著者
千葉 剛 佐藤 陽子 鈴木 祥菜 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.147-155, 2015 (Released:2015-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1 5

以前に実施した調査において, 特定保健用食品 (特保) を治療目的で用い, 服用している医薬品と同様の保健機能を謳った特保の利用者がいることが示された。本調査では特保と医薬品との併用の実態を明らかとするためアンケート調査を行った。特保を疾病治療目的に利用している人の割合は利用者の年代が上がるにつれて増え, また, 受診なしに比較し受診あり (通院中・入院中) で有意に高かった。また, 医薬品を併用し, 中には服用医薬品と同じ用途で特保を利用しているにもかかわらず, 医師・薬剤師に相談している利用者は, 14.6%と低かった。この時, 特保と医薬品の併用者において体調不良 (下痢・便秘等) を感じている人は10.3%であった。多くの特保製品は通常の食品形態をしていることから, 適切に使用していれば医薬品と相互作用を起こす可能性は低いと思われるが, 医薬品を服用している際には, 医師・薬剤師に相談することが好ましいと考えられる。
著者
鈴木 健一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.20-28, 1990-10-10

従来の和歌研究史の上で比較的閑却に付されていたかに見える近世の天皇や公家ら堂上歌人たちも、伝統的な歌道を尊しとしてはいたが、彼らなりの新しさへの創造への努力と熱意を持っていた。後水尾院の和歌添削方法を検討すると、詞続きの良さと道理の通じ易さに力を注ぎ、三十一字を一体化させながら、言葉に対する様々な工夫もなされている事がみてとれる。近世堂上歌壇の中心的存在であった後水尾院の力量に我々はもっと目を向けるべきではないだろうか。
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.99-110, 1997-03-31

中国において全集が出版されている作家, 例えば, 魯迅・郭沫若・郁達夫が日本に留学したのに対して, 聞一多と日本との繋がりは, アメリカ留学に赴く途中, 神戸・横浜に数日間滞在しただけで, 地縁的にも深い関係にあったとは言いがたい.ただ, 聞一多は横浜・東京を見物した折, 東京帝国大学英文科二年生の井上思外雄と知り合った.また, 1926年には小畑薫良の『李白詩集』について論評を行った.本稿では, 聞一多によって, 中国の人々の記憶に残ることとなった二人の日本人について述べたい.
著者
平井 啓 鈴木 要子 恒藤 暁 池永 昌之 茅根 義和 川辺 圭一 柏木 哲夫
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.19-27, 2001-01-01
被引用文献数
6

本研究の目的は, 末期癌患者の病気行動に対するセルフ・エフィカシーを測定する尺度の開発である.尺度項目を作成し, 心理的適応の尺度とともに, ホスピス外来通院中, ホスピス入院中の末期癌患者50名を対象に構造化面接を行つた.因子分析の結果, セルフ・エフィカシー尺度は, 3つの下位尺度により構成され, それぞれ最も適合する6項目を選択した.この下位尺度と抑うつ不安の関係についてパス解析で検討したところ, 下位尺度のうち, 「情動統制の効力感」が中心的な役割をもつことが明らかにされた.そして, 本研究の結果が, 末期癌患者のQOL向上のための介入方法の方向性について示唆する点について検討した.
著者
鈴木 重晴
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.978, pp.107-110, 1999-02-15

今年1月2、3日に開催された第75回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、早稲田大学は惜しくも10位となり、9位以内のシード校の枠に入ることができませんでした。来年の大会には予選会から出場し、予選で6位以内に入らないと本大会に出場できなくなりました。
著者
磯野 啓之介 森田 浩智 星野 尋志 片倉 健男 渡辺 尚美 鈴木 利昭 太田 和夫
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.115-118, 1985

現在、CAPD療法における最も大き左問題として、腹膜炎がある。我々は灌流液バツグの交換操作ミスによる腹膜炎を減少させるため、火炎滅菌を用いたジヨイント方式(FLAMELOK®)を開発し臨床を行つてきた。第四回のISAOのシンポジウムにおける太田らの発表によれは、腹膜炎の発生率は非常に低かつた。しかし、セラミツクスジヨイントについて破損や閉塞左どの点を指摘された。そこでセラミツクスジヨイントの材質を改良し、耐久性・安全性の面から従来のものと比較検討をした。耐熱性, 強度などの物性は従来より向上し、滅菌性能については同等か、やや優る結果を示した。また灌流液に与える交換操作の影響として、ブドウ糖の熱分解生成物である5-ヒドロキシメチルフルフラールの定量を行つたが、濃度の変動はほとんどなかつた。以上のことからFLAMELOK®システムの安全性はさらに向上したものと考えられる。
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.363, pp.24-26, 2005-12

「会社は、過去2年分の未払いの残業代約500〜550万円を支払え」ーー。2005年10月4日、埼玉県北部にある日本マクドナルドの直営店で店長を務める高野広志氏(44歳)が、東京都内で記者会見を開いた。主な内容は、雇用主である日本マクドナルドホールディングスに対し、未払い分の残業代などの割増賃金を求め、11月にも提訴するというものだ。
著者
鈴木 信夫
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.109-118, 2011-06-01
被引用文献数
2

