著者
高松 邦彦 大石 哲也 松本 清 西山 慶太 野田 育宏 今井 匠太朗 伴仲 謙欣 村上 勝彦 岸田 あおい 中田 康夫 森 雅生
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 第11回大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.12-17, 2022-11-11 (Released:2022-12-20)

我々は、 “Education”と“Informatics”を結合させた Eduinformatics という学際・融合領域を提唱してきた。また近年、Eduinformatics にもとづいた高等教育における Institutional Research(IR)、Digital transformation(DX)、Information and Communication Technology(ICT)の持続可能性(Sustainability)について、Feasibility-Sustainability Matrix(FS マトリクス)を使用した Feasibility-Sustainability Analytics(FS 分析)を提唱している。本研究においては、神戸常盤大学と東京工業大学の 2 大学における FS 分析の実践を報告し、さらに、IR 業務の持続可能性を向上させる方法を提案する。
著者
高松 亮太
出版者
国文学研究資料館
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究では、近世期を代表する和学者賀茂真淵が評注を加えた系統の『金槐和歌集』諸本について網羅的な調査を行い、系統分類を試みるとともに、その伝播状況を考察し、近世後期から明治初期までの真淵学受容の実態を把握する足掛かりとした。その結果、真淵の評注が数度に亘るものであったこと、また伝播の過程で書き換えや加注が行われたこと、注が変容していくさま、加注に関与した人物、茂吉の実朝研究における諸本の位置付けなどについて新たな知見を加えることができた。また、その作業を通して、真淵の孫弟子上田秋成やその周辺の万葉学などの諸活動を跡付けられたことも重要な成果であった。
著者
末永 隆次郎 前田 勝義 山田 統子 沖 真理子 照屋 博行 高松 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.134-146, 1986-07-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

過去のいちごハウス栽培者の健康調査成績から, いちご栽培作業では、腰部等への負担の大きいことが推測された。そこで、年間を通してのいちご栽培者の生活時間構造を明らかにするとともに、収穫i期における収穫作業と選果・箱詰作業について、腰部を中心とした労働負担の調査を実施した。作業姿勢の面からみると, 収穫作業においてはいちごの生物学的制約から中腰姿勢を強いられ, 選果・箱詰作業では畳の上などでの坐位姿勢が中心であった。そして, いちご栽培者の腰部等への負担を明らかにするために, なす栽培者を対照として自覚症状および疲労部位調査を実施するとともに, 脊柱の柔軟性の測定を行なった。その結果, いちご栽培者は腰部に関する疲労症状の有訴率が高く, 脊柱の柔軟性も劣ることが明らかとなった。次に, いちごの収穫時と選果・箱詰時の代表的.な作業姿勢を実験室内で再現し, 表面筋電図を用いて筋負担の程度を検討した。また, 収穫時に無意識にとられていた “肘一膝” 中腰姿勢については, 腰部等への負担軽減姿勢と考えられたが, 筋電図による解析結果と生体力学的解析結果とから判断して, この姿勢は筋負担の軽減よりも, むしろ腰仙関節にかかる力のモーメントの軽減, すなわち骨, 関節, 靱帯などに対する負担の軽減によるものと推測された。最後に, いちご栽培者の腰部を中心とする慢性局所疲労の軽減策について考察を加えた。
著者
佐々木 優 杉山 拓洋 高松 良光 但馬 匠 寺島 玄 林 伸和
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.1463-1470, 2022-05-20 (Released:2022-05-20)
参考文献数
6

レセプトデータベースを用いて2020年の集簇性痤瘡の患者数と患者背景,診療科,処方薬について調査した.分析対象者8,521,265人中,集簇性痤瘡患者は2,726人で,有病率0.032%,本邦の推計患者数は29,171人であった.内服抗菌薬の処方は72.3%,うち年間91日以上が10.3%であった.一方,外用抗菌薬の処方は70.4%で,うち年間101 g以上が6.3%であった.診療科は一般外科が19.5%であった.治療に難渋し,抗菌薬の長期投与や外科的処置が行われている現状が示唆された.
著者
氷見 奈々絵 栗原 祐史 筑田 洵一郎 高松 弘貴 笹間 雄志 代田 達夫
出版者
公益社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.411-415, 2020-08-20 (Released:2020-10-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We report a case in which an impacted supernumerary tooth migrated from the mandibular ramus to the mandibular coronoid process. A 19-year-old male underwent a panoramic X-ray for orthodontic treatment at the age of 14 years. An opaque region with a well-defined border was seen at the front edge of the right mandibular ramus. Since the right lower third molar was also present, the opaque region was diagnosed as an impacted supernumerary tooth. Imaging examinations, performed every 2 years, showed that the impacted supernumerary tooth gradually moved from the mandibular ramus to the mandibular coronoid process. Thus, the patient visited our department to undergo detailed examinations and treatment. On panoramic X-ray and CT performed at the patient’s first visit to our department, the impacted supernumerary tooth had a total length (root axis) of about 10 mm, the tooth axis was located at the upper end of the right mandibular coronoid process, and part of the tooth was located outside of the tip of the mandibular coronoid process. Under general anesthesia, the impacted supernumerary tooth was extracted. Since the mandibular coronoid process was thin, it was resected during removal of the supernumerary tooth. There was no trismus or mandibular deviation 1 year after the operation.
著者
永井 仁美 下内 昭 高松 勇
出版者
日本小児呼吸器疾患学会
雑誌
日本小児呼吸器疾患学会雑誌 (ISSN:09183876)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.130-136, 2009-01-31 (Released:2011-01-25)
参考文献数
4

