著者
鈴木 光也
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1, pp.15-23, 2011-01-20

superior canal dehiscence syndrome (上半規管裂隙症候群) とは, 上半規管を被っている中頭蓋窩天蓋や上錐体洞近傍の上半規管周囲に骨欠損を生じ, 瘻孔症状, Tullio現象, 難聴などさまざまな臨床症状を来す疾患単位である. 発症の機序はいまだ不明であるが, その頻度は欧米に比較してアジア諸国では少ない. 本症候群の瘻孔症状やTullio現象は上半規管の刺激によって生じるため特徴的な眼球偏倚がみられる. つまり時計回りまたは反時計回りの回旋成分を含んだ垂直性の動きであり, 上半規管が正に刺激されると上方に, 負に刺激されると下方に眼球が偏倚する. 難聴は伝音難聴 (気導—骨導差) も感音難聴も生じうる. その他, 前庭誘発筋電位 (Vestibular evoked myogenic potential) 検査において振幅の増大と反応閾値の低下がみられる. 画像診断には側頭骨HRCT (high resolution CT) が用いられる. 上半規管裂隙症候群の診断ではスライス幅0.5-1.0mmの冠状断CTが有用とされているが, CTのみでは裂隙の診断に限界があり, false positiveに注意しなければならない. false positiveを排除するためには神経耳科学的検査で上半規管瘻孔を示唆する眼球運動の確認が必要である.
著者
鈴木 伸隆
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(C)2009-2011
著者
菊地 博 川崎 聡 中山 均 齋藤 徳子 島田 久基 宮崎 滋 酒井 信治 鈴木 正司
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.461-466, 2010-05-28
被引用文献数
1

ノイラミニダーゼ阻害薬であるオセルタミビルは,インフルエンザAおよびB感染症の治療,予防に有効な薬剤である.慢性維持透析患者に対する,治療,予防に関する報告は少なく,その推奨量は決定されていない.2007年2月19日~20日,火木土昼に透析を受けている患者9人のインフルエンザA発症を確認した.発症患者の病床は集積しており,施設内感染が強く疑われた.透析患者は感染のリスク,重症化のリスクが高いと考えられ,感染の拡大を防ぐため,オセルタミビルの治療投与のほか,予防投与も行った.385名の透析患者に,十分なインフォームドコンセントを行い,同意が得られた患者にオセルタミビル75 mg透析後1回経口投与を行った.アンケート等の協力が得られた339名を調査対象患者とした.9人が治療内服,299名が予防内服を行い,31名が内服しなかった.治療内服後,全員が速やかに解熱し,重症化例を生じなかった.予防内服者には,インフルエンザ感染を生じなかったが,非予防内服者に2名の感染を認めた.この2名も同様の内服により,速やかに解熱,軽快した.内服者において,報告されている臨床治験時にくらべ,消化器症状の発症率が低かったが,不眠を訴える割合が多かった.また,内服者は非内服者にくらべ,臨床検査値異常は多くなかった.血液透析患者におけるオセルタミビル75 mg透析後1回投与は,健常者の通常量投与にくらべ,血中濃度が高値となると報告されている.過量投与による副作用の報告はなく,また,今回の透析患者339名の検討でも,安全性には概ね問題がないと考えられた.予防投与は有効で,当施設におけるインフルエンザAアウトブレイクを収束させた.
著者
森脇 喜一 白石 和行 岩田 修二 小嶋 智 鈴木 平三 寺井 啓 山田 清一 佐野 雅史
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.36-107, 1985-09

第26次南極地域観測隊のセールロンダーネ山地地学調査は, 山地西部地域において実施された。調査は新観測拠点建設作業後の1月6日から2月13日までの39日間, 広域を調査するため8名の隊員が2班に分かれて実施した。2班はそれぞれ地質, 地形, 測地の調査・観測ができるよう構成され, ほぼ所期の目的を達成した。夏隊の行動期間のほとんどすべてを費やして, 昭和基地から独立して行った, このような行動形態は, 日本南極地域観測隊としては初めての例であるので, 計画作成から実施経過までを装備, 食料などの設営面を含めて詳しく報告する。調査結果については現在, 整理・研究中であり, 今後個別に発表されるので, ここでは概要を述べるにとどめる。この地域の夏季の気象・雪氷状況は, 今後もセールロンダーネ地域で展開される調査行動の指針となると思われるので詳しく報告する。
著者
高信 英明 野谷 耕太 青山 四朗 鈴木 健司 三浦 宏文
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.23-30, 2005-10-30

