著者
高木 友雄 柳田 勇
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 1960-01-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

強リン酸-ヨウ素酸分解法による窒素定量は従来水溶性無機物および普通の有機物について発表されたが,カルシウムシアナミドのように不純物としてアセチレンガスを発生する物質については従来の方法では測定できない.よって別個の操作法を研究した.すなわち試料を一定量の強リン酸と予備加熱して溶解し,試料より発生する不純物ガスと強リン酸中の空気を追放し,冷後ヨウ素酸カリウムを加えて加熱測定する.別に一定量の強リン酸をとり,これにヨウ素酸カリウムを加えて加熱し,強リン酸中にブランクとして含まれるアンモニァを炭酸ガスブランクとともに測定して差し引くこととした.ケルダール法で数時間を要するが本法では操作時間25分以内である.測定平均値はケルダール法にほとんど一致する.
著者
栗田 健 高木 峰子 木元 貴之 小野 元揮 吉田 典史 中西 理沙子 山﨑 哲也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101721, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】われわれは過去に投球障害肘患者(以下肘群)と投球障害肩患者(以下肩群)において手内筋である母指・小指対立筋(以下対立筋群)の機能不全について検討をしたところ,肘群が肩群より有意に機能不全を認めた.さらに対立筋群機能不全を多く認めた肘群において, 非投球側に対立筋群の機能不全がある場合,投球側にも機能不全を認めた.また,この対立筋群の機能不全は,筋や骨などの成長が関与している可能性が考えられた.そのため,今回は年齢により対立筋群に機能不全の差が認められるのかどうかを検討したので報告する.【方法】対象は投球障害で当院を受診した45名の投球側45手とし,他関節の障害の合併や既往,神経障害および手術歴を有する症例は除外した.性別は全例男性で,年齢によりA群10歳~12歳,B群13歳~15歳,C群16歳~18歳の3群に分けた.評価項目は,投球時のボールリリースの肢位を想定した対立筋群テストとし,座位にて肩関節屈曲90°位にて肘伸展位・手関節背屈位を保持して指腹同士が接するか否かを観察した.徒手筋力検査法の3を基準とし,指腹同士が接すれば可,IP関節屈曲するなど代償動作の出現や指の側面での接触は機能不全とした.なお統計学的解析には多重比較検定を用い,3群間に対し各々カイ二乗検定を行い,Bonferroniの不等式を用いて有意水準5%未満として有意差を求めた.【倫理的配慮、説明と同意】対象者に対し本研究の目的を説明し同意の得られた方のデータを対象とし,当院倫理規定に基づき個人が特定されないよう匿名化にてデータを使用した.【結果】各群の人数は,A群9名,B群17名,C群19名であった.また,機能不全の発生率はA群33.3%,B群52.9%,C群47.3%であり,各群間のカイ二乗検定では,A群×B群(p=0.34)A群×C群(p=0.48)B群×C群(p=0.738)となり,すべての群間において有意差は認められなかった.【考察】一般的なボールの把持は,ボール上部を支えるために示指・中指を使い,下部を支えるために母指・環指・小指を使用している.手内筋である母指・小指対立筋は,ボールを下部より効率よく支持するために必要である.ボールの把持を手外筋群によって行うと,手関節の動きの制限や筋の起始部である上腕骨内側上顆に負担がかかることが示唆される.過去の報告から投球障害における母指・小指対立筋機能不全は投球障害肘群に多く認めることが分かっている.しかし手指の対立動作は骨の成長による影響や運動発達による影響など,年齢による影響がある可能性もあり,機能不全発生の機序までは断定できなかった.本研究の結果から,対立筋群の機能不全は年齢間差が無いことから,年齢を重ねることで機能不全が改善する可能性は否定的な結果であった.また同様に年齢を重ねることで対立筋群の機能不全が増えるわけでもなく,どの年代においても一定の割合で発生している事がわかった。この事から対立筋群の機能不全は骨の成長による影響や運動発達など成長による影響ではなく,癖や元々の巧緻性の低下などその他の要素によって発生していることが示唆された.以上により手内筋による正しい対立機能を用いたボールの把持できなければ投球動作を繰り返す中で肘の障害が発生する可能性が示唆された.その為、投球障害肘の症例に対してリハビリテーションを行う場合には,従来から言われている投球フォームの改善のみではなく遠位からの影響を考慮して,母指・小指対立筋機能不全の確認と機能改善が重要と考えられた.また障害予防の点においても,投球動作を覚える段階で手指対立機能の獲得とボールの持ち方などの指導が必要であることも示唆される.【理学療法学研究としての意義】本研究では対立筋群の機能不全は年齢による影響はないと示唆された.また過去の研究より投球障害肘の身体機能の中で手内筋である母指・小指対立筋に機能不全を多く有することが分かっている.投球障害を治療する際には、対立筋群の機能に着目することが重要と考える.また今回設定した評価方法は簡便であり,障害予防の観点からも競技の指導者や本人により試みることで早期にリスクを発見できる可能性も示唆された.
著者
中原 正幸 永田 聰 高木 圭介 Anwar MAKMUR
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.349-359, 2004-02-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18