小児結核患者数が減少しており, 小児結核対策は集団的・一律的対策よりも個別的・重点的対策に比重を移していくべきである。そこで, 大阪地区では「医療機関・保健所の合同症例検討会」を2003年度より連続4年間実施している。その年度に登録された小児結核患者症例を, 医療機関と保健所が一堂に会して検討することにより, その予防, 治療支援, 患者背景などに関して共通の理解を得, また共同していく基盤を確立し, 実際に小児結核患者の治療支援や発生予防に活かしてきた。4年間で参加者の人数は増加傾向にあり, 医師・保健師・看護師のみならず多職種の参加が見られてきた。全国的に見ると, 小児結核患者の発生は, 都市部に多く見られており, この検討会方式の対策は, 今後全国の都市部における結核対策への拡大が可能であり今後の行政施策に大きく貢献できる可能性がある。
著者
高松 亮太
出版者
日本近世文学会
雑誌
近世文藝 (ISSN:03873412)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.17-30, 2021

The aim of this paper is to explore the cultural significance of the collaboration of Kamo-no-Mabuchi and Tayasu-Munetake in the study of "yūsoku-kojitsu" or usages and practices of the ancient court and the samurai class. Referring to his other writings, postscripts, and marginal notes, here I chronologically trace Mabuchi's progress in research to foreground the important role played by Munetake in the study. Indeed their collaboration affected Mabuchi's study of classical literature as is typically seen in <i>Genji-monogarari-shinshaku</i>. Finally it is pointed out that Mabuchi and Munetake worked together on "yūsoku-kojitsu" in the historical context of reconciliation between the imperial court and the Tokugawa shogunate.
著者
高松 衛
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.646-648, 2005-09-01
被引用文献数
3

The characteristics of human visual sense change widely according to the ambient environment. This study is aimed at measuring, on quantitative terms, the visibility of colored light in dense fog. Visibility was measured with four subjects, each with a normal color vision, using colored Landolt rings. As a result, it was found that in dense fog, the visibility of yellow color was at the highest level, and that of blue color at the lowest level : and the visibility decreased even with a larger particle diameter.
著者
崔 鳥淵 高橋 英幸 板井 悠二 高松 薫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.119-129, 1998-02-01 (Released:2010-12-10)
参考文献数
21
被引用文献数
8 8

本研究では, 筋力トレーニングにおける一般的な手段であるパワーアップ型手段とバルクアップ型手段の筋の形態および機能の面からみたトレーニング効果の相違を, 膝伸展運動による週2回, 8週間のトレーニング実験を通して比較検討した.被検者には, 健常な一般成人男子11名を用いた.パワーアップ型群 (5名) には, 1RMの90%の負荷で5セット行わせた.セット間には3分間の休息をとらせた (レペティション法) .一方, バルクアップ型群 (6名) には, 1RMの80~40%の負荷で9セット行わせた.セット間には30秒~3分間の休息をとらせた (インターバル法・マルチパウンデツジ法) .おもな結果は次の通りである.1.大腿四頭筋全体および大腿四頭筋を構成する各筋の筋断面積の増加率は, いずれもバルクアップ型群がパワーアップ型群より有意に高い値を示した.2.1RM, 等尺性最大膝伸展力および等速性最大膝伸展力 (角速度, 60・180・300deg/sec) の増加率は, 実測値および筋断面積あたりの相対値ともに, パワーアップ型群がバルクアップ型群より高い値を示した.このうち, 1RMの実測値, 60deg/secの角速度による等速性最大膝伸展力の実測値を除くすべての項目に有意差が認められた.3.等速性平均膝伸展力 (角速度, 180deg/sec; 試行回数, 50回) の増加率は, 実測値および筋断面積あたりの相対値ともに, バルクアップ型群がパワーアップ型群より有意に高い値を示した.また, 連続50回にわたる等速性膝伸展力の低下率は, トレーニングが進むにつれてバルクアップ型群では小さくなるのに対して, パワーアップ型群では顕著な変化は認められなかった.上述の結果は, パワーアップ型手段はおもに筋力・無気的パワーの増大に, バルクアップ型手段はおもに筋肥大および無気的持久力の増大にそれぞれ有効であることを示すものである.これらの結果は, 筋力トレーニングでは, 特性の異なるパワーアップ型手段とバルクアップ型手段を, 各人の目的に即して適切に使い分けることが重要であることを示唆するものである.
著者
高松 千尋
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

