著者
曽根 悟 高木 亮
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.116, no.11, pp.761-764, 1996-10-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
5
著者
早川 武志 石田 治久 百田 昌史 高木 佳子 生駒 英長 水田 聡美 橋口 鮎美 田尻 香織 本江 篤規 毛利 誠
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第31回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.170, 2009 (Released:2009-12-01)

【はじめに】 パーキンソン病(以下PD)では長期の服薬に伴い日内変動と同様に日差変動も出現すると言われている。この日差変動は服薬が管理されているにも関わらず出現することも多く、日常生活やリハビリテーションの阻害因子となっている。しかし、日差変動に関する報告は未だ少ない。そこで今回、日差変動に影響を与えると思われる諸因子をいくつか取り上げその関係を調査したのでここに報告する。 【対象】 現在当院利用のPD患者31名中「日によって調子に差がある」と答えた23名(男性7名、女性16名、平均年齢63±13歳、Hoehn&yahr stageI:3名、II:5名、III:5名、IV:6名、V:4名)を対象として調査を行った。 【方法】 1日の症状変動を平均してvisual analogue scale(以下VAS)を用いて、10:最高に良い、5:普通、0:最も悪いとし5以下(普通より悪い)と答えた日に次の諸因子 1:睡眠障害(寝つけない、眠れない、頻繁に目が覚める)、2:便秘、3:精神的要素(普段は感じない不安、心配事、イライラなど)、4:気候・気温(寒暖や急激な変化)、5:疲労のうち当てはまっているものを選択してもらった。(複数回答可)。 【結果】 今回の調査においては、1:睡眠障害 11件、2:便秘 12件、3:精神的要素 14件、4:気候・気温 10件、5:疲労 6件であった。最も多かったのが精神的要素であった。また、Stage別に見るとIでは気候気温、IIでは精神的要素、IIIでは便秘、IVでは睡眠障害・便秘・精神的要素、Vでは睡眠障害が最も多かった。 【考察】 今回の結果をみてみると、全体では精神的要素が当てはまると答えた人が最も多く全体の約6割であった。PDでは精神的な緊張や興奮などが振戦を増強させるなど心理的な要素が身体に影響を及ぼす事はよく知られている。今回の結果も同様に精神的要素が身体に影響を与え、症状変動にも大きく影響を与えているのではないかと考えられた。また、stage別ではstageが進行するにつれて睡眠障害や便秘の割合が増えてくる。これは、睡眠障害は睡眠中にドーパミンが産生される、便秘は薬の腸からの吸収に影響する、など薬効や血中ドーパミン濃度と密接に関係しているためだと考えられる。PDではStageが進行するにつれて薬物に依存する割合が高くなってくるため、これらの因子が大きく影響を与えるものと推測される。従って、上記の症状を把握しアプローチしていく必要があると思われる。具体的には、早期からの精神的なフォロー、生活リズムの確立、便秘予防体操などを行うことにより、症状の変動を少しでも抑える事が出来るのではないかと考える。
著者
石渡 智之 長谷川 秀一 川島 昭彦 高木 賀織 伊藤 めぐみ
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0929-C0929, 2004