インドネシア共和国は, 構造地質的には島弧海溝系で構成される変動帯の中にあり, 日本と同様に複雑な地質構造を有している. 応用 地質的特徴としては, 熱帯気候下での岩石の著しい風化浸食, それを覆う火山堆積物, 広く分布する石灰岩の存在である. これらの地質的特徴が示す地盤特性によって, 地盤災害, あるいは土地利用などが特徴づけられている. ここでは同国での水資源開発の調査経験から, ダム開発, 地下水開発に伴う応用地質的現状を示すとともに, 現場での技術的対応事例について示した.
著者
高木 徹 木谷強
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.74-84, 1999-11-15
参考文献数
26

大規模な文書データベースを対象とするフルテキスト検索では検索ヒット件数が多くなる傾向があるため ユーザの検索作業を支援する観点から 検索結果に対して重要度を付与する必要がある.本論文では 重要度算出方法として文書内における検索語の出現共起情報を用いる手法を提案する.単語の共起情報として、近接出現距離 共起検索語間の関連性 および共起検索語の重要度を用いて共起重要度を算出し 単語頻度情報から得られる文書の重要度と組み合わせて重要度を算出する.日本語の情報検索評価用テストコレクションを使用し 単語頻度情報のみによる重要度付与手法と 共起情報を考慮した提案手法を比較した.この結果 提案手法の平均適合率が約0.098向上(従来手法と比較した場合の向上率37%)することを確認した.Full text search from huge databases tend to give a great number of retrieved documents. To help user's retrieval work, it is necessary to rank them according to their relevance. This paper describes a relevance ranking method using information obtained from query word cooccurrences appearing in the retrieved documents. Distance between query words, their relative relationships in the database, and importance of query words are considered to decide the document relevance. Combined with traditional word frequency ranking, an overall relevance of retrieved documents is calculated. The traditional method alone and the combined method are compared using a test collection consisting of Japanese newspaper articles. Experimental results show that the proposed method improves retrieval recall about 0.098, or 37%compared to the traditional ranking method.
著者
市原 清志 細萱 茂実 奥谷 竜太 吉本 茂 井藤 一久 亀子 光明 栢森 裕三 高木 康 中野 幸弘 芳賀 利一 本永 秀夫 中 甫
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.280-294, 2006-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
20
被引用文献数
4

Practicality of the guideline “Protocols for determination of limiits of detection and limits of quantitation (EP17)” issued by NCCLS was evaluated both theoretically and experimentally by the JSCC Committee on Quality Management, In this report ISO 11843 document describing the concept of detection limits was reviewed and the NCCLS guideline was interpreted and summarized. The following two modifications were made to the guideline based on results of the evaluation: (1) methods for selection and preparation of blank specimens are presented and (2) use of so-called precision profile, which is constructed from replicate measurement of multiple clinical specimens, was proposed as a practical way of determining limits of quantitation.
著者
速水 敏彦 木野 和代 高木 邦子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-8, 2004-12-27
被引用文献数
1

