著者
山本 元久 高橋 裕樹 苗代 康可 一色 裕之 小原 美琴子 鈴木 知佐子 山本 博幸 小海 康夫 氷見 徹夫 今井 浩三 篠村 恭久
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-8, 2008-02-28
被引用文献数
27 39 12

ミクリッツ病は涙腺・唾液腺腫脹を,自己免疫性膵炎は膵のびまん性腫脹を呈し,ともに腺組織中へのIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする疾患である.私たちは,当科における全身性IgG4関連疾患(systemic IgG4-related plasmacytic syndrome ; SIPS)40例の臨床的特徴(腺分泌機能,血清学的評価,合併症,治療および予後)を解析した.男性は11例,女性は29例で,診断時の平均年齢は58.9歳であった.疾患の内訳は,ミクリッツ病33例,キュッツナー腫瘍3例,IgG4関連涙腺炎4例であった.涙腺・唾液腺分泌低下は,約6割の症例にみられたが,軽度であった.抗核抗体陽性率は15%,抗SS-A抗体陽性は1例のみ,低補体血症は30%に認められた.また自己免疫性膵炎,間質性腎炎,後腹膜線維症,前立腺炎などの合併を認めた.治療は,臓器障害を有する症例で治療開始時のステロイド量が多く,観察期間は最長16年のうち,臓器障害の有無に関わらず3例で再燃を認めた.ミクリッツ病をはじめとするSIPSの現時点における問題点と今後の展望について述べてみたい.<br>
著者
稲本 志良 河村 能夫 小田切 徳美 佐藤 了 横溝 功 鈴木 俊 横溝 功 小田切 徳美 佐藤 了 鈴木 俊
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究における成果は、先に、日本農業普及学会の平成20年度春季シンポジュームで報告した。その報告要旨及び最終報告は、当学会誌『農業普及研究』(平成21年6月刊行予定)に掲載される。本研究において特に重点をおいた理論的研究の内容は、農業普及をめぐる産業組織論的交際比較研究及び歴史的展開に関する研究である。また、本研究においては上記の理論的研究を基礎にした実証的研究を重視しており、その主な内容は、農業普及をめぐる多様な運営・活動主体の実現の把握・分析とその類型化に関する研究である。そこで得られた知見は多いが、その主要な知見は以下の諸点である。1) 公的部門における普及主体の多様化、民間部門における普及主体の多様化の進展。2) 普及主体が展開する普及活動の高度化と多様化の進展。3) 普及事業・普及活動の専門化と高度化と多様化、特に企業次元、地域次元、ここの活動次元における多様化の進展。4) 民営化・多様化、有料化の親展。なお、上記にした多様化の動向は、国の間で、また、特定国内における産業間、地域間において精査し、検討することが重要になってきている。
著者
山根 周 深見 奈緒子 布野 修司 鈴木 英明 武末 佐恵加
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、インド洋海域の港市において、イスラーム・ネットワークやインド商人のネットワークに着目し、都市、建築の空間的特質とその地域的連関等を臨地調査に基づき明らかにした。アラビア海・インド洋西海域世界においては、グジャラート地方を中心としたインド西部の商人による交易や移住が、東アフリカ沿岸の建築、都市の形成に大きな影響を与えていたことが明らかになった。一方、ベンガル湾海域世界に位置する東南アジアの港市では、タミル・ナードゥ地方を中心としたインド南東部の商人や労働者の交易、移住が建築、都市の形成に影響を与えたことが明らかになった。
著者
鈴木 崇文 阪口 泰子 藤本 昌一 山田 久 田中 敦司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.403-410, 2009-08-01
被引用文献数
1

公共図書館における障害者サービスは,少しずつではあるが進んできている。ただ,自治体によってそのサービスの方法や広まりには差がある。名古屋市図書館では,比較的早い時期からこれらのサービスを開始している。その例として,対面読書と郵送貸出を取り上げる。また,試みたもののあまり成果の上がらなかった方策も例示する。これらを通して,公共図書館での障害者サービスの実状を紹介する。ここで,障害者サービスという言葉については,「図書館利用に障害のある人びとへのサービス」ととらえていることをお断りしておきたい。
著者
鈴木 聡 森松 博史 江木 盛時 清水 一好 松崎 孝 佐藤 哲文 片山 浩 森田 潔
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.215-220, 2011-04-01 (Released:2011-10-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