ヨアヒム・フォン・ザントラルトの著書『高貴なる建築・彫刻・絵画のドイツ・アカデミー』(1675-1679年、ニュルンベルク)について研究する。同書は17世紀に出版された画家伝兼絵画理論書であるが、その研究は未だ断片的なものにとどまっている。その資料的価値は近年ようやく認められつつあり、今後美術史研究の一次資料として重要性を強めていくと思われる。本研究ではザントラルトがローマで直接交際した北方の画家たちを対象とし、『ドイツ・アカデミー』中の伝記を他の画家伝と比較することで、その記述内容や芸術観の特質を明らかにする。
著者
高松 道生
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.750-758, 2014

2004年度から開始された新医師初期臨床研修制度において2010年度から地域医療研修が必修となったのを受けて, 管理型臨床研修病院との連携を元に2011年度から地域医療研修枠での研修医受け入れが当院で開始された。研修のコアは「生活現場の体験」と「医療・福祉連携」とし, 地域医療部の院外事業と回復期リハビリテーションを中心にプログラムを組んで研修を行なった。研修医からは生活現場での体験が新鮮であったとの声が聞かれる一方で, リハビリテーションは関わりが限定的で見学に留まってしまうとの意見が出されたため, 2012年度はその反省を元に生活現場でのプログラムを増やす一方でリハビリ研修を工夫し, 研修医から「集中力を維持できる」研修との評価を受けられるようになった。我々のプログラムは医療・福祉連携の重要性を教育し, 「命と臓器」の先にある最終エンドポイントとしての「生活」に目を向ける契機となる事を目的とした研修であったが, その目的を概ね達成できているものと評価している。 「人口の波」を控えて急性期医療機関と亜急性期医療機関, 慢性期医療機関と在宅・施設の連携 (入口連携-出口連携) は重要性を増しており,「社会が必要とする医師」の養成は喫緊の課題である。日本農村医学会が地域医療研修を重要課題の一つとして位置づけ, 学会を挙げてその質の向上と標準化に取り組むと共に, 社会にその重要性を発信してゆく事が必要と考える。
著者
高松 徹 大竹 はるか 上原 健志 新藤 雄司 池谷 敬 東海 浩一 池田 正俊 牛丸 信也 浅野 岳春 松本 吏弘 岩城 孝明 福西 昌徳 鷺原 規喜 浅部 伸一 宮谷 博幸 吉田 行雄
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.695-700, 2012 (Released:2012-11-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

症例は50歳の女性.繰り返す膵炎と心窩部痛の精査目的に当院紹介.造影CT,USで腫瘍や膵管・胆管拡張は認めなかったが,胆道シンチグラフィにて十二指腸への胆汁排泄遅延を認めた.入院時血液検査所見(無症状時)では肝胆道系,膵酵素,IgG4値の異常は認めなかった.ERCP所見は胆管挿管困難にてprecut施行後に胆管造影・IDUS実施したが器質的閉塞は認めなかった.主乳頭からは膵管像得られず,副乳頭からの膵管造影で背側膵管のみ造影された.膵炎の原因は膵管癒合不全と診断し,副膵管口切開術を施行した.また,biliary typeの十二指腸乳頭括約筋機能不全(SOD)も合併していると診断し,乳頭括約筋切開術も同時に施行した.その後,内視鏡的乳頭バルーン拡張術の追加を要したが,以後は膵炎の再燃も認めず自覚症状も改善している.膵管癒合不全を伴ったSODの報告は稀であり若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
高松 哲郎 原田 義規 南川 丈夫
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

手術において末梢神経を温存することは,器官機能の温存だけでなく,患者のQOLにおいて重要な役割を担う.本研究では,研究代表者らがこれまで行なってきたラマン散乱光を用いた組織観察法を基盤に,末梢神経を非侵襲かつin vivo検出可能なラマン顕微鏡システムの開発を行った.特に,深部組織診断可能な近赤外光に対応したラマン顕微鏡の開発,末梢神経および周辺組織に特徴的なラマンスペクトルの探索と散乱分子骨格の同定,および末梢神経を選択的に検出する解析アルゴリズムの開発を行い,ラマン散乱分光法に基づく末梢神経の分子構造解析および選択的検出が実現可能であることを示した.