A new construct "Assumed-Competence based on undervaluing others (AC is short for the construct)" was proposed to explain adolescents' behaviors in these days. AC was defined as the habitual feeling of competence that would be followed by one's criticizing or undervaluing others regardless of how much he/she had directly positive or negative experiences. To measure the individual differences of AC, the assumed-competence scale (ACS is short for the scale) consisting of 11 items was constructed. The purpose of this study was to examine the construct validity of ACS by showing the relations with several psychological constructs which have logical associations with AC. In the meanwhile, self-esteem (SE is short for it) mean true competence based on really positive and negative experiences. That is, SE could be clearly discriminated from AC. Thus, to make clear discriminating validity of ACS, SE was measured as well as AC when the relations with other psychologicl constructs were investigated. Seven psychological constructs we used here as criteria of validity were (1)locus of control, (2)public and private self-awareness, (3)loneliness, (4)sympathy, (5)emotion of anger. (6)pleasure and displeasure experiences (during lately three months) and (7)life satisfaction. Participants were 124 junior college students, 258 university students and 11 graduate students. Correlation coefficients between AC,SE and seven psychological constructs were calculated. The results were interpreted by focusing only significant correlations. Concerning self, although SE was related positively to internal control, AC was not, whereas positive relation between ACS and private self-awareness was shown. Next, regarding with interpersonal relationship, AS had positive relations to loneliness, that is, the persons whose AS are high thought that human could not understand each other and they were strongly aware of individuality. Also negative correlation was presented between AC and sympathy. In the meantime, SE had no relation to the variables of interpersonal relationships. In tern, emotion as a criterion of validity was examined. AC was related positively with trait-anger, expression of anger and displeasure experiences in academic and friendship situations. Furthermore, AC had negative relation to life satisfaction. On the contrary, SE was correlated positively with pleasure experiences and life satisfaction. Based on the results mentioned above, we judged ACS to have construct validity to some extent. Finally we suggested the possibility of classification of AC in the relation with SE.国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
八木 稔 高木 律男 西田 康文
出版者
新潟大学
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.11-15, 2004
被引用文献数
1

Survey of temporomandibular joint (TMJ) functions, which include muscle and/or TMJ pain, TMJ sounds and difficulty of mouth opening, were performed in 1999 by self-filling questionnaire. Subjects were 380 adolescents in a junior high school in Niigata Prefecture, Japan. Analysis was undergone for 348 respondents. Distribution of free from, present of and no answer to muscle and/or TMJ pain was 74.7%, 23.3% and 2.0%, respectively. Similarly, the distribution of TMJ sounds was 68.1%, 30.2% and 1.7%, and the distribution of difficulty of mouth opening was 89.7%, 8.6% and 1.7%. There found no statistical difference in gender and school grade. Prompt measures should be taken to deal with the temporomandibular disorders. Development of accurate screening system for temporomandibular disorders in school dental health is also required.新潟県の1中学校の生徒380名を対象に、1999年、自己記入式のアンケートによって口を開閉するときの痛み(咀嚼筋または顎関節部)、顎関節の音および開口障害の有無に関する発現状況を調べた(回答348名)。口を開閉するときの痛みの有無については、「ない」と回答した者が74.7%であり、ある23.3%、回答なし2.0%であった。また、口を開閉するときの音の発生については、「ない」と回答した者が68.1%であり、ある30.2%、回答なし1.7%であった。さらに、口の開閉が困難であるか否かについては、「ない」と回答した者が89.7%、ある8.6%、回答なし1.7%であった。これらの症状いずれにおいても、性別および学年間とも回答に統計的に有意な差はなかった。その症状の発現状況をみれば、学校歯科保健において、事後の対応と適切な診査方法の開発が求められている。
著者
高木 繁光
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.355-379, 2005-12

本論はドイツの二つの零年に撮られたベルリンについての三つの映画の分析を通して映画的イメージの特性を考察する。『ドイツ零年』においてロッセリーニは、廃墟のベルリンを地獄絵図として描く。そこに属することを拒む少年は繰り返し螺旋階段を上り、ついには死へと身を投じる。この反復的な垂直方向の運動とともに、スクリーン上を幾度も横切る路面電車の水平方向の運動が、映画の構図上の基本線をなしている。ターナーの『ベルリン特急』は様々な数字の反復によって構成され、特に2はこの映画の主題である分身性、類似したものの反復を示している。車窓はスクリーンとしてメタ映画的な機能を果たし、そこにフランクフルトとベルリンという二つの街が破壊され瓦礫となり似通った風景として反復的に映し出される時、それらは都市としての固有性、一回性を失い、幽霊のような類似した二つのイメージとなって重なり合う。それは、一回限りのものから固有性を奪い、複製、コピーという反復的イメージを作り出す映画の本質に対応している。『新ドイツ零年』も相似、分身を表す2の反復によって構成されている。この映画は、「存在と非在」、歴史と精神の間を「揺れながら」、幽霊的な主体の複数性において回帰と逃走を繰り返す歴史という女性(たち)の「物語」である。ゴダールは、この超時間的な「物語」をとおして、第二の「零年」という一回的な時間を「闇の音楽」として聴かせようとする。Die Abhandlung fragt anhand einer Analyse von drei Filmen über Berlin nach dem gespensterhaften Wesen der filmischen Bilder. In Germania Zero zeichnet Rossellini die zerbomte Stadt Berlin als eine Hölle, die einen Knaben zum Selbstmord treibt. Er geht wiederholt die Spiraltreppen hinauf, die ihn zuletzt zum Tod führen. Mit diesen vertikalen Bewegungen bestimmen die horizontalen Bewegungen der Straßenbahnen die Grundkomposition des Films.Im Berlin Express Tourneurs werden auf das Fenster des Zugs, das als Leinwand funktioniert und metafilmisch das Wesen des Films enthüllt, die Anblicke der zerstörten Städte Frankfurt und Berlin projiziert. Die beiden Stadtbilder sind durch die Zerstörung ähnlich geworden: sie haben ihre Eigenartigkeit als Stadt verloren und ähneln sich wie gespensterhafte Doppelgänger. Allemagne année 90 neuf zero ist durch die Wiederholung der Zahl 2 gekennzeichnet, die auf Ähnlichkeit und Doppelgänger hindeutet. Hier ist von „jeunes filles sans uniforme" die Rede, die als gespensterhafte plurale Erscheinungsform der Geschichte selbst zwischen Sein und Nichtsein, Geschichte und Geist oszillierend immer auf die Welt wiederkehren und wieder erneut verschwinden.
著者
木原 玄悟 吉本 勇太 堀 琢磨 高木 周 杵淵 郁也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.865, pp.18-00193, 2018 (Released:2018-09-25)
参考文献数
33