術後の発作性心房細動の発生は,ICUや病院滞在日数,医療費の増加につながることが報告されており,その管理は重要である。我々は,食道癌術後に難治性の発作性心房細動を合併し,短時間作用型β1選択的遮断薬である塩酸ランジオロールを使用した7例を経験した。症例は51~87歳で,いずれも男性であった。複数の抗不整脈薬が無効であり,塩酸ランジオロール投与を開始した。初期の急速投与は行わず,4.3~33.5μg/kg/minと低用量の範囲で開始し,投与前と投与1時間後の心拍数は平均153[140, 167][95%信頼区間] /minから101[88, 116] /min(P<0.0001)と有意な低下を認めた。平均血圧は88[78, 94] mmHgから82[74, 89] mmHg(P=0.37)と有意な変化を認めず,重症な低血圧に陥る症例もなかった。6例では投与開始24時間以内に洞調律に回復した。複数の抗不整脈薬に抵抗性の食道癌術後発作性心房細動に対する低用量の塩酸ランジオロール投与は,大きな血圧の低下なく心拍数の安定をもたらした。

1 0 0 0 鼬小僧

著者
鈴木金輔編
出版者
聚榮堂大川屋書店
巻号頁・発行日
1897
著者
鈴木文史朗 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1929
著者
鈴木 哲也 大木 明子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は摂食・嚥下障害患者に対して用いられる舌接触補助床(PAP)のメカニズムを調べることを目的としている。健康な成人に5mmの厚さのスプリントを装着させ、実験的に固有口腔を拡大した。PAPの装着による効果を、水およびゼリー嚥下時の口蓋に対する舌圧から検討した。スプリントを装着することで舌圧が低下した被験者が、PAPを装着することで舌圧の増加が認められた。PAPは舌と口蓋の接触が損なわれた患者に対して有効であることが示唆された。
著者
蛯名 美智子 村田 恵子 鈴木 敦子 片田 範子 中野 綾美 筒井 真優美
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

病院での検査・処置を受ける子どもが実際、どのように説明を受けているのかについて調査した。方法は参加観察及び、その後に子どもの親・医師・看護婦へのインタビューであった。研究対象は2〜13歳の18名の子どもとその親、それに関わる医師と看護婦であった。観察とインタビューから得られたデータは逐語的に整理され、研究者のグループによって分析された。その結果、以下のような4つの結果を得た。1.子どもが検査や処置について知らされた後から検査や処置中にわたって、自分で心理的に準備をしている。私たちはこの現象を子どもの心理的準備/決心、すなわち覚悟と名付けた。子どもが覚悟をして検査・処置に向かうためには、心地よい雰囲気、過去の検査イメージ、検査・処置の間に子どもに選択肢を与えた決定する機会、状況を人々と共に共有する間隔、検査・処置を受けることによって可能になる利益の保証、そして子ども自身による覚悟の宣言が必要であった。2.子どもの能力と医療者が認識する子どもの能力との間で、以下の3つの現象が観察された。それらは子どもの能力と子どもの能力に対する医療者の判断との間のずれ、検査・処置に対する子どもの反応と医療者の対応との間のずれ、そして子どもと医療者の双方の状況の理解に関するずれであった。3.子どもの検査・処置に参加する医師、看護婦、親の間で3つの役割がとられていた。1つは、検査・処置の子どもの反応をチェックすること、2番目の役割は検査・処置について子どもに説明すること、3番目の役割は子どもの覚悟を引き出し、それを維持させることであった。4.検査・処置の後の子どもの思いは、3つのタイプに分類された。3つのタイプとは、「私は頑張った」という思い、「私は頑張ろうとしたんだけど・・」という思い、「私はずっと頑張っているのに」という思い出あった。今後の研究課題は、コレラの結果からケアモデルを構築すること、精製されたケアモデルの効果を検証することである。
著者
鈴木 桂水
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.398, pp.162-166, 2008-05

