著者
武内 透 杉田 幸二郎 佐藤 温 鈴木 義夫 福井 俊哉
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.362-369, 1995-05-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
20
被引用文献数
4 6

本邦では, 高齢発症の重症筋無力症 (以下MG) は最近, 増加傾向にあるが, 臨床的に検討した報告は極めて少ない. 我々は60歳以上で発症した高齢者全身型MG 11例の臨床像, 誘発・増悪因子, 合併症, 治療上の問題, 予後などを検討した. 初発症状は眼瞼下垂, 複視などの眼症状, 球症状が高率で, これら所見は非高齢者MGと同様であるが, 他覚的所見に対する訴えの乏しさが特徴的であった. 11例の内訳は, 当科初診時にMGと診断された2例のほかは, 6例 (54.5%) は脳血管障害, 1例は頭蓋底腫瘍疑いと診断されていた. MGの誘発・増悪因子では, 嫁姑関係, 夫の死亡, 老人ホームへの入所, 農作業の高齢化などの家庭内のトラブル5例 (45.5%) と高齢者MG例に特有な要因が認められた. 抗Ach-R抗体は, 11例中10例 (90.9%) に明らかな上昇を認めた. 頭部CTでは全例とも加齢による萎縮所見のみで, 知的機能は, 11例中1例に軽度の低下を認めるのみであった. 合併症では, 胸腺腫4例 (36.4%) のほか甲状腺疾患の合併が5例 (45.5%) と多く, その内訳は, 橋本病は3例, バセドウ病に伴う甲状腺眼症, 単純甲状腺腫がそれぞれ1例認められた. その他, 陳旧性心筋梗塞, 消化管潰瘍, 高度な変形性脊椎症, 前立腺肥大などの合併を認めた. 治療としては抗ChE剤に加えて, 副腎皮質ホルモンを5例 (うちパルス療法2例), ガンマグロブリン療法を1例, 胸腺腫に対する放射線療法を3例, 胸腺摘出術を1例に施行した. 10年間の経過追跡では, 11例中7例 (63.6%) が死亡し, その内訳は, 肺炎・気道閉塞が4例, うっ血性肺水腫, 胸腺摘出術後十二指腸穿孔, 胃癌の全身転移がそれぞれ1例であった. 非高齢者MGと異なり, 高齢者MGでは老人一般の管理に加えて, 環境因子にも充分に注意し, 治療法の選択においても, 非高齢者MGとは異なった観点から検討すべきと思われた.
著者
東海林 慶一 鈴木 潤一郎 田邊 正宏 篠永 充良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.454, pp.19-24, 2010-03-01
参考文献数
8

レーダ性能の向上を図る技術として,近年,研究が行われているMIMOレーダでは,送信信号波形同士の相関性を低く抑えて,各送信源からの送信に対する目標反射信号を独立に処理することが必要となる.本報告では,MIMOレーダの送信波形として同一中心周波数の位相符号変調信号の適用を想定し,各送信源から送信される信号同士の相関性を除去することにより,独立処理を可能とするパルス圧縮処理方式について提案する.シミュレーションにより提案方式によるパルス圧縮性能評価を行った結果,相互相関処理におけるピークレベル,及び自己相関関数の出力サイドローブを0にし,かつ比較的少ないS/N損失で符号チップ幅と同等の圧縮パルス幅が実現できることを確認した.
著者
関 秀司 鈴木 翼 庭 亜子
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.47-51, 2005-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
19

微細藻類の増殖速度の光強度依存性について温度依存性と同様の関係が成立するとの仮定に基づき, Arrhenius型光強度関数を導入した増殖速度モデルを提案した。クロレラC. fuscaをモデル系として光強度およびKNO3濃度の異なる条件で増殖速度実験を行い, 実験結果との比較からモデルの正当性を検討した。その結果, 本研究で提案した増殖速度モデルにより低光強度における比増殖速度のシグモイド型光強度依存性を表現できること, および従来の経験式と同等以上の精度で比増殖速度の光強度依存性を予測できることが明らかとなった。
著者
有光 敏彦 鈴木 増雄 東大・理 東大・理
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.F49-F57, 1977-03-20

スケーリング理論を超放射系に応用し,有限系でのその厳密解と比較するところにより,スケーリング理論の意味するところをはっきり知り,また久保,松尾,北原の1/Ω展開とのつながりもはっきりさせる。超放射系のモデルについては,(1)を参照されたい。ひとことで言えば,2準位の同じ原子N個を,えんぴつ型の容器に入れた系と,熱浴と接触した光子系とを考え,その間のカップリングについて,2次までを考慮するのである。
著者
鈴木 啓介
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.367-377, 1988-04-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
28
被引用文献数
11 20