【はじめに】電撃傷は人体への通電により起こる傷害である。今回、電撃傷を受傷し、手術、理学療法によりROMやADLが改善した症例を経験したので報告する。<BR>【症例紹介】41歳、男性。診断名は電撃傷(55%の広範囲熱傷)。平成12年9月1日電車の屋根の上で作業中、服が燃えているのを発見。深達度は骨盤帯前面・両下肢後面が3度、体幹前面・両下肢前面・殿部が2度。<BR>【理学療法経過】平成12年9月26日PT開始。医師より両下肢は熱傷が重度のため運動は禁忌。ROMは両肩関節屈曲制限あり。10月12日医師より両下肢の運動の許可がでる。ROMは両股関節屈曲50°内外転20°両膝関節屈曲30°伸展0°足関節背屈右-50°左-55°。MMTは両股周囲筋2、大腿四頭筋1。PT内容はマッサージ、関節モビライゼーション、他動的ROM運動、筋力増強運動である。デブリードマン術、植皮術後で大腿部・膝関節周辺の軟部組織が不安定な時期は、強度の運動で軟部組織の損傷を防ぐため愛護的に行った。自主的運動として40cm台による大腿部・膝関節周辺の軟部組織の持続的伸張を30分間指導した。平成13年3月軟部組織が安定してきたため積極的に行った。他動的ROM運動では疼痛の程度を口頭にて10段階で示してもらった。(10段階評価)限界の痛みを10とした。10段階評価で9から9.5の関節角度での保持を30秒間行い、これを4回施行した。両足関節のROM改善はみられなかった。平成14年1月22日左足関節に対しイリザロフ創外固定器装着術を施行。4月1日左足関節は背屈0°になる。5月16日右足関節に対しイリザロフ創外固定器装着術を施行。8月22日初めて平行棒内歩行を行う。平成15年8月ROMは右膝屈曲130°左膝屈曲160°右足背屈5°底屈30°左足背屈5°底屈5°。MMTは両大腿四頭筋4、背屈筋1、底屈筋1。歩行は両松葉杖を使用して院内自立。<BR>【考察】ROM運動については、術後で軟部組織が不安定な時期は愛護的に、軟部組織が安定した時期には積極的に実施した。ROM運動の実施の際には、熱傷部の軟部組織の状態を把握しておくことが重要であり医師と密に情報交換していくことが肝要と思われた。疼痛の10段階評価の使用は、痛みの程度を客観的に把握することができ他動運動での伸張力の調節が容易になり効果的であった。PTによるROM運動によって両膝関節は良好な改善が得られたが、両足関節は改善がみられなかった。両下肢後面は深達度が3度と深く、軟部組織の伸張性が重度に低下した為と考えられた。イリザロフ法による尖足の矯正は顕著な改善がみられた。イリザロフ法は、創外固定器の矯正ロッドを操作し徐々に軟部組織を伸張していく方法である。軟部組織の損傷があり伸張性が重度に低下した場合に有効とされており本症例は適応が高かったものと思われる。今後は両松葉杖歩行での屋外自立を目標とし社会復帰につなげたい。
著者
小野 俊朗 平松 竜一 久保田 尚浩 依田 征四 高木 伸友 島村 和夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.779-787, 1993 (Released:2008-05-15)
参考文献数
24
被引用文献数
7 5

ブドウ'ピオーネ'の無核果栽培において,同一園で毎年着色が良好な樹と不良な樹を用いて,着色に違いが生じる原因を新梢生長や果実発育の面から検討した.新梢伸長,新梢当たりの葉面積および葉のクロフィル含量には着色良好樹と不良樹の間に差はほとんど認められなかった.単位面積当たりの収量は着色不良樹よりも良好樹でわずかに多かった.果粒肥大にも両者に大きな差はなかったが,不良樹では果粒軟化日が良好樹よりも約5日遅かった.果皮色は,果粒軟化後から成熟時まで常に着色良好樹で優れ,とくに軟化後2~3週間以降の差が顕著で,成熟時のアントシアニン含量は着色良好樹が不良樹の約2倍であった.屈折計示度は,成熟期間をとおして着色良好樹で高く,とくに果粒軟化後約3週間以降に両者の差が大きく現れた,果肉の糖含量の変化もほぼ同様であったが,その組成比には良好樹,不良樹間に差がなかった.
著者
高木 美也子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.44-51, 2009-09-22 (Released:2017-04-27)
参考文献数
12
被引用文献数
1

ヒトの脳内神経回路網の一部を植込み電極と体内埋設型刺激デバイスで刺激する脳深部刺激療法(DBS)により、不随意運動など多くの脳機能障害が劇的に改善されることから、日本でもこの治療を受ける患者が年々増加している。近年、うつ病や強迫性障害などの精神疾患に対してもDBSの効果が報告され、ドイツ、フランス、ベルギー、USA、カナダ等で治療として医学的な実験(治験)が開始されている。しかしながらDBSは脳内の神経回路網に組み込まれた刺激デバイスが脳機能を改変する危険性を孕んでおり、特に精神疾患ではその影響が大きいと考えられる。欧米では、治験をどのような安全基準で行なっているのか。ここでは、2008年1月にドイツ、フランスで行なった調査を踏まえ、精神疾患に対するDBS治療の安全性や適用範囲、患者の選択基準、人格に与える影響や社会的な懸念、さらには過去に精神疾患治療に使われたロボトミー手術などから倫理面を考察した。
著者
土井 聖陽 高木 修
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.73-79, 1993-12-25 (Released:2016-12-02)

The effects of apology and the changes of affection under four types of social predicaments were examined by canonical correlation analysis. Subjects were asked to imagine themselves as the harm-doer and the victim in one of four scenarios that were designed with combinations of high and low levels of the harm-doer's responsibility and the victim's damage. The findings were as follows: (1) a small number of apology components were used when the victim's damage was severe; (2) social predicaments were generally unpleasant, because the harm-doer and/or the victim felt aggressive affections (disgust, anger and hatred) in every situation; (3) apologies had positive and negative effects on the affection of the harm-doer and victim according to the difference of social predicaments.
著者
高木 秀雄 新井 宏嘉
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