神々が住むと伝えられる島根・出雲の町から、電車で1時間ほど揺られた先に木次町がある。中国山地と宍道湖へ流れ込む斐伊川に囲まれた、恵まれた山間の土地だ。ここに牛乳本来の美味しさと、日本人の味覚に合うナチュラルチーズ作りに取り組む木次乳業がある。 「ナチュラルチーズ作りは酪農の頂点。美味しいチーズを作るには、品質の良い乳が必要です。
著者
鈴木 知道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.41-47, 2007-03-05

スポーツやゲームなど様々な競技において,プレーヤーの順位づけを行うにあたって様々なトーナメントが実施されている.競技は,マラソンやボーリングのように競技の結果に対してタイムや採点など個々のプレーヤー(あるいはチーム)ごと数値化が可能な競争や採点競技と,サッカーやレスリングのように1対1の直接対決の結果が得られる対人競技に大別される.本研究は後者を対象とする.トーナメントシステムはトーナメントの規模や期間に依存するが,主要な目的はプレーヤーの競技の結果(成績,出来)に応じて適切な11項位付けを行うことである.多くのトーナメントシステムが提案されているが,それらを的確に評価するのは難しいのが現状である.本研究では,統計的な視点からトーナメントシステムをとらえ,評価するにあたって考慮すべき観点に関する考察を行った.Various tournament systems are run in order to rank the players who participated in a competition of sports or games. There are competitions that all teams or players compete for time or score such as marathon or ski jumping. There are also competitions that teams or players face each other in a match such as soccer or wrestling. In this paper, the latter is considered. The tournament system to be used depends on the size and the period of the competition. In any case, one major objective the tournament is to appropriately rank the players according to the result of the competition. Today, many tournament systems are proposed, yet we do not have the methodology to evaluate their effectiveness. In this paper, various aspects are discussed from statistical point of view on how to evaluate the tournament systems.
著者
鈴木 宏昭
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.212-224, 2001-09-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
58
被引用文献数
1

This paper reviews the history of cognitive studies on thinking from the dynamical point of view. In the early 1970s, researchers employed the formal approach to thinking where its processes were modeled as applications of domain-independent formal rules. However, in the 1980s, various studies revealed that human thinking is best characterized as a knowledge dependent process. Although knowledge plays critical roles, this approach had difficulties in dealing with flexible use of knowledge, its origin, and interaction with the external environment. In the 1990s, dynamics of thinking is more and more a topic within the scope of cognitive science, by virtue of biological approaches such as cognitive neuroscience, evolutionary psychology, and extended connectionism, as well as the research on analogy, creative thinking and scientific reasoning. Finally, methodological issues to further develop the dynamical approach are discussed.
著者
鈴木 祐麻
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、大腸菌と大腸菌群を対象汚染物質として選定し、微量の鉄粉およびレモン汁を処理原水に添加することで太陽光殺菌(Solar Disinfection, 通称SODISと呼ばれる)の効果を高めることができることを提案・実証することである。種々のバッチ実験および実証実験の結果、鉄粉、レモン汁、そして太陽光を組み合わせることにより、フェントン反応と類似した反応プロセスがペットボトル内で連続的に進行し、その結果、OHラジカルなどの活性酸素種やフェリルイオンなどの効率的な生成を通してSODIS効果を促進することができた。
著者
森 傑 舟橋 國男 鈴木 毅 木多 道宏
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.540, pp.181-187, 2001
被引用文献数
8 1 2

From the point of view of environment behavior studies, this paper proposes an alternative approach in housing environment design drawn from recent ethnomethodological developments in sociology, social science, anthropology and cognitive science. The orientation in design action led by an architect is constituted through the sequence construction of conversation between the architect and the client, and the contents of housing environment design develop through the customary regulation and restriction in conversation. It becomes clear that we must re-study the premise which communication can build a consensus because the orientation acts on the client as force or power and controls his independence.