.2%, Central part 19.4%, West coast 9.7%, and North part 8.3%, paralleing the number of the tularemia cases in each region of Izu Peninsula.6. In retrospect, agglutination test that is positive above 1: 32 was advisable for the diagnosis.7. Characteristics of the prevalence of tularemia in Japan was discussed.