Contrary to the firm and long-standing credence on the involvement of racemization, the “cationic” 1, 2-rearrangement reactions may proceed stereospecifically under suitable reaction conditions to allow the complete 1, 2-chirality transfer. This fact provides a solid basis for the development of a novel and useful synthetic reactions to achieve the highly selective acyclic steoeocontrol. This paper deals with a survey of the new synthetic methodology based on the novel 1, 2-rearrangements under Lewis acidic conditions as well as the newly exploited silicon-directed relative streocontrol, which would find a broad applicability in the highly stereoselective synthesis of a wide variety of useful compounds including chiral pheromones, macrolides, and so on.
著者
鈴木 喜隆
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1972

博士論文
著者
大久保 暢子 牛山 杏子 鈴木 恵理 佐竹 澄子 小板橋 喜久代
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.121-130, 2011-04-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
65

日本看護技術学会技術成果検討委員会の一組織であるポジショニング班では,看護職が行うポジショニング技術を既存の研究成果と臨床知から言語化し,臨床看護師に広く公表していく活動をしている.本研究では,活動の第一段階として看護職が行うポジショニングの定義を明確にすることを目的とした.また看護学同様,理学療法学におけるポジショニングの定義を調査し,看護学の定義と比較検討した.調査対象は,国内の大学に所蔵される看護学分野および理学療法学の国内外の教科書および参考書計 253冊で,方法は,ポジショニングの言葉が記載されている箇所を定義,目的の観点から抽出し,看護学,理学療法学ごとに共通性を分析し,定義と目的と導いた.倫理的配慮は,対象書物に偏りがないよう関東にある大学の最新版を採用した.結果,看護学における定義を「対象の状態に合わせた体位や姿勢の工夫や管理をすること」とし,目的は,安楽,合併症 ・ 廃用症候群の予防,気分転換などがあがった.理学療法学の定義は,対象者以外に介助者との関係も含んだ内容であり,看護学とは異なる点があった.今後は,上記の定義を仮定義として扱い,さらに臨床看護師のポジショニング技術の実践内容を分析したうえで,看護におけるポジショニング技術の言語化を進めていく予定である.
著者
鈴木 努
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.564-581, 2006-12-31
被引用文献数
1

山岸俊男は『信頼の構造』 (1998) において, 見知らぬ他者を信頼する人は単なる「お人好し」ではなく, 相手を信頼することで, 社会的不確実性と機会コストに対処しているのであるという信頼の解き放ち理論を展開した.その論証には主に実験心理学的方法が用いられたが, その後の社会調査による検証では必ずしも理論を支持する結果は得られていない.その原因として, 信頼の解き放ち理論は実験室状況を越えた実際の社会状況に適用するにはいまだ理論的整理が不十分であること, また実証研究において用いられたモデルが理論を適切に形式化しえていないことが考えられる.本稿では, 社会ネットワーク分析とカタストロフ理論を用いた数理モデルによって個人の社会環境とその個人が示す不特定の他者への一般的信頼の関係を形式化し, 信頼の解き放ち理論とそれに向けられた諸批判を総合した理論仮説を提示する.<BR>本稿のモデルは, 個人のエゴ・ネットワークとその属するホール・ネットワークの特性により個人の一般的信頼がどのように変化するかを示すカスプ・カタストロフ・モデルである.そこでは個人のもつ多層的なネットワーク領域を想定することで, 高い一般的信頼と緊密なコミットメント関係の両立が可能となっており, それにより実験的方法と社会調査から得られた対立的な知見を総合的に理論化する1つの枠組が提出される.
著者
鈴木 公
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.236-255, 1962-06-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
33