ジオパークのストーリーとしてジオガイドが説明する時,複雑で難しいものの一つが地質構造発達史であろう.今回は下仁田ジオパークの構造発達史について,跡倉層に関する新しい情報も踏まえつつレビューし,ナップの移動を可能にした圧縮場をもたらしたテクトニックイベントにも触れたい.二重ナップの構成要素跡倉ナップ:御荷鉾緑色岩を基盤とする跡倉ナップを構成する地質体は跡倉層が大部分を占め,その他四ツ又山などに白亜紀前期花崗岩類・変成岩類が存在する.跡倉層の時代は以前より不明確で,アンモナイト等によりサントニアン階:Matsukawa and Obata, 2012)という報告がなされているが,近年ジオパークの化石発掘体験で得られたアンモナイトから,下部白亜系バレミアン階下部の可能性が指摘された(生野ほか,2016).また跡倉層を貫くとされている花崗岩類の角閃石K−Ar年代は112+/-3Ma(竹内・牧本,2003)という報告もある.一方,下仁田や寄居地域の跡倉層中の砕屑性ジルコンの最も若い年代は119+/-11Ma(中畑ほか, 2015)であるが,誤差を考慮するとその年代がバレミアン(129−125 Ma)であることを否定するものでもない.逆に,それより若い砕屑性ジルコンの年代が全く確認されていない.金勝山ナップ:跡倉ナップの上構造的上位に存在するナップで,ペルム紀の石英閃緑岩とホルンフェルスから構成され,下仁田では川井山,ふじ山に分布する.寄居地域や皆野町金沢地域にも同じ岩体があり,それらは御荷鉾緑色岩の上に直接乗る場合と,跡倉ナップを挟んでその上に乗る場合がある.関東山地におけるこのナップ境界露頭は,下仁田の大北野川でのみ認められる.対比と復元モデル ペルム紀の岩体は南部北上−黒瀬川帯に存在する花崗岩礫に,白亜紀前期の岩体は,阿武隈帯や肥後帯にそれぞれ対比されている(高木・柴田,2000).つまり,ナップの起源はである東北日本の要素が,御荷鉾緑色岩とナップ構造を北縁で切断している中央構造線(MTL)と御荷鉾緑色岩との間にかつて広く分布していた.それらの南への押し被せ(新井・高木,1998;Arai et al., 2008) が,最も重要なナップのイベントである.その断層活動に先立ち大規模な横臥褶曲が発生し,例えば四ツ又山以北の2 km四方もの跡倉層の大部分の地層の逆転をもたらしたと考えられる(新井・高木,1998).その後もナップ境界は上盤西の走向移動や最終時期には上盤北の正断層的な運動を重複した(Kobayashi, 1996).ナップの移動距離も中央構造線(MTL)以南での移動のみを考慮すると,数km程度のオーダーであったと推定される.南北圧縮をもたらしたテクトニックイベント 大規模な南への押し被せが発生した時期については,下盤の御荷鉾帯の変成年代である後期白亜紀以降,北側の下仁田層(約20Ma)を切断しているMTLによってナップ境界断層が切断されていることから,そのMTLの最終活動時期よりは前となる.日本海拡大に伴う西南日本の時計回りの回転を元へ戻した時のMTLの走向(西南日本の帯状構造の方向)をN30°Eとした時に,ナップ構造をもたらした圧縮テクトニクスの背景を考察すると,一つの可能性として太平洋プレートの移動方向がWNWのハワイ諸島の方向へと転換したイベントである50 Ma前後 (O’Connor, et al., 2013) が考えられる.この南への押し被せの時期については,解明すべき重要な課題として残されている.文献 新井宏嘉・高木秀雄,1998,地質雑,104,861-876.Arai, H., Kobayashi, K. and Takagi, H., 2008, Gondwana Res., 13, 319-330.生野賢司ほか,2016,日本古生物学会第165回例会講演要旨P.29.Kobayashi, K., 1996, Jour. Struct. Geol., 18, 563-571.Matsukawa, M. and Obata, I., 2012, Bull. Tokyo Gakugei Univ., Natr. Sci., 64, 143-152.Miyashita, A. and Itaya, T., Gondwana Res., 5, 837-848.中畑浩基ほか,2015,地学雑, 124, 633−656.O'Connor, J. M. et al., 2013, Geochem. Geophys. Geosyst., 14, 4564-4584.高木秀雄・柴田 賢,2000,地質学論集,no. 56, 1-12.竹内圭史・牧本 博,2003, 日本地質学会第110年学術大会講演要旨,69.
著者
坪井 潤一 寺島 祥子 高野 倫一 森 広一郎 鈴木 俊哉 石原 学 高木 優也 小森 謙次
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00065, (Released:2018-05-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1