We constructed a coarse-grained (CG) water model based on non-Markovian dissipative particle dynamics (NMDPD) taking into account memory effects. The NMDPD equation of motion was derived from a generalized Langevin equation formulated via the Mori–Zwanzig (MZ) projection operator. We extracted a CG pair potential and memory kernels between clusters comprising 10 water molecules by means of molecular dynamics (MD) simulations. We found that the MZ-guided CG potential followed by an iterative Boltzmann inversion correction resulted in an accurate representation of both a radial distribution function and pressure. Furthermore, in contrast to Markovian DPD, the NMDPD model exploiting MZ-guided memory kernels could reproduce short-time dynamics originating from molecular collisions, which was characterized by decaying nature of a velocity autocorrelation function (VACF). The NMDPD model was also able to reasonably represent the viscosity of the MD system compared to the conventional DPD, where interaction parameters were phenomenologically tuned such that a few macroscopic properties were reproduced, leading to a significant underestimation of a viscosity or Schmidt number. Finally, the differences of the viscosity and long-time behavior of the VACF between MD and NMDPD systems implied the necessity of a more appropriate description for a one-to-one correspondence between a CG particle and a water cluster.
著者
人見 英里 高木 麻理子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.53-61, 2009-03-31
被引用文献数
1

本学学生食堂について、平成19年の前期、後期それぞれ2週間について利用者数を調査した。その結果、利用者数は曜日によって変動はあるものの1日230人程度、そのうち約半数はメニューを利用しない持ち込み利用者であった。講義の開講数と食堂利用者数は必ずしも連動していなかった。最も多く利用されているメニューは上位から日替わりランチ、カツ丼、豚玉丼、から揚げ丼であり、これらが全食数に占める割合は約50%であった。提供されているメニューについて食事バランスガイドを利用したサービング数を調べたところ、多くのメニューで副菜のサービング数がないか、または少なかった。バランスのよいメニューとしては日替わりランチがあり、食堂業者との協議の結果、これをさらに充実させ「野菜たっぷりメニュー」として提供してもらうことができた。また、食堂改善のための取組みとして、山口農政事務所との共催で食事バランスガイドキャンペーンの実施、食事バランスガイドを利用したメニュー表示の更新、女子学生向けランチメニューの開発と提案を行なった。
著者
高木 斗希夫 湯浅 景元 Tokio TAKAGI Kagemoto YUASA
雑誌
中京大学体育学論叢 = Research journal of physical education Chukyo University (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.47-51, 2002-11-08

野球のバッティングにおける腰の回転と下肢の長軸回りの回転の様子を明らかにするため、鉛直上方より右打者において打撃動作中の腰角度および長軸回りの右脚角度を求めた。また、独自の器具を打者の右腰および右膝に装着させ、打撃動作に伴う腰の動きと右脚の動きの関連性について調べた。その結果、以下の結果が得られた。1) バットのヘッドスピードの速い打者はスイング前半から腰の回転が右脚の内旋よりも先行して行われていた。また、L (右側腸骨外側延長点から右膝外側延長線まで延ばした垂線の距離) の値は打撃動作に伴い減少し、打撃動作の比較的早い段階で0に達していた。2) バットのヘッドスピードの遅い打者はスイング前半から腰の回転に比べ右脚の内旋が先行して行われていた。また、Lの値は-192msecから増加傾向を示し、インパクト直前で0に達していた。
著者
藤永 太一郎 高木 修
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.67-69, 1965
被引用文献数
1