The solution of the city problems in Japan is one of the most important things in land planning. The chief object of this paper is to deal with cities in Kagoshima Prefecture, a so-called “backward Prefec-ture, ” which have suffered vicissitudes over two different periods, one being (A) the “Fumoto” period (times of the castle town, 1602-1869) and the other (B) the contemporary times (1869-), and to analyze and classify them to understand the characteristics of both types, and the distribution of the cities, and thus to contribute some materials for the impending problem of the cities which are to be solved in the coming years.The elements analyzed of a city in the case of (A), are (1) the amount of Koku of rice produced in a Go (village), (2) the population of Shizoku (samurai) and Sotu (the footman soldier or servant to samurai) in a Go, (3) the standing army in the year 1870 when the militery government was established, (4) Kakushiki (the situation) and the power of defence of Fumoto (the little castle town) and (5) the facilities of the commercial transportation (e.g. stage, fair, harbour). Then, we define that each of these items gets a full mark, (100 maximum) and we can get valuations by percentage.In the case of (B) the five items ((1) the population (2) the industry (3) the commerce (4) the communication (5) the culture and the sightseeing) and the thirty subitems are given. we also define that each of these items gets full malk, (100 maximum) and we arrive at the valuations by percentage. The figures are totalized and divided by thirty to get the average. The materials used in this paper are from the national and the prefectural statistical books and from some opinionaires.The results of this research tell us that, in Kagoshima Prefecture which had been reformed from a han (a feudal domain) “Kagoshima han”, Kagoshima City where its prefectural office is so remarkably large as to be ranked in the top class of minor cities in all Japan, but other cities are small ones with no particular attraction of urban life. From the point of their distribution, in the “Fumoto” period the defencetowns on the prefectural border were large next to the castle towns, and after them came the defence-towns around Kagoshima City; nowadays they are annexed to that main city or have developed into little satellite towns.In the middle region about 50km away from Kagoshima City, whence it is unusual that people come on shopping trips or commute to the central city, there are a few larger cities belonging to the A class of little cityies in our division, such as Sendai, Kanoya, which show some alterations from years to years. Generally speaking, in this prefecture, there are no tourist towns nor newly-developed industrial ones, so the distribution of the cities has scarcely changed, but remains almost as it had been in the “Fumoto” period. And so, the less-changing of the distributon of the cities is characteristic of Kagoshima Prefecture.
著者
戸渡 敏之 久野 雅彦 鈴木 歩美 天野 直樹 杉山 良信 平嶋 純代 赤津 嘉樹
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第23回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.O021, 2007 (Released:2007-11-02)

【背景】勤労者を対象とした痛みに関する調査では、腰痛の有訴率は高く社会問題化されてきた。この対策として、中央労働災害防止協会において「職場における腰痛予防の推進について」が通達され、職業性腰痛予防への取り組みが実践されている。一方、我々理学療法士(以下、PT)も、対象者のトランスファー介助や中腰姿勢など腰部にストレスのかかる動作を行う機会も頻繁にあり、腰痛経験者も多いと推測されるが、不明な部分も多い。そこで今回PTに伴う腰痛に関する予備的調査を実施し、若干の知見を得たので報告する。【対象と方法】対象は、静岡県士会教育局研修部が平成18年度に開催した計3回の研修会参加者である。方法は、開始時に無記名式のアンケート調査票を配布し、終了時に回収した。調査内容は、年齢などの基礎データと腰痛に関する情報とした。【結果】有効回答数は138名であり、腰痛経験あり(以下、LBP+群):115名(83.3%)、腰痛経験なし(以下、LBP-群):23名(16.7%)であった。LBP+群では、就職後の腰痛経験は、就職後1年以内:83名(60.1%)、2年以内:17名(12.3%)、3年以内:4名(2.9%)であり、腰痛を感じる内容は、トランスファー:73名(52.9%)、立位訓練時:29名(21%)、座位訓練時:24名(17.4%)、歩行訓練時:18名(13%)などであった。PT業務との関連性に関しては、非常にある:26名(18.8%)、少しある:72名(52.2%)、ない:4名(2.9%)などであり、困難な動作については、1時間程度の座位:34名(24.6%)、立ち上がり:8名(5.8%)、中腰の姿勢:72名(52.2%)、立位の持続:40名(29%)、重量物の挙上61名(44.2%)であった。また全対象(n=138)において、平均年齢:26.4±5.3歳、性別:男性;79名(57.2%)女性;59名(42.8%)、腰痛体操の実施:34名(24.6%)、柔軟体操・ストレッチの実施:73名(52.9%)、筋力トレーニングの実施:36名(26.1%)、ボディメカニクスの利用:99名(71.7%)、装具着用:17名(12.3%)となっており、これらの項目でLBP+群とLBP-群間に有意差はなかった。【考察】調査結果では、PTの8割以上が腰痛を経験しており、その多くは就職後1年以内で発症し、7割以上がPT業務との関連性を感じていた。以上よりPTに伴う腰痛有訴率の高さを再認識し、各施設において新規採用PTを対象とした腰痛予防に関する労働衛生教育の実施、及び再発防止や自分の腰を守る為の自己管理を各自で実践していくことが対応策になると示唆される。さらに今後の課題として、快適な職場環境の構築に向けて電動ベッドやリフトの導入など個々の施設特性を考慮しながら、PTの身体的負担軽減を目標とした作業管理を模索していく必要がある。
著者
鈴木 弘司 藤田 素弘
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.42, 2007