即効を促す科学・技術の風潮などの様々な要因により,基礎医学の存続とその理念の継承が危ぶまれております。せめて,科学精神の神髄は刻印されるべき時のようです。そこで,そのような懸念と対策に適うか否かは後世の判断に委ねるとして,また,亥鼻台にて40数年間の学究活動をさせていただいた感謝の意を込めて,千葉医学へ過去に掲載した記事の補足をすることとします。 ワトソンの著書を読破した医学生時代に始まり,生化学第二講座(現 環境影響生化学)と微生物学講座(現 分子ウイルス学)での月火水木金金金の生活記録です。生命現象の神秘さに魅了され,無目的心境からスタートした大腸菌を用いた研究体験を踏まえて,ヒト個体には"突然"変異を"必然"変異とする新規の生理機能(SOS応答)があることを予感する悪戦苦闘の記録でもあります。前編では,その苦闘の末開発した培養ヒト細胞実験システムを紹介します。後編では,SOS応答探しの実証実験の過程を紹介します。将来,先天性疾患やがん,あるいはウイルス感染症などの変異に基づく様々な疾病が根本から絶滅されることを夢見ながら,ヒトの過去と未来を宇宙レベルから問う"宇宙進化医学"とでも称すべき基礎医学の開花を願うこととします。
著者
鈴木 正也 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1-4, 2010-02-27

実生活空間において人間と共存するロボットには,歩行者が存在する動的な環境を認識し,衝突することなく自律移動をする能力が求められる.本論文では,このような動的環境において安全に移動可能なロボットを提案する.ロボットはレーザレンジファインダにより周囲の距離情報を取得し,あらかじめ用意した環境地図と比較することで自己位置推定および歩行者検出を行う.次に,カルマンフィルタにより次時刻における歩行者位置を予測する.また,斥力場の算出に歩行者速度を考慮したポテンシャル場法を用い,ロボットの移動経路を決定する.これにより,ロボットは歩行者の移動方向を認識し,早期に経路変更を行うことが可能となる.実験の結果,提案ロボットが歩行者と衝突することなく目的地まで移動できることを確認した.
著者
鈴木 真
出版者
京都倫理学会
雑誌
実践哲学研究 (ISSN:02876582)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.31-69, 2013-10-31
著者
鈴木 雅大 佐藤 晴彦 小山 聡 栗原 正仁 松尾 豊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.1499-1513, 2016-05-15

ゼロショット学習は,1度も学習したことのないカテゴリの画像を,補助情報を頼りに分類する手法である.ゼロショット学習を実現する様々な手法の中でも,補助情報に属性を用いた属性ベースゼロショット学習が最もよく知られている.しかし既存研究では,各属性の画像特徴量への現れやすさを考慮していなかった.本稿ではこのような度合いを属性ごとの観測確率と呼び,観測確率を含めた新たなモデルを提案した.そして提案したモデルの妥当性の検証および既存研究との比較実験によって,提案手法が既存手法と比較して有効性の高いモデルであることを示す.
著者
坂井 一夫 伊藤 謙三 南 芳樹 鈴木 勝己
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-3, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

A rare case of intratendinous ossifications of the bilateral patellar tendons was reported. A fourteen-year-old boy, who was a superior short runner, visited our office, complaining of pain in both knees after running. Physical examination revealed hard masses in bilateral patellar tendons and tenderness of those. No other abnormalities were noted. Roentgenograms of both knees showed ossification in the area of the patellar tendon. Of course, those were extra-articular, arthrographically. Differential diagnosis was made from patella biprtita, Osgood-Schlatter disease and others. Conservative therapies consisting of anti-inflamatory drugs, local injection and others were effective, but the symptom arose repeatedly because he trained hard. We are planning to resect the ossifications after the running seasen.
著者
岡田 一義 今田 聰雄 海津 嘉蔵 川西 秀樹 菅原 剛太郎 鈴木 正司 石川 勲 佐中 孜 奈倉 勇爾 松本 紘一 高橋 進
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1315-1326, 2003-08-28
被引用文献数
5 7

本邦では, 透析患者の終末期において, 血液透析 (HD) が安定して施行できている患者の自己決定を尊重し, HDを中止することについての生命倫理学的研究は殆どない. 今回, われわれは, 透析医 (552名) を対象として, 安定したHDを受けている悪性腫瘍終末期症例を提示し, いくつかのシナリオに対して, HDを中止するか, 継続するかの意識調査と, advance directives (AD), 尊厳死, 尊厳生についてどのように考えているかの意識調査を全国的規模で行った.<br>434名 (78.6%) から回答が得られたが, 有効回答は427名 (77.4%) であった. ADおよび尊厳死が法的に認められていない現状において, ADの有無で比較すると, (1) 家族がHD中止を申し出た場合, (2) 家族がHD継続を申し出た場合とも, ADがあるとHDを中止する回答は有意に増加した ((1) 48.0%→78.9%, (2) 0.2%→2.6%). さらに延命療法を中止しても法的責任は問われないと仮定すると, ADがあるとさらにHDを中止する回答は増加した ((1) 90.9%, (2) 11.9%). ADと尊厳死を必要であると回答した透析医はそれぞれ74.0%, 83.1%であったが, 法制化も必要と回答した透析医は56.4%, 63.7%に減少した. 尊厳死と尊厳生の比較では, 尊厳生を支持する透析医は, 尊厳死を支持する透析医よりも多かった (47.1%, 15.9%).<br>今回の結果は, 現状でも, 透析医および家族が患者の自己決定を尊重すると, ADによる尊厳死が行われる可能性があることを示唆し, 多くの透析医がADや尊厳死を必要と考えている. 一方, 尊厳生は人間にとって非常に大切なことであり, 尊厳死よりもこの言葉を支持する透析医が多かったと考える. すべての国民は個人として生きる権利を認められており, 本邦では, 終末期にも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め, 家族および社会が納得する範囲で, 先ず尊厳生によるADが自己決定のために重要であると認識させる努力をすべきである.