友釣りおよび投網を用いて879個体のアユを捕獲しEdwardsiella ictaluriのPCR保菌検査を行った。週の平均水温が高いほどE. ictaluriの陽性率が高く,最も陽性率の高かった7/31-8/6には,週の平均水温が25℃以上を記録した。同期間中,投網で捕獲されたアユの陽性率は20.4%であったが,友釣り個体では陽性個体は確認されなかった。日中の平均水温が高いほど友釣りのCPUEが低かった。E. ictaluri感染は友釣りでの漁獲不振を招く可能性があることが示唆された。
著者
高木 昌史
出版者
成城大学
雑誌
ヨーロッパ文化研究 (ISSN:02850907)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.180-151, 2012-03
著者
高木 彩 小森 めぐみ
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.126-134, 2018

<p>This study distinguished between subjective and objective knowledge of scientific technology whose influence on health is yet to be defined, and explored the effect of each type of knowledge on risk perception. A web-based survey among the Japanese population (<i>N</i>=1,110) was conducted. It assessed the subjective and objective knowledge of electromagnetic field (EMF), interest in EMF, risk perception, and trust on the related organizations. The results indicated that respondents' objective knowledge about EMF was generally poor. Their subjective knowledge and objective knowledge were significantly correlated, but the strength of correlation was moderate. Multiple regression analysis yielded significant subjective×objective knowledge interaction on risk perception. While objective knowledge consistently attenuated risk perception, subjective knowledge boosted risk perception only when respondents' objective knowledge level was low. The possibility of the potential influence of reputation of EMF on the boosted subjective knowledge about EMF was discussed.</p>
著者
澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 三角 博康 下野 信行 江口 克彦 仁保 善之
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement2, pp.437-442, 1994-10-24 (Released:2011-08-04)
参考文献数
2

新規β-ラクタマーゼ阻害剤tazobactam (TAZ) と広域ペニシリン系抗生物質piperacillin (PIPC) の配合剤であるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) について基礎的・臨床的検討を行った。TAZ/PIPCの臨床分離株に対する抗菌力は, Proteus vulgarisとProtens mirabilisに対して優れ).Enterococcus faecalis, Escherichia coliやKlebsiella pneumoniaeに対してもペニシリン系対照薬よりも同等以上であった。また, Citrobacter freundii, Psendomonas aeruginosaやStaphylococcus aureusに対してもある程度の抗菌力があった。肺炎3例) 慢性気管支炎1例) 菌血症1例の計5例の感染症にTAZ/PIPC1日2.5g~10g, 6~14日間の使用により, 著効2例, 有効1例, やや有効1例, 無効1例の臨床効果が得られた。自・他覚的副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
著者
池田 拓也 中西 亨 伊藤 源士 高木 康之
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.426-430, 2006
参考文献数
12
被引用文献数
6

背景.気管原発の神経鞘腫は稀な疾患である.治療としては外科的切除の場合が多く,気管支鏡下に切除された症例は少ない.症例.症例は58歳,男性.主訴は血痰.気管支鏡検査で気管下部左主気管支直上に,膜様部から隆起する腫瘤を認め,生検で神経鞘腫と診断した.壁外浸潤はなく,気管支鏡下切除の適応と考え,全身麻酔下に高周波スネアで切除し,残存腫瘍をAPC (argon plasma coagulation)で凝固焼灼した.3年彼の気管支鏡検査で再発を認めていない.結果.気管原発の神経鞘腫に対し高周波スネアとAPCを用いて気管支鏡下に切除した.3年間再発はなく本法は有用である.
著者
鈴木 ドロータ 高木 秀雄 河本 和朗 中村 祐治 中村 れいら
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.4, pp.587-605, 2015
被引用文献数
1

本州弧に対する伊豆–ボニン弧への中新世の衝突の影響を受けて,中央構造線の東西走向が,紀伊半島東部伊勢地域で東方に向かって東北東–西南西へと曲がりはじめるものとされている。しかしながら,伊勢地域では第四系堆積物が広く覆っており,都市化も進んでいることから,中央構造線の地表トレースの正確な位置は不明瞭である。中央構造線の位置の正確な把握は,たとえば地盤の違いを反映した地震動予測に資することや,中部日本における中央構造線の折れ曲がりのより正確な説明を与える上でも重要である。本論は伊勢地域(玉城町・伊勢市)に存在する(1)美和ロック玉城工場,(2)伊勢市役所,(3)伊勢観光文化会館のボーリングコアの岩石学的検討を行うとともに,伊勢市内のその他の建設基盤調査資料や,玉城町大池の断層岩類,領家帯に分布すると考えられる宮川沿いの中新統礫岩,伊勢市内に存在する三波川結晶片岩の露頭など,限られた露頭の地質調査結果から,中央構造線の位置をより正確に求めることができた。今回の調査で,三波川変成岩が一部に露出している伊勢神宮外宮に存在する中央構造線が正宮付近に想定され,ジオツーリズムとリンクしたその教育的活用が望まれる。