This paper is describes the araher surface robod balld on the msverest of water striders. Since few researches. Therefore we analyzed the movement of water striders living on the water surface, and then made a robot that can move on had not been deve abon water shiders peovement, the movement of their legs when they did turns, we found out they, hadi two different wotions : the uce of both legs and the use of oneleg, In addifvor, the diffecer depends on a turning wyle obcerving. Based on the analysis, we made a robot of water strider where actuators was light and simple. We also made the actuators using electromagnet. The robot demonotrated that moving iadependently. it coald obu tuse different tarns with both leas moving respeativelyt and that the robot could tloat on water in surface tension.
著者
鈴木 毅彦
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.766, pp.19-21, 2013-01
著者
森田 達也 古村 和恵 佐久間 由美 井村 千鶴 野末 よし子 木下 寛也 白髭 豊 山岸 暁美 鈴木 聡
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.382-388, 2012 (Released:2012-07-31)
参考文献数
22

本研究の目的は, 患者所持型情報共有ツール『わたしのカルテ』の利用状況を明らかにすることである. 配布数, 医師706名・看護師2,236名の質問紙調査, 医療福祉従事者40名に対するインタビュー調査, 事例を分析した. 年間平均1,131冊が配布され, 15%の医師, 16%の看護師が使用した. 医療者の体験としては, 現状として【一部では使われているが全体には広がらない】, 効果として【患者の自己コントロール感が上がる】【医療福祉従事者間の情報共有になる】, 普及しない理由として【患者にとって利益がない・負担が大きい】【関係する地域の職種すべてが使用する必要がある】ことが挙げられた. 11病院で運用が試みられたが, 3年間継続した運用ができたのは2病院のみであった. わが国の多くの地域において, 患者所持型情報共有ツールを短期間に地域全体に普及させることの実施可能性は低いことが示唆された.
著者
高見 徹 丸山 俊朗 鈴木 祥広 三浦 昭雄
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 = Journal of Japan Society on Water Environment (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.29-34, 1999-01-10

In the short-term bioassay using Porphyra yezoensis conchospores, it is basically important to clarify the most appropriate exposure period and end point to evaluate the effects of toxicants on the growth of Porphyra yezoensis conchospores. In this study, short-term bioassays (120 hours) were conducted on copper (Cu) and monochloramine (NH2Cl), which have different chemical characteristics. Three kinds of end points (survival ratio, germination ratio and growth ratio) at exposure periods every 24 hours were compared to define the most appropriate exposure period and end point.The minimum LOECs (lowest-observed-effect concentration) for Cu occurred at exposure period of 96 hours in the three kinds of end points. The 96-h LOECs from the survival ratio, the germination ratio and the growth ratio were 0.046 ± 0.026mg Cu·l-1 (n=5), 0.033 ± 0.027mg Cu·l-1 (n=5), 0.021 ± 0.019mg Cu·l-1 (n=5), respectively. The minimum LOECs for NH2Cl occurred at exposure period of 96 hours in the survival ratio and the growth ratio of 0.093 ± 0.026mg Cl2·l-1 (n=5) and 0.038 ± 0.016mg Cl2·l-1 (n=5), respectively. The minimum LOEC (0.036 ± 0.000mg Cl2·l-1, n=5) for NH2Cl from the germination ratio occurred at the exposure period of 48 hours.Therefore, taking into account of the simplicity of bioassay and its sensitivity to toxicants, it is concluded that the most appropriate exposure period and end point is 96 hours for Cu and 48 hours for NH2Cl judging from the end point of the germination ratio.
著者
鈴木 隆敏
出版者
慶應義塾大学アート・センター
雑誌
Booklet (ISSN:13420607)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.74-92, 2009

FUKUZAWA Yukichi 2 : 図版削除1. 「福澤先生は美術を見る目がない」2. 古文化財の海外流出防止へ努力3. 文化財保護は国の仕事4. 「帝室論」で"皇室メセナ"すゝめ5. 「帝室は諸藝術を保護すべし」6. 中年から熱を入れた「漢詩」と「芝居」7. 団十郎に歌舞伎脚本執筆、菊五郎に英語指導8. 福澤家の家庭音楽会