塩素量測定の国際方式は標準海水を用いるMohr法銀滴定であるが,これまでそれについての詳しし滴定誤差の検討が行なわれていなかった。著者らは塩化ナトリウムと硝酸銀の濃度を種々に変えて滴定誤差を求め, Cl<sup>-</sup>の濃度が大きくなるにつれて誤差は大きくなるが,硝酸銀の濃度には関係しないことを見いだした。この誤差が塩素量決定にいかなる影響を与えるかを見るために標準海水を標準とする場合の誤差を理論的に求めたが,それらの滴定誤差が許容誤差&plusmn;O.01&permil;の範囲内におさまることがわかった
著者
藤永 太一郎 高木 修
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.142-143,A8, 1966
被引用文献数
1

塩素量測定の国際方式は滴定の方法としてMohr法銀滴定を定めているが,わが国ではFajans法も採用されている。しかしFajans法による滴定誤差は広い範囲の塩素量については検討されていなかった。著者らはこの滴定誤差を種々の濃度の塩化ナトリウム溶液を用い電位差法と比較することによって求めたが,その結果精度確度ともにMohr法より高く塩素量の誤差は偏差も含めて許容値の範囲内にあることがわかった。
著者
高木 雅昭 岩船 由美子 山本 博巳 山地 憲治 岡野 邦彦 日渡 良爾 池谷 知彦
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.130, no.7, pp.651-660, 2010-07-01
参考文献数
19
被引用文献数
3 1

In the power sector, the national government has set the goal that the introduction of PV reaches 53 million kW by 2030. However, large-scale introduction of PV will cause several problems in power systems such as surplus electricity. We need large capacity of pumped storages or batteries for the surplus electricity, but the construction costs of these plants are very high. On the other hand, in the transport sector, Electric Vehicle (EV) is being developed as an environmentally friendly vehicle. To promote the diffusion of EV, it is necessary to build infrastructures that can charge EV in a short time; a battery switch station is one of the solutions to this problem. At a station, the automated switch platform will replace the depleted battery with a fully-charged battery. The depleted battery is placed in a storage room and recharged to be available to other drivers. In this study, we propose the use of station's battery as a countermeasure for surplus electricity of PV and evaluate the economic value of the proposed system. We assumed that 53 million kW of PV is introduced in the nationwide power system and considered two countermeasures for surplus electricity: (1) Pumped storage; (2) Battery of station. The difference in total annual cost between Pumped case and Battery case results in 792.6 billion yen. Hence, if a utility leases the batteries from stations fewer than 792.6 billion yen, the utility will have the cost advantage in Battery case.
著者
岡田 陽介 高木 佐恵子 岩崎 慶 吉本 富士市
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13(2007-CG-126), pp.103-108, 2007-02-20

本稿では、人間の顔の3次元形状データを、一般に美しいとされる顔がもつ特徴を有するように変形するシステムについて報告する。変形対象は、眉、目、鼻、口、輪郭とし、形状と配置の美化を行う。美化の程度は、入力パラメータによって制御可能であり、ユーザの好みに合わせた美化モデルを作成できる。提案システムおよび生成された顔モデルについて実験を行った結果、提案システムの有用性を確認した。
著者
高須 毅 高木 摂夫 間口 四郎 福田 諭 犬山 征夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.805-809, 1991-07-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
15

鼻過敏症における, 心因, 自律神経の関与について知るため, 鼻アレルギー患者47名, 血管運動性鼻炎患者15名に, TOHO MEDICAL INDEX (TMI) を施行し, 以下の結論を得た.1. 鼻アレルギー患者と血管運動性鼻炎患者との間には, 神経症的傾向, 自律神経失調症的傾向に差は見られなかつた.2. 鼻過敏症患者は, 全身的な自律神経失調状態に傾いている傾向を見せた.3. 鼻過敏症患者では, 自覚症状が強い程, 自律神経性愁訴, 精神性愁訴が多く, 自律神経的, 精神的背景が自覚症状の重症化に関与している可能性があると思われた.4. 重症化, 難治化している鼻過敏症患者の状態を把握し, 治療方針を決定する上で, TMIは簡便で有用である.