本研究では,改正道路交通法施行前後において駐車違反取締り重点地域・重点地域外の住民を対象としたアンケート調査を実施し,法改正により路上駐車に対する意識および行動がどのように変化したかを把握した.その結果,改正道交法は,高齢者や重点取締り地域の住民に高く評価されている一方で,短時間の路上駐車をするものや都心部への移動が業務目的であるものは,本法に対する評価が低いことが明らかとなった.交通行動の変化については,法改正に対する評価が低いものは交通行動を変化させず,都心部にあまりいかないものは自動車利用を控え,公共交通などへの手段変更を行うことが示された.さらに普段の路上駐車時間が短いもの,都心部移動目的が業務であるものは時間貸し駐車場を探す傾向にあり,駐車取締りを常に意識するものは慎重に路上駐車スペースを探すようになるなど,法改正前後の交通行動の変化とその要因が明らかとなった.さらに,利用者の評価および自宅周辺での路上駐車実態から,駐車違反取締り重点地域や時間帯の設定について更なる検討が必要であることがわかった.
著者
徳重 晃大 森 康平 大上 悟 松島 寛 鈴木 一成 中野 博昭
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.133, no.7, pp.165-172, 2017-07-01 (Released:2017-07-21)
参考文献数
15
被引用文献数
5

Cu electrolysis was performed using low-grade copper anode with purity 78.7 mass% at a anode current density of 200 A・m-2 in an unagitated sulfate solution containing 0.596 mol・dm-3 of Ni2+ ions as impurity at 60 ℃, and the structure of anode slime before and after passivation was analyzed. The highly-concentrated Sb, Pb and Ag were dispersed in copper anode before electrolysis. The passivation occurred at short time of 17.7 hours in the case of low-grade copper anode, and it occurred at shorter time of 11.4 hours in the solution containing Ni2+ ions as impurity. At normal dissolution of copper anode, copper parent phase dissolved in the form of dendrite and the framework of anode slime was composed of remained Cu-Ni-Sb-Sn-As compound. Cu2S and single phase of Ag and Pb were observed around this framework. At passivation, Cu, Ni and Sn dissolved from the slime framework composed of Cu-Ni-Sb-Sn-As compound, resulting in formation of Sb condensed phase. These Cu-Ni-Sb-Sn-As compound, Sb condensed phase, Cu2S compound around the slime framework, Ag and needle-shaped PbO dotted in the whole slime suppressed the diffusion of Cu2+ ions, as a result, CuSO4 was formed at interface between the slime and copper substrate. The passivation occurred at slime thickness of approximately 500μm in Ni2+-free solution, while it occurred at slime thickness of approximately 300μm in solution containing Ni2+ ions. This indicates that the passivation do not depend on only the thickness of slime. The thickness of CuSO4 formed at passivation in Ni2+-free solution was almost identical with that from the solution containing Ni2+ ions. In solution containing Ni2+ ions, the passivation occurred at less thickness of slime, showing that CuSO4 is easy to be formed in the vicinity of copper substrate due to decrease in solubility of CuSO4 and diffusion coefficient of Cu2+ ions.
著者
藤井 勇 高橋 貢 鈴木 立雄 北 昂
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.324-327, 1966-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

An 8-month-old collie dog was Suspected to be affected at the heart, presenting specific edema at the lower parts of the limbs and metallic presystolic murmurs. Electrocardiography revealed the dilatation of the left auricle and the left ventricle. In its heart, as compared with the normal organ, inside pressure was high on the venous side and low on the arterial side. From these findings, this dog was diagnosed as a case of functional failure of closure of the mitral valve induced by the dilatation of the left ventricle. Autopsy lent support to this diagnosis, revealing the dilatation of the left auricle and ventricle and mild thickening of the mitral valve.
著者
鈴木 信孝 上馬塲 和夫 宋 函 滝本 裕子 鈴木 里芳 川端 豊慈樹 大野木 宏 仲井 培雄
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.149-155, 2012 (Released:2012-10-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

ガゴメ昆布フコイダンの高年齢者に対する安全性と免疫機能に対する効果をオープン試験により評価した.高年齢者(69.4 ± 6.9 歳)18 名(男性 7 名,女性 11 名)にガゴメ昆布フコイダン(1 日摂取量 50 mg)と乳酸菌を配合した食品を 8 週間摂取してもらい,摂取前と摂取 4 週間後および摂取 8 週間後に血液検査,尿検査,QOL 調査,免疫機能検査を行った.その結果,いずれの検査においても臨床上問題となる変動は見られなかった.また,試験食品に起因し臨床上問題となる有害事象も認められなかった.免疫機能検査においては,血中の IgE の有意な低下が認められた.以上の結果から,ガゴメ昆布フコイダンは高年齢者に対し安全性の高い機能性食品素材